終末期ケア専門士 ⑧ 疾患別終末期ケア(前半)

疾患ごとの終末期の特徴を学ぶ分野の前半で、がん・認知症・脳血管障害を扱います。悪性腫瘍の経過とがん悪液質、アナモレリンなどの治療、アルツハイマー型・レビー小体型・前頭側頭型・血管性といった認知症のタイプ別の特徴、脳血管障害の後遺症や中枢性疼痛、ICFの考え方が頻出です。疾患ごとに経過や症状、ケアの重点が異なるため、代表的な疾患の特徴を一覧に整理し、終末期に生じる症状と対応を結びつけて覚えることが得点につながります。

この分野の問題36問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

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242悪性腫瘍における終末期の一般的な経過として正しいものはどれか。

  1. A最後の約2か月で急速に機能が低下する経過を辿る
  2. B急性増悪を繰り返しながら徐々に機能低下する
  3. C機能が低下した状態が長く続きゆっくり低下する
  4. D発症直後に急激な機能低下をきたし早期に死に至る
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正解:A最後の約2か月で急速に機能が低下する経過を辿る

悪性腫瘍では、比較的長い期間機能は保たれ、最後の約2か月で急速に機能が低下する経過を辿ります。

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243がん悪液質の説明として最も適切なものはどれか。

  1. A食事からの栄養摂取を増やすことで容易に改善する状態
  2. B骨格筋量の持続的減少を特徴とする不可逆性の多因子症候群
  3. C消化管閉塞による飢餓から生じた単純な体重減少状態
  4. D筋肉組織よりも脂肪組織が相対的に増加していく状態
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正解:B骨格筋量の持続的減少を特徴とする不可逆性の多因子症候群

がん悪液質は骨格筋量の持続的減少を特徴とする多因子症候群(脂肪量減少を伴うこともある)で、従来の栄養サポートで改善することは困難です。

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244WHOによる緩和ケアの定義(2002年)に関する説明として正しいものはどれか。

  1. A終末期と診断された段階から開始されるケアである
  2. B患者の身体的な苦痛のみを取り除くためのケアである
  3. C生命を脅かす疾患に直面する患者と家族に対するケアである
  4. D患者本人のみを対象とし、遺族の悲嘆は対象外とする
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正解:C生命を脅かす疾患に直面する患者と家族に対するケアである

WHOの定義では、患者のみならず「家族もケアの対象」とし、早期から治療と並行して提供すべきとされています。

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245がん終末期のせん妄に関する記述として適切なものはどれか。

  1. A終末期には出現せず死亡直前のみ出現する症状である
  2. Bがん終末期の患者全体の約10%程度にのみ出現する
  3. C主な原因は心理的ストレスのみであり身体的要因はない
  4. D死亡直前では90%以上の患者に出現すると言われている
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正解:D死亡直前では90%以上の患者に出現すると言われている

がん終末期では30〜40%に出現し、死亡直前では90%以上に出現すると言われています。

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246がん悪液質に特化した唯一の治療薬であるアナモレリンの特徴はどれか。

  1. A心電図などの定期的なモニタリングが推奨される
  2. B副作用がないため定期的な血液検査は不要である
  3. C主に脂肪組織の合成を促進することで体重を増やす薬である
  4. D全身状態が極めて不良になり絶食状態になってから開始する
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正解:A心電図などの定期的なモニタリングが推奨される

アナモレリンはがん悪液質に特化した唯一の治療薬であり、使用にあたり心電図などの定期的なモニタリングが推奨されます。

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247アルツハイマー型認知症の初期における特徴的な症状はどれか。

  1. A幻視やパーキンソン症状が最も特徴的にみられる
  2. B初期から記憶障害や見当識障害などが目立つようになる
  3. C性格変化や反社会的な行動から症状が始まることが多い
  4. D脳血管障害の再発によって徐々に歩行障害が悪化していく
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正解:B初期から記憶障害や見当識障害などが目立つようになる

