コンプライアンス・オフィサー(銀行コース) ⑥ 融資業務2

融資業務のうち、保証・担保に関する法務を中心に学ぶ分野です。経営者保証に関するガイドライン、第三者による個人連帯保証の制限、個人貸金等根保証契約の極度額や元本確定期日・確定事由、信用保証協会の保証条件と免責、制限行為能力者による保証の効力などが頻出です。民法改正で強化された個人保証人の保護や、経営者保証を求めない融資の考え方は近年の重要テーマです。誰がどの範囲まで保証責任を負うのかを、契約類型ごとに整理して理解しておきましょう。

この分野の問題42問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

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205個人連帯保証契約を例外的に経営者以外の第三者と締結することが認められるケースとして、最も不適切なものはどれか。

  1. A実質的な経営権を有している者
  2. B経営には全く関与していないが資力のある友人
  3. C経営者本人と共に当該事業に従事する配偶者
  4. D経営者の健康上の理由による事業承継予定者
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正解:B経営には全く関与していないが資力のある友人

原則として経営者以外の第三者に個人連帯保証を求めない。例外として実質的な経営権を有する者、配偶者、事業承継予定者などが認められるが、経営に関与しない友人は該当しない。

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206個人連帯保証契約を締結している経営者が辞任し、新社長が就任した場合の対応として最も適切なものはどれか。

  1. Aいかなる場合でも、直ちに旧経営者との個人連帯保証契約を終了させなければならない。
  2. B新社長が就任した時点で、旧経営者との契約は自動的に無効となる。
  3. C旧経営者が実質的な経営権を有しているか否か等を勘案し、保証契約の解除について適切な判断を行う。
  4. D原則として、旧経営者が死亡するまで保証契約を解除することは認められない。
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正解:C旧経営者が実質的な経営権を有しているか否か等を勘案し、保証契約の解除について適切な判断を行う。

経営者が退任したとしても直ちに保証契約を終了させなければならないわけではなく、引き続き実質的な経営権を有しているか等を勘案して適切な判断を行うことが求められる。

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207経営に関与しない第三者から自発的に個人連帯保証契約の申出があった場合の金融機関の対応として、最も適切なものはどれか。

  1. A第三者の申出であれば、意思確認を行わず直ちに契約を締結してよい。
  2. B本人の自発的な意思に基づく申出であることを口頭で確認すれば足りる。
  3. C第三者からの申出は、いかなる場合であっても一切受け付けてはならない。
  4. D特段の説明をしたうえで、本人が自発的な意思に基づき申出を行った旨を証した書面の提出を受けるなどして確認する必要がある。
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正解:D特段の説明をしたうえで、本人が自発的な意思に基づき申出を行った旨を証した書面の提出を受けるなどして確認する必要がある。

第三者からの自発的な申出であっても、特段の説明を行った上で、書面の提出を受けるなどにより自発的な意思によるものであることを確認する必要がある。

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208「経営者保証に関するガイドライン」の適用対象となる要件の一つである「経営者」に含まれないものはどれか。

  1. A事業に関与していない経営者の親族
  2. B実質的な経営権を有している者
  3. C営業許可名義人
  4. D経営者と共に事業に従事する当該経営者の配偶者
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正解:A事業に関与していない経営者の親族

本ガイドラインにおける経営者には、実質的な経営権を有する者、営業許可名義人、配偶者、事業承継予定者などは含まれるが、事業に関与していない親族は含まれない。

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209「経営者保証に関するガイドライン」による保証債務の整理が成立するための要件として、最も適切なものはどれか。

  1. A対象債権者の過半数の同意が必要である。
  2. Bすべての対象債権者の同意が必要である。
  3. C裁判所による認可決定が必要である。
  4. D対象債権者の3分の2以上の同意が必要である。
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正解:Bすべての対象債権者の同意が必要である。

