相続アドバイザー3級 ④ 金融実務② 貸金庫・融資・国庫帰属

貸金庫の開扉と内容物の確認、投資信託・国債など預金以外の商品の承継、被相続人が借入人だった場合の債務の承継、当座勘定や手形・小切手の扱いなど、預金以外の相続実務を横断する分野。可分債務である金銭債務は相続人が法定相続分に応じて当然に分割承継するという原則と、免責的債務引受などで借入人を一本化する実務との対比が要点になる。2023年4月27日施行の相続土地国庫帰属制度は、相続等で取得した土地を一定の要件のもとで国に引き取ってもらう仕組みで、建物がある土地や担保権が設定された土地は却下されるなど要件が細かい。審査手数料と負担金の納付が必要な点も含めて整理しておきたい。

この分野の問題38問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

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121貸金庫の借主が死亡した場合における、貸金庫契約の法的性質として正しいものはどれか。

  1. A貸金庫の賃借権は特定の相続人が単独で当然に承継する。
  2. B貸金庫の賃借権は死亡と同時に消滅し金融機関に帰属する。
  3. C貸金庫の賃借権は共同相続人に準共有される状態になる。
  4. D貸金庫の賃借権は遺産分割協議が成立するまで国庫に帰属する。
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正解:C貸金庫の賃借権は共同相続人に準共有される状態になる。

貸金庫の借主が死亡した場合、貸金庫の賃借権は共同相続人に準共有されている状態になります。

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122共同相続人の1人から貸金庫を開扉し格納物を確認したいと要請された場合の金融機関の対応として正しいものはどれか。

  1. A格納物の確認が緊急性を要する事柄に関連する場合を除き、他の共同相続人の同意がない限り応じるべきではない。
  2. B緊急性を要する事柄に関連する場合であっても絶対に拒絶するべきである。
  3. C貸金庫の開扉は保存行為であるため、常に単独の開扉請求に応じるべきである。
  4. D家庭裁判所の許可書が提示された場合に限り、単独の開扉請求に応じるべきである。
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正解:A格納物の確認が緊急性を要する事柄に関連する場合を除き、他の共同相続人の同意がない限り応じるべきではない。

貸金庫の開扉は保存行為とも思われますが、無断持ち出し等による責任追及リスクがあるため、原則として他の共同相続人の同意がない限り応じるべきではありません。

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123被相続人が貸金庫契約締結時に代理人届を提出していた場合、被相続人の死亡後の代理人からの開扉要請についての説明として正しいものはどれか。

  1. A代理人届の効力は死亡後も継続するため、直ちに開扉要請に応じるべきである。
  2. B契約者の死亡により代理権は消滅するため、開扉要請は拒絶するべきである。
  3. C代理人が共同相続人の1人である場合に限り、単独での開扉要請に応じるべきである。
  4. D相続人全員の同意があれば、代理権が復活するため開扉要請に応じるべきである。
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正解:B契約者の死亡により代理権は消滅するため、開扉要請は拒絶するべきである。

契約者の死亡により委任または準委任契約は終了し代理権も消滅するため、金融機関は代理人からの開扉要請を拒絶するべきです。

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124遺言執行者からの貸金庫の開扉請求に対する対応として正しいものはどれか。

  1. A遺言執行者は包括的な権限を持つため、遺言書の記載にかかわらず常に単独で開扉できる。
  2. B遺言執行者の権限は相続財産の管理に限定されるため、いかなる場合も開扉できない。
  3. C遺言書に貸金庫の開扉権限の記載がない場合でも、金融機関の判断で開扉に応じるべきである。
  4. D遺言書に権限を認める記載がない場合、直ちに権限が認められるわけではないため安易に応じるべきではない。
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正解:D遺言書に権限を認める記載がない場合、直ちに権限が認められるわけではないため安易に応じるべきではない。