アルツハイマー型認知症は記憶障害からはじまることが多く、初期では記憶障害、見当識障害などが目立ちます。

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248レビー小体型認知症の特徴として適切なものはどれか。

  1. A女性に多く発症し、最も緩やかに進行する認知症である
  2. B生活習慣病が最大の危険因子であり再発により悪化する
  3. C初期から幻視やパーキンソン症状などの特徴がみられる
  4. D常同行動や食行動の異常が他の症状より先に現れる
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正解:C初期から幻視やパーキンソン症状などの特徴がみられる

レビー小体型認知症は、幻視やパーキンソン症状、起立性低血圧などの自律神経症状を伴うことが特徴です。

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249前頭側頭型認知症の特徴として最も適切なものはどれか。

  1. A記憶障害が初期から最も強く現れ、進行が緩やかである
  2. B全身の筋肉が徐々に萎縮し、呼吸不全を早期に合併する
  3. C初期から歩行障害や排尿障害などの身体症状を伴いやすい
  4. D人格の変化や抑制を欠いた行動などが記憶障害より先に現れる
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正解:D人格の変化や抑制を欠いた行動などが記憶障害より先に現れる

前頭側頭型認知症では、記憶障害よりも人格の変化や脱抑制、常同行動などが先に現れるのが特徴です。

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250血管性認知症の病態や特徴について正しい記述はどれか。

  1. A脳の障害される部分とされない部分がある(まだら認知症)
  2. B初期からうつ症状や被害妄想が出ることが最も多い
  3. C原因の多くは海馬を中心とした全体的な脳の萎縮である
  4. D4大認知症の中で最も進行が遅く運動障害は伴わない
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正解:A脳の障害される部分とされない部分がある(まだら認知症)

血管性認知症は脳の一部が障害されるため、障害される部分とされない部分があるのが特徴です。

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251脳血管障害の現状について正しい記述はどれか。

  1. A要介護4・5の原因疾患としては第3位となっている
  2. B要介護4・5の原因疾患としては第1位となっている
  3. C日本人の死亡原因疾患として現在も第1位である
  4. Dリハビリテーションにより全く後遺症を残さず完治する
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正解:B要介護4・5の原因疾患としては第1位となっている

脳血管障害は日本人の死亡原因疾患としては第4位ですが、要介護4・5に認定される原因疾患としては第1位です。

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252ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)の説明として正しいものはどれか。

  1. A特定の疾患を持つ患者の余命を予測するための指標である
  2. B重症脳卒中における終末期医療の決定プロセスガイドラインである
  3. C生きることの全体像を示す共通言語としての国際生活機能分類である
  4. D人生の最終段階における事前指示書(アドバンス・ディレクティブ)である
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正解:C生きることの全体像を示す共通言語としての国際生活機能分類である

ICFはWHO総会で採択された「国際生活機能分類」であり、生きることの全体像を示す共通言語です。

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253脳血管障害後遺症による「中枢性疼痛(視床痛など)」の特徴はどれか。

  1. ANSAIDsなどの一般的な鎮痛薬を投与すれば著効する
  2. Bリハビリテーションの継続により数週間で完全に消失する
  3. C麻痺側の関節が極端に柔らかくなることで生じる痛みである
  4. DNSAIDsやオピオイドが無効な難治性の痛みである
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正解:DNSAIDsやオピオイドが無効な難治性の痛みである

視床痛を含む中枢性疼痛は難治性で、NSAIDsやオピオイドが無効であり確実な治療法がありません。

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254終末期の脳血管障害におけるリハビリテーションの主な目的はどれか。

  1. A最期まで人間らしさを保障すること
  2. B疾患の重篤化回避と早期の社会復帰
  3. C低下したADLの最大限かつ完全な回復
  4. D関節の拘縮予防と社会的孤立の予防のみ
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正解:A最期まで人間らしさを保障すること

