相続アドバイザー3級 ③ 金融実務① 相続預金の払戻し

被相続人の死亡を把握した金融機関の対応から、相続人の確認、必要書類の徴求、払戻しまでの実務を扱う。中心は2019年7月1日施行の預貯金の払戻し制度で、各共同相続人は口座ごとに「相続開始時の預貯金債権の額×3分の1×その相続人の法定相続分」まで、同一の金融機関につき150万円を限度として単独で払い戻せる。前提として、預貯金債権が遺産分割の対象になるという判例の考え方も押さえたい。つまずきやすいのは、150万円という上限が口座単位ではなく金融機関単位である点と、家庭裁判所の保全処分による仮払いとの区別。戸籍の収集や法定相続情報一覧図の使い方もあわせて問われる。

この分野の問題40問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

クイズモードで挑戦 →

81預金者の死亡の事実を新聞記事やテレビの報道等で把握した場合の金融機関の対応として、正しいものはどれか。

  1. A遺産分割協議の成立または遺言書の有無が確認できるまで、一部の出金のみを制限する。
  2. B相続人等から死亡の事実について正式な届出があるまで、取引停止の措置は講じない。
  3. C相続人等からの連絡の有無にかかわらず、直ちに預金者の取引の有無を調査し取引停止の措置を講じる。
  4. D戸籍謄本等により死亡の事実が公的に確認された後に限り、取引停止の措置を講じる。
正解と解説を見る

正解:C相続人等からの連絡の有無にかかわらず、直ちに預金者の取引の有無を調査し取引停止の措置を講じる。

預金者の死亡の事実を把握した以上、相続人等からの連絡の有無にかかわらず、直ちに取引停止の措置を講じる必要がある。

この問題の解説ページを開く →

82遺言執行者が来店して預金の払戻しを求める場合の初動対応として、正しくないものはどれか。

  1. A遺言書または家庭裁判所による遺言執行者選任の審判書謄本を確認する。
  2. B遺言執行者の権限を確認するため、相続人全員の同意書および印鑑登録証明書を徴求する。
  3. C本人確認書類により来店者が遺言執行者本人であることを確認する。
  4. D遺言書に記載された遺言執行者の権限を確認する。
正解と解説を見る

正解:B遺言執行者の権限を確認するため、相続人全員の同意書および印鑑登録証明書を徴求する。

遺言執行者が来店した場合、遺言書等で遺言執行者の存在と権限を確認し、本人確認書類で来店者が本人であることを確認する。相続人全員の同意書等は不要である。

この問題の解説ページを開く →

83弁護士が相続人の代理人として来店した場合の確認事項として、適切なものはどれか。

  1. A相続人等の実印で押印された委任状に、代理人として選任することと相続手続に必要な事項が委託されていることを確認する。
  2. B弁護士会が発行している身分証明書等を確認できれば、委任状の確認は省略できる。
  3. C弁護士が税理士法、司法書士法等の業務規制の範囲内であるかについて確認を求める。
  4. D代理人を通じた手続はできないため、相続人本人に対して来店するよう要請する。
正解と解説を見る

正解:A相続人等の実印で押印された委任状に、代理人として選任することと相続手続に必要な事項が委託されていることを確認する。

来店者が有効な代理人であるか否かは、相続人等の実印で押印された委任状および弁護士本人の身分証明書等により確認する必要がある。

この問題の解説ページを開く →

84最高裁平成28年12月19日大法廷決定に基づく、共同相続された預金債権の取扱いとして、正しいものはどれか。

  1. A普通預金債権および定期貯金債権は、いずれも相続開始と同時に当然に分割されることはなく、遺産分割の対象となる。
  2. B普通預金は当然に分割されるが、定期預金は遺産分割の対象となる。
  3. C相続人全員の同意がある場合に限り、遺産分割の対象から除外される。
  4. D相続開始と同時に当然に法定相続分に応じて分割されるため、各相続人は単独で払戻請求できる。
正解と解説を見る

