2026/09/13

DCプランナー1級はA・B・Cの3試験、別日でも任意の順でも受けられる

1級はA分野・B分野・C分野が独立した3種目で、各90分・四答択一10問と総合問題4題・100点満点で70点以上。合格に有効期限がないので、収録650問を217問・211問・222問に分けて準備できます。

執筆:ケンテイラボ編集部(資格試験対策アプリ開発・運営)

DCプランナー1級を受けるとき、最初に押さえておきたいのは、これが1回で終わる試験ではないという点です。A分野(年金・退職給付制度等)、B分野(確定拠出年金制度)、C分野(老後資産形成マネジメント)という3つの試験種目があり、その3つすべてに合格して初めて1級の合格者になります。

そしてこの3つは、同じ日にまとめて受ける必要がありません。任意の順に、別々の日程で受けられます。各種目の合格に有効期限もないため、先にA分野だけ受けて、年をまたいでB分野とC分野を受ける、という組み立てが制度として認められています。

本記事は、この3種目という構造をもとに、受ける順番と準備の分け方を整理します。試験時間・出題形式・受験手数料・予約の締切は日本商工会議所のDCプランナー1級のページと金融財政事情研究会(きんざい)の試験概要、出題範囲は「日商・金財DCプランナー認定試験ガイドライン(1級・2級共通)」によります。

1級で受けるのは1つの試験ではなく、A・B・Cという3つの試験

試験種目の正式名称は「DCプランナー1級A分野(年金・退職給付制度等)」「DCプランナー1級B分野(確定拠出年金制度)」「DCプランナー1級C分野(老後資産形成マネジメント)」です。申込の画面でも、この3つはそれぞれ別の試験として扱われます。

受験できるのはDCプランナー2級の合格者だけで、これは3種目に共通する条件です。2級にいつ合格したか、2級の資格登録をしているかどうかは問われません。誰でも受けられる2級とは、この点がまず違います。

受験手数料も種目ごとに発生します。1種目5,500円(税込)なので、3種目すべてを受ければ16,500円(税込)です。1回分の手数料で3分野をまとめて解く形にはなっていません。

  • A分野(年金・退職給付制度等):90分/四答択一式10問+総合問題4題/100点満点
  • B分野(確定拠出年金制度):90分/四答択一式10問+総合問題4題/100点満点
  • C分野(老後資産形成マネジメント):90分/四答択一式10問+総合問題4題/100点満点
  • 受験手数料:各5,500円(税込)、3種目で16,500円(税込)
  • 合格:3種目すべてに合格した時点で1級の合格者

参考までに2級は1試験120分、四答択一式30問と総合問題10題、受験手数料7,700円(税込)という構成です。1級の数字を2級のものと取り違えないよう、種目ごとに90分・14問という形を先に頭に入れておくと混乱しません。

70点以上という基準が、1回ではなく3回課される

合格基準は各種目とも100点満点で70点以上です。きんざい側の表記では「合格基準 各7割」となっています。3種目の合計点で判定するのではないので、A分野で稼いだ点数でC分野の不足を埋めることはできません。

1試験あたりの構成は四答択一式10問と総合問題4題で、これを90分で解きます。四答択一式と総合問題それぞれに何点が割り振られているかは、公表を確認できませんでした。日商のDCプランナー1級のページ、きんざいの試験概要、ガイドライン本文、公式のQ&Aを見ましたが、合計が100点満点であることまでしか書かれていません。

解答は四答択一式と総合問題で、文章を書いて答える形式はありません。自席への私物の持込みは認められておらず、計算はパソコン画面左下の「電卓」ボタンで呼び出す関数電卓を使います。メモ用紙と筆記用具はテストセンターで貸し出されます。

試験が終わるとその場でスコアレポートが渡され、合格者は翌日以降にマイページから合格証書をPDFで出力できます。1種目ごとに結果がその日に確定するので、残りの種目の予定を帰り道で組み直すことができます。

合格に有効期限がないから、通った種目は持ち越して残りだけ受け直せる

A・B・Cの各試験の合格に有効期限はありません。これが「別日に分けてよい」という運用を支えている規定です。3種目を1年以内に受け切らなければならない、といった縛りは置かれていません。

そのため、A分野とB分野に合格してC分野が届かなかった場合、次に受けるのはC分野だけです。合格済みの2種目を受け直す必要はなく、追加でかかる受験手数料も不足している種目の分だけで済みます。

