第172問著作権法第1条に規定されている同法の最終的な目的として正しいものはどれか。
- A産業の発達に寄与すること
- B経済の安定に寄与すること
- C文化の発展に寄与すること
- D学術の振興に寄与すること
著作物の創作とともに発生する著作権の基礎を扱う分野です。著作権法第1条の目的、「著作物」の定義と要件、著作物の種類、著作者の権利(著作者人格権と著作財産権)、外国人の著作物の保護要件などが頻出です。無方式主義で権利が発生する点が、産業財産権との大きな違いです。何が著作物にあたるか、誰が著作者になるかを定義から正確に判断する力が問われます。人格権と財産権の区別を土台として押さえ、後半の保護期間や権利制限の理解につなげましょう。
この分野の問題42問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。
クイズモードで挑戦 →正解:D.高度な芸術的価値を有していること
著作物とは思想又は感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいい、高度な芸術的価値は要件とされていません。
この問題の解説ページを開く →正解:C.幼稚園児が自由な発想で画用紙に描いた絵
著作物は思想又は感情を創作的に表現したものであればよく、プロやアマチュアの区別はなく、幼稚園児が描いた絵であっても該当します。
この問題の解説ページを開く →正解:B.最初に日本国内において発行された著作物であること
日本国民以外が創作した著作物であっても、最初に日本国内で発行されたものであれば日本の著作権法により保護されます。
この問題の解説ページを開く →正解:A.その発行の日から30日以内
最初に国外において発行された著作物であっても、その発行の日から30日以内に日本国内において発行されれば、最初に国内において発行されたものとみなされます。
この問題の解説ページを開く →正解:D.小説や論文だけでなく、講演や点字の著作物も言語の著作物に該当する。
言語の著作物には小説、脚本、論文、講演、点字の著作物などが該当します。時事の報道は該当せず、歌詞は音楽の著作物としても保護されます。
この問題の解説ページを開く →正解:B.漫画に描かれた具体的な絵は美術の著作物として保護されるが、抽象的なキャラクター自体は著作物に該当しない。
漫画に描かれた絵自体は具体的表現として保護されますが、キャラクター自体(名称、容貌、役割等の特徴)は抽象的表現であり著作物に該当しません。
この問題の解説ページを開く →正解:D.所有権は有体物をその客体とする権利であり、所有権に基づいて出版物の販売差止はできない。
最高裁判所の判例によると、所有権は有体物を客体とする権利であり、無体物である著作物自体を排他的に支配できるものではないため、出版物の販売差止はできません。
この問題の解説ページを開く →正解:A.城や宮殿のような芸術性を備える建築物等が建築の著作物に該当する。
建築の著作物には、城や宮殿のような芸術性を備える建築物が該当し、一般的な住宅や工場は含まれません。なお、図面に従って建築物を完成させる行為は翻案ではなく複製の問題として整理されます。
この問題の解説ページを開く →正解:A.テレビゲームのような、映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ物に固定されている著作物も含む。
映画の著作物には、映画やドラマだけでなく、映画の効果に類似する効果を生じさせる方法で表現され、かつ物に固定されているテレビゲームも含まれます。
この問題の解説ページを開く →正解:A.プログラムの著作物にはコンピューターのプログラム等が該当するが、プログラム言語自体、規約や解法は該当しない。
プログラムの著作物にはコンピューターのプログラム等が該当しますが、プログラム言語自体、規約、解法はプログラムの著作物には該当しません。
この問題の解説ページを開く →正解:A.職業別電話帳のように、素材の選択や配列に創作性を有するものは編集著作物に該当し保護される。
編集著作物とは素材の選択や配列に創作性を有するものをいい、個々の素材に著作物性がなくても、職業別電話帳のように創作性が認められれば保護されます。
この問題の解説ページを開く →正解:B.座談会で複数の人が議論した議事録は、各人の担当部分を分離して個別に利用できないため共同著作物に該当する。
各自担当した部分を分離して個別に利用できないものが共同著作物(例:座談会の議事録)であり、分離して個別に利用できるものは結合著作物(例:歌)です。
