潜水士 ⑥ 人体のしくみと気体による疾患

潜水に関わる人体の生理と、気体が引き起こす疾患を学ぶ分野です。肺胞でのガス交換や死腔、横隔膜と肋間筋による呼吸運動、心臓の構造と体循環・肺循環の経路、神経系の伝達経路といった基礎生理が土台になります。そのうえで、酸素中毒(脳酸素中毒と肺酸素中毒の違い)、炭酸ガス(二酸化炭素)中毒、窒素酔い、一酸化炭素中毒など気体による障害の原因・症状・予防が問われます。体のしくみを理解してから疾患を学ぶと、なぜ起こるかが腑に落ちて記憶に残りやすくなります。

この分野の問題36問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

クイズモードで挑戦 →

189肺胞についての説明で正しいものはどれか。

  1. A両肺で合わせて約6万個ある
  2. B気管の入り口にある大きな袋である
  3. C表面積はテニスコート2面分に相当する
  4. D肺胞自体が自ら膨らんだり縮んだりする
正解と解説を見る

正解:C表面積はテニスコート2面分に相当する

肺胞は両肺で合わせて約6億個あり、表面積はテニスコート2面分に相当します。

この問題の解説ページを開く →

190「死腔」の説明として正しいものはどれか。

  1. A肺胞の表面に張り巡らされた血管
  2. B酸素を含まず二酸化炭素のみが通る血管
  3. C呼吸が完全に停止した状態の肺の空間
  4. Dガス交換に関与しない呼気が通る部分
正解と解説を見る

正解:Dガス交換に関与しない呼気が通る部分

死腔とは、のどや気管など呼気は通るがガス交換に関与しない部分のことです。

この問題の解説ページを開く →

191外部の空気と肺胞を取り巻く毛細血管との間のガス交換を何と呼ぶか。

  1. A内呼吸
  2. B細胞呼吸
  3. C肺呼吸
  4. D体循環
正解と解説を見る

正解:C肺呼吸

外部の空気と肺胞を取り巻く毛細血管とのガス交換を肺呼吸といいます。

この問題の解説ページを開く →

192息を吸うときの横隔膜と肋間筋の動きとして正しいものはどれか。

  1. A横隔膜が上がり、肋間筋が弛緩する
  2. B横隔膜が上がり、肋間筋が収縮する
  3. C横隔膜が下がり、肋間筋が弛緩する
  4. D横隔膜が下がり、肋間筋が収縮する
正解と解説を見る

正解:D横隔膜が下がり、肋間筋が収縮する

息を吸うときは横隔膜が下がり、肋間筋が収縮して肋骨を上方に引っ張ります。

この問題の解説ページを開く →

193胸腔や胸膜腔に関する説明で正しいものはどれか。

  1. A胸膜腔に空気が入り肺が広がらない状態を気胸という
  2. B胸腔と胸膜腔は全く同じ空間を指す
  3. C身体の中の空間は肋間筋によって腹腔と胸腔に分けられる
  4. D胸腔には心臓や肺は収まっていない
正解と解説を見る

正解:A胸膜腔に空気が入り肺が広がらない状態を気胸という

胸膜腔に何らかの原因で空気が入り、肺が広がらなくなる状態を気胸といいます。

この問題の解説ページを開く →

194心臓の構造において、血液が出ていく部屋を何というか。

  1. A心房
  2. B心室
  3. C冠状動脈
  4. D肺静脈
正解と解説を見る

正解:B心室

心臓は4つの部屋に分かれており、血液は心房に帰ってきて、心室から出ていきます。

この問題の解説ページを開く →

195心臓から肺へ向かう「肺動脈」に流れている血液はどれか。

  1. A酸素が多く二酸化炭素が少ない静脈血
  2. B酸素が少なく二酸化炭素が多い動脈血
  3. C酸素が多く二酸化炭素が少ない動脈血
  4. D酸素が少なく二酸化炭素が多い静脈血
正解と解説を見る

正解:D酸素が少なく二酸化炭素が多い静脈血

肺動脈には、酸素が少なく二酸化炭素が多い静脈血が流れています。

この問題の解説ページを開く →

196心筋に酸素および栄養を送る血管はどれか。

  1. A大静脈
  2. B肺静脈
  3. C肺動脈
  4. D冠状動脈
正解と解説を見る

正解:D冠状動脈

冠状動脈は大動脈の根本から出て、心筋に酸素および栄養を送ります。

この問題の解説ページを開く →

197卵円孔開存とは、心臓のどの部分がつながっている状態か。