ひとつ注意が要るのは、3種目を同一のマイページ(アカウント)で合格しないと1級の合格者にならない点です。別々のマイページで合格した記録を、あとから統合することはできません。年をまたいで受けるときほど、前回と同じアカウントで予約しているかを確かめる必要があります。

なお、科目免除の制度はありません。2級の合格者であっても、A・B・Cの3種目すべてを自分で受けます。免除に近い働きをするのは、この「合格した種目を持ち越せる」仕組みだけだと考えると整理しやすくなります。

収録650問をA分野217問・B分野211問・C分野222問に割り直す

ケンテイラボのDCプランナー1級は650問を収録し、公式の出題範囲に沿って12の分野に分けています。この12分野は、公式のA・B・Cにそのまま対応します。3種目という構造で準備を組むなら、まず12分野を3つの束に読み替えることになります。

  • A分野=① 公的年金59問/② 企業年金と個人年金55問/③ 退職給付制度・中高齢期の社会保険50問/④ A分野 総合問題53問(計217問)
  • B分野=⑤ 確定拠出年金の仕組み①(加入・運用)53問/⑥ 確定拠出年金の仕組み②(給付・移換・税制)53問/⑦ 企業型年金の導入・運営/個人型年金の手続55問/⑧ コンプライアンス/B分野 総合問題50問(計211問)
  • C分野=⑨ 金融商品の仕組みと特徴52問/⑩ 資産運用の基礎知識・理論60問/⑪ 運用状況の把握と対応策60問/⑫ 老後の生活設計/C分野 総合問題50問(計222問)

3つの束はほぼ同じ大きさで、最も多いC分野の222問と最も少ないB分野の211問の差は11問です。1種目あたりの試験時間も90分でそろっています。ただし収録数が近いことと必要な準備量が等しいことは別で、公表されている分野別合格率はC分野が毎年いちばん低く出ています(2025年度はA39.9%・B42.3%に対しC32.4%)。出発点として3等分で見積もり、C分野には上積みを見ておくのが現実的です。分野ごとの収録数と構成比は次の表のとおりです。

収録問題12分野の内訳と比重

ケンテイラボではDCプランナー1級の収録問題を12の分野に分けて整理しています (学習しやすさを優先した本サイト独自の区分で、実施団体が公表している 出題区分そのものではありません)。収録している650問を分野別に集計すると、 最も問題数が多いのは「⑩ 資産運用の基礎知識・理論」の60問(全体の9.2%)、 最も少ないのは「⑫ 老後の生活設計/C分野 総合問題」の50問(同7.7%)です。上位3分野だけで全体の27.5%を占めるため、 ここを先に固めるかどうかが得点の土台になります。

A分野217問は、公的年金から退職給付会計まで制度ごとの数字を並べ直す範囲

A分野のガイドライン上の内訳は、公的年金、企業年金と個人年金、退職給付制度、中高齢期における社会保険、そして最新の動向の5項目です。収録217問もこの並びに沿っています。

①の公的年金59問では、付加保険料の月額400円、死亡一時金の要件となる納付済期間36月以上、免除申請を遡れるのは2年1ヵ月前まで、といった数値要件が問われます。繰上げ・繰下げや在職老齢年金、離婚時の分割は、生年月日や施行時期で扱いが変わるため取り違えやすい部分です。

②の55問は国民年金基金・中退共・小規模企業共済・確定給付企業年金などを横断し、掛金の上下限や他制度への移換の可否が制度ごとに別々の数字で問われます。③の50問は退職給付債務の割引率や簡便法の適用範囲といった会計側に、雇用保険と健康保険の給付が重なります。④の総合問題53問は、報酬比例部分や経過的加算額を実際に計算させる設問が並びます。

B分野211問は、確定拠出年金法の条文と手続だけに降りていく範囲

B分野は確定拠出年金制度そのものが範囲で、仕組み、企業型年金の導入および運営、個人型年金に係る手続等、コンプライアンス、最新の動向の5項目に分かれます。A分野が複数の制度を並べて比べる範囲だったのに対し、こちらは1つの法律の中を細かく見ていく範囲です。

