気象予報士 ⑤ 数値予報

コンピュータで大気の運動方程式を解く数値予報のしくみを学ぶ分野です。観測データの品質、客観解析における第一推定値と解析予報サイクル、初期値化(イニシャリゼーション)、4次元変分法といった初期値作成の手順が問われます。積雲対流や放射・地表面過程などを近似的に扱うパラメタリゼーションも頻出テーマです。原理が抽象的で理解しづらい分野ですが、観測→解析→予報という一連の流れをイメージし、各手法が何を目的に行われるかを押さえることが重要です。

この分野の問題36問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

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149高層気象観測網(ラジオゾンデ観測等)の特徴として、正しいものはどれか。

  1. A海上観測が少なく、密度は地上観測網より小さい。
  2. B陸上に比べて海上の観測密度が非常に高い。
  3. C極軌道衛星に比べて観測データが圧倒的に多い。
  4. D赤道付近の観測データが最も密集している。
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正解:A海上観測が少なく、密度は地上観測網より小さい。

地上観測網と比較して密度が小さく、特に海上観測が少なくなっています。

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150静止気象衛星観測データの欠点として、最も適切なものはどれか。

  1. A海洋上のデータが全く取得できない。
  2. B赤道付近のデータ精度が著しく低い。
  3. C高緯度地方は大気を斜めから見るため精度が良いデータが得られない。
  4. D地球の自転に伴い、同一地点を1日2回しか観測できない。
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正解:C高緯度地方は大気を斜めから見るため精度が良いデータが得られない。

北緯60度以北・南緯60度以南は斜めから大気を見るため精度よいデータが得られません。

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151極軌道衛星による観測データについて、誤っているものはどれか。

  1. A北極と南極を結ぶ軌道を周回する。
  2. B静止気象衛星よりもはるかに高い高度を周回している。
  3. C1日で同一地点を約2回観測可能である。
  4. D地図の経度線に対し、斜め帯状に観測データが得られる。
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正解:B静止気象衛星よりもはるかに高い高度を周回している。

極軌道衛星ノアは上空約850kmであり、静止気象衛星(3万6千km)より低高度です。

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152数値予報の客観解析において、「第一推定値」として用いられるものは何か。

  1. A過去の時刻を初期値とした現在の予報値
  2. B対象時刻の直近に観測された実況値
  3. C気候値の長期的な平均データ
  4. D数値予報モデルの出力値と観測値の差分
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正解:A過去の時刻を初期値とした現在の予報値

過去の時間を起点とする数値予報の現在の客観解析時刻における格子点上の値を第一推定値といいます。

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153解析予報サイクルにおける「初期値化(イニシャリゼーション)」の主な目的はどれか。

  1. A観測データの誤差を補正して、格子点上の値を正確に決定するため。
  2. B第一推定値と観測データの中間値を計算し、予報精度を向上させるため。
  3. Cパラメタリゼーションで計算しきれない局地的な現象の初期状態を生成するため。
  4. D現実の気象の場とは異なる慣性重力波などの不要なノイズを取り除くため。
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正解:D現実の気象の場とは異なる慣性重力波などの不要なノイズを取り除くため。

客観解析後のアンバランスな初期値による慣性重力波のノイズを除去するために行います。

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154客観解析で用いられる「4次元変分法」の特徴として、適切なものはどれか。

  1. A定時観測データのみを用い、計算量を極力削減している。
  2. B高度・緯度・経度の3次元のみを考慮し、時間変化は無視する手法である。
  3. C観測データが存在しない領域では第一推定値を破棄し、周囲の観測値のみで補完する。
  4. D前回の予報値を、解析時刻の前後の観測値で連続的に補正し精度を高める。
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正解:D前回の予報値を、解析時刻の前後の観測値で連続的に補正し精度を高める。