正解:A普通預金債権および定期貯金債権は、いずれも相続開始と同時に当然に分割されることはなく、遺産分割の対象となる。

最高裁大法廷決定により、普通預金債権、通常貯金債権および定期貯金債権は、いずれも遺産分割の対象となるものと解されている。

この問題の解説ページを開く →

85定額郵便貯金の相続手続における取扱いとして、正しいものはどれか。

  1. A郵政民営化により郵便貯金法が廃止されたため、現在は他の預貯金と完全に同一の取扱いとなる。
  2. B最高裁大法廷決定以前から、相続によって当然に分割されるものではないと判示されている。
  3. C一定の据置期間が経過するまでは、共同相続人の1人から単独で払戻しを受けることができる。
  4. D独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理機構に移管されたため、遺産分割の対象外となる。
正解と解説を見る

正解:B最高裁大法廷決定以前から、相続によって当然に分割されるものではないと判示されている。

定額郵便貯金は、最高裁大法廷決定以前から、相続によって当然に分割されるものではないと判示されている。

この問題の解説ページを開く →

86相続人が妻と子3人、対象となるA銀行の預貯金債権額が1,800万円の事案である。「遺産分割前における預貯金債権の行使」の制度を利用して、遺産分割前に子1人がA銀行から単独で払い戻すことができる限度額はいくらか。

  1. A50万円
  2. B150万円
  3. C300万円
  4. D100万円
正解と解説を見る

正解:D100万円

遺産分割前の払戻し可能額は、相続開始時の預貯金債権額の3分の1に当該相続人の法定相続分を乗じた金額である。1,800万円×1/3×1/6=100万円となる。

この問題の解説ページを開く →

87相続人が妻と子1人、対象となるB銀行の預貯金債権額が2,400万円の事案である。「遺産分割前における預貯金債権の行使」の制度において、子1人が計算上払い戻しを求め得る金額と、実際にB銀行から払い戻しを受けられる限度額の組合せとして、正しいものはどれか。

  1. A計算上は400万円であり、同一金融機関からの払戻限度額の適用はないため400万円となる。
  2. B計算上は400万円だが、同一金融機関からの払戻限度額により150万円となる。
  3. C計算上は800万円だが、同一金融機関からの払戻限度額により150万円となる。
  4. D計算上は150万円であり、そのまま150万円となる。
正解と解説を見る

正解:B計算上は400万円だが、同一金融機関からの払戻限度額により150万円となる。

子の法定相続分は2分の1である。2,400万円×1/3×1/2=400万円となるが、同一の金融機関からの払戻しは150万円が限度とされている。

この問題の解説ページを開く →

88外国籍の預金者の死亡に伴う相続手続について、正しくないものはどれか。

  1. A日本の「法の適用に関する通則法」によれば、相続については、被相続人の本国法による。
  2. B在外邦人が死亡した場合における相続法は、被相続人の本国法である日本法が適用される。
  3. C被相続人の本国法で「常に居住している国の法律によるべき」旨が規定されている場合、日本法に基づく手続が可能である。
  4. D外国籍の被相続人が作成した遺言の成立および効力は、当該遺言作成時の居所地法による。
正解と解説を見る

正解:D外国籍の被相続人が作成した遺言の成立および効力は、当該遺言作成時の居所地法による。

遺言の成立および効力や取消しは、遺言の成立の当時における遺言者の本国法による。

この問題の解説ページを開く →

89戸籍の種類について、法令等によって様式が改められた場合の、編製替え前の戸籍を何と呼ぶか。

  1. A改製原戸籍
  2. B除籍
  3. C全部事項証明
  4. D現在戸籍
正解と解説を見る

正解:A改製原戸籍

戸籍の様式が改められた場合の編製替え(改製)前の戸籍は、改製原戸籍と呼ばれる。

この問題の解説ページを開く →

90相続人の特定と生存の確認に関する手順として、適切なものはどれか。

  1. A相続人が兄弟姉妹の場合、被相続人の戸籍謄本等に加え、被相続人の両親の出生から死亡に至るまでの連続した戸籍謄本等により特定する。
  2. B相続人が兄弟姉妹の場合、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等があれば相続人を特定できる。
  3. C代襲相続人がいる場合、被相続人の戸籍謄本等に加え、代襲相続人の現在の戸籍謄本のみで特定できる。
  4. D相続人が配偶者と子の場合、被相続人の死亡の事実が記載された戸籍謄本のみで相続人を特定できる。
正解と解説を見る