遺言書に貸金庫の開扉権限を認める記載がない場合、遺言執行者に直ちに開扉権限が認められるわけではないため、安易に応じるべきではありません。

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125一部の相続人が協力しないために貸金庫の開扉ができない場合、公証人の立会のもとで利用を提案すべき制度はどれか。

  1. A任意後見契約公正証書
  2. B秘密証書遺言
  3. C事実実験公正証書
  4. D遺産分割協議公正証書
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正解:C事実実験公正証書

一部の相続人が協力しない場合、公証人による事実実験公正証書の利用を提案することが考えられます。

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126貸金庫契約の解約手続に関する説明として正しいものはどれか。

  1. A相続人のうち過半数の同意があれば、貸金庫契約を解約することができる。
  2. B貸金庫契約の解約は、相続人全員の同意を得て行ってもらう必要がある。
  3. C代表相続人が単独で貸金庫契約の解約手続を行うことができる。
  4. D金融機関の判断により、相続人の同意なくいつでも貸金庫契約を解約できる。
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正解:B貸金庫契約の解約は、相続人全員の同意を得て行ってもらう必要がある。

貸金庫契約の借主の地位は相続人に準共有されることから、解約には相続人全員の同意が必要です。

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127被相続人の金銭債務が共同相続された場合、法律上の原則的な取り扱いとして正しいものはどれか。

  1. A相続人のうち最年長者がすべての債務を単独で承継する。
  2. B共同相続人が連帯してすべての債務を負担する連帯債務となる。
  3. C法律上当然に分割され、各共同相続人が相続分に応じて承継する。
  4. D遺産分割協議が成立するまでは、相続財産法人が債務を負担する。
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正解:C法律上当然に分割され、各共同相続人が相続分に応じて承継する。

金銭などの可分債務は法律上当然に分割され、各共同相続人がその相続分に応じて承継するのが原則です。

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128債権者に対して1,000万円の連帯債務を負っている2名のうち1名が死亡し、その相続人が2名(相続分は平等)である場合、相続人の負う債務として正しいものはどれか。

  1. A相続人2名が連帯して1,000万円の債務を負担する。
  2. B各自が500万円の債務として分割承継し、他の債務者と連帯して弁済する責任を負う。
  3. C各自が1,000万円の債務として分割承継し、他の債務者と連帯する。
  4. D相続人2名が連帯して500万円の債務を負担する。
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正解:B各自が500万円の債務として分割承継し、他の債務者と連帯して弁済する責任を負う。

連帯債務者の1人が死亡し相続人が複数ある場合、各自が相続分に応じて分割承継したうえで、他の債務者と連帯債務者となります。

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129主債務者が死亡等により期限の利益を喪失した場合、債権者が保証人(法人を除く)に対して通知しなければならない期間として正しいものはどれか。

  1. A利益の喪失を知った時から2ヵ月以内
  2. B利益の喪失を知った時から3ヵ月以内
  3. C利益の喪失を知った時から6ヵ月以内
  4. D利益の喪失を知った時から1年以内
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正解:A利益の喪失を知った時から2ヵ月以内

主債務者が期限の利益を喪失した場合、債権者は保証人に対し、その喪失を知った時から2ヵ月以内に通知しなければなりません。

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130相続人が熟慮期間内に限定承認または相続放棄をしなかった場合において、例外的に熟慮期間の起算点が繰り下がるケースとして正しいものはどれか。

  1. A被相続人に相続財産が全く存在しないと信じ、そう信じるについて相当な理由がある場合。
  2. B相続人が未成年者であり、法定代理人が相続財産の調査を怠っていた場合。
  3. C相続人が海外に居住しており、日本の法律による相続手続を知らなかった場合。
  4. D相続財産が不動産のみであり、売却による換価が著しく困難であると判断した場合。
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正解:A被相続人に相続財産が全く存在しないと信じ、そう信じるについて相当な理由がある場合。

相続財産が全く存在しないと信じ、かつそう信じるについて相当な理由がある場合には、熟慮期間は相続財産の存在を認識した時等から起算されます。

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131未成年の子が有効に相続放棄をするための要件として正しいものはどれか。