時間軸の重みを考慮して前後ランダムな時間の観測値も取り込み、予報値の誤差を補正し続けます。

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155パラメタリゼーションによって数値予報モデルに取り込まれる物理過程について、誤っているものはどれか。

  1. Aメソモデルの格子点間隔以上の総観スケールの渦の動き。
  2. B乱流による運動量や水蒸気、熱などの鉛直輸送。
  3. C凝結に伴う潜熱の放出や水滴の蒸発による潜熱の吸収。
  4. D地表面や山岳による摩擦抵抗の影響。
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正解:Aメソモデルの格子点間隔以上の総観スケールの渦の動き。

パラメタリゼーションは、格子間隔以下のスケールの物理効果を平均値として取り込む手法です。

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156地表面の状態と放射冷却の関係について、正しいものはどれか。

  1. A新雪は密度が大きく熱伝導率が高いため、夜間の地表面の冷却が遅くなる。
  2. B古い積雪は空気を多く含むため、新雪よりも夜間の放射冷却が強くなる。
  3. C新雪は空気を多く含み下部からの熱伝導を阻害するため、夜間の放射冷却が顕著になる。
  4. Dコンクリートは新雪に比べて熱伝導による上下輸送が弱く、表面が速く冷える。
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正解:C新雪は空気を多く含み下部からの熱伝導を阻害するため、夜間の放射冷却が顕著になる。

新雪は断熱性が高く地中からの熱輸送を阻害するため、表面の放射冷却が相対的に顕著になります。

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157基礎方程式で用いられる「鉛直p速度」について、誤っているものはどれか。

  1. A気圧の時間変化率であり、単位はhPa/hである。
  2. B負の値であれば気圧が下降しているため上昇流を意味する。
  3. C正の値であれば気圧が上昇しているため下降流を意味する。
  4. D地上や等圧面上において、鉛直p速度は常に完全に0となる。
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正解:D地上や等圧面上において、鉛直p速度は常に完全に0となる。

気圧は常に微小に変動しているため、等圧面上や地上でも数学的に真の0になることはありません。

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158現行のメソモデル(MSM)の水平解像度と最長予報期間の組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. A2km、9時間
  2. B5km、78時間
  3. C5km、39時間
  4. D20km、84時間
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正解:B5km、78時間

現行MSMは水平解像度5kmで1日8回実行され、00/12UTC初期値では最長78時間先まで予報する。

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159「全球モデル(GSM)」の特徴として、正しいものはどれか。

  1. A非静力学モデルであり、積雲対流などの強い鉛直流の表現が可能である。
  2. B静力学近似を用いており、対流性の強い鉛直流域は現実より小さく表現される。
  3. C水平解像度は5kmであり、大雨や暴風などの短時間予報を目的としている。
  4. D音波の表現が可能であり、空気の圧縮や膨張を計算に取り込んでいる。
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正解:B静力学近似を用いており、対流性の強い鉛直流域は現実より小さく表現される。

GSMは静力学平衡のモデルのため、強い鉛直流域は現実の鉛直速度より小さく計算されます。

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160メソモデルと全球モデルの鉛直解像度に関する記述で、適切なものはどれか。

  1. Aメソモデルは成層圏の大気状況の把握が重要であり、最上層は全球モデルより高い。
  2. Bメソモデルは対流圏下層、特に大気境界層の鉛直解像度を密にしている。
  3. C全球モデルは大気境界層の解析を密に行う必要がないため、下層の解像度は極端に粗い。
  4. Dどちらのモデルも鉛直方向の解析層は等間隔に設定されている。
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正解:Bメソモデルは対流圏下層、特に大気境界層の鉛直解像度を密にしている。

メソモデルは局地的な予報を目的としており、大気境界層の鉛直解像度を密に行っています。

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161現象のスケールと数値予報モデルの予測限界について、誤っているものはどれか。