正解:A相続人が兄弟姉妹の場合、被相続人の戸籍謄本等に加え、被相続人の両親の出生から死亡に至るまでの連続した戸籍謄本等により特定する。

兄弟姉妹が相続人の場合、被相続人の戸籍に加えて、両親の出生から死亡に至るまでの連続した戸籍謄本等により相続人を特定する必要がある。

この問題の解説ページを開く →

91「法定相続情報証明制度」に関する記述として、正しくないものはどれか。

  1. A相続人が法務局へ一定の書類を提出し申出を行うことで、法定相続情報一覧図の写しの交付を受けられる制度である。
  2. B法定相続情報一覧図の写しの交付は無料で受けることができる。
  3. C登記手続だけでなく、金融機関での相続手続において戸籍謄本等の提出に代えて利用できることが多い。
  4. D法定相続情報一覧図の保管期間は、提出日から起算して10年間である。
正解と解説を見る

正解:D法定相続情報一覧図の保管期間は、提出日から起算して10年間である。

法定相続情報一覧図の保管期間は、5年間である。

この問題の解説ページを開く →

92令和6年3月に開始した「戸籍証明書等の広域交付制度」において、本籍地以外の市区町村の窓口で戸籍証明書等を取得できる者の範囲として、正しいものはどれか。

  1. A本人、配偶者、直系尊属、直系卑属および委任状を持参した弁護士等の代理人
  2. B本人、配偶者、直系尊属、直系卑属および兄弟姉妹
  3. C本人および配偶者に限られる
  4. D本人、配偶者、直系尊属または直系卑属
正解と解説を見る

正解:D本人、配偶者、直系尊属または直系卑属

広域交付制度が利用できるのは、本人、配偶者、直系尊属または直系卑属に限定されており、第三者や代理人による請求は認められていない。

この問題の解説ページを開く →

93遺産分割協議の方式について、判例に基づき正しいものはどれか。

  1. A相続人全員が一堂に会して作成しなければならず、持ち回り方式は無効である。
  2. B民法上の規定により、公正証書による遺産分割協議書でなければならない。
  3. C持ち回り方式の場合は、家庭裁判所の許可を得た上でなければ有効に成立しない。
  4. D持ち回り方式であっても、相続人が遺産分割に係る合意内容を了解したうえで承諾すれば有効に成立する。
正解と解説を見る

正解:D持ち回り方式であっても、相続人が遺産分割に係る合意内容を了解したうえで承諾すれば有効に成立する。

遺産分割協議の方式に民法上の規定はなく、持ち回りで承認する方式であっても、内容を了解した上で承諾すれば有効に成立する。

この問題の解説ページを開く →

94遺産分割協議成立後、一部の相続人が負担した債務を履行しない場合の他の相続人の対応として、判例上正しいものはどれか。

  1. A債務不履行を理由として直ちに遺産分割協議を解除することができる。
  2. B家庭裁判所に申し立てることにより、当該相続人の相続分を剥奪することができる。
  3. C債務の不履行が相当期間続いた場合に限り、遺産分割協議を解除することができる。
  4. D債務不履行に基づき遺産分割協議を解除することはできない。
正解と解説を見る

正解:D債務不履行に基づき遺産分割協議を解除することはできない。

判例によれば、一部の相続人が債務を履行しない場合でも、他の相続人は債務不履行に基づき遺産分割協議を解除することはできない。

この問題の解説ページを開く →

95遺産分割協議後に、特定の相続人に相続預金を「相続させる」旨の遺言が発見された場合の金融機関の対応として、適切なものはどれか。

  1. A遺言が発見された以上、先に成立した遺産分割協議は当然に無効となるため、直ちに遺言に基づいて手続をやり直す。
  2. B遺産分割協議の意思表示が要素の錯誤により無効とされる余地があるため、払戻し前であれば相続人全員に照会等を行い確認する。
  3. C金融機関は錯誤の事実に関知すべきではないため、遺言の存在を知っても当初の遺産分割協議書通りに払戻しを行う。
  4. D遺産分割協議書に実印が押印されている限り錯誤無効の主張は認められないため、遺言の有無に関わらず払戻しに応じる。
正解と解説を見る