  1. A家庭裁判所が選任した未成年後見人の同意を得るか、未成年後見人が代理する。
  2. B共同相続人全員の同意を得たうえで、本人が自ら家庭裁判所に申述する。
  3. C公証人役場において、未成年の子と法定代理人が連名で公正証書を作成する。
  4. D法定代理人の同意を得るか、法定代理人が未成年の子を代理して行う。
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正解:D法定代理人の同意を得るか、法定代理人が未成年の子を代理して行う。

未成年の子が有効に相続放棄をするためには、行為能力が必要であり、法定代理人の同意を得るか、法定代理人が代理して行う必要があります。

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132Aが死亡し、妻Bと未成年の子Cが法定相続人である。利益相反行為に該当しない相続放棄の事例として正しいものはどれか。

  1. ABがCを代理して相続放棄をし、B自らは相続を承認した場合。
  2. BBがCを代理して相続放棄をした後、BがCの財産を管理する場合。
  3. CBがCを代理して相続放棄をする代わりに、Cに生前贈与を行う場合。
  4. DBがCを代理して相続放棄するのに先立ち、B自らも相続放棄した場合。
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正解:DBがCを代理して相続放棄するのに先立ち、B自らも相続放棄した場合。

親権者自らも相続放棄をする場合、子の相続放棄により親権者が利益を受ける関係にないため、利益相反行為には該当しません。

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133共同相続人の全員が相続放棄をした結果、相続人が誰も存在しない状態となった場合に民法が設けている制度として正しいものはどれか。

  1. A最も血縁の近い親族を特別相続人に指定し、清算手続を行わせる。
  2. B相続財産を直ちに国庫に帰属させ、国が債権者への弁済手続を行う。
  3. C被相続人の債権者が協議会を設立し、自ら相続財産を処分する。
  4. D相続財産自体を法人とし、家庭裁判所が相続財産清算人を選任する。
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正解:D相続財産自体を法人とし、家庭裁判所が相続財産清算人を選任する。

全員が相続放棄して相続人が不存在となった場合、相続財産を法人とし、家庭裁判所が相続財産清算人を選任して清算手続を行わせます。

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134限定承認の効果に関する説明として、誤っている要素を含むものはどれか。

  1. A相続人は相続によって得た財産の限度において、被相続人の債務を弁済する責任を負う。
  2. B担保権や保証は限定承認の影響を受けないため、債権者はこれらから回収を図ることができる。
  3. C相続人の固有財産と相続財産が区別され、相続債権者は原則として相続財産からのみ回収できる。
  4. D限定承認がなされると、被相続人の債務自体が相続財産の限度に減額され消滅する。
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正解:D限定承認がなされると、被相続人の債務自体が相続財産の限度に減額され消滅する。

被相続人の債務は相続人に承継されるものであり、限定承認によって債務自体が消滅したり減額されたりするわけではありません。

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135共同相続人が限定承認をした後、相続人の1人が相続財産の一部を私的に消費していたことが判明した。債権者の取れる手段として正しいものはどれか。

  1. A法定単純承認とみなされ、すべての共同相続人が無限責任を負うことになるため全額請求する。
  2. B限定承認の効力は完全に無効となり、家庭裁判所に対して相続放棄の取消しを申し立てる。
  3. C当該行為をした相続人の相続分に応じて、その者の固有財産から弁済を受けることができる。
  4. D私的消費された財産を国庫から補填させるよう、法務大臣に負担金の納付を請求する。
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正解:C当該行為をした相続人の相続分に応じて、その者の固有財産から弁済を受けることができる。

限定承認後に法定単純承認に該当する行為があった場合、限定承認の効果は覆りませんが、行為をした相続人の固有財産から相続分に応じて弁済を受けられます。

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136限定承認者による受遺者と相続債権者への弁済の順序について、正しいものはどれか。