  1. A水平格子間隔5kmのメソモデルでは、水平スケール25km〜40km以上の現象が表現可能である。
  2. B全球モデルは水平スケール数kmの個々の積乱雲の発達を精度よく予測できる。
  3. Cメソモデルは日本周辺領域を対象とするため、2000km以上の大規模現象の全体像は完璧に表現できない。
  4. D擾乱の水平スケールが小さいほど寿命が短く、数値予報で予報できる期間も短くなる。
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正解:B全球モデルは水平スケール数kmの個々の積乱雲の発達を精度よく予測できる。

全球モデル(GSM)は水平格子間隔が約13kmのため、数kmの現象(積乱雲など)の直接的な表現や予測は困難である。

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162CFL条件に関連し、水平格子間隔を半分にして同じ予報期間を計算する場合の計算量の変化として正しいものはどれか。

  1. A水平格子数が2倍、予報のタイムステップが半分になり、計算量は4倍になる。
  2. B水平格子数が4倍、予報のタイムステップが2倍になり、計算量は16倍になる。
  3. C水平格子数が4倍、予報のタイムステップが半分になり、計算量は8倍になる。
  4. D水平格子数が半分、予報のタイムステップが2倍になり、計算量は変わらない。
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正解:C水平格子数が4倍、予報のタイムステップが半分になり、計算量は8倍になる。

平面格子数が4倍に増え、時間間隔を半分にする制約があるためトータルで8倍の計算量となります。

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163数値予報の短所である「スピンアップ」現象の説明として、正しいものはどれか。

  1. A予報計算開始付近の期間において、上昇流や降水量がその後より小さく予想される現象。
  2. B地形の粗さが原因で、特定の観測地点の気温予報に系統的な偏りが生じる現象。
  3. C予報期間が長くなるにつれて誤差が指数関数的に増大する現象。
  4. D微小な初期値の違いが、数日後に全く異なる予報結果を生み出す現象。
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正解:A予報計算開始付近の期間において、上昇流や降水量がその後より小さく予想される現象。

モデル計算開始初期において、上昇流や降水量が平均して過小評価される現象をスピンアップといいます。

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164「系統的誤差」に関する説明で、誤っているものはどれか。

  1. A数値予報上の地形と実際の地形の標高差が原因で生じる気温の偏りなどが該当する。
  2. B明け方の最低気温や午後の最高気温において局所的な地形の影響を受けることで生じる。
  3. C低気圧や前線の移動速度の予想のズレによる系統的な誤差は、ガイダンスによって除去できる。
  4. D地形が原因で生じる系統的誤差は、天気予報ガイダンスによって軽減することができる。
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正解:C低気圧や前線の移動速度の予想のズレによる系統的な誤差は、ガイダンスによって除去できる。

低気圧や前線の位置・速度など位相のズレに起因する誤差は、ガイダンス処理で除去できません。

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165大気の運動が持つ「カオス性」に関する記述で、正しいものはどれか。

  1. A大気の運動は完全に線形であるため、初期値がわずかに異なっても長期予報には影響しない。
  2. Bごくわずかな初期値の違いが時間とともに複雑に絡み合い、予測困難な異なる結果を生む性質である。
  3. C観測密度を極限まで高めれば、カオス性による予報誤差を完全にゼロにできる。
  4. Dカオス性は地形データが粗いために発生する誤差であり、高解像度モデルでは発生しない。
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正解:Bごくわずかな初期値の違いが時間とともに複雑に絡み合い、予測困難な異なる結果を生む性質である。

大気は非線形性を持つため、微小な初期値の違いが時間経過とともに大きな誤差に成長します。

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166天気予報ガイダンスの手法のうち、「MOS手法」の特徴として適切なものはどれか。

  1. A学習機能があり、場の急激な変化にも即座に対応して関係式を修正できる。
  2. B予報値と観測値の統計的関係式を決めるため、2、3年以上の長期的なデータ蓄積が必要である。
  3. C短期間の観測データで精度が安定し、数値予報モデルの変更に柔軟に対応できる。
  4. D直近の観測値を用いて予測式の係数を逐次最適に補正する手法である。
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正解:B予報値と観測値の統計的関係式を決めるため、2、3年以上の長期的なデータ蓄積が必要である。