  1. A右心室と左心室
  2. B右心房と左心房
  3. C右心房と右心室
  4. D左心房と左心室
正解と解説を見る

正解:B右心房と左心房

卵円孔開存は、心臓の右心房と左心房がつながっている状態を指します。

この問題の解説ページを開く →

198卵円孔開存が引き起こすおそれがある疾患はどれか。

  1. A窒素酔い
  2. B減圧症
  3. C酸素中毒
  4. D一酸化炭素中毒
正解と解説を見る

正解:B減圧症

卵円孔開存は、減圧症の発症とかかわりがあるとされています。

この問題の解説ページを開く →

199中枢神経系を構成しているものはどれか。

  1. A脳と脊髄
  2. B知覚神経と運動神経
  3. C交感神経と副交感神経
  4. D体性神経と自律神経
正解と解説を見る

正解:A脳と脊髄

中枢神経系は脳と脊髄からなります。

この問題の解説ページを開く →

200中枢からの命令を筋肉に伝える神経はどれか。

  1. A知覚神経
  2. B運動神経
  3. C交感神経
  4. D副交感神経
正解と解説を見る

正解:B運動神経

運動神経は、中枢からの命令を筋肉に伝える神経です。

この問題の解説ページを開く →

201呼吸や消化などを無意識的・反射的に調整する神経はどれか。

  1. A自律神経
  2. B知覚神経
  3. C運動神経
  4. D体性神経
正解と解説を見る

正解:A自律神経

自律神経は、生命維持に必要な呼吸や消化などを無意識的・反射的に調整します。

この問題の解説ページを開く →

202脳酸素中毒の症状として最も致命傷になりやすいものはどれか。

  1. A
  2. B胸部違和感
  3. C痙攣発作
  4. D肺活量の減少
正解と解説を見る

正解:C痙攣発作

脳酸素中毒の症状のうち、特に痙攣発作が潜水中に起こると致命傷となります。

この問題の解説ページを開く →

203スクーバ(自給気式潜水器)における脳酸素中毒を防ぐための酸素分圧の限界はどれか。

  1. A1.4 atm
  2. B0.5 atm
  3. C1.0 atm
  4. D1.6 atm
正解と解説を見る

正解:A1.4 atm

脳酸素中毒を防ぐため、スクーバでは酸素分圧1.4atmを限界としています。

この問題の解説ページを開く →

204肺酸素中毒が生じやすい条件はどれか。

  1. A1.6atm程度の酸素を短時間呼吸した時
  2. B1.4atm程度の酸素を短時間呼吸した時
  3. C0.2atm程度の酸素を長時間呼吸した時
  4. D0.5atm程度の酸素を長時間呼吸した時
正解と解説を見る

正解:D0.5atm程度の酸素を長時間呼吸した時

肺酸素中毒は、0.5atm程度の酸素分圧の呼吸ガスを長時間呼吸した時に生じます。

この問題の解説ページを開く →

205炭酸ガス中毒の症状として挙げられているものはどれか。

  1. A体のほてり
  2. B耳鳴り
  3. C筋肉のふるえ
  4. D咳や痰
正解と解説を見る

正解:A体のほてり

炭酸ガス中毒の症状には、頭痛、めまい、体のほてり、意識障害があります。

この問題の解説ページを開く →

206一酸化炭素がヘモグロビンと結合する強さは、酸素の何倍か。

  1. A2倍
  2. B200倍
  3. C20倍
  4. D2000倍
正解と解説を見る

正解:B200倍

一酸化炭素は、酸素の200倍も強くヘモグロビンと結合します。

この問題の解説ページを開く →

207一酸化炭素中毒が死に至る濃度はどれくらいか。

  1. A5%以下
  2. B10%以下
  3. C50%以下
  4. D0.5%以下
正解と解説を見る

正解:D0.5%以下

一酸化炭素中毒は、0.5%以下のきわめて低濃度でも死に至ります。

この問題の解説ページを開く →

208窒素酔いの症状が現れやすくなるおおよその水深はどれか。

  1. A10m前後以上
  2. B20m前後以上
  3. C80m前後以上
  4. D40m前後以上
正解と解説を見る

正解:D40m前後以上

一般に、水深が40m前後以上になると窒素酔いの症状が現れます。

