第121問貸金庫の借主が死亡した場合における、貸金庫契約の法的性質として正しいものはどれか。
- A貸金庫の賃借権は特定の相続人が単独で当然に承継する。
- B貸金庫の賃借権は死亡と同時に消滅し金融機関に帰属する。
- C貸金庫の賃借権は共同相続人に準共有される状態になる。
- D貸金庫の賃借権は遺産分割協議が成立するまで国庫に帰属する。
貸金庫の開扉と内容物の確認、投資信託・国債など預金以外の商品の承継、被相続人が借入人だった場合の債務の承継、当座勘定や手形・小切手の扱いなど、預金以外の相続実務を横断する分野。可分債務である金銭債務は相続人が法定相続分に応じて当然に分割承継するという原則と、免責的債務引受などで借入人を一本化する実務との対比が要点になる。2023年4月27日施行の相続土地国庫帰属制度は、相続等で取得した土地を一定の要件のもとで国に引き取ってもらう仕組みで、建物がある土地や担保権が設定された土地は却下されるなど要件が細かい。審査手数料と負担金の納付が必要な点も含めて整理しておきたい。
この分野の問題38問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。
クイズモードで挑戦 →正解:A.格納物の確認が緊急性を要する事柄に関連する場合を除き、他の共同相続人の同意がない限り応じるべきではない。
貸金庫の開扉は保存行為とも思われますが、無断持ち出し等による責任追及リスクがあるため、原則として他の共同相続人の同意がない限り応じるべきではありません。
この問題の解説ページを開く →正解:B.契約者の死亡により代理権は消滅するため、開扉要請は拒絶するべきである。
契約者の死亡により委任または準委任契約は終了し代理権も消滅するため、金融機関は代理人からの開扉要請を拒絶するべきです。
この問題の解説ページを開く →正解:D.遺言書に権限を認める記載がない場合、直ちに権限が認められるわけではないため安易に応じるべきではない。
遺言書に貸金庫の開扉権限を認める記載がない場合、遺言執行者に直ちに開扉権限が認められるわけではないため、安易に応じるべきではありません。
この問題の解説ページを開く →正解:B.各自が500万円の債務として分割承継し、他の債務者と連帯して弁済する責任を負う。
連帯債務者の1人が死亡し相続人が複数ある場合、各自が相続分に応じて分割承継したうえで、他の債務者と連帯債務者となります。
この問題の解説ページを開く →正解:A.被相続人に相続財産が全く存在しないと信じ、そう信じるについて相当な理由がある場合。
相続財産が全く存在しないと信じ、かつそう信じるについて相当な理由がある場合には、熟慮期間は相続財産の存在を認識した時等から起算されます。
この問題の解説ページを開く →正解:D.法定代理人の同意を得るか、法定代理人が未成年の子を代理して行う。
未成年の子が有効に相続放棄をするためには、行為能力が必要であり、法定代理人の同意を得るか、法定代理人が代理して行う必要があります。
この問題の解説ページを開く →正解:D.BがCを代理して相続放棄するのに先立ち、B自らも相続放棄した場合。
親権者自らも相続放棄をする場合、子の相続放棄により親権者が利益を受ける関係にないため、利益相反行為には該当しません。
この問題の解説ページを開く →正解:D.相続財産自体を法人とし、家庭裁判所が相続財産清算人を選任する。
全員が相続放棄して相続人が不存在となった場合、相続財産を法人とし、家庭裁判所が相続財産清算人を選任して清算手続を行わせます。
この問題の解説ページを開く →正解:D.限定承認がなされると、被相続人の債務自体が相続財産の限度に減額され消滅する。
被相続人の債務は相続人に承継されるものであり、限定承認によって債務自体が消滅したり減額されたりするわけではありません。
この問題の解説ページを開く →正解:C.当該行為をした相続人の相続分に応じて、その者の固有財産から弁済を受けることができる。
限定承認後に法定単純承認に該当する行為があった場合、限定承認の効果は覆りませんが、行為をした相続人の固有財産から相続分に応じて弁済を受けられます。
この問題の解説ページを開く →正解:B.相続債権者に対する弁済が終了した後になお残余財産がある場合にのみ、受遺者に弁済する。
相続債権者の地位を害さないため、限定承認者は相続債権者に弁済した後でなければ受遺者に弁済することができません。
この問題の解説ページを開く →正解:C.相続開始前に仮登記を経由していても、信義則上、相続債権者に所有権取得を対抗できない。
不動産の死因贈与の受贈者が限定承認をした場合、仮登記があっても信義則上、相続債権者に所有権の取得を対抗できないとするのが判例です。