MOS手法は過去の長期的なデータから関係式を導くため、2〜3年以上の相関履歴が必要です。

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167「カルマンフィルター手法」による天気予報ガイダンスの短所として正しいものはどれか。

  1. A数値予報モデルの変更に柔軟に対応できない。
  2. Bバイアスの修正が不可能である。
  3. C場の急激な変化に対応できない。
  4. D関係式を作成するために数十年分のデータが必要である。
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正解:C場の急激な変化に対応できない。

過去の履歴に依存して係数を変えるため、短期間に急激に気象場が変化する状況には対応しにくい短所があります。

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168天気予報ガイダンスの手法について、誤っているものはどれか。

  1. Aニューラルネットワーク手法は、人間の脳に近いプロセスを持ち非線形の対応関係を見いだす。
  2. BMOS手法はまれな現象や季節の急激な変化に対する予測誤差が拡大するおそれがある。
  3. C降水量ガイダンスにはカルマンフィルター手法が用いられている。
  4. Dカルマンフィルター手法は、長期間の過去データがないと予測式の係数を決定できない。
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正解:Dカルマンフィルター手法は、長期間の過去データがないと予測式の係数を決定できない。

カルマンフィルターは比較的短い期間の運用で精度が安定し、モデル更新時にも長期間のデータは不要です。

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169現行の局地モデル(LFM)について、予報目的と水平解像度の組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. A台風進路予報・水平解像度20km
  2. B防災気象情報や航空局地予報・水平解像度1km
  3. C航空気象予報・水平解像度10km
  4. D府県天気予報・水平解像度5km
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正解:B防災気象情報や航空局地予報・水平解像度1km

現行のLFMは水平解像度1kmで、防災気象情報や航空局地予報などに用いられる。

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170数値予報プロダクトの利用にあたり、各格子点の予想値の解釈として適切なものはどれか。

  1. Aその格子点ピンポイントでの正確な気象状況を表している。
  2. B第一推定値を完全に排除し、観測データのみから算出された実況値を表している。
  3. C格子点周辺の観測データの最大値を表している。
  4. Dその格子点を中心とする1格子間隔程度の範囲の平均値を表している。
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正解:Dその格子点を中心とする1格子間隔程度の範囲の平均値を表している。

格子点上の予想値は、あくまでその格子点を中心とした一つの格子面積の平均値として解釈します。

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171降水量の数値予報とガイダンスに関する記述で、誤っているものはどれか。

  1. A予想図に示される降水量は、予想時刻における瞬間の降水強度を表す。
  2. B降水確率ガイダンスは、対象領域内で1mm以上の降水がある確率を示す。
  3. C降水量ガイダンスは実況が大きく外れると、次の学習更新まで予測を多めに見積もる傾向がある。
  4. D数値予報の出力値は具体的な天気ではないため、関係式を用いて天気に翻訳する。
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正解:A予想図に示される降水量は、予想時刻における瞬間の降水強度を表す。

予想図の降水量は、ある期間を遡った積算雨量であり、その瞬間の降水強度ではありません。

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172静力学平衡に基づく全球モデル(GSM)における、対流性降水量の予測傾向として適切なものはどれか。

  1. A常に実際の観測値よりも過大に予測される傾向がある。
  2. B対流性の降水はパラメタリゼーションを用いずに直接力学計算される。
  3. C格子間隔より小さな対流も完璧に解像し、正確に予測される。
  4. D実際の地点最大雨量と比較すると、小さく予測される場合がある。
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正解:D実際の地点最大雨量と比較すると、小さく予測される場合がある。