終末期のリハビリテーションの目的は「最期まで人間らしさを保障」することとされています。

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255慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症原因の80〜90%を占めるものはどれか。

  1. A加齢による自然な肺胞の機能低下
  2. B長期間の喫煙などによる有害物質の吸入
  3. C幼少期の重度な気管支喘息の罹患歴
  4. D遺伝的な要因による肺の自己免疫疾患
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正解:B長期間の喫煙などによる有害物質の吸入

COPDの発症原因の80〜90%は喫煙(副流煙含む)などの長期間の有害物質の吸入と言われています。

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256慢性閉塞性肺疾患(COPD)の検査所見による定義として正しいものはどれか。

  1. A%肺活量が常に70%未満となる状態
  2. B安静時のPaO2が常に90mmHg以上の状態
  3. C1秒率(FEV1/FVC)が70%未満となる状態
  4. D肺胞の不可逆的な拡張により肺活量が増加する状態
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正解:C1秒率(FEV1/FVC)が70%未満となる状態

COPDは、検査所見において%肺活量が80%以上で、1秒率(FEV1/FVC)が70%未満となると定義されています。

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257慢性閉塞性肺疾患(COPD)の終末期に合併しやすく、呼吸抑制や意識障害を呈する病態はどれか。

  1. A急性心筋梗塞
  2. B脳血管性認知症
  3. C中枢性疼痛
  4. D二酸化炭素ナルコーシス
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正解:D二酸化炭素ナルコーシス

終末期には血中炭酸ガスが高値となり、二酸化炭素ナルコーシス(高炭酸ガス血症と低酸素状態の悪循環)を起こしやすくなります。

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258慢性呼吸不全の寛解期・慢性期において長期的に用いられる酸素療法の略称はどれか。

  1. AHOT(在宅酸素療法)
  2. BNPPV(非侵襲的陽圧換気)
  3. CTPN(中心静脈栄養)
  4. DSABA(短時間作用性β2刺激薬)
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正解:AHOT(在宅酸素療法)

慢性期のCOPDでは、酸素療法を長期的に行うことが多く、在宅酸素療法(HOT; Home Oxygen Therapy)を用います。

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259慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪期における栄養管理のポイントとして正しいものはどれか。

  1. A通常時よりエネルギー摂取量を50%減らす
  2. B通常時の20〜30%増しのエネルギーで管理する
  3. C代謝異常を防ぐため蛋白質の摂取を完全に制限する
  4. D経口摂取はすべて禁止し初めからTPNのみとする
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正解:B通常時の20〜30%増しのエネルギーで管理する

急性増悪期はエネルギー消費が大きいため、通常時の20〜30%増しのエネルギーを確保します。糖質過多はCO2産生を増やすため過剰投与に注意します。

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260苦痛緩和のための鎮静における「調節型鎮静」の説明として正しいものはどれか。

  1. Aコミュニケーションを維持するため意識低下の時間をあえて作らない手法である
  2. B間欠的鎮静と同様に、数時間ごとに鎮静薬を完全に中止する手法である
  3. C苦痛の強さに応じて苦痛が緩和されるように鎮静薬を少量から調節する手法である
  4. D中止する時期を定めず、最初から意図的に深い鎮静状態を維持する手法である
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正解:C苦痛の強さに応じて苦痛が緩和されるように鎮静薬を少量から調節する手法である

調節型鎮静は、苦痛の強さに応じて苦痛が緩和されるように鎮静薬を少量から調節して投与する持続的鎮静の一つです。

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261EPCRCによるがん悪液質の診断基準に含まれる項目として正しいものはどれか。

  1. A1か月間に10%以上の急激な体重減少
  2. BBMI 25以上かつサルコペニアの合併
  3. C経口摂取量の低下が3日以上継続した状態
  4. D6か月間に5%以上の体重減少
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正解:D6か月間に5%以上の体重減少