この問題の解説ページを開く →正解:C.債権者の承諾がない限り、相続人は債権者に対してその相続分の指定を対抗できない。
被相続人が遺言で金銭債務の相続分を指定しても、債権者の承諾なしには債権者に対抗することはできません。
この問題の解説ページを開く →正解:B.債権者が承諾しない限り効力は及ばず、法定相続分に応じて各相続人に請求できる。
金銭債務に関する遺産分割協議による承継割合は債権者が承諾しない限り効力が及ばず、法定相続分に応じた請求が可能です。
この問題の解説ページを開く →正解:A.遺産分割は、相続財産の帰属を確定させるものであり、その性質上、財産権を目的とする行為といえるため。
遺産分割協議は相続財産の帰属を確定するものであり、その性質上財産権を目的とする行為といえるため、詐害行為取消権の対象となります。
この問題の解説ページを開く →正解:A.遺産分割協議の有効性を確認したうえで、詐害行為取消権による取消しを検討する。
相続人の債権者が害されるような遺産分割協議が行われた場合、債権者は詐害行為取消権に基づく取消しを検討することができます。
この問題の解説ページを開く →正解:A.相続による登記のため受益相続人による単独申請で行い、登録免許税は不動産価額の1,000分の4である。
遺産分割方法の指定による場合は、相続による登記のため単独申請で行い、登録免許税は不動産価額の1,000分の4となります。
この問題の解説ページを開く →正解:B.従前の債務者の債務を免脱させずに、引受人がこれと同一の債務を負担する。
併存的債務引受とは、従前の債務者の債務を免脱させずに、引受人が同一の債務を負担するものであり、実質は一種の保証といえます。
この問題の解説ページを開く →正解:A.連帯債務の相対的効力により、従前の債務者には時効更新の効力が及ばない。
従前の債務者と引受人は連帯債務者の関係になりますが、相対的効力が原則であるため、引受人への請求は従前の債務者に効力が及びません。
この問題の解説ページを開く →正解:A.従前の債務者が負担する債務と同一内容の債務を引受人が負担し、従前の債務者は債務を免れる。
免責的債務引受は、引受人が同一内容の債務を負担し、従前の債務者は自己の債務を免れる制度です。
この問題の解説ページを開く →正解:C.債権者が従前の債務者に契約をした旨を通知した時に効力が発生する。
債権者と引受人との契約による免責的債務引受は、債権者が債務者に契約した旨を通知した時に効力が発生します。
この問題の解説ページを開く →正解:D.保証人または担保提供者の承諾がなければ移転しない。
債務者が変更されると債務の経済的価値が変わるため、免責的債務引受において保証や担保は提供者の承諾がなければ移転しません。
この問題の解説ページを開く →正解:C.債務は法律上当然に分割承継されているため、分割された状態のまま債権管理と回収を行う。
同意が得られない場合、融資債務は法律上当然に分割承継されているため、分割された状態のまま債権管理と回収を行わざるを得ません。
この問題の解説ページを開く →正解:A.相続または相続人に対する遺贈により土地の所有権を取得した者
本制度の承認申請権者は、相続または遺贈(相続人に対する遺贈に限る)により土地の所有権の全部または一部を取得した者です。
この問題の解説ページを開く →正解:A.売買等で持分を取得した共有者を含め、共有者の全員が共同して行う必要がある。
対象となる土地が共有に属する場合、相続等以外で持分を取得した者も含め、共有者の全員が共同して承認申請を行う必要があります。
この問題の解説ページを開く →正解:C.承認された土地につき、その管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して算定される。
承認を受けた者は、国有地の種目ごとにその管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して算定された負担金を納付する必要があります。
この問題の解説ページを開く →正解:D.土地の通常の管理を阻害する工作物が地上に存する土地
担保権設定、土壌汚染、境界不明は直ちに却下される事由ですが、工作物が地上に存する土地は不承認事由に該当します。
この問題の解説ページを開く →正解:B.相続人の人数や資産状況等を踏まえて、債権の回収方法を相続人との間で協議する。
融資債務の集約が望ましい場合、債権者は相続人の人数や資産状況、事業の承継状況等を踏まえて回収方法を協議する必要があります。
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