収録211問では、規約で設けてよい加入者資格の線引き、資格喪失後に運用指図者となる時期、通算加入者等期間の長さで受給開始年齢が決まる対応表、資格喪失後6ヵ月での自動移換といった、条文の要件をそのまま問う設問が中心になります。指定運用方法の通知後の猶予日数や、運用商品を除外するときに必要な同意割合など、日数と割合を数字で答える設問も多く含まれます。

収録650問のうち「運営管理機関」に触れるのは52問で、そのうち44問が⑦と⑧に集まっています。制度を運営する側の登場人物とその義務は、B分野の後半にまとまっているという分布です。

C分野222問は計算が中心で、A・Bと共有できる知識が少ない

C分野は金融商品の仕組みと特徴、資産運用の基礎知識・理論、運用状況の把握と対応策、確定拠出年金制度を含めた老後の生活設計、最新の動向の5項目です。年金制度の条文ではなく、金融商品と投資の知識が問われます。

収録222問のうち⑩の60問は、算術平均と幾何平均の使い分け、時間加重収益率と金額加重収益率、共分散と相関係数からポートフォリオのリスクを求める計算が繰り返し出ます。⑪の60問も、1株当たり利益と割引率から株式の理論価値を求める計算、インタレスト・カバレッジ・レシオ、シャープ・レシオといった数式が並びます。この2分野で120問です。

言い換えると、C分野ではA分野やB分野で覚えた制度の知識をほとんど流用できません。逆にいえば、この120問ぶんの計算練習は他の2種目の学習と並行して進めても頭の中で混ざりにくい範囲です。試験画面の関数電卓を使う場面が最も多いのも、この種目になります。

順番を決める材料は、確定拠出年金に触れる158問がどこに散っているか

3種目は任意の順に受けられるので、どこから手をつけるかは自分で決めることになります。ガイドライン本文には「これらの分野は相互に関連し合うものであるため、当該分野に関連してその他の分野に記載されている出題項目が出題されることもあります」とあり、A・B・Cの壁は完全ではありません。

収録問題でその重なりを数えると、確定拠出年金(企業型年金・個人型年金・iDeCoを含む)に触れる問題は650問中158問あります。分野名は数えず、問題文・選択肢・解説だけを見た数です。うち130問はB分野の4分野に入っていますが、残り28問はB分野の外にあります。内訳はA分野の②③④に17問、C分野の⑨⑫に11問です。

B分野の知識は、A分野とC分野にも顔を出すという分布です。B分野を先に固めておくと、他の2種目で確定拠出年金が絡む設問を取りこぼしにくくなります。C分野の計算はB分野の条文知識とほとんど交わらないので、どのタイミングに置いても他の準備の邪魔になりません。

もうひとつの目安は「移換」です。収録650問のうち47問がこの語に触れ、最も多いのは⑥の12問です。制度間で資産を持ち運ぶ話はB分野の中心にありながら、A分野の②③④にも15問あるので、B分野とA分野を近い時期に置くと、同じ論点を二度覚え直さずに済みます。

別日に分けるなら、予約は4カ月前の月初から3日前まで。再受験は5日後から

試験は通年実施のCBTです。2021年1月24日の第25回を最後に年1回・1月実施の方式が終わり、2021年9月6日からテストセンターでの通年実施に移行しました。試験日は各テストセンターが決め、受験者はマイページから希望の日程と会場を自分で予約します。

予約できるのは、受験日の属する月を含んだ4カ月前の月初から受験日の3日前までです。たとえば10月10日に受けたいなら、7月1日から10月7日までが予約可能期間になります。変更とキャンセルも3日前までで、2日前からは変更・キャンセル・返金が一切できません。

同じ種目を受け直す場合は、受験日の翌日から起算して5日間は再受験できません。8月3日に受けたなら、2回目は8月9日以降です。再受験にはあらためて受験手数料がかかります。当日欠席した場合はこの制限がかからず、5日を待たずに受け直せます。

日程を大きく空けるときに効いてくる期限が2つあります。ひとつは、2023年4月1日以降に受験申込をした場合、受験可能期間が当初の申込日から最長1年間であること。もうひとつは、問題が特に指示のない限り7月1日現在施行の法令に基づくことです。3種目を7月をまたいで受けるなら、後半の種目は基準日が切り替わった前提で、改正のあった箇所を確認し直すことになります。

実際に問題を解いて知識を定着させよう

ケンテイラボではDCプランナー1級の問題を無料で練習できます。

問題を解く →
← 記事一覧へ戻る