がん悪液質の診断基準の1つとして、「6か月間に5%以上の体重減少」が定められています。

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262認知症の人の終末期における苦痛の緩和とBPSD(行動・心理症状)の関係について正しい記述はどれか。

  1. A苦痛を適切な方法で表現できず、BPSDとして苦痛を表現することがある
  2. BBPSDが出現した場合は、身体的要因の検索より抗精神病薬の投与を最優先する
  3. C体位交換や清潔ケアなどの身体的介入はBPSDを悪化させるため避けるべきである
  4. DBPSDは脳の器質的変化のみに起因し、本人の身体的苦痛とは無関係である
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正解:A苦痛を適切な方法で表現できず、BPSDとして苦痛を表現することがある

認知症の人は体調不良などを適切に表現できず、行動・心理症状(BPSD)として苦痛を表現することがあります。

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263認知症における意思決定支援(ACP)のタイミングとして推奨されているものはどれか。

  1. A本人が意思表示できなくなってから家族のみと本格的に行う
  2. B進行により判断が困難になるため、早期から話し合うことが望ましい
  3. C終末期と明確に診断された直後に限り実施する
  4. D本人の意向に関わらず、医師が単独で決定し事後に通知する
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正解:B進行により判断が困難になるため、早期から話し合うことが望ましい

認知症は進行とともに判断が困難になるため、早期から人生の最期について話し合い、本人の意思を確認することが望ましいです。

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264重症脳卒中の終末期における臓器提供と脳死判定について正しい記述はどれか。

  1. Aいかなる場合も法的脳死判定を事前に行うことが義務付けられている
  2. B家族の同意がなくても医師の医学的判断のみで臓器提供できる
  3. C臓器提供をしない場合には「脳死とされうる状態」でも法的脳死判定は行われない
  4. D重症脳卒中患者は意識障害があるため、すべて脳死として判定される
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正解:C臓器提供をしない場合には「脳死とされうる状態」でも法的脳死判定は行われない

臓器提供をしない場合には「脳死とされうる状態」であっても法的脳死判定は行われず、緩和ケアへの移行が検討されます。

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265脳血管障害終末期における「胃ろう(PEG)」の扱いに関する日本老年医学会の見解として適切なものはどれか。

  1. A胃ろうの造設および中止に関する法的な整備は現在完全に完了している
  2. B一度造設した胃ろうによる人工的栄養補給は、いかなる場合も絶対に中止してはならない
  3. C家族の意向のみで、いつでも自由に胃ろう栄養を中止・再開できる
  4. D高齢者の人工的水分・栄養補給について「撤退もありうる」との見解を発表した
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正解:D高齢者の人工的水分・栄養補給について「撤退もありうる」との見解を発表した

2012年に日本老年医学会は人工的水分・栄養補給の「撤退もありうる」との見解を発表しましたが、法的な整備は不十分です。

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266脳血管障害患者の嚥下障害と肺炎に関する記述として正しいものはどれか。

  1. A急性期の50%以上に出現し、肺炎を発症した人はその後も発症リスクが高い
  2. B急性期にはほとんど見られず、慢性期になってから突発的に出現する
  3. C早期にリハビリテーションを行えば、終末期には100%完治する
  4. D嚥下障害があっても、適切な口腔ケアを行えば誤嚥性肺炎は絶対に発生しない
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正解:A急性期の50%以上に出現し、肺炎を発症した人はその後も発症リスクが高い

脳血管障害急性期の50%以上に嚥下障害が出現し、急性期に肺炎を発症した人はその後も肺炎の発症リスクが高くなります。

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267慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最重症の急性増悪期における栄養管理として適切なものはどれか。

  1. A呼吸困難が強くても、消化管機能維持のため経口摂取を必ず強制する
  2. B経口摂取が困難な最重症時は、TPN(中心静脈栄養)とし十分な栄養を確保する
  3. Cいかなる重症度であっても、誤嚥予防のため経管栄養のみを選択する
  4. D増悪期はエネルギー消費を抑えるため絶食とし、末梢点滴での水分補給のみとする
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正解:B経口摂取が困難な最重症時は、TPN(中心静脈栄養)とし十分な栄養を確保する