この問題の解説ページを開く →正解:B.既存の著作物に依拠し、かつその表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ具体的表現に修正等を加えて別の著作物を創作する行為
「翻案」とは、既存の著作物に依拠し、その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ具体的表現に修正、増減、変更等を加えて別の著作物を創作する行為と定義されています。
この問題の解説ページを開く →正解:C.無断で創作された二次的著作物であっても、著作権法上の二次的著作物として保護される。
著作者に無断で著作物の改変を行い二次的著作物を創作した場合、翻案権等の侵害となりますが、そのような二次的著作物であっても二次的著作物として保護されます。
この問題の解説ページを開く →正解:C.著作権は著作物を創作した時に自動的に発生し、出願手続や登録、表示等を必要としない。
著作権は、産業財産権とは異なり、著作物を創作した時に発生(無方式主義)するため、出願手続や登録、表示等を行う必要はありません。
この問題の解説ページを開く →正解:C.その法人等が従業者等に対して相当の利益(報酬等)を支払うこと
職務著作の成立要件に従業者への相当の利益の支払いは含まれておらず、職務発明と異なり従業者等は相当の利益を受ける権利を有しません。
この問題の解説ページを開く →正解:D.「業務に従事する者」には、正規の従業員だけでなく、法人の役員やパートタイマー等も含まれる。
「業務に従事する者」には従業員だけでなく役員やパートタイマー等も含まれます。また、明確な指示がなくても雇用契約に基づく職務であれば発意に基づくといえます。
この問題の解説ページを開く →正解:A.法人等の名義の下に公表しなくても職務著作が成立する。
プログラムの著作物は必ずしも公表を伴うものではないため、職務著作の成立要件のうち「その法人等が自己の著作の名義の下に公表すること」という条件を満たさなくとも職務著作となります。
この問題の解説ページを開く →正解:B.制作、監督、演出、撮影、美術等を担当し、映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者が著作者となる。
映画の著作物の著作者は、全体的形成に創作的に寄与した者(監督等)であり、助監督や俳優、原作・脚本・音楽の著作者(クラシカルオーサー)は除かれます。
この問題の解説ページを開く →正解:D.著作財産権は映画製作者に帰属し、著作者人格権のみ監督等の著作者に帰属する。
映画の製作への参加を約束していた場合、著作財産権は映画製作者に帰属しますが、著作者人格権は譲渡できないため監督等の著作者に帰属したままとなります。
この問題の解説ページを開く →正解:C.未公表の著作物の著作権を譲渡した場合、当該著作物をその著作権の行使により公表することに同意したと推定される。
未公表の著作物の著作権を譲渡した場合は、その著作権の行使により公表することに同意したと推定されます。公表権は未公表の著作物を対象とする権利です。
この問題の解説ページを開く →正解:B.デパート等のBGMに音楽が使用される場合など、著作者の利益を害するおそれがなく公正な慣行に反しない場合は省略できる。
著作物の利用目的及び態様に照らし、著作者の利益を害するおそれがなく、公正な慣行に反しない場合(例:デパート等のBGM)は、氏名表示を省略できます。
この問題の解説ページを開く →正解:D.勝手に著作物の題号(タイトル)を改変した場合は、同一性保持権の侵害となる。
同一性保持権は著作物の内容だけでなく題号(タイトル)にも及ぶため、勝手に題号を改変すると侵害になります。なお、著作物の破棄自体は侵害になりません。
この問題の解説ページを開く →正解:A.建築物の所有者の個人的な趣味趣向に基づく趣味的な改築
経済的・実用性の観点からの増築や修繕は同一性保持権の侵害とはなりませんが、趣味的な改築の場合には同一性保持権の侵害となります。
この問題の解説ページを開く →正解:A.依拠性と有形的再製
著作物の複製とは、既存の著作物に依拠し(依拠性)、印刷等の方法により有形的に再製することをいいます。偶然似てしまった場合は依拠性が欠け、複製にはなりません。
この問題の解説ページを開く →正解:B.建築の著作物の図面からその建築物を建設する行為