法的手続と異なり、本ガイドラインによる保証債務の整理が成立するためには、すべての対象債権者の同意が必要である。

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210事業承継時の経営者保証の取扱い(「経営者保証に関するガイドライン」特則)に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  1. A事業承継においては、前経営者と後継者の双方から二重に保証を求めるのが原則である。
  2. B前経営者との保証契約は、いかなる理由があっても見直してはならない。
  3. C後継者との保証契約は、事業承継の阻害要因とならないよう保証の必要性を慎重かつ柔軟に判断する。
  4. D後継者が保証人とならない場合、事業承継そのものを承認してはならない。
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正解:C後継者との保証契約は、事業承継の阻害要因とならないよう保証の必要性を慎重かつ柔軟に判断する。

原則として前経営者と後継者の双方から二重に保証を求めないこととし、後継者との保証契約は事業承継の阻害要因となり得る点を考慮し、慎重かつ柔軟に判断する必要がある。

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211個人貸金等根保証契約の極度額に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  1. A極度額を定めずに締結した個人貸金等根保証契約であっても、効力を生じる。
  2. B主たる債務者が法人の代表取締役である場合のみ、極度額を定めなくても効力を生じる。
  3. C極度額を定めるか否かは、当事者の合意により自由に決定できる。
  4. D極度額を定めなければ、当該個人貸金等根保証契約は効力を生じない。
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正解:D極度額を定めなければ、当該個人貸金等根保証契約は効力を生じない。

個人貸金等根保証契約は、極度額を定めなければ効力を生じない(民法465条の2第2項等)。代表取締役個人であっても例外はない。

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212個人貸金等根保証契約において、元本確定期日について定めがない場合、元本確定期日はいつとなるか。

  1. A契約締結の日から3年を経過する日
  2. B契約締結の日から1年を経過する日
  3. C契約締結の日から5年を経過する日
  4. D元本確定期日は定められるまで到来しない
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正解:A契約締結の日から3年を経過する日

元本確定期日について定めがない場合は、契約締結の日から3年を経過する日が元本確定期日とされる。

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213個人貸金等根保証契約の元本確定事由に該当しないものはどれか。

  1. A保証人が破産手続開始の決定を受けたとき
  2. B主たる債務者が他の債権者への支払いを遅延したとき
  3. C主たる債務者または保証人が死亡したとき
  4. D債権者が主たる債務者の財産について強制執行の申立てをし、手続の開始があったとき
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正解:B主たる債務者が他の債権者への支払いを遅延したとき

支払いの遅延そのものは元本確定事由ではない。主たる債務者や保証人の破産手続開始、死亡、強制執行手続の開始などが元本確定事由となる。

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214個人貸金等根保証契約における「極度額」の範囲として、最も適切なものはどれか。

  1. A元本のみの上限であり、利息や遅延損害金は別途請求できる。
  2. B元本と利息の上限であるが、遅延損害金は含まれない。
  3. C元本、利息、遅延損害金などすべてを含んだ保証人に対する請求額の上限である。
  4. D利息と遅延損害金のみの上限であり、元本には上限がない。
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正解:C元本、利息、遅延損害金などすべてを含んだ保証人に対する請求額の上限である。

個人貸金等根保証契約の極度額は債権極度額であり、元本、利息、遅延損害金などすべてを含んだ請求額の上限を意味する。

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215個人貸金等根保証契約を締結した保証人が死亡した場合の保証債務の相続に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  1. A保証人の地位が相続され、相続人は死亡後に発生した債務についても責任を負う。
  2. B保証債務は一身専属性があるため、確定した債務であっても一切相続されない。
  3. C相続人が単純承認した場合に限り、死亡後に発生した全債務を相続する。
  4. D保証人の死亡により元本が確定し、その時点で発生している保証債務が相続の対象となる。
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正解:D保証人の死亡により元本が確定し、その時点で発生している保証債務が相続の対象となる。

保証人の地位は相続されないが、死亡により元本が確定し、確定時点で具体的に発生している保証債務については相続の対象となる。

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216信用保証協会の保証付融資において、金融機関が「順位1位の根抵当権を設定する」という保証条件を満たせなかった場合の信用保証協会の対応として、最も適切なものはどれか。

  1. A保証条件違反を理由に、全部または一部の免責を主張することができる。
  2. B順位が2位であっても登記が完了していれば免責を主張できない。
  3. C保証書を発行している以上、いかなる場合も免責を主張できない。
  4. D金融機関に落ち度がないことを証明できれば、免責を主張できない。
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正解:A保証条件違反を理由に、全部または一部の免責を主張することができる。