増悪期の栄養管理は経口摂取が望ましいですが、最重症時はTPN(中心静脈栄養)とし十分な栄養を確保します。

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268COPD患者の酸素療法中に注意すべき「二酸化炭素ナルコーシス」の早期発見に役立つ前駆症状はどれか。

  1. A激しい腹痛とそれに伴う持続的な嘔吐
  2. B全身の筋肉の硬直と著明な体温低下
  3. C頭痛や発汗、血圧上昇などの自律神経症状
  4. D眼球の突出とそれに伴う著明な視力低下
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正解:C頭痛や発汗、血圧上昇などの自律神経症状

二酸化炭素ナルコーシスの前駆症状として、頭痛や発汗、血圧上昇などがあり、早期段階での介入が重要です。

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269COPD患者が発作的な呼吸困難に陥った際の「パニックコントロール」の介助方法として正しいものはどれか。

  1. Aパニック時は直ちに医師の指示を待たず最高濃度の酸素を投与する
  2. B介助者は患者の不安を煽らないよう、離れた場所から無言で見守る
  3. C患者を仰臥位にさせ、胸部全体を強い力で持続的に圧迫する
  4. D患者を起座呼吸にさせ、介助者は両手で患者の呼気に合わせて胸郭を圧迫する
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正解:D患者を起座呼吸にさせ、介助者は両手で患者の呼気に合わせて胸郭を圧迫する

パニックコントロールでは、患者を起座呼吸にさせ、介助者は両手で患者の呼吸に合わせて胸郭の圧迫を繰り返して呼気介助を行います。

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270慢性閉塞性肺疾患(COPD)における「ACOS(オーバーラップ症候群)」の意味として正しいものはどれか。

  1. A全COPD患者の20〜30%が気管支喘息を合併している状態のこと
  2. B肺癌とCOPDを同時に発症し、急激な呼吸不全を呈している状態のこと
  3. C重症の睡眠時無呼吸症候群を合併し、夜間の酸素化が著しく低下している状態のこと
  4. D認知症とCOPDを合併し、吸入薬の自己管理が極めて困難になった状態のこと
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正解:A全COPD患者の20〜30%が気管支喘息を合併している状態のこと

全慢性閉塞性肺疾患の20〜30%に喘息を合併していることが多く、これをオーバーラップ症候群(ACOS)と呼びます。

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271がん悪液質に関する記述のうち、誤っているもの(不適切なもの)はどれか。

  1. A進行がんの患者のほとんどにみられ、食欲低下と体重減少が主な徴候になる
  2. B不可逆性の栄養不良状態となり、カロリーを補給しても予後の改善は期待できない
  3. C食事には栄養摂取だけでなく、QOLを維持するための重要な意味が含まれる
  4. D消化管の閉塞や狭窄による経口摂取量低下(飢餓)も悪液質として治療する
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正解:D消化管の閉塞や狭窄による経口摂取量低下(飢餓)も悪液質として治療する

飢餓を悪液質と誤解してはいけません。治療可能な消化管狭窄などによる症状を悪液質と誤解し、適切な治療を怠る状況は避けるべきです。

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272認知症の種類と特徴の組み合わせに関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. Aアルツハイマー型認知症は、小さな脳梗塞を繰り返しながら段階的に進行していく
  2. B血管性認知症は、生活習慣病が危険因子であり再発により徐々に悪化する
  3. C前頭側頭型認知症は、初期には記憶障害が目立たず性格変化が先に現れる
  4. Dレビー小体型認知症は、幻視やパーキンソン症状などの身体症状を伴う
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正解:Aアルツハイマー型認知症は、小さな脳梗塞を繰り返しながら段階的に進行していく