この問題の解説ページを開く →

209血管と細胞との間のガス交換を何というか。

  1. A肺呼吸
  2. B体循環
  3. C内呼吸
  4. D肺循環
正解と解説を見る

正解:C内呼吸

血管と細胞との間のガス交換を内呼吸といいます。

この問題の解説ページを開く →

210送気式潜水器(ヘルメットや全面マスク)における酸素分圧の限界はどれか。

  1. A1.6 atm
  2. B1.2 atm
  3. C1.4 atm
  4. D2.0 atm
正解と解説を見る

正解:A1.6 atm

送気式潜水器では、脳酸素中毒を防ぐため酸素分圧1.6atmを限界としています。

この問題の解説ページを開く →

211肺酸素中毒の主な症状として正しいものはどれか。

  1. A筋肉のふるえ
  2. B痙攣発作
  3. C頭痛やめまい
  4. D胸部違和感
正解と解説を見る

正解:D胸部違和感

肺酸素中毒の症状は、軽度の胸部違和感、咳、痰などが主なものです。

この問題の解説ページを開く →

212潜水における一酸化炭素中毒の主な原因はどれか。

  1. A吐き出した呼気によるガスの再呼吸
  2. B呼吸回数を故意に減らすこと
  3. Cエンジンの排気ガスが呼気ガスに混入すること
  4. D深度40m以上での窒素の麻酔作用
正解と解説を見る

正解:Cエンジンの排気ガスが呼気ガスに混入すること

潜水における一酸化炭素中毒は、呼気ガスにエンジンの排気ガスが混入することで生じます。

この問題の解説ページを開く →

213神経系の分類において、末梢神経系に含まれるものはどれか。

  1. A脳と脊髄
  2. B大脳と小脳
  3. C体性神経と自律神経
  4. D交感神経と中枢神経
正解と解説を見る

正解:C体性神経と自律神経

末梢神経系は、体性神経と自律神経に分けられます。

この問題の解説ページを開く →

214肺呼吸の仕組みにおいて、胸腔に空気が吸い込まれる原理として正しいものはどれか。

  1. A肺自体が膨らむことで、外部の空気を直接吸い込むため
  2. B胸腔が広がり内部の圧力が下がることで、圧力が高い外部から低い胸腔へ気体が流れるため
  3. C胸腔が狭まり内部の圧力が上がることで、圧力が低い外部から高い胸腔へ気体が流れるため
  4. D横隔膜が上がることで肺が押し広げられ、空気が吸い込まれるため
正解と解説を見る

正解:B胸腔が広がり内部の圧力が下がることで、圧力が高い外部から低い胸腔へ気体が流れるため

胸腔が広がり圧力が下がると、気体は圧力が高い外部から低い胸腔へ向かって流れます。

この問題の解説ページを開く →

215血液の循環経路(体循環)として正しい順序はどれか。

  1. A右心室 → 肺動脈 → 肺 → 肺静脈 → 左心房
  2. B右心室 → 大動脈 → 体の細胞 → 大静脈 → 左心房
  3. C左心室 → 大動脈 → 体の細胞 → 大静脈 → 右心房
  4. D左心室 → 肺動脈 → 肺 → 肺静脈 → 右心房
正解と解説を見る

正解:C左心室 → 大動脈 → 体の細胞 → 大静脈 → 右心房

体循環は、左心室から大動脈を通って全身に送られ、大静脈を経て右心房に戻ります。

この問題の解説ページを開く →

216炭酸ガス中毒になった場合、他のどのような疾患にかかりやすくなるか。

  1. A酸素中毒、減圧症、窒素酔い
  2. B気胸のみ
  3. C気胸と一酸化炭素中毒
  4. D卵円孔開存と肺酸素中毒
正解と解説を見る

正解:A酸素中毒、減圧症、窒素酔い

炭酸ガス中毒になると、酸素中毒や減圧症、窒素酔いにかかりやすくなります。

この問題の解説ページを開く →

217皮膚などの感覚器官から刺激を受け、筋肉が反応するまでの神経の伝達経路として正しいものはどれか。

  1. A感覚器官 → 運動神経 → 中枢神経 → 知覚神経 → 筋肉
  2. B感覚器官 → 自律神経 → 中枢神経 → 交感神経 → 筋肉
  3. C感覚器官 → 中枢神経 → 知覚神経 → 運動神経 → 筋肉
  4. D感覚器官 → 知覚神経 → 中枢神経 → 運動神経 → 筋肉
正解と解説を見る