静力学平衡モデルでは強い鉛直流を小さく見積もる傾向があり、局地的な最大雨量より小さく予想されがちです。

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173水蒸気が関与する現象の数値予報に関する記述で、正しいものはどれか。

  1. A水蒸気が関与する現象は、他の現象に比べて予報が容易であり誤差が生じにくい。
  2. B大雨のポテンシャル(可能性)を予報することは数値予報では不可能である。
  3. C局地的な大雨の予報は、時間的・空間的に誤差が大きくなる場合がある。
  4. D水蒸気量の客観解析は観測網で完全に把握できるため、梅雨期でも予報精度は低下しない。
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正解:C局地的な大雨の予報は、時間的・空間的に誤差が大きくなる場合がある。

水蒸気が絡む現象は変動が大きく把握が困難なため、予報誤差が大きくなりやすい短所があります。

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174予報精度の限界とその要因について、適切な記述はどれか。

  1. A観測網を無限に増やせば、大気の完全な初期状態を表現でき、誤差はゼロになる。
  2. Bモデル精度が向上すれば、過去の予報値を切り捨てて実況データのみで完全な予報が可能になる。
  3. C解析予報サイクルにおいて、前回の予報誤差は次の解析結果に全く影響を与えない。
  4. D格子点上の平均値を計算するという手法自体が、初期値に誤差を生む原因の一つである。
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正解:D格子点上の平均値を計算するという手法自体が、初期値に誤差を生む原因の一つである。

観測誤差に加え、格子点上で平均値を計算するという仕組みそのものが誤差を含む要因となります。

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175初期値作成における観測データの「品質管理」について、誤っているものはどれか。

  1. A海上の観測データは非常に少ないため、品質管理を行わずにすべて客観解析に利用する。
  2. B第一推定値との誤差が一定を超えた観測値は、正しくても客観解析に使用されないことがある。
  3. C人的ミスなどによる異常値は品質管理で客観解析から除外される。
  4. D局地的な現象を意味するデータは、モデル計算に悪影響を与えるおそれがあるため除外されることがある。
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正解:A海上の観測データは非常に少ないため、品質管理を行わずにすべて客観解析に利用する。

海上のデータは少なく貴重ですが、一データの影響が大きいため厳重な品質管理が行われます。

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176メソモデル(MSM)における「非静力学方程式」の採用理由として適切なものはどれか。

  1. A地球規模の総観スケール現象を長期間予測するため。
  2. B音波の解を排除し、計算速度を極限まで高めるため。
  3. C水平スケールが小さい現象において重要となる非静力学効果を表現するため。
  4. D対流圏上層や成層圏の大気構造をより精密に解析するため。
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正解:C水平スケールが小さい現象において重要となる非静力学効果を表現するため。

格子間隔が小さくなるにつれ、鉛直流などの大気の鉛直方向の運動(非静力学効果)の表現が重要になるためです。

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177気象観測のデータ密度と利用に関する記述で、正しいものはどれか。

  1. A地上観測網に比べ、高層気象観測網は海上でのデータ密度が高い。
  2. B海上の天気予報の信頼性が陸上より高いのは、観測密度が高いためである。
  3. C南極には地上観測網が一切存在しない。
  4. D航空機による観測データは、航路に沿ってライン状に得られる。
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正解:D航空機による観測データは、航路に沿ってライン状に得られる。

航空機や船舶の観測データは、その移動経路に沿ってライン状に取得されます。

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178数値予報の客観解析プロセスについて、誤っているものはどれか。

  1. A海上に多い観測データが存在しない格子点では、第一推定値がそのまま解析値となる。
  2. B格子点の値は、最も近い観測データ一つの値をそのまま無条件で採用して決定される。
  3. C過去の予報値を第一推定値として用いるのは、気象の場の連続性を引き継ぐためである。
  4. D上流側が陸上の場合、精度の高い第一推定値の影響が下流の海上の解析にも好影響を与える。
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正解:B格子点の値は、最も近い観測データ一つの値をそのまま無条件で採用して決定される。

