① 民法・その他法令(前半)
59問管理業務の法的土台となる民法の総則分野を学びます。特別法と一般法の関係、契約の成立、諾成契約、債権と債務といった基本概念に加え、公序良俗・無効と取消し・心裡留保・虚偽表示・錯誤・詐欺・強迫など、意思表示に関するルールが中心です。マンション管理では区分所有者・管理組合・管理業者の間で多くの契約や意思表示が交わされるため、その効力を判断する基礎知識が問われます。専門用語の定義と要件を条文に沿って正確に押さえるのが得点のコツです。
② 民法後半・宅建業法・品確法
60問民法の各論と、宅地建物取引業法・住宅品質確保促進法(品確法)を扱う分野です。共有物の管理、委任契約の解除、抵当権といった財産法のルールに加え、宅建業者が自ら売主となる売買での買主保護特約、品確法に基づく瑕疵担保責任などが問われます。マンションの売買・管理委託・区分所有権の権利関係を理解するうえで欠かせない法律群で、民法の原則と特別法による修正の関係を意識して整理すると、条文の適用場面を正しく判断できるようになります。
③ 区分所有法(前半)
59問マンション法制の中核をなす区分所有法の基礎を学ぶ分野です。専有部分となるための要件、法の適用対象となる建物、共用部分の持分割合の算定基準、規約共用部分の登記、管理者の選任決議など、区分所有建物の権利構造の骨格が問われます。専有部分と共用部分の区別、持分の考え方は本試験で繰り返し出題される最重要テーマです。用語の定義と原則・例外を条文単位で押さえ、後半分野で扱う集会や決議の理解につなげましょう。
④ 区分所有法(後半)・団地・被災法
60問区分所有法のうち、管理組合法人・集会・決議・団地の規定と、被災区分所有建物再建等特別措置法(被災マンション法)を扱う分野です。理事や監事の任期、集会の招集通知期間、建替え決議の招集手続、規約の設定・変更・廃止の決議要件など、数字を伴う要件が多く出題されます。定足数や賛成割合(過半数・4分の3以上など)は混同しやすいため、決議事項ごとに要件を一覧化して覚えるのが効果的です。団地・被災時の特則も取りこぼさないよう整理しましょう。
⑤ マンション標準管理規約
67問国土交通省が示すマンション標準管理規約を学ぶ、本検定で最も出題数の多い分野です。規約制定の目的、専有部分と共用部分の境界の考え方、バルコニー等の専用使用権と保存行為、駐車場使用契約、専用に供される設備の帰属などが頻出です。標準管理規約は各マンションが規約を定める際のひな形であり、区分所有法との関係を理解しながら条文の趣旨を押さえることが重要です。実務に直結する内容が多く、区分所有法と対比して条文の位置づけを整理すると理解が深まります。
⑥ マンション管理適正化法
60問マンション管理業者や管理業務主任者を規律する、この資格の根拠法である「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」を学ぶ分野です。法の目的、マンションの定義、管理業者の登録の有効期間・更新申請の時期・登録拒否事由、管理業務主任者の設置義務や重要事項の説明などが問われます。合格後に業務で直接関わる知識であり、期間や人数などの数字要件が多いため、条文ごとに正確に暗記することが求められます。管理業務主任者制度の中核をなす最重要法令です。
⑦ 標準管理委託契約書
63問管理組合と管理業者が結ぶ契約のひな形である、マンション標準管理委託契約書を学ぶ分野です。基幹事務(管理費等の収納・保管、出納、会計、維持修繕の企画調整)の範囲、管理員業務・清掃業務・設備管理業務の再委託の可否、管理事務の報告時期、長期修繕計画案の作成業務の扱い、中途解約の申入れ時期などが問われます。管理業者の実務そのものを規定する契約書であり、どの業務が基幹事務に当たるか、再委託や報告のルールを正確に区別できるかが得点の分かれ目になります。
⑧ 管理実務の法律・会計
59問管理費等の滞納回収や登記など、管理実務で必要となる法律・会計知識を扱う分野です。少額訴訟の対象・移行・利用回数制限・不服申立て、支払督促の申立て先や督促異議の期間、不動産登記法の一物一権主義や権利部甲区の記録内容、区分建物の表題登記・所有権保存登記などが問われます。滞納債権の回収手段や登記のしくみは実務直結の頻出テーマで、各手続の要件・期間・管轄を混同しないよう、手続きごとに整理して覚えることが重要です。
⑨ マンションの建築・設備
59問マンションの建物構造と建築の基礎知識を学ぶ、文系受験者がつまずきやすい分野です。基礎構造(直接基礎・杭基礎)、RC造・SRC造の特徴、ラーメン構造と壁式構造の違い、主要構造部や耐震壁の役割、コンクリートとセメントの性質、スランプ値などが問われます。技術用語が多く暗記量も多いため、構造形式ごとの長所・短所や、コンクリート材料の基本性質を図やイメージと結びつけて覚えると定着します。区分所有法など法律分野と配点を分け合う得点源になり得る分野です。
⑩ 維持保全・建築設備系法令
63問建物の維持保全と、建築基準法などの関連法令を扱う分野です。長期修繕計画の計画期間・見直し頻度、大規模修繕工事の周期、修繕積立金の積立方式、コンクリートの中性化や豆板(ジャンカ)などの劣化現象、赤外線サーモグラフィによる外壁調査、耐火構造・延焼のおそれのある部分・特殊建築物・建築確認といった建築基準法の規定が問われます。ガイドラインが示す修繕計画の考え方と法令上の定義・数値をセットで押さえることが、この分野の攻略ポイントです。