信用保証協会と金融機関との間では、金融機関が保証条件に違反したときは、協会は全部または一部の免責を主張できる。

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217建物の完成時に他行が先に順位1位の根抵当権を設定してしまい、自行が2位になった場合における、信用保証協会の保証免責に関する記述として最も適切なものはどれか。

  1. A他行の登記を認めたのは債務者の責任であるため、協会は免責を主張できない。
  2. B金融機関が保証条件を履行させることができなかった以上、協会は免責を主張できる。
  3. C2位であっても担保権は確保されているため、協会は免責を主張できない。
  4. D他行の登記を抹消する訴訟を提起している間は、協会は免責を主張できない。
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正解:B金融機関が保証条件を履行させることができなかった以上、協会は免責を主張できる。

保証条件を履行させる責任は金融機関にあるため、他行が先に登記した場合であっても条件違反となり、協会は免責を主張できる。

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218制限行為能力者が保証契約を締結する際、自分が無能力者であることを黙秘していた場合の法律上の扱いとして、最も適切なものはどれか。

  1. A黙秘していたことの一事をもって「詐術」となり、契約を取り消すことはできない。
  2. B黙秘していた場合はいかなる事情でも無効となる。
  3. C単に黙秘していたことの一事をもって「詐術」に当たるとはされず、契約を取り消すことができる。
  4. D銀行員の前で署名した時点で、黙秘にかかわらず完全に有効な契約となる。
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正解:C単に黙秘していたことの一事をもって「詐術」に当たるとはされず、契約を取り消すことができる。

制限行為能力者が詐術を用いたときは取り消せないが、単に無能力者であることを黙秘していたことの一事をもって詐術に当たるとするのは相当ではないとされている。

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219完全に意思能力を欠く状態にある者が、金融機関の担当者の面前で自ら契約書に署名・捺印して締結した保証契約の効力はどれか。

  1. A担当者の面前での署名・捺印があれば有効である。
  2. B後見開始の審判を受けていなければ有効である。
  3. C金融機関が意思能力の欠如を知らなければ有効である。
  4. D意思能力を欠く者の法律行為であるため無効である。
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正解:D意思能力を欠く者の法律行為であるため無効である。

意思能力を欠く者の法律行為は無効であり、担当者の面前で署名・捺印したとしても無効である(民法3条の2)。

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220後見開始の審判を受けていた者が保証契約を締結し、その後審判が取り消された場合に、本人がその契約を「追認」したときの効力はどれか。

  1. A追認することにより、当該保証契約は取り消しえなくなる。
  2. B追認しても無効なままである。
  3. C追認後も1年以内であれば再度取り消すことができる。
  4. D銀行が再度同意しなければ追認の効力は生じない。
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正解:A追認することにより、当該保証契約は取り消しえなくなる。

後見開始の審判が取り消された後、本人が追認することにより当該契約は取り消しえないものとなる。

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221貸出債権の回収において、債務者の返済が滞ったため、保証人ではない債務者の子供に対して「債務者が死亡した場合は必ず債務を承継しなければならない」と告げて弁済を求める行為の評価として、最も適切なものはどれか。

  1. A家族であるため、道義的責任に基づく正当な回収行為である。
  2. B相続放棄という手段があることを隠蔽しており、法的に誤った情報を伝えて強要しているため問題がある。
  3. C子供がいずれ相続人になる以上、弁済を求めることは法的に何ら問題ない。
  4. D保証人でなくても親族には連帯責任があるため問題ない。
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正解:B相続放棄という手段があることを隠蔽しており、法的に誤った情報を伝えて強要しているため問題がある。

保証人でない家族に弁済を強要することは問題があり、相続放棄すれば債務を相続しないという法的に誤った情報を伝える債権回収は不適切である。

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222債務者所有の唯一の不動産(債権額を大きく上回る資産価値がある)について、清算金を支払うことなく代物弁済を受ける債権回収に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. A債権回収の最大化を図るための適法な手段である。
  2. B債務者の合意があれば清算義務は生じない。
  3. C差額部分の財産が不当に目減りし他の債権者を害するおそれがあり、また清算義務があるため不適切である。
  4. D担保不動産であれば、資産価値に関わらず代物弁済として取得することが推奨される。
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正解:C差額部分の財産が不当に目減りし他の債権者を害するおそれがあり、また清算義務があるため不適切である。

