① 財務諸表の基礎・様式
36問財務三表の目的と様式を押さえる土台分野です。貸借対照表(財政状態)・損益計算書(経営成績)・キャッシュ・フロー計算書の役割、勘定式と報告式の違い、資産の部が流動資産・固定資産・繰延資産に区分される構造、売上総利益から当期純利益までの段階利益の計算を扱います。会社法上の計算書類という呼称や決算整理仕訳も頻出です。以降の全分野を読み解く前提となるため、様式と用語を正確に整理しましょう。
② 資産(流動・固定・繰延)
38問資産の分類と表示ルールを学ぶ分野です。営業循環基準とワン・イヤー・ルール(1年基準)による流動・固定の区分が中心テーマで、受取手形や貸付金、有価証券の計上先判定が繰り返し問われます。有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産の区分、のれんやソフトウェアの取扱い、繰延資産(創立費・開業費・株式交付費など)の償却期間も重要です。区分基準がどちらの資産に適用されるかを整理して覚えるのが得点のコツです。
③ 負債・純資産
38問負債と純資産の会計処理を扱う分野です。未払法人税等の計算、営業循環基準・ワン・イヤー・ルールによる流動・固定負債の区分、未払費用・未払金・前受金・預り金の使い分けが頻出です。純資産では、剰余金配当時の準備金積立(配当額の10分の1・資本金の4分の1が上限)、資本金の減少手続、自己株式の控除表示、分配可能額の規制などが問われます。会社法の数値基準を正確に押さえることが合否を分けます。
④ 資産評価
38問資産の評価基準を扱う分野です。中心は有価証券の4区分で、売買目的有価証券(時価評価・評価差額は損益)、満期保有目的の債券(償却原価法)、子会社・関連会社株式(取得原価)、その他有価証券(純資産直入等)と、区分ごとに評価基準と評価差額の処理が異なる点が頻出です。強制評価減や実質価額の著しい低下時の処理、棚卸資産や固定資産の評価も出題されます。区分と処理の対応を表で整理して覚えるのが効率的です。
⑤ 損益計算(PL・製造原価・収益基準)
38問損益計算書の構造と利益計算を掘り下げる分野です。売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益という段階利益の算出プロセス、正常収益力を示す経常利益の意味、販売費及び一般管理費や営業外損益・特別損益の区分が問われます。製造業の売上原価を導く製造原価報告書の構造や、収益認識に関する考え方も出題範囲です。各利益がどの項目を加減して求まるかを正確に押さえましょう。
⑥ 会計原則・引当金・連結・税効果
40問会計の原則と応用論点を横断する分野です。継続性の原則をはじめとする企業会計原則、会計方針変更時の注記、利益操作(利益過大・過少計上)のパターン把握が問われます。あわせて引当金の要件と計上、連結会計の基礎、税効果会計における一時差異(減価償却超過額など)と会計上の利益・課税所得の差異の理解が重要です。論点が多岐にわたるため、原則の趣旨と各制度の目的をひもづけて整理するのが得点のコツです。
⑦ 財務分析の基礎・収益性
40問財務諸表を使った分析の入口となる分野です。実数分析と比率分析、貸借対照表の構成比率を示す百分率貸借対照表、収益性・安全性・成長性といった着眼ポイントの整理が問われます。「勘定合って銭足らず」に代表される収益性と資金繰りの関係、比率法の分類(関係比率・構成比率・趨勢比率など)も頻出です。財務2級は財務分析の応用力が問われるため、各指標が何を測るのかを算式とともに理解することが重要です。
⑧ 安全性・資金分析
40問企業の支払能力と収益の要因を分析する分野です。流動比率・当座比率・固定比率・固定長期適合率など安全性指標の算定式、自己資本比率による財務体質の評価が中心テーマです。ROE(自己資本利益率)の要因分解(売上高利益率×総資本回転率×財務レバレッジ)や、売上単価と数量の変動から利益増減を分解する分析手法も問われます。指標の算式と、その数値が高い・低いとき何を意味するのかをセットで押さえましょう。
⑨ 運転資金・CF・株価評価
40問資金の動きと企業価値評価を扱う総合分野です。所要運転資金(売上債権+棚卸資産-仕入債務)の構造、売掛金の平均滞留期間の算定、正味運転資本、決算資金や税金支払といった資金需要の把握が問われます。キャッシュ・フロー計算書の3区分の読み方や、株価評価に関する指標も出題範囲です。計算問題が多く、算式を正しく適用できるかが得点を左右するため、運転資金と資金繰りの考え方を実務イメージとともに理解しておきましょう。