第281問M&Aの支援機関に関する契約のうち、一方の当事者からの依頼を受け、依頼者に最も有利な条件でM&Aの成立を目指すものはどれか。
- A仲介契約
- B顧問契約
- C専任契約
- DFA(ファイナンシャル・アドバイザー)契約
第三者への承継を評価・財務面から扱う分野です。収録41問では、仲介契約とファイナンシャル・アドバイザー契約の違いと利益相反、レーマン方式による報酬、法務・労務デューデリジェンスの調査事項が問われます。企業価値評価は三つのアプローチの区別が中心で、DCF法の算定手順、EV/EBITDA倍率法の計算と中小企業向けの調整、ネットアセットアプローチが過大評価になり得る場合が扱われます。人の承継では労働契約承継法の主従事の別と異議申出、株式譲渡や吸収合併での従業員の処遇が出ます。のれんの算出根拠・負ののれん・償却ルール・適格合併での扱い、エクイティ・ファイナンスやサーチファンドも問われます。
この分野の問題41問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。
クイズモードで挑戦 →正解:C.料率が同一でも、積算対象が移動総資産額か株式譲渡額かで支払額は異なる。
レーマン方式は料率が同じでも、積算対象が株式譲渡金額か移動総資産額かによって最終的な支払額が異なります。
この問題の解説ページを開く →正解:A.アドバイザーの質に問題がある場合に備え、途中解約が可能な建付けを確保すべきである。
契約の途中解約の有無が必ずしもアドバイザーのコミットメントを高めるわけではなく、質に問題がある場合に備えて解約可能な建付けが必要です。
この問題の解説ページを開く →正解:A.現在の株主名簿を確認するだけで過去の譲渡経緯は調査しない。
株式については、現在の株主名簿だけでなく、真の株主や過去の譲渡経緯に瑕疵がないかも確認する必要があります。
この問題の解説ページを開く →正解:C.現状の許認可の有無だけでなく、将来的な存続や必要な承継手続についても検討する。
業法上の許認可は、事前の手続や事後の届出など業種によって異なるため、現状だけでなく将来的な存続についても検討が必要です。
この問題の解説ページを開く →正解:C.重要度を評価して価格に反映することや、顕在化した場合の補償規定を設けることができる。
潜在債務は現時点で未確定ですが、発生時の金額等を評価して価格に反映したり、補償する旨を規定したりすることが可能です。
この問題の解説ページを開く →正解:C.客観性に優れているが、将来の収益獲得能力の反映に問題となるケースがある。
コストアプローチは純資産に着目するため客観性に優れますが、将来の収益能力や市場環境の反映が難しいという欠点があります。
この問題の解説ページを開く →正解:C.衰退期にあり収益性が低く、減損会計等を適用していない企業を評価する場合
収益性の低い衰退企業で減損会計を適用していない場合、帳簿上の純資産が実態より高く維持されているため、過大評価になる可能性があります。
この問題の解説ページを開く →正解:B.マルチプル法ではなく、一般的にDCF法においてWACCが割引率として用いられる。
WACCを割引率として用いて将来のキャッシュフローを現在価値に割り引く手法は、マルチプル法ではなくDCF法です。
この問題の解説ページを開く →正解:B.EBITDA × EV/EBITDA倍率 - 純有利子負債
EV/EBITDA倍率法における株式価値は、「EBITDA × EV/EBITDA倍率 - 純有利子負債」の計算式で算定されます。
この問題の解説ページを開く →正解:C.非上場であることの流動性の低さや事業規模を考慮し、評価額にディスカウントを実施することがある。
非上場株式の流動性の低さ(非流動性ディスカウント)や規模の小ささ(小規模ディスカウント)を考慮し、評価額を下げる調整が行われます。
この問題の解説ページを開く →正解:A.異議を述べることで、承継会社に移籍することができる。
主として従事する労働者が承継されない場合、労働契約承継法に基づき異議を申し出ることで、承継会社に移籍できます。
この問題の解説ページを開く →正解:D.異議を述べることで、分割会社に残留することができる。
主として従事していない労働者が承継対象とされた場合、異議を申し出ることによって分割会社に残留することができます。
この問題の解説ページを開く →正解:D.雇用契約はそのまま承継されるが、合理的な就業規則の変更手続を経れば処遇を変更することは可能である。
株式譲渡では雇用関係はそのまま引き継がれますが、労働契約法の要件を満たす合理的な就業規則の変更等により、処遇を変更することは可能です。
この問題の解説ページを開く →正解:B.労働者の承諾を得て使用者の権利を譲渡する契約を結ぶか、一旦解雇後に再雇用する等の手続が必要である。
事業譲渡は特定承継であるため、雇用契約を移転するには労働者の承諾を得るか、一度退職して再雇用するなどの個別の手続が必要です。
この問題の解説ページを開く →正解:B.存続会社は権利義務を包括的に承継するが、待遇が異なる場合に必ずしも有利な条件を採用する義務はない。
吸収合併では雇用契約も包括承継されますが、必ずしも有利な条件に合わせなければならないという法的義務はありません。