債権額を大きく上回る不動産の代物弁済は清算義務があり、他の債権者を害する行為と認定されるおそれがあるため不適切である。

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223他の債権者による差押えを免脱させるため、あえて差押預金債権を狙い撃ち的に相殺する行為(狙い撃ち相殺)の評価として、最も適切なものはどれか。

  1. A債権回収を優先する金融機関の正当な権利行使である。
  2. B差押えの前から債権を有していれば、いかなる場合も完全に適法である。
  3. C相殺の対象が普通預金であれば権利の濫用とはならない。
  4. D信義則に反し、権利の濫用とみられ、不法行為に基づく損害賠償義務を負うことがある。
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正解:D信義則に反し、権利の濫用とみられ、不法行為に基づく損害賠償義務を負うことがある。

あえて差押預金債権を狙い撃ち的に相殺することは信義則に反し権利の濫用とみられ、相殺が無効となったり損害賠償義務を負うことがある。

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224破産手続開始申立後、手続開始決定前に振込入金された預金と貸出債権の相殺について、金融機関が申立の事実を「知らなかった」場合の取り扱いとして最も適切なものはどれか。

  1. A原則として相殺することができる。
  2. B申立後であるため、いかなる場合も相殺できない。
  3. C裁判所の許可を得た場合にのみ相殺できる。
  4. D相殺できるが、後日破産管財人に全額返還しなければならない。
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正解:A原則として相殺することができる。

破産手続開始申立後に負担した債務であっても、その負担の当時、申立があったことを知らなかったときは相殺することができる(破産法71条1項4号)。

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225十分な担保価値を有する公社債等の担保提供を受けているにもかかわらず、あえて差し押さえられた債務者の預金と相殺を行ったうえで公社債の担保を解除する行為についての評価として、最も適切なものはどれか。

  1. A担保解除は債務者の利益となるため、適法な相殺として常に認められる。
  2. B特定の債権を自働債権とし、あえて差押預金と相殺することは相殺権の濫用とされる可能性が高い。
  3. C担保の有無にかかわらず、相殺は金融機関の自由であるため問題ない。
  4. D公社債の担保価値が債権額と同額である場合に限り、相殺が認められる。
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正解:B特定の債権を自働債権とし、あえて差押預金と相殺することは相殺権の濫用とされる可能性が高い。

容易に換価できる担保を有しながら、あえて差押えを受けた預金と相殺する行為は「狙い撃ち相殺」と同視され、相殺権の濫用とされる可能性が高い。

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226預金差押えに伴う陳述の催告に対して「反対債権あり。相殺については未定」と陳述した後に相殺を行うことに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. A「未定」と陳述した以上、その後相殺を行うことは一切許されない。
  2. B陳述内容にかかわらず、相殺を行うには差押債権者の同意が必要である。
  3. C陳述は事実の報告にすぎず、特段の事情がない限りその後の相殺は相殺権の濫用には当たらない。
  4. D陳述を行った時点で相殺権は放棄されたものとみなされる。
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正解:C陳述は事実の報告にすぎず、特段の事情がない限りその後の相殺は相殺権の濫用には当たらない。

陳述は事実の報告であり実体上の効果を生じないため、特段の事情がない限りその後の相殺を妨げるものではなく、相殺権の濫用には当たらない。

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227破産手続において、金融機関が有する抵当権の取り扱いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. A共益債権として手続の中で優先的に弁済を受ける。
  2. B破産手続開始とともに抵当権は消滅し、一般破産債権となる。
  3. C破産管財人の同意がなければ、いかなる場合も実行することができない。
  4. D別除権として扱われ、原則として破産手続によらずに実行することができる。
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正解:D別除権として扱われ、原則として破産手続によらずに実行することができる。