特殊な複製行為として、建築の著作物の図面からその建築物を建設する行為や、言語の著作物等を点字にする行為が複製行為に該当すると明記されています。
この問題の解説ページを開く →正解:B.出版権を設定した場合、複製権等を有する者であっても、自分で出版行為をすることはできない。
出版権を設定した場合、たとえ複製権等を有する者(元の著作権者)であっても、自分で出版行為をすることはできなくなります。また電子書籍にも設定可能です。
この問題の解説ページを開く →正解:C.教師の演奏については音楽教室が利用主体であるが、生徒の演奏については生徒自身が利用主体であると判断された。
最高裁の判例では、教師の演奏については音楽教室が利用主体であり著作物使用料を支払う必要があるが、生徒の演奏については生徒自身が利用主体であると判断されました。
この問題の解説ページを開く →正解:B.営利を目的とせず、聴衆から料金を取らない場合、有線放送等された著作物を受信装置(テレビ等)を用いて公に伝達しても公衆伝達権の侵害とはならない。
営利を目的とせず聴衆から料金を取らない場合には、公衆送信された著作物を受信装置を用いて公に伝達しても公衆伝達権の侵害とはなりません。リンクは侵害になりません。
この問題の解説ページを開く →正解:A.美術の著作物の原作品の所有者等は展示権者の許諾なく公に展示できるが、一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に展示する場合は展示権の侵害となる。
美術の原作品や未発表の写真の所有者は許諾なく展示できますが、屋外の場所や建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に展示する場合は侵害となります。
この問題の解説ページを開く →正解:C.頒布権は原則として消尽しないが、ゲームソフトの頒布権は一旦適法に譲渡されると譲渡をする権利については消尽すると解釈されている。
頒布権は消尽しないと解釈されていますが、ゲームソフトの頒布権については、一旦適法に譲渡されると頒布権のうち譲渡をする権利については消尽すると解釈されています。
この問題の解説ページを開く →正解:A.著作権者等からいったん適法に譲渡された著作物については譲渡権が消尽するため、それを売却しても譲渡権の侵害にはならない。
著作権者等からいったん適法に譲渡された著作物については譲渡権は消尽するため、お店で購入した本をネットオークション等で売却しても譲渡権の侵害にはなりません。
この問題の解説ページを開く →正解:D.貸与権は、著作権者等から適法に譲渡を受けた(購入した)場合であっても消尽しない。
貸与権は、著作権者等から適法に譲渡を受けた場合であっても消尽しないため、適法に購入した複製物であっても公衆に貸与した場合は貸与権の侵害となります。
この問題の解説ページを開く →正解:C.すべてのケースにおいて、著作者が死亡した日、公表された日、または創作された日の「翌年の1月1日」から起算する。
著作権の存続期間の計算方法を簡単にするため、すべての期間は、死亡、公表、創作した年の「翌年の1月1日」から起算します。
この問題の解説ページを開く →正解:B.原則として、その著作物の公表後70年間(創作後70年間公表されない場合は創作後70年間)
団体名義の著作物および映画の著作物の保護期間は、その公表後70年間です。ただし、創作から70年間公表されない場合には創作後70年間となります。
この問題の解説ページを開く →正解:A.最終部分が公表された時の翌年1月1日から、70年を経過した時
連載小説のように一部分ずつを逐次公表して完成する著作物は、最終部分の公表時から起算して70年間となります。
この問題の解説ページを開く →正解:D.譲渡契約の際に、これらの権利も譲渡の目的となることを契約書に特掲(明確に記載)しなければならない。
翻案権等(27条)と二次的著作物の利用に関する原作者の権利(28条)は、譲渡契約の際にその旨を特掲しなければ、譲渡されなかったものと推定されます。
この問題の解説ページを開く →正解:D.利用許諾や持分の譲渡、質権の設定を行うには、他の共有者全員の同意(合意)が必要である。
著作権が共有されている場合、利用許諾や自分の持分の譲渡、質権の設定などは、他の共有者全員の同意(合意)によらなければ行うことができません。なお、差止請求等は単独で可能です。
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