③ 金融実務① 相続預金の払戻し

相続アドバイザー3級95

問題

遺産分割協議後に、特定の相続人に相続預金を「相続させる」旨の遺言が発見された場合の金融機関の対応として、適切なものはどれか。

A遺言が発見された以上、先に成立した遺産分割協議は当然に無効となるため、直ちに遺言に基づいて手続をやり直す。
B遺産分割協議の意思表示が要素の錯誤により無効とされる余地があるため、払戻し前であれば相続人全員に照会等を行い確認する。✓ 正解
C金融機関は錯誤の事実に関知すべきではないため、遺言の存在を知っても当初の遺産分割協議書通りに払戻しを行う。
D遺産分割協議書に実印が押印されている限り錯誤無効の主張は認められないため、遺言の有無に関わらず払戻しに応じる。

正解

B遺産分割協議の意思表示が要素の錯誤により無効とされる余地があるため、払戻し前であれば相続人全員に照会等を行い確認する。

解説

要素の錯誤により無効とされる余地があるため、払戻し前に錯誤に関連する事情を確知した場合には、後日のトラブルを避けるため相続人全員に照会等を行う必要がある。

分野解説:③ 金融実務① 相続預金の払戻し

被相続人の死亡を把握した金融機関の対応から、相続人の確認、必要書類の徴求、払戻しまでの実務を扱う。中心は2019年7月1日施行の預貯金の払戻し制度で、各共同相続人は口座ごとに「相続開始時の預貯金債権の額×3分の1×その相続人の法定相続分」まで、同一の金融機関につき150万円を限度として単独で払い戻せる。前提として、預貯金債権が遺産分割の対象になるという判例の考え方も押さえたい。つまずきやすいのは、150万円という上限が口座単位ではなく金融機関単位である点と、家庭裁判所の保全処分による仮払いとの区別。戸籍の収集や法定相続情報一覧図の使い方もあわせて問われる。

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