  1. A受遺者と相続債権者は同順位であり、債権額や受贈額に応じて案分して弁済する。
  2. B相続債権者に対する弁済が終了した後になお残余財産がある場合にのみ、受遺者に弁済する。
  3. C弁済の順序に法的な制限はなく、限定承認者が自由に優先順位を決定できる。
  4. D受遺者の権利は相続開始により直ちに確定するため、相続債権者に優先して弁済する。
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正解:B相続債権者に対する弁済が終了した後になお残余財産がある場合にのみ、受遺者に弁済する。

相続債権者の地位を害さないため、限定承認者は相続債権者に弁済した後でなければ受遺者に弁済することができません。

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137不動産の死因贈与を受けた者が限定承認をした場合における、相続債権者との関係として正しいものはどれか。

  1. A限定承認の有無にかかわらず、死因贈与の受贈者は常に相続債権者に優先する。
  2. B相続開始前に仮登記を経由していれば、常に相続債権者に対して所有権取得を対抗できる。
  3. C相続開始前に仮登記を経由していても、信義則上、相続債権者に所有権取得を対抗できない。
  4. D相続債権者の同意が得られた場合に限り、受贈者は所有権取得を主張することができる。
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正解:C相続開始前に仮登記を経由していても、信義則上、相続債権者に所有権取得を対抗できない。

不動産の死因贈与の受贈者が限定承認をした場合、仮登記があっても信義則上、相続債権者に所有権の取得を対抗できないとするのが判例です。

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138被相続人が遺言により金銭債務について法定相続分と異なる割合での承継を定めた場合、債権者との関係として正しいものはどれか。

  1. A遺言の効力により当然に債権者を拘束し、債権者は指定された割合でしか請求できない。
  2. B債権者は遺言の内容を一切主張できず、必ず法定相続分に従って請求しなければならない。
  3. C債権者の承諾がない限り、相続人は債権者に対してその相続分の指定を対抗できない。
  4. D家庭裁判所の許可があれば、債権者の承諾がなくても相続分の指定を対抗できる。
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正解:C債権者の承諾がない限り、相続人は債権者に対してその相続分の指定を対抗できない。

被相続人が遺言で金銭債務の相続分を指定しても、債権者の承諾なしには債権者に対抗することはできません。

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139共同相続人が遺産分割協議により、金銭債務を特定の相続人に集中させる合意をした場合における、債権者の対応として正しいものはどれか。

  1. A金銭債務は遺産分割協議の対象とならないため、合意自体が当然に無効となる。
  2. B債権者が承諾しない限り効力は及ばず、法定相続分に応じて各相続人に請求できる。
  3. C債権者はその合意内容に直ちに拘束され、特定の相続人にしか請求できなくなる。
  4. D債権者は直ちに詐害行為取消権を行使し、遺産分割協議全体を常に取り消さなければならない。
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正解:B債権者が承諾しない限り効力は及ばず、法定相続分に応じて各相続人に請求できる。

金銭債務に関する遺産分割協議による承継割合は債権者が承諾しない限り効力が及ばず、法定相続分に応じた請求が可能です。

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140次のうち、詐害行為取消権の対象とならない「財産権を目的としない行為」に該当するものはどれか。

  1. A積極財産のみを特定の相続人に集中させる遺産分割協議
  2. B相続人による家庭裁判所への相続放棄の申述
  3. C債務者が保有する預金債権を放棄する行為
  4. D債務者が唯一の不動産を第三者に贈与する行為
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正解:B相続人による家庭裁判所への相続放棄の申述

相続放棄のような身分行為は「財産権を目的としない行為」に該当し、詐害行為取消権の行使の対象とはなりません。

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141遺産分割協議が詐害行為取消権の対象となる理由として、最も適切なものはどれか。