正解:D感覚器官 → 知覚神経 → 中枢神経 → 運動神経 → 筋肉

刺激は知覚神経を通って中枢神経に伝わり、そこからの命令が運動神経を通って筋肉に伝わります。

この問題の解説ページを開く →

218ヘルメット式潜水において、炭酸ガス中毒を予防するための対策はどれか。

  1. A呼吸回数を故意に減らす
  2. B口鼻マスクの装着を完全にする
  3. C十分な送気を行う
  4. D深度を40m以上に保つ
正解と解説を見る

正解:C十分な送気を行う

ヘルメット内に吐き出した呼気で二酸化炭素濃度が高くなるのを防ぐため、十分な送気を行います。

この問題の解説ページを開く →

219スクーバ式潜水において、炭酸ガス中毒が発症しやすい原因はどれか。

  1. Aコンプレッサーの排気ガスが混入するため
  2. Bヘルメット内の二酸化炭素濃度が高くなるため
  3. Cボンベ内のガス消費量を減らす目的で呼吸回数を故意に減らすため
  4. D深度が40mを超えて麻酔作用が出現するため
正解と解説を見る

正解:Cボンベ内のガス消費量を減らす目的で呼吸回数を故意に減らすため

スクーバ式では、ガスの消費量を減らそうと呼吸回数を故意に減らした場合に炭酸ガス中毒が発症しやすいです。

この問題の解説ページを開く →

220脳酸素中毒と肺酸素中毒の違いについて正しい記述はどれか。

  1. A脳酸素中毒は慢性型で、肺酸素中毒は急性型である
  2. B脳酸素中毒は中枢神経が冒され、肺酸素中毒は肺活量が減少することがある
  3. C脳酸素中毒は0.5atmで生じ、肺酸素中毒は1.6atmで生じる
  4. D二酸化炭素が多いときは、肺酸素中毒にはなりやすいが脳酸素中毒にはなりにくい
正解と解説を見る

正解:B脳酸素中毒は中枢神経が冒され、肺酸素中毒は肺活量が減少することがある

脳酸素中毒は中枢神経が冒され致命的になることがあり、肺酸素中毒は肺活量が減少することがあります。

この問題の解説ページを開く →

221肺及び肺換気機能に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. Aガス交換は気管や気管支で行われ、肺胞では行われない
  2. B肺はフイゴのように膨らんだり縮んだりして空気を出し入れするが、運動能力はない
  3. C肺呼吸は外部の空気と肺胞を取り巻く毛細血管とのガス交換である
  4. D息を吸うときは横隔膜が下がり、胸腔が広がる
正解と解説を見る

正解:Aガス交換は気管や気管支で行われ、肺胞では行われない

ガス交換は肺胞で行われます。気管や気管支は死腔でありガス交換に関与しません。

この問題の解説ページを開く →

222人体の循環器系に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. A右心室から肺動脈を通って肺に送られる血液は、静脈血である
  2. B血液は右心室から大動脈を通って体全体に送り出される
  3. C冠状動脈は大動脈の根本から出て心筋に酸素と栄養を送る
  4. D卵円孔開存は、胎児期につながっていた右心房と左心房の孔が開いたままの状態である
正解と解説を見る

正解:B血液は右心室から大動脈を通って体全体に送り出される

体全体に血液を送り出すのは「左心室」から大動脈を通る経路です。

この問題の解説ページを開く →

223神経系に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. A自律神経は感覚神経と運動神経からなる
  2. B神経系は大きく中枢神経と末梢神経系に分けられる
  3. C中枢神経は脳と脊髄からなる
  4. D末梢神経系は体性神経と自律神経からなる
正解と解説を見る

正解:A自律神経は感覚神経と運動神経からなる

感覚神経(知覚神経)と運動神経からなるのは「体性神経」です。自律神経は交感神経と副交感神経からなります。

この問題の解説ページを開く →

224潜水における気体による疾患に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. A一酸化炭素が存在すると、酸素がヘモグロビンと結合できなくなる
  2. B脳酸素中毒は0.5気圧程度の酸素分圧の呼吸ガスを長時間呼吸した時に生じる
  3. C飲酒や疲労は、窒素酔いを起こしやすくなる要因である
  4. D全面マスク式潜水では、マスクの装着が不完全な場合に炭酸ガス中毒に注意が必要である
正解と解説を見る

正解:B脳酸素中毒は0.5気圧程度の酸素分圧の呼吸ガスを長時間呼吸した時に生じる

0.5気圧程度の酸素分圧を長時間呼吸して生じるのは「肺酸素中毒」です。

この問題の解説ページを開く →
潜水士の全分野一覧へ戻る