正解:B遺産分割協議の意思表示が要素の錯誤により無効とされる余地があるため、払戻し前であれば相続人全員に照会等を行い確認する。

要素の錯誤により無効とされる余地があるため、払戻し前に錯誤に関連する事情を確知した場合には、後日のトラブルを避けるため相続人全員に照会等を行う必要がある。

この問題の解説ページを開く →

96遺言内容と異なる遺産分割協議の効力に関する記述として、正しくないものはどれか。

  1. A遺言において第三者への遺贈がなされていた場合でも、相続人全員の合意があれば当該遺言と異なる遺産分割協議を行うことができる。
  2. B相続人全員が遺言の存在および内容を認識したうえで、当該遺言と異なる遺産分割協議を行うことは可能である。
  3. C相続人は、遺言と異なる遺産分割協議に合意しておきながら、後日そのことを理由に効力を争うことはできない。
  4. D遺言で相続開始の時から5年を超えない期間を定めて遺産分割を禁止している場合、遺言と異なる遺産分割協議はできない。
正解と解説を見る

正解:A遺言において第三者への遺贈がなされていた場合でも、相続人全員の合意があれば当該遺言と異なる遺産分割協議を行うことができる。

遺言において第三者への遺贈がなされていた場合には、相続人は当該遺言と異なる遺産分割協議を行うことはできない。

この問題の解説ページを開く →

97遺言書が複数発見された場合の取扱いとして、正しいものはどれか。

  1. A内容の矛盾に関わらず、すべての遺言は無効となり遺産分割協議が必要となる。
  2. B前の遺言と後の遺言が矛盾する場合、抵触する部分については後の遺言で撤回されたものとみなされる。
  3. C先に作成された遺言書の内容がすべてにおいて優先される。
  4. D家庭裁判所の審判により、相続人が最も有利となる遺言書が選択される。
正解と解説を見る

正解:B前の遺言と後の遺言が矛盾する場合、抵触する部分については後の遺言で撤回されたものとみなされる。

複数の遺言書が存在し内容が抵触する場合、抵触する部分については日付の新しい後の遺言が優先する。

この問題の解説ページを開く →

98自筆証書遺言に基づく払戻しにあたり、遺言書の文面全体が遺言者により故意に斜線が引かれていた場合の取扱いとして、適切なものはどれか。

  1. A遺言執行者が有効と認めれば、遺言に従って払戻しに応じることができる。
  2. B斜線が引かれていても文字が判読できる限り、遺言は有効として払戻しに応じる。
  3. C斜線部分に訂正印が押印されていないため、形式不備として家庭裁判所に判断を委ねる。
  4. D遺言書を破棄したものに該当し、遺言は撤回されたものとみなされるため、払戻しには応じられない。
正解と解説を見る

正解:D遺言書を破棄したものに該当し、遺言は撤回されたものとみなされるため、払戻しには応じられない。

文面全体が故意に斜線が引かれていた場合、「故意に遺言書を破棄したとき」に該当するとして遺言は撤回されたものとみなされる。

この問題の解説ページを開く →

99遺言において、預金につき「相続させる」旨が記載された推定相続人が遺言者より前に死亡していた場合の代襲相続人からの払戻請求への対応として、正しいものはどれか。

  1. A推定相続人の死亡により、当然に代襲相続人が当該預金を相続するため払戻しに応じる。
  2. B遺言は無効となるため、代襲相続人を含む相続人全員での遺産分割協議書の提出を求める。
  3. C遺言者が代襲者に相続させる意思を有していたとみるべき特段の事情がない限り、代襲相続人への払戻しには応じられない。
  4. D代襲相続人全員が署名押印した同意書があれば、遺言の内容通りに払戻しに応じる。
正解と解説を見る

正解:C遺言者が代襲者に相続させる意思を有していたとみるべき特段の事情がない限り、代襲相続人への払戻しには応じられない。

特段の事情がない限り遺言の効力は生じないため、代襲相続人に相続させる旨の記載等がない限り、代襲相続人への払戻しには応じられない。

この問題の解説ページを開く →

100平成31年1月13日より前に作成された自筆証書遺言の財産目録についての記述として、正しくないものはどれか。

  1. A財産目録も自書により作成されていなければならない。
  2. B金融機関は払戻しにあたり、財産目録の作成が自書であることを確認する必要がある。
  3. Cパソコン等で作成され添付された財産目録であっても、すべての頁に署名押印があれば有効である。
  4. D法令改正前のため、自書でない財産目録による遺言は形式要件を満たさない。
正解と解説を見る