複数の観測値を格子点からの距離に応じて重みを与え、第一推定値を補正して決定します。

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179大気の運動を記述する「水平方向の運動方程式」において、格子点の風の時間変化に影響を与えない項はどれか。

  1. A大気の温位の変化
  2. Bコリオリ力による変化
  3. C大気の移流効果
  4. D気圧傾度力による変化
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正解:A大気の温位の変化

温位の変化は熱力学の方程式(非断熱効果など)で記述され、運動方程式の項ではありません。

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180パラメタリゼーションで考慮される地表面との物理過程について、正しいものはどれか。

  1. A植生の有無は地表面からの水蒸気輸送の量に全く影響を与えない。
  2. B砂漠と海洋では大気への水蒸気輸送の量に違いはない。
  3. C大気境界層における乱流は、熱や運動量の鉛直輸送を極めて活発にする。
  4. D地表面の状態の違いは太陽放射の吸収率には影響を及ぼさない。
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正解:C大気境界層における乱流は、熱や運動量の鉛直輸送を極めて活発にする。

乱流が存在することで、存在しない場合と比べて熱や水蒸気、運動量の鉛直輸送が極めて大きくなります。

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181数値予報モデルが持つ予測可能な現象スケールと寿命の関係について、誤っているものはどれか。

  1. A台風や低気圧など水平スケールが大きい現象は、寿命が長く予報有効期間も長くなる。
  2. B擾乱の水平スケールが大きいほど、1日あたりの変化率が相対的に小さくなる。
  3. C竜巻などの水平スケールが極端に小さい現象は、現在の数値予報モデルで直接的な予報が可能である。
  4. D数値予報で精度よく表現される現象の水平スケールは、少なくとも格子間隔の5〜8倍必要である。
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正解:C竜巻などの水平スケールが極端に小さい現象は、現在の数値予報モデルで直接的な予報が可能である。

竜巻はスケールが数十分から数kmと小さすぎるため、直接的な数値予報の解として表現することは困難です。

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182等圧面予想図等を用いた、大気の立体構造の把握手法として正しいものはどれか。

  1. A300hPaのトラフ付近の気温が顕著に上昇していれば、対流圏界面が下降しトラフが発達していると判断できる。
  2. B300hPaのトラフ付近の気温が顕著に低下していれば、対流圏界面が下降しトラフが発達していると判断できる。
  3. C低気圧の前面では下層から中層へ空気が下降し、衛星画像で暗域として広く観測される。
  4. D500hPaのトラフと地上低気圧を結ぶ軸が東側に傾いている場合、低気圧の発達が予想される。
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正解:A300hPaのトラフ付近の気温が顕著に上昇していれば、対流圏界面が下降しトラフが発達していると判断できる。

対流圏界面が下降すると、成層圏の暖かい空気が入り込むため上層(300hPa付近)の気温が上昇します。

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183現行の全球アンサンブル予報システム(GEPS)が週間天気予報等で用いられる予報の期間として正しいものはどれか。

  1. A11日間
  2. B84時間
  3. C39時間
  4. D1か月
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正解:A11日間

GEPSは初期時刻により5.5日・11日・18日先まで予報し、週間天気予報には11日先までの予報が用いられる。

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184天気予報ガイダンスの「ニューラルネットワーク手法」の特徴として適切なものはどれか。

  1. A場の急激な変化に最も強く、即座に誤差を修正できる。
  2. B予想誤差を常に確実に最小にできる保証がある。
  3. C長期間の関係式の蓄積が必須であり、初期値の設定に工夫は不要である。
  4. D人工ニューロンを用い、非線形の対応関係を見つけることができる。
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正解:D人工ニューロンを用い、非線形の対応関係を見つけることができる。

人工的な神経ネットワークを用いて非線形の関係性を見出しますが、誤差を最小にできる保証はありません。

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