「小さな脳梗塞を繰り返しながら段階的に進行する」のは血管性認知症の特徴であり、アルツハイマー型は緩やかに進行します。

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273レビー小体型認知症とパーキンソン病に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. Aレビー小体型認知症は記憶障害が主症状であり、幻視を伴うことは極めて稀である
  2. B脳幹から病変がみられるものがパーキンソン病、大脳皮質からみられるものがレビー小体型である
  3. Cこれら二つの疾患は病理学的に全く異なるタンパク質が原因で発症する別の病気である
  4. Dレビー小体型認知症では、アルツハイマー型以上に海馬の萎縮が初期から強く見られる
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正解:B脳幹から病変がみられるものがパーキンソン病、大脳皮質からみられるものがレビー小体型である

両者は本質的には同じ病気で、脳幹から病変がみられるものがパーキンソン病、大脳皮質から病変がみられるものがレビー小体型と分類されます。

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274脳血管障害の軌道と予後に関する記述として、誤っているもの(不適切なもの)はどれか。

  1. A発作後20〜30%が30日以内に死亡する一方で、10年以上生存する者も21%存在する
  2. B心原性脳塞栓症の予後が最も悪く、次いで動脈硬化性脳卒中、ラクナ梗塞の順である
  3. C最初の発作から生還した場合、機能は完全に回復し後遺症が残ることはない
  4. D脳血管障害後遺症患者の主な死因は、脳卒中の再発、心血管疾患、誤嚥性肺炎である
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正解:C最初の発作から生還した場合、機能は完全に回復し後遺症が残ることはない

発作から生還しても40%は中等度、15〜30%は重度の障害を残します。「後遺症が残ることはない」は誤りです。

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275慢性閉塞性肺疾患(COPD)の「二酸化炭素ナルコーシス」の発生機序について誤っているものはどれか。

  1. A慢性的な肺胞低換気により、血中炭酸ガス(PaCO2)が常に高値となっている
  2. B呼吸中枢の血中炭酸ガス受容体の興奮が鈍り、血中酸素受容体が呼吸を調節している
  3. C高濃度の酸素投与を行うと、血中酸素濃度が上昇し呼吸中枢が呼吸を抑制する
  4. D低濃度の酸素投与を行うことで、血中炭酸ガスが急激に減少し呼吸が著しく促進される
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正解:D低濃度の酸素投与を行うことで、血中炭酸ガスが急激に減少し呼吸が著しく促進される

二酸化炭素ナルコーシスは、「高濃度」の酸素投与により呼吸中枢が抑制され、炭酸ガスがさらに蓄積する病態です。

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276慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予後不良因子として、該当しないもの(誤っているもの)はどれか。

  1. A全身組織の酸素化の不良
  2. B運動負荷時のPaO2の上昇
  3. C右心不全の合併
  4. D高齢および低栄養状態
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正解:B運動負荷時のPaO2の上昇

正しい予後不良因子は「運動負荷時のPaO2の『低下』」であり、上昇ではありません。

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277苦痛緩和のための鎮静と安楽死の違いに関する倫理的基盤の記述として、正しいものはどれか。

  1. A患者に意思決定能力がない場合、家族の同意がなくても医師の裁量のみで実施を決定してよい
  2. B「がん患者の治療抵抗性の苦痛と鎮静に関する手引き(2018年)」では、意識低下を意図することが必須とされた
  3. C鎮静とは、治療ができない苦痛に対し、その苦痛を緩和することを目的として鎮静剤を投与することである
  4. D鎮静の目的は患者の意識を低下させ、意図的に死期を早めることで患者を苦痛から解放することである
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正解:C鎮静とは、治療ができない苦痛に対し、その苦痛を緩和することを目的として鎮静剤を投与することである

2018年の手引きでは「意識の低下を意図する」という文言が削除され、治療できない苦痛の緩和を目的とすると変更されました。

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