正解:Cパソコン等で作成され添付された財産目録であっても、すべての頁に署名押印があれば有効である。

平成31年1月13日より前に作成された自筆証書遺言は、財産目録も自書により作成されていなければならない。パソコン等で作成されたものは無効である。

この問題の解説ページを開く →

101預金債権の特定財産承継遺言(「相続させる」遺言)における、遺言執行者の権限に関する規定について、正しいものはどれか。

  1. A遺言書に払戻権限が明記されていなくても、遺言執行者に預金の払戻し・解約権限が認められている。
  2. B遺言書に払戻権限が明記されていない場合、いかなる場合も遺言執行者は預金の払戻しができない。
  3. C預金債権の一部のみが目的となっている場合でも、遺言執行者は単独で口座の解約申入れができる。
  4. D受遺者が相続人以外の第三者である場合に限り、遺言執行者に預金の払戻権限が認められる。
正解と解説を見る

正解:A遺言書に払戻権限が明記されていなくても、遺言執行者に預金の払戻し・解約権限が認められている。

預金債権の特定財産承継遺言については、遺言執行者に預金の払戻し・解約権限が認められているため、金融機関は払戻請求に応じることができる。

この問題の解説ページを開く →

102遺言において指定された遺言執行者が、相続人等からの就職の催告に対して相当期間内に確答しなかった場合の効果として、正しいものはどれか。

  1. A遺言執行者に就職することを拒絶したものとみなされ、家庭裁判所による選任手続が必要となる。
  2. B遺言執行者の指定は無効となり、相続人全員による遺産分割協議に移行する。
  3. C遺言執行者に就職することに承諾したものとみなされ、金融機関はその者を遺言執行者として対応する。
  4. D確答するまで期間は延長され、金融機関は手続を留保しなければならない。
正解と解説を見る

正解:C遺言執行者に就職することに承諾したものとみなされ、金融機関はその者を遺言執行者として対応する。

遺言執行者が相続人等からの就職の催告に対して相当期間内に確答しない場合には、遺言執行者に就職することに承諾したものとみなされる。

この問題の解説ページを開く →

103遺言執行者に関する記述として、正しくないものはどれか。

  1. A遺言書に遺言執行者の指定に関する記載がない場合、家庭裁判所の審判により選任されることがある。
  2. B遺言執行者が存在しない場合、受遺者の本人確認を行ったうえで払戻し手続を進める。
  3. C遺言執行者に指定された者は必ず就職しなければならず、就職を拒絶することはできない。
  4. D金融機関が遺言執行者に預金を適切に払い戻した後に、遺言執行者が払戻金を横領しても、金融機関は何ら責任を負わない。
正解と解説を見る

正解:C遺言執行者に指定された者は必ず就職しなければならず、就職を拒絶することはできない。

遺言において指定された遺言執行者は、必ずしも就職する必要はなく、就職を拒否することができる。

この問題の解説ページを開く →

104金融機関が遺言執行者の存在を知らされずに、善意で相続人に対して預金の払戻しに応じた場合の当該払戻しの効力として、正しいものはどれか。

  1. A遺言の執行を妨げる行為として当然に無効となり、金融機関は再度払戻しを行う義務を負う。
  2. B相続人全員の追認がない限り無効となる。
  3. C遺言執行者の存在につき善意である金融機関の払戻しは有効となる。
  4. D払戻金額の半額についてのみ有効性が認められ、残額は遺言執行者に支払う必要がある。
正解と解説を見る

正解:C遺言執行者の存在につき善意である金融機関の払戻しは有効となる。

本来は遺言の執行を妨げる行為として無効であるが、遺言執行者の存在につき善意である金融機関の払戻しは有効となる。

この問題の解説ページを開く →

105遺留分に関する金融機関の対応として、正しいものはどれか。

  1. A遺留分侵害額請求権を行使するか否かは遺留分権利者の自由であるから、金融機関が確認する義務はない。
  2. B「妻に全財産を相続させる」等、明白な遺留分侵害がある遺言は金融機関の判断で無効として扱う。
  3. C遺言書に基づき手続を行う際、金融機関は自主的に遺留分侵害の有無を調査する義務を負う。
  4. D遺留分侵害の事実が判明した場合、遺留分権利者の同意書が得られるまで一切の払戻しを停止する。
正解と解説を見る