破産手続が開始された場合、抵当権は別除権として扱われ、原則として破産手続によらずに行使することができる。

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228更生手続において、金融機関が有する抵当権の取り扱いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. A担保権を実行することはできず、更生計画において更生担保権者として優先的な弁済を受ける。
  2. B別除権として扱われ、更生手続によらずに実行することができる。
  3. C更生手続開始とともに無担保の一般更生債権となる。
  4. D抵当権の実行は可能であるが、売却代金は全額会社に返還しなければならない。
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正解:A担保権を実行することはできず、更生計画において更生担保権者として優先的な弁済を受ける。

更生手続では担保権を実行することができず、更生計画において更生担保権者として優先的な弁済を受ける形で権利を実現する。

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229再生手続において、抵当権の実行によっても弁済を受けることができない債権の部分(不足額)の取り扱いとして、最も適切なものはどれか。

  1. A不足額については一切請求することができない。
  2. B再生債権者としてその権利を行使することができる。
  3. C不足額は共益債権として全額優先弁済される。
  4. D不足額は代表者個人に請求しなければならない。
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正解:B再生債権者としてその権利を行使することができる。

再生手続において、抵当権の実行によって弁済を受けることができない不足額については、再生債権者としてその権利を行使することができる。

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230破産手続および再生手続における抵当権の取り扱いとして、最も適切なものはどれか。

  1. A破産手続では別除権として扱われるが、再生手続では扱われない。
  2. B再生手続では別除権として扱われるが、破産手続では扱われない。
  3. C破産手続、再生手続のいずれにおいても、別除権として扱われる。
  4. D破産手続、再生手続のいずれにおいても、別除権としては扱われない。
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正解:C破産手続、再生手続のいずれにおいても、別除権として扱われる。

破産手続および再生手続のいずれにおいても、抵当権は別除権として扱われ、原則として手続によらずに行使することができる。

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231破産手続から他の法的整理手続に切り替わった場合の規律の基準に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  1. A常に最初の手続に関する法律によって最後まで規律される。
  2. B当事者の合意によって適用する法律を選択することができる。
  3. C手続が切り替わった時点で、すべての担保権は消滅する。
  4. D原則として、後の手続を基準とし後の手続に関する法律によって規律される。
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正解:D原則として、後の手続を基準とし後の手続に関する法律によって規律される。

法的整理手続が切り替わった場合には、原則として後の手続を基準として後の手続に関する法律によって規律される(一部修正事項あり)。

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232破産手続開始決定「後」に金融機関が破産財団に対して負担した債務と貸出債権の相殺に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. A開始決定の事実を知っていたか否かにかかわらず、相殺することができない。
  2. B開始決定の事実を知らなかった場合に限り相殺できる。
  3. C開始決定の事実を知っていた場合に限り相殺できる。
  4. D裁判所の許可があれば、いつでも相殺できる。
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正解:A開始決定の事実を知っていたか否かにかかわらず、相殺することができない。

破産手続開始後(決定後)に破産財団に対して債務を負担したときは、開始決定の事実を知らなかったとしても相殺することができない(破産法71条1項1号)。

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233破産手続開始の「申立」後、手続開始決定「前」に、金融機関が申立の事実を知らずに負担した債務に関する相殺の可否として、最も適切なものはどれか。

  1. A申立の事実を知らなかったとしても、申立後であれば相殺できない。
  2. B申立の事実を知らなかったときは、相殺することができる。
  3. C開始決定の前後に関わらず、申立がなされた時点で相殺は一切不可となる。
  4. D管財人の承認を得た場合にのみ相殺できる。
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正解:B申立の事実を知らなかったときは、相殺することができる。

破産手続開始の申立後であっても、開始決定前であり、かつ申立の事実を知らなかったときは相殺することができる。

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234支払の停止があった後に破産者に対して債務を負担した場合における相殺の制限に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. A支払停止を知っていたときは、いかなる場合も相殺することができない。
  2. B支払停止を知らなかったときは、相殺することはできない。
  3. C支払停止を知っていたときでも、支払の停止があった時において支払不能でなかったときは相殺できる。
  4. D支払停止から3ヶ月経過していれば相殺できる。
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正解:C支払停止を知っていたときでも、支払の停止があった時において支払不能でなかったときは相殺できる。