この問題の解説ページを開く →正解:C.株式公開(IPO)基準に合致するよう、社内規定等のコンプライアンス体制を完璧に構築する。
M&Aにおける労務DDは主に株価に影響する簿外債務等の把握が目的であり、IPO水準の厳格なコンプライアンス体制構築は主眼ではありません。
この問題の解説ページを開く →正解:B.取得の対価(増加する資本金・資本剰余金等)と、受け入れた資産・負債の時価評価純資産との差額
のれんは、支払対価と、時価評価した受入純資産との差額として計上される。
この問題の解説ページを開く →正解:D.買収額が純資産を下回った差額にすぎず、隠れ負債などの背景がないか慎重に確認する必要がある。
負ののれんは純資産と買収額の単なる差額であり、業績不振や簿外債務などのマイナス要因が背景にある可能性もあるため慎重な確認が必要です。
この問題の解説ページを開く →正解:D.資産に計上し、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって規則的に償却する。
会計上、のれんは資産に計上し、20年以内の効果の及ぶ期間にわたって定額法等により規則的に償却します。
この問題の解説ページを開く →正解:A.発行済株式数が増加することで持株比率が低下し、1株当たりの価値が下がる不利益が生じ得る。
新株発行により株式数が増加すると、既存株主の持株比率が低下し(希薄化)、1株当たりの価値が下がる不利益が生じることがあります。
この問題の解説ページを開く →正解:D.運用期間は8〜10年程度が多く、投資から5年前後で再度売却される場合が多い。
バイアウト・ファンドの運用期間は8〜10年程度が一般的で、個別の投資先は投資から4〜5年程度で売却(イグジット)されるケースが多い。
この問題の解説ページを開く →正解:C.対象企業の有利子負債が増加し、多額ののれんが計上されるなど財務バランスが悪化する場合がある。
LBOでは特別目的会社を通じて資金調達を行い買収するため、対象会社の資産に多額ののれんが計上され、有利子負債比率が高まる傾向があります。
この問題の解説ページを開く →正解:D.ファンド陣営が選任する取締役が過半数を占めるケースが一般的である。
過半数を出資した場合、ファンドメンバーが社外取締役に就任したり常勤取締役を登用したりするなど、ファンド陣営が取締役の過半数を占めるのが一般的です。
この問題の解説ページを開く →正解:B.サーチャー(経営者候補)個人によるM&Aであり、買収された企業の事業の独立性や社名等は原則残る。
サーチファンドはサーチャー主体によるM&Aであり、通常の企業間M&Aと異なり子会社化されることはなく、独立性や社名は原則変更されません。
この問題の解説ページを開く →正解:D.対象企業を発掘したサーチャー自身が次期経営者となるため、現経営者は事前に後継者を見極められる。
サーチファンドを通じたM&Aでは、対象企業を発掘したサーチャー自身が後継者となるため、現経営者は事前に相手の想いや能力等を見極めることができます。
この問題の解説ページを開く →正解:A.M&Aの成約実績が過去3年間で10件以上あること
登録要件はガイドライン遵守の宣言、その旨のホームページ掲載、手数料体系の公表、実績報告等であり、成約件数の下限は要件とされていない。
この問題の解説ページを開く →正解:B.譲渡側・譲受側の双方から依頼を受け、双方の合意形成を図る中立的な立場で支援を行う。
仲介者は譲渡側・譲受側の双方と契約し、中立的な立場で双方の合意形成を図る点で、一方のみと契約するFAと異なる。
この問題の解説ページを開く →正解:A.双方の当事者から依頼を受けるため、一方の利益を優先すると他方の利益を害してしまうリスク。
仲介者は利益が相反し得る譲渡側・譲受側の双方から依頼を受けるため、一方の利益を優先して取引をまとめると他方の利益を害するリスクがあります。
この問題の解説ページを開く →正解:A.将来期待される利益やキャッシュフローに基づくため、将来の収益獲得能力の反映に優れている。
インカムアプローチは将来の収益やCFをもとに現在価値を算定するため、将来の収益獲得能力や固有の性質を評価結果に反映させる点で優れています。
この問題の解説ページを開く →正解:B.事業計画に基づくフリーキャッシュフローを加重平均資本コスト(WACC)で現在価値に割り引き、継続価値を加算して事業価値を算定する。
DCF法では、事業計画から見積もったフリーキャッシュフローをWACCで割り引いた現在価値に、継続価値(ターミナルバリュー)を加算して事業価値を算定する。
この問題の解説ページを開く →正解:C.全労働者の給与の無条件引き上げ
労働契約承継法では、労働者との協議、通知、異議の申出、労働契約の承継・不承継などの保護手続が規定されていますが、給与の一律引上げはありません。
この問題の解説ページを開く →正解:A.会計上ののれん償却期間と融資返済期間は必ずしも一致しないため、返済計画との乖離がないか丁寧に評価する。
のれんの償却期間と融資返済期間は必ずしも一致しないため、決算書だけでなくキャッシュフローによる返済計画との乖離も含めた評価が必要です。
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