  1. A遺産分割は、相続財産の帰属を確定させるものであり、その性質上、財産権を目的とする行為といえるため。
  2. B遺産分割は身分行為の一種であるが、債権者の同意がない限り無効となる性質を持つため。
  3. C遺産分割協議には必ず金銭の授受が伴うため、身分行為ではなく純粋な商行為とみなされるため。
  4. D遺産分割協議は裁判所の許可を得て行うものであり、公的な財産処分に該当するため。
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正解:A遺産分割は、相続財産の帰属を確定させるものであり、その性質上、財産権を目的とする行為といえるため。

遺産分割協議は相続財産の帰属を確定するものであり、その性質上財産権を目的とする行為といえるため、詐害行為取消権の対象となります。

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142相続人が過少な財産しか取得しない内容の遺産分割協議を行ったため、当該相続人の債権者が害されることになった。この債権者の対応として正しいものはどれか。

  1. A遺産分割協議の有効性を確認したうえで、詐害行為取消権による取消しを検討する。
  2. B遺産分割協議は相続人の自由であるため、債権者は一切の法的措置をとることはできない。
  3. C当該相続人に代わって直ちに相続放棄の手続を行い、債務の負担を免れさせる。
  4. D家庭裁判所に遺言の無効確認を申し立て、法定相続分どおりの分割を強制する。
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正解:A遺産分割協議の有効性を確認したうえで、詐害行為取消権による取消しを検討する。

相続人の債権者が害されるような遺産分割協議が行われた場合、債権者は詐害行為取消権に基づく取消しを検討することができます。

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143「特定の遺産を特定の相続人に相続させる」旨の遺言について、最高裁の判例による法的性質の原則的な解釈はどれか。

  1. A特定遺贈
  2. B遺産分割方法の指定
  3. C包括遺贈
  4. D死因贈与
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正解:B遺産分割方法の指定

「相続させる」との遺言の法的意味について、最高裁は特段の事情のない限り「遺産分割方法の指定」と解すべきとしています。

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144遺産分割方法の指定により不動産を取得した場合の登記手続に関する説明として正しいものはどれか。

  1. A相続による登記のため受益相続人による単独申請で行い、登録免許税は不動産価額の1,000分の4である。
  2. B相続による登記のため共同申請で行い、登録免許税は不動産価額の1,000分の20である。
  3. C受遺者と遺贈義務者の単独申請で行い、登録免許税は不動産価額の1,000分の4である。
  4. D受遺者と遺贈義務者の共同申請で行い、登録免許税は不動産価額の1,000分の20である。
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正解:A相続による登記のため受益相続人による単独申請で行い、登録免許税は不動産価額の1,000分の4である。

遺産分割方法の指定による場合は、相続による登記のため単独申請で行い、登録免許税は不動産価額の1,000分の4となります。

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145併存的債務引受の法的性質や特徴に関する説明として正しいものはどれか。

  1. A従前の債務者は自己の債務を免れ、引受人のみが新たな債務者となる。
  2. B従前の債務者の債務を免脱させずに、引受人がこれと同一の債務を負担する。
  3. C債権者と引受人の合意のみでは成立せず、必ず従前の債務者の同意が必要である。
  4. D従前の債務者と引受人は分割債務の関係になり、各自が独立して責任を負う。
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正解:B従前の債務者の債務を免脱させずに、引受人がこれと同一の債務を負担する。

併存的債務引受とは、従前の債務者の債務を免脱させずに、引受人が同一の債務を負担するものであり、実質は一種の保証といえます。

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146併存的債務引受において、引受人に対して行った履行の請求による時効の更新の効力について正しいものはどれか。

  1. A連帯債務の相対的効力により、従前の債務者には時効更新の効力が及ばない。
  2. B連帯債務の絶対的効力により、従前の債務者に対しても時効更新の効力が及ぶ。
  3. C併存的債務引受では時効制度が適用されないため、更新の効力は問題とならない。
  4. D従前の債務者が承認した場合に限り、引受人に対しても時効更新の効力が及ぶ。
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正解:A連帯債務の相対的効力により、従前の債務者には時効更新の効力が及ばない。