支払停止を知って債務を負担した場合は原則相殺できないが、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは相殺が認められる(破産法71条1項3号ただし書)。

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235個人再生手続において、小規模個人再生を求めることができる要件として、将来において継続的に収入を得る見込みがあることのほかに必要な要件はどれか。

  1. A無担保の借入総額が1000万円を超えないこと
  2. B無担保の借入総額が3000万円を超えないこと
  3. C住宅ローンを含むすべての借入総額が5000万円を超えないこと
  4. D住宅ローン以外の無担保の借入総額が5000万円を超えないこと
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正解:D住宅ローン以外の無担保の借入総額が5000万円を超えないこと

小規模個人再生を求めるためには、住宅ローン等を除いた無担保の借入残高が5000万円を超えないことが要件となる。

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236個人再生手続における住宅資金特別条項に関連し、住宅ローンについて保証会社が既に代位弁済していた場合の取り扱いとして、最も適切なものはどれか。

  1. A代位弁済後6ヵ月を経過する日までに再生手続開始申立を行い、認可されれば代位弁済はなかったものとみなされる。
  2. B代位弁済が行われた場合、住宅資金特別条項を利用することは一切できない。
  3. C代位弁済後1年以内に再生手続開始申立を行えば、代位弁済はなかったものとみなされる。
  4. D代位弁済された時点で金融機関は債権者ではなくなるため、いかなる場合も元に戻ることはない。
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正解:A代位弁済後6ヵ月を経過する日までに再生手続開始申立を行い、認可されれば代位弁済はなかったものとみなされる。

保証会社が代位弁済していても、代位弁済後6ヵ月を経過する日までの間に再生手続開始の申立を行い認可されれば、代位弁済はなかったものとみなされる。

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237住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可決定が確定した場合における、当該住宅ローンの連帯保証人に対する債務履行請求への影響として、最も適切なものはどれか。

  1. A連帯保証人の債務も再生計画と同じ内容に減免される。
  2. B再生計画による影響を受けず、金融機関は保証債務の履行を求めることができる。
  3. C連帯保証人への請求権は完全に消滅する。
  4. D主たる債務者が再生計画を完遂するまで、連帯保証人への請求は停止される。
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正解:B再生計画による影響を受けず、金融機関は保証債務の履行を求めることができる。

住宅資金特別条項を定めた再生計画が認可されても、連帯保証人に対する請求は影響を受けず、金融機関は保証債務の履行を求めることができる。

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238動産・債権譲渡特例法に基づく債権譲渡登記制度の適用対象となる要件の一つとして、最も適切なものはどれか。

  1. A債権の譲受人が法人であること
  2. B譲渡人と譲受人の双方が法人であること
  3. C債権の譲渡人が法人であること
  4. D譲渡人が個人事業主であること
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正解:C債権の譲渡人が法人であること

動産・債権譲渡特例法の適用対象となるための要件の一つとして、債権の譲渡人が法人であることが挙げられる(同法1条)。

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239動産・債権譲渡特例法の適用対象となる債権に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. A貸付債権に限られ、売掛債権は適用対象とならない。
  2. B売掛債権に限られ、工事請負代金債権は適用対象とならない。
  3. C将来発生する債権は一切適用対象とならない。
  4. D貸付債権のみならず、売掛債権や工事請負代金債権も適用対象となる。
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正解:D貸付債権のみならず、売掛債権や工事請負代金債権も適用対象となる。

金銭の支払を目的とする債権が対象であり、貸付債権に限られず、売掛債権や工事請負代金債権の譲渡についても適用の対象となる。

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240動産・債権譲渡特例法に基づき債権譲渡登記がされたことについて、譲受人が債務者に対して当該債権譲渡を対抗するための要件として、最も適切なものはどれか。

  1. A債務者に登記事項証明書を交付して通知をし、または債務者が承諾をすること
  2. B官報に公告すること
  3. C譲渡人と譲受人との間で契約書を作成するだけで足りる
  4. D債務者の同意書を法務局に提出すること
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正解:A債務者に登記事項証明書を交付して通知をし、または債務者が承諾をすること

