第117問わが国の著作権法における著作権の制限規定の定め方として正しいものはどれか。
- A個々に規定された制限規定が限定列挙されている
- B一般条項と限定列挙の制限規定が組み合わされている
- C一般条項としてのフェアユース規定のみが置かれている
- D判例により制限される範囲がその都度決定される
一定の場合に著作権者の許諾なく著作物を利用できる「権利制限規定」を学ぶ分野です。私的使用のための複製、引用の要件(公表著作物・明瞭区別性・主従関係・出所明示)、図書館・教育機関・非営利上演等での利用、私的録音録画補償金などが頻出テーマです。文化的所産の公正な利用を保障するための例外であり、要件を一つでも欠くと侵害となる点が重要です。どの条件を満たせば適法に利用できるかを、条文の要件に沿って正確に押さえることが得点の鍵になります。出題数38問。
この分野の問題38問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。
クイズモードで挑戦 →正解:C.個人的に、または家庭内その他これに準ずる限られた範囲内
私的使用のための複製は「個人的にまたは家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」に限られます。会社での使用は含まれません。
この問題の解説ページを開く →正解:D.自分が購入した音楽CDを、自分自身で楽しむためにスマートフォンにコピーする
自分自身で楽しむための音楽CDの適法なコピーは、典型的な私的使用のための複製にあたります。
この問題の解説ページを開く →正解:A.公衆の使用に供する自動複製機器を用いた複製にあたり、違法となる
公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(専用ダビング機等)を用いた複製は、私的使用の例外として認められません。
この問題の解説ページを開く →正解:B.当分の間、自動複製機器の例外の適用から除外されており、適法である
文書または図画の複製に供する機器は、附則により当分の間、自動複製機器の規定の適用外とされており私的使用の複製が認められます。
この問題の解説ページを開く →正解:C.回避の事実を知りながら行った場合は違法となる
技術的保護手段の回避により可能となった複製を、その事実を知りながら行う場合は私的使用の複製と認められず違法となります。
この問題の解説ページを開く →正解:B.利用者が自ら図書館に持ち込んだ資料を複製すること
図書館等における複製の対象は「図書館資料(当該図書館で保管している資料)」であり、持ち込み資料の複製は認められません。
この問題の解説ページを開く →正解:C.図書館の実質的な管理下で行われていない限り、利用者自らが行うコピーは制限規定の適用外である
複製の主体は図書館等である必要があり、利用者自らのコピーは原則適用外ですが、図書館の実質的管理下にある場合は適用内となります。
この問題の解説ページを開く →正解:D.資料の劣化を防ぐためマイクロフィルム化し、原資料は廃棄する
資料保存のための複製は、スペースの関係でマイクロフィルム化し原資料を廃棄する場合などに認められます。代替品が市販されている場合は不可です。
この問題の解説ページを開く →正解:A.当該図書館において自動公衆送信を受けた著作物を公に伝達できるようになった
令和3年改正により、自動公衆送信を受けた図書館等において、その著作物を公に伝達(利用者の端末等で閲覧可能にするなど)できるようになりました。
この問題の解説ページを開く →正解:C.担当するクラスの授業で使うため、新聞の短い記事を生徒の人数分コピーして配布する
授業の過程における使用で、クラスの人数分など必要と認められる限度であり、著作権者の利益を不当に害しない範囲のコピーは適法です。
この問題の解説ページを開く →正解:D.授業の予習・復習用資料のメール送信など、公衆送信して利用すること
改正により、公衆送信(オンデマンド講義や資料のメール送信など)が広く認められるようになりました(ただし補償金の支払いが必要)。
この問題の解説ページを開く →正解:A.入学試験や技能検定に用いる場合、営利目的であっても補償金を支払えば複製等ができる
営利目的(会社の入社試験や予備校の模試など)であっても、補償金を支払うことで試験問題としての複製等が認められます。
この問題の解説ページを開く →正解:C.引用される部分と自分の文章の境界を曖昧にして混ぜ合わせて書く
引用される側と引用する側を明確に区別できるようにする必要があり、区別が不明確な場合は公正な慣行に合致しません。
この問題の解説ページを開く →正解:D.転載を禁止する旨の表示がある場合を除き、説明の材料として転載できる
国等の周知目的資料は、転載禁止の表示がない限り、説明の材料として新聞や雑誌に転載することができます。