正解:A遺留分侵害額請求権を行使するか否かは遺留分権利者の自由であるから、金融機関が確認する義務はない。

遺留分侵害額請求権を行使するかは自由であり、一般に金融機関には遺留分の侵害の有無を調査し、確認する義務はないと考えられている。

この問題の解説ページを開く →

106遺留分権利者から遺留分侵害額請求権を行使した旨の連絡を受けた場合の金融機関の対応として、適切なものはどれか。

  1. A遺留分侵害額請求は受遺者等に対する金銭の支払請求であるため、預金を承継する相続人等からの預金の払戻しに応じて問題ない。
  2. B家庭裁判所の指示があるまで、預金口座の全額を凍結し誰の払戻請求にも応じない。
  3. C受遺者からの預金の払戻請求に対し、遺留分相当額を差し引いて払い戻す。
  4. D遺留分権利者に対して、遺留分侵害額に相当する預金の払戻しを直接行う。
正解と解説を見る

正解:A遺留分侵害額請求は受遺者等に対する金銭の支払請求であるため、預金を承継する相続人等からの預金の払戻しに応じて問題ない。

遺留分侵害額の請求は受遺者等に対する金銭の支払請求であり、遺留分権利者は金融機関に払戻請求権を有しない。したがって受遺者等への払戻しに応じて問題ない。

この問題の解説ページを開く →

107遺留分を侵害する内容の遺言の効力について、正しくないものはどれか。

  1. A遺留分侵害額請求権の行使により、遺留分侵害の限度で金銭の支払が必要とされるにすぎない。
  2. B遺留分を侵害する内容の遺言は、遺留分を侵害している限度において当然に無効となる。
  3. C遺留分とは、相続人のために法律上留保されるべき相続財産の割合をいう。
  4. D遺留分権利者は、金融機関に対して預金の払戻請求権を有しない。
正解と解説を見る

正解:B遺留分を侵害する内容の遺言は、遺留分を侵害している限度において当然に無効となる。

遺留分を侵害する内容の遺言は、当然に無効とされるものではなく、遺留分侵害額請求権の行使により金銭の支払が必要とされるにとどまる。

この問題の解説ページを開く →

108共同相続人の1人から、被相続人の預金の過去一定期間の入出金に関する取引経過の開示請求があった場合の対応として、正しいものはどれか。

  1. A他の共同相続人全員の同意書を提出させなければ応じることができない。
  2. B他の共同相続人の同意がなくても、共同相続人の1人からの取引経過の開示請求に応じる必要がある。
  3. C遺産分割協議が成立するまでの間は、一切の開示を拒絶する。
  4. D開示対象を相続開始日以降の取引に限定して開示する。
正解と解説を見る

正解:B他の共同相続人の同意がなくても、共同相続人の1人からの取引経過の開示請求に応じる必要がある。

判例上、共同相続人の1人は、他の共同相続人の同意がなくても、被相続名義の預金口座について取引経過の開示を求める権利を単独で行使できる。

この問題の解説ページを開く →

109遺産相続において、被相続人の死亡時にすでに解約されていた預金について、相続人から取引経過の開示請求があった場合の原則的な対応として、適切なものはどれか。

  1. A解約されている場合でも、金融機関は無期限に取引経過の開示義務を負い続けるため応じる。
  2. B解約後は預金契約締結中と同内容の取引経過開示義務を負い続けるものではないため、原則として応じる義務はない。
  3. C死亡前3年間の取引に限り開示義務を負うため、その範囲で応じる。
  4. D他の共同相続人全員の同意がある場合に限り、開示義務が生じる。
正解と解説を見る

正解:B解約後は預金契約締結中と同内容の取引経過開示義務を負い続けるものではないため、原則として応じる義務はない。

判例によれば、金融機関は預金契約の解約後も預金契約締結中と同内容の取引経過開示義務を負い続けると解することはできず、応じる義務はない。

この問題の解説ページを開く →

110残高証明書の発行依頼に関する記述として、正しくないものはどれか。

  1. A共同相続人の1人から残高証明書の発行依頼を受けた場合、その依頼に応じて問題はない。
  2. B相続税の申告に必要な資料として、相続人から発行依頼がなされることが多い。
  3. C共同相続人の1人から発行依頼があった場合、相続人間で争いがあることが判明していれば、発行を拒否しなければならない。
  4. D預金通帳の在処不明を理由として、残高証明書の発行依頼がなされることがある。
正解と解説を見る