債務者に対抗するためには、譲渡人もしくは譲受人が債務者に登記事項証明書を交付して通知するか、当該債務者が承諾をすることが必要である。

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241債権を目的とする質権の設定を第三債務者以外の第三者に対抗するための要件として、最も適切なものはどれか。

  1. A当事者間の質権設定契約書の作成
  2. B確定日付のある証書による第三債務者への通知または第三債務者の承諾
  3. C法務局における質権設定登記
  4. D官報による公告
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正解:B確定日付のある証書による第三債務者への通知または第三債務者の承諾

質権者が第三債務者以外の第三者に対抗するためには、民法467条に従い、確定日付のある証書による通知または承諾が必要である。

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242譲渡・質入禁止特約が付されている債権(預貯金債権を除く)に対する質権設定の効力に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. A特約があるため、質権設定は完全に無効である。
  2. B質権設定は有効だが、第三債務者の事後承諾がなければ効力を失う。
  3. C原則として、質権を有効に取得することができるが、悪意・重過失の第三者に対しては債務者は履行を拒める。
  4. D特約の存在を知っていた場合に限り、質権は有効となる。
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正解:C原則として、質権を有効に取得することができるが、悪意・重過失の第三者に対しては債務者は履行を拒める。

令和2年の改正民法により、譲渡制限特約があっても質権設定はその効力を妨げられない(有効)。ただし、悪意・重過失の第三者には債務者は履行を拒むことができる。

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243質権者が質権の目的である債権を第三債務者から直接取り立てることができるタイミングとして、最も適切なものはどれか。

  1. A被担保債権の弁済期が到来すれば、目的債権の弁済期にかかわらず取り立てることができる。
  2. B目的債権の弁済期が到来すれば、被担保債権の弁済期にかかわらず取り立てることができる。
  3. C質権設定契約を締結した直後から、いつでも取り立てることができる。
  4. D被担保債権の弁済期が到来し、かつ質権の目的である債権の弁済期が到来したとき。
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正解:D被担保債権の弁済期が到来し、かつ質権の目的である債権の弁済期が到来したとき。

質権者は、被担保債権の弁済期が到来し、かつ質権の目的である債権の弁済期が到来した場合に、その債権を直接取り立てることができる(民法366条)。

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2442024年成立の事業性融資推進法に関する目的等の記述として、最も適切なものはどれか。

  1. A事業者が不動産担保や経営者保証等によらず、事業の実態や将来性に着目した融資を受けやすくすることを目的としている。
  2. B事業者の時価総額に着目した融資を受けやすくすることを目的としている。
  3. C事業者の連帯保証人を容易に確保できるようにすることを目的としている。
  4. D不動産担保の評価額を一律に引き上げることを目的としている。
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正解:A事業者が不動産担保や経営者保証等によらず、事業の実態や将来性に着目した融資を受けやすくすることを目的としている。

事業性融資推進法は、事業者が不動産担保や経営者保証等によらず、事業の実態や将来性に着目した融資を受けやすくすることを目的としている(時価総額ではない)。

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2452024年成立の事業性融資推進法で創設された企業価値担保権の担保目的財産として、最も適切なものはどれか。

  1. A不動産と設備の合計額に限定される。
  2. B将来キャッシュフローを含む無形資産を含む事業全体(総財産)である。
  3. C売掛債権などの金銭債権のみに限定される。
  4. D経営者個人の私有財産に限定される。
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正解:B将来キャッシュフローを含む無形資産を含む事業全体(総財産)である。

企業価値担保権の担保目的財産は、無形資産を含む事業全体(将来キャッシュフローを含む総財産)である。

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246事業性融資推進法で創設された企業価値担保権を活用した融資の借手(設定者)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. A個人事業主および株式会社である。
  2. Bすべての法人が対象であり、NPO法人も含まれる。
  3. C株式会社および持分会社であり、個人事業主は含まれない。
  4. D上場企業に限定される。
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正解:C株式会社および持分会社であり、個人事業主は含まれない。

借手は株式会社・持分会社(合名・合資・合同)であり、個人事業主は含まれていない。

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