従前の債務者と引受人は連帯債務者の関係になりますが、相対的効力が原則であるため、引受人への請求は従前の債務者に効力が及びません。

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147免責的債務引受の法的性質や特徴に関する説明として正しいものはどれか。

  1. A従前の債務者が負担する債務と同一内容の債務を引受人が負担し、従前の債務者は債務を免れる。
  2. B債権者と引受人の二者間契約で締結することは一切認められていない。
  3. C従前の債務者と引受人が連帯して同一の債務を負担し続ける制度である。
  4. D債務者の変更により債務の同一性が失われ、全く新しい債権債務関係が成立する。
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正解:A従前の債務者が負担する債務と同一内容の債務を引受人が負担し、従前の債務者は債務を免れる。

免責的債務引受は、引受人が同一内容の債務を負担し、従前の債務者は自己の債務を免れる制度です。

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148債権者と引受人になる者との契約による免責的債務引受の効力発生要件として正しいものはどれか。

  1. A契約締結と同時に直ちに効力が発生し、従前の債務者に通知する必要はない。
  2. B従前の債務者が当該契約を追認した時に遡って効力が発生する。
  3. C債権者が従前の債務者に契約をした旨を通知した時に効力が発生する。
  4. D裁判所の許可決定が確定した時に初めて効力が発生する。
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正解:C債権者が従前の債務者に契約をした旨を通知した時に効力が発生する。

債権者と引受人との契約による免責的債務引受は、債権者が債務者に契約した旨を通知した時に効力が発生します。

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149免責的債務引受が行われた場合の、従前の保証や担保の取り扱いとして正しいものはどれか。

  1. A免責的債務引受と同時にすべての保証および担保は絶対的に消滅する。
  2. B債務の同一性が保たれるため、承諾の有無にかかわらず当然に移転する。
  3. C債権者が単独で決定すれば、保証人等の承諾なく移転させることができる。
  4. D保証人または担保提供者の承諾がなければ移転しない。
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正解:D保証人または担保提供者の承諾がなければ移転しない。

債務者が変更されると債務の経済的価値が変わるため、免責的債務引受において保証や担保は提供者の承諾がなければ移転しません。

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150相続人から特定の相続人が債務を承継する債務引受の同意が得られない場合の、債権者の対応として正しいものはどれか。

  1. A債権者の判断で最も資力のある相続人を指定し、強制的に免責的債務引受を成立させる。
  2. B債務引受が成立するまで全相続人の預金口座を凍結し、法定相続分とは無関係に相殺する。
  3. C債務は法律上当然に分割承継されているため、分割された状態のまま債権管理と回収を行う。
  4. D家庭裁判所に調停を申し立てない限り、いずれの相続人に対しても債権回収ができなくなる。
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正解:C債務は法律上当然に分割承継されているため、分割された状態のまま債権管理と回収を行う。

同意が得られない場合、融資債務は法律上当然に分割承継されているため、分割された状態のまま債権管理と回収を行わざるを得ません。

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151相続土地国庫帰属制度において、法務大臣に対し土地の所有権を国庫に帰属させる承認を申請できる者として正しいものはどれか。

  1. A相続または相続人に対する遺贈により土地の所有権を取得した者
  2. B贈与契約により土地の所有権を取得した者
  3. C売買契約により土地の所有権を取得した者
  4. D時効取得により土地の所有権を取得した者
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正解:A相続または相続人に対する遺贈により土地の所有権を取得した者

本制度の承認申請権者は、相続または遺贈(相続人に対する遺贈に限る)により土地の所有権の全部または一部を取得した者です。

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152対象となる土地が数人の共有に属する場合の承認申請の手続として正しいものはどれか。

  1. A売買等で持分を取得した共有者を含め、共有者の全員が共同して行う必要がある。
  2. B相続により持分を取得した共有者のみが共同して申請することができる。
  3. C共有者のうち、代表者1名を選任すればその者が単独で申請できる。
  4. D共有持分の過半数を有する者が単独で申請することができる。
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正解:A売買等で持分を取得した共有者を含め、共有者の全員が共同して行う必要がある。