この問題の解説ページを開く →正解:A.非営利目的であること、料金を徴収しないこと、実演家等に報酬が支払われないこと
営利を目的とせず、聴衆・観衆から料金を受けず、かつ実演家等に報酬が支払われないことが要件となります。
この問題の解説ページを開く →正解:B.学校の文化祭で、学生が無料で観客を入れてバンド演奏を行い、誰も報酬を受け取らない
文化祭での学生の無料演奏は、営利目的がなく、料金も取らず、報酬も発生しないため制限規定が適用されます。他は営利目的とみなされます。
この問題の解説ページを開く →正解:C.会費制のイベントで、会費を払った会員のみが入場できる場合、会費の一部が料金とみなされる
入場料が無料でも、入場に一定の会費が必要な場合は会費の一部が「料金」にあたると解されています。また実費分として集めても料金にあたります。
この問題の解説ページを開く →正解:D.飲食店で、通常の家庭用テレビを用いて客に放送中の番組を視聴させる
通常の家庭用受信装置(家庭用テレビ等)を用いる場合は、営利目的であっても自由に放送を視聴させることができます。録画再生は適用外です。
この問題の解説ページを開く →正解:A.新聞紙や雑誌に掲載された政治上等の時事問題に関する論説は、他の新聞紙等に転載できる
新聞や雑誌に掲載された政治、経済、社会上の時事問題に関する論説は、禁止の表示がない限り他の新聞等に転載できます。
この問題の解説ページを開く →正解:B.裁判手続等のために必要と認められる限度での公衆送信や公の伝達
令和5年改正により、裁判手続等のために必要と認められる限度において、公衆送信や公に伝達しての利用が認められるようになりました。
この問題の解説ページを開く →正解:C.自ら電子計算機において実行するために必要と認められる限度でバックアップをとる
プログラムの複製物の所有者は、自ら電子計算機で実行するために必要と認められる限度において複製(バックアップ等)ができます。
この問題の解説ページを開く →正解:D.AI(人工知能)の開発のための学習用データとして著作物をデータベースに記録する
思想又は感情を享受することを目的としない利用の典型例として、AI開発のための情報解析用データの記録などがあります。
この問題の解説ページを開く →正解:A.分離が困難であり正当な範囲内であれば、写り込んだ状態のまま利用できる
写真撮影等に伴い付随して対象に入ってしまった著作物(写り込み)は、分離困難性等から正当な範囲内であれば利用することができます。
この問題の解説ページを開く →正解:B.美術の著作物の原作品を一般公衆に開放されている屋外の場所に恒常的に設置すること
美術の著作物を屋外の場所に「恒常的」に設置する場合は、原作品の所有者であっても本条の制限規定は適用されず、展示権等の侵害が問題となります。
この問題の解説ページを開く →正解:C.もっぱらその美術の著作物の複製物の販売を目的として複製すること
屋外に恒常設置された美術の著作物は広く利用可能ですが、「もっぱら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製・販売する場合」などは除かれます。
この問題の解説ページを開く →正解:A.平成30年改正により新たに認められた、授業の予習・復習用資料のメール送信などを行う場合
平成30年改正で新たに認められた、授業の過程での公衆送信(資料のメール送信やオンデマンド配信等)を行う場合は、補償金の支払いが必要です。
この問題の解説ページを開く →正解:B.機器・記録媒体の購入時に、メーカー等の協力により販売価格へ上乗せして支払われる
機器等の購入にあたり、指定管理団体からの請求に基づき支払うこととされており、通常は販売価格に含まれています。
この問題の解説ページを開く →正解:C.著作者への通知と補償金の支払いにより、許諾なく掲載できる
学校教育の目的上必要と認められる限度で、著作者への通知と補償金の支払いを条件に、許諾なく教科用図書に掲載できます。
この問題の解説ページを開く →正解:D.商品化の許諾を得る前に、企画書や会議資料にキャラクターの画像を掲載して社内で検討する
著作物を利用するための許諾等を得る検討の過程において、必要と認められる限度で会議資料等に利用することが認められています。
この問題の解説ページを開く →正解:A.違法複製を行ったものとみなされる
制限規定によって適法に作成された複製物であっても、目的外のために頒布等を行った場合は複製を行ったものとみなされ、違法となります。
この問題の解説ページを開く →正解:B.観覧者の解説・紹介のため、小冊子やタブレット端末等に著作物を掲載し、公衆送信する
公に展示する者は、観覧者の解説や紹介目的で小冊子やタブレット等へ掲載したり、自動公衆送信したりすることが認められています。
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