正解:C共同相続人の1人から発行依頼があった場合、相続人間で争いがあることが判明していれば、発行を拒否しなければならない。

相続争いが発生していることが判明していたとしても、共同相続人の1人からの残高証明書の発行依頼に応じて問題はない。

この問題の解説ページを開く →

111共同相続された委託者指図型投資信託の受益権の取扱いとして、正しいものはどれか。

  1. A償還金請求権等の金銭支払請求権のみからなるため、可分債権として当然に分割される。
  2. B相続開始と同時に法定相続分に応じて当然に分割されるため、単独で解約できる。
  3. C相続人全員の同意があれば、相続開始時に遡って当然に分割されたものとみなされる。
  4. D法令上、金銭支払請求権以外の権利も含まれており、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない。
正解と解説を見る

正解:D法令上、金銭支払請求権以外の権利も含まれており、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない。

投資信託受益権は、金銭支払請求権のほか監督的機能を有する権利が含まれており、相続開始と同時に当然に分割されることはない。

この問題の解説ページを開く →

112共同相続人の1人から、被相続人が保有していた株式や個人向け国債について、自己の相続分の範囲内で名義書換請求や解約請求を受けた場合の対応として、適切なものはどれか。

  1. A株式は拒絶するが、個人向け国債は一定額をもって権利の単位が定められているため解約に応じる。
  2. B株式も個人向け国債も当然に分割されるため、相続分の範囲内で請求に応じる。
  3. C個人向け国債は拒絶するが、株式は自益権が含まれるため名義書換に応じる。
  4. D株式も個人向け国債も、相続開始と同時に当然に分割されるものではないため、いずれの請求も拒絶する。
正解と解説を見る

正解:D株式も個人向け国債も、相続開始と同時に当然に分割されるものではないため、いずれの請求も拒絶する。

判例により、株式も個人向け国債も相続開始と同時に当然に分割されることはないとされており、1人からの単独の請求は拒絶する必要がある。

この問題の解説ページを開く →

113被相続人がNISA(少額投資非課税制度)口座で保有していた投資信託を、相続人が名義変更して引き継ぐ場合の手続として、正しくないものはどれか。

  1. A相続人自身のNISA口座にそのまま移管することができる。
  2. B特定口座に移管することができる。
  3. C投資信託を引き継ぐ相続人が投資信託の口座を開設する必要がある。
  4. D一般口座に移管することができる。
正解と解説を見る

正解:A相続人自身のNISA口座にそのまま移管することができる。

NISA口座で保有していた投資信託は、相続人自身のNISA口座に移管することはできず、特定口座または一般口座に移管する。

この問題の解説ページを開く →

114被相続人の預金口座から電気・水道等の公共料金が自動引落し(口座振替)されていた場合の法的性質と死亡による効果として、正しいものはどれか。

  1. A口座振替は委任契約であり、受任者である金融機関が死亡を知るまで契約は終了しない。
  2. B口座振替は消費貸借契約であり、死亡後も相続人に引き継がれ契約は存続する。
  3. C口座振替は準委任契約であり、委任者である預金者の死亡により契約が終了する。
  4. D口座振替は請負契約であり、相続人全員の同意がなければ解除できない。
正解と解説を見る

正解:C口座振替は準委任契約であり、委任者である預金者の死亡により契約が終了する。

口座振替は預金者の金融機関に対する口座振替事務の委託であり、準委任契約にあたるため、委任者の死亡により契約が終了する。

この問題の解説ページを開く →

115振込依頼人が振込依頼をした後に死亡し、その相続人から当該振込を解除してほしいと要請された場合の金融機関の対応として、適切なものはどれか。

  1. A振込は準委任契約であるため、相続人の要請に基づき直ちに振込を解除する。
  2. B振込に関する契約関係は委任契約であり依頼人の死亡により終了する以上、相続人といえども解除する権限はなく、要請には応じられない。
  3. C相続人全員の同意書と印鑑登録証明書が提出された場合に限り、振込を解除できる。
  4. D振込先の同意が得られた場合に限り、振込を解除して資金を相続人に返還する。
正解と解説を見る