対象となる土地が共有に属する場合、相続等以外で持分を取得した者も含め、共有者の全員が共同して承認申請を行う必要があります。

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153相続土地国庫帰属制度において、申請の段階で直ちに却下される事由(却下事由)に該当する土地はどれか。

  1. A隣接所有者との争訟によらなければ管理できない土地
  2. B崖があり通常の管理に過分の費用を要する土地
  3. C除去しなければ管理できない有体物が地下に存する土地
  4. D建物の存する土地
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正解:D建物の存する土地

建物の存する土地は承認申請を行うことができず、申請の段階で直ちに却下される事由に該当します。

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154相続土地国庫帰属制度における負担金に関する説明として正しいものはどれか。

  1. A国有地の種目ごとにその管理に要する5年分の標準的な費用の額が算定される。
  2. B土地の固定資産税評価額の10パーセントが一律の負担金として徴収される。
  3. C承認された土地につき、その管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して算定される。
  4. D負担金は一切不要であり、承認と同時に無償で国庫に帰属する。
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正解:C承認された土地につき、その管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して算定される。

承認を受けた者は、国有地の種目ごとにその管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して算定された負担金を納付する必要があります。

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155相続土地国庫帰属制度において、土地の所有権が国庫に帰属する時期として正しいものはどれか。

  1. A法務大臣に対して承認申請書を提出した時
  2. B承認申請者が負担金を納付した時
  3. C法務大臣が国庫帰属の承認の決定をした時
  4. D所有権移転登記が完了した時
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正解:B承認申請者が負担金を納付した時

承認申請者が負担金を納付したときに、その納付の時において土地の所有権が国庫に帰属することになります。

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156次のうち、相続土地国庫帰属制度における「不承認事由」に該当し、「却下事由」には該当しない土地はどれか。

  1. A担保権が設定されている土地
  2. B土壌汚染対策法上の特定有害物質により汚染されている土地
  3. C境界が明らかでない土地
  4. D土地の通常の管理を阻害する工作物が地上に存する土地
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正解:D土地の通常の管理を阻害する工作物が地上に存する土地

担保権設定、土壌汚染、境界不明は直ちに却下される事由ですが、工作物が地上に存する土地は不承認事由に該当します。

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157遺言書に貸金庫に関する記載が一切ない場合、金融機関が貸金庫の開扉に応じる際の原則的な対応として正しいものはどれか。

  1. A金融機関の役席者が単独で開扉し、内容物を目視で確認する。
  2. B最も法定相続分の多い相続人のみの立会で開扉に応じるべきである。
  3. C遺言がないため、いかなる場合も開扉を拒絶しなければならない。
  4. D相続人全員の立会のもと、貸金庫の開扉に応じるべきである。
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正解:D相続人全員の立会のもと、貸金庫の開扉に応じるべきである。

遺言書に記載がない場合、金融機関は原則として相続人全員の立会のもと貸金庫の開扉に応じるべきです。

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158被相続人が個人事業主であり、相続人の1人が事業を承継するため、融資債務を当該相続人に集約したい場合の債権者の対応として最も適切なものはどれか。

  1. A債権者が単独で決定し、事業を承継しない他の相続人の債務を強制的に免除する。
  2. B相続人の人数や資産状況等を踏まえて、債権の回収方法を相続人との間で協議する。
  3. C自動的に事業承継者がすべての債務を承継するため、特別な手続は行わない。
  4. D家庭裁判所に事業承継の許可を申し立て、債務の集約を強制する命令を得る。
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正解:B相続人の人数や資産状況等を踏まえて、債権の回収方法を相続人との間で協議する。

融資債務の集約が望ましい場合、債権者は相続人の人数や資産状況、事業の承継状況等を踏まえて回収方法を協議する必要があります。

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