正解:B振込に関する契約関係は委任契約であり依頼人の死亡により終了する以上、相続人といえども解除する権限はなく、要請には応じられない。

振込は委任契約であり依頼人の死亡により終了する以上、依頼人の相続人といえども契約を解除する権限はないため要請には応じられない。

この問題の解説ページを開く →

116被相続人が所有していた賃貸不動産から、相続開始後遺産分割までの間に生じた賃料の帰属について、最高裁の判例に基づく取扱いとして正しいものはどれか。

  1. A遺産とは別個の財産であり、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得する。
  2. B相続財産の一部を構成するため、常に遺産分割の対象となる。
  3. C法定相続人のうち最も相続分の多い者が単独で取得する。
  4. D遺産分割が成立するまで賃料債権は発生しない。
正解と解説を見る

正解:A遺産とは別個の財産であり、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得する。

相続開始から遺産分割までの間に生じた賃料は、遺産とは別個の財産であり、各共同相続人が相続分に応じて確定的に取得するというのが判例である。

この問題の解説ページを開く →

117年金受給者の死亡後の年金振込に関する記述として、正しくないものはどれか。

  1. A年金受給者の死亡を知った金融機関は、年金受入口座について速やかに取引停止の手続をとるべきである。
  2. B金融機関は、相続人が手続を行わず振り込まれた年金について、相続人の指示に従い法定相続分で分割して払い戻さなければならない。
  3. C国民年金や厚生年金の受給は年金受給者の死亡によって停止される。
  4. D年金受給者の死亡登録後に被相続人の口座に年金が振り込まれた場合、金融機関は年金支給機関に返金することが要請されている。
正解と解説を見る

正解:B金融機関は、相続人が手続を行わず振り込まれた年金について、相続人の指示に従い法定相続分で分割して払い戻さなければならない。

年金受給者死亡登録後に振り込まれた年金は、金融機関が年金受給者死亡として年金支給機関に返金することが要請されており、相続人に払い戻すものではない。

この問題の解説ページを開く →

118遺産分割協議により預金を相続する手続において、遺産分割調停や審判手続に至っていた場合に金融機関が確認すべき書類として、最も適切なものはどれか。

  1. A公証人が発行する遺産分割協議公正証書の謄本および相続人全員の印鑑登録証明書
  2. B家庭裁判所の検認調書が添付された遺産分割調停書および法定相続情報一覧図
  3. C遺産分割調停調書や遺産分割審判書(確定証明書も含む)
  4. D弁護士が作成した遺産分割報告書および各相続人の同意書
正解と解説を見る

正解:C遺産分割調停調書や遺産分割審判書(確定証明書も含む)

遺産分割調停や審判手続に至っている場合には、遺産分割調停調書や遺産分割審判書(確定証明書を含む)により承継内容を確認する。

この問題の解説ページを開く →

119取引経過の開示請求に関する記述として、正しくないものはどれか。

  1. A遺言によって預金を一切取得しない相続人からの取引経過の開示請求には応じるべきではない。
  2. B解約されていた預金について、開示請求の理由が明確で取引経過が残存している場合、開示請求に応じても特段の問題はない。
  3. C共同相続人の1人が他の同意なく取引経過の開示請求を行うことができる。
  4. D遺言によって預金を取得しない相続人が遺留分侵害額請求権を行使した場合、金融機関は当該相続人からの取引経過の開示請求に応じる必要がある。
正解と解説を見る

正解:D遺言によって預金を取得しない相続人が遺留分侵害額請求権を行使した場合、金融機関は当該相続人からの取引経過の開示請求に応じる必要がある。

遺留分権利者は遺留分侵害額請求権を行使しても預金債権を取得しないため、そのことを理由に取引経過の開示請求に応じる必要はない。

この問題の解説ページを開く →

120遺産分割協議書を用いた相続手続において、遺産分割協議書の記載内容から相続預金の記載が漏れていた場合の対応として、正しいものはどれか。

  1. A当該金融機関の判断で、法定相続分に従って分割して払い戻す。
  2. B相続人代表者の宣誓書があれば、そのまま払戻しに応じることができる。
  3. C再度、相続人から補充された遺産分割協議書を徴求する必要がある。
  4. D遺産分割協議書は無効となるため、全財産について家庭裁判所の審判を求めるよう指示する。
正解と解説を見る

正解:C再度、相続人から補充された遺産分割協議書を徴求する必要がある。

相続預金の記載が漏れていた場合には、再度、相続人から補充された遺産分割協議書を徴求する必要がある。

この問題の解説ページを開く →
相続アドバイザー3級の全分野一覧へ戻る