給与計算実務能力検定1級 ① 賃金支払のルールと年次有給休暇

給与計算の出発点となる賃金の定義と、労働基準法が定める賃金支払の5原則(通貨払い・直接払い・全額払い・毎月1回以上払い・一定期日払い)を学ぶ分野です。各原則の例外や、口座振込に必要な労働者の同意、社会保険料や所得税の控除の根拠を押さえます。あわせて年次有給休暇の発生要件(6か月継続勤務・出勤率8割以上)、勤続年数ごとの付与日数、比例付与、使用者の時季指定義務(年5日)まで扱う基礎かつ頻出の分野で、40問を収録しています。

この分野の問題40問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

クイズモードで挑戦 →

1労働基準法において、使用者の責めに帰すべき事由による休業手当(平均賃金の100分の60以上)は、賃金として取り扱われるか。

  1. A賃金として取り扱われる
  2. B賃金として取り扱われない
  3. C労使協定がある場合のみ賃金となる
  4. D所定労働時間外の場合のみ賃金となる
正解と解説を見る

正解:A賃金として取り扱われる

休業手当は賃金と同視されます。

この問題の解説ページを開く →

2労働者を解雇する際、30日前の予告に代えて支払う解雇予告手当は賃金として取り扱われるか。

  1. A賃金として取り扱われない
  2. B平均賃金の60%以上であれば賃金となる
  3. C退職金規定がある場合のみ賃金となる
  4. D賃金として取り扱われる
正解と解説を見る

正解:A賃金として取り扱われない

解雇予告手当は、賃金として取り扱われません。

この問題の解説ページを開く →

3労働基準法で定められている「賃金支払の5原則」に含まれないものはどれか。

  1. A前払い
  2. B直接払い
  3. C全額払い
  4. D通貨払い
正解と解説を見る

正解:A前払い

賃金支払の5原則は、通貨払い、直接払い、全額払い、毎月1回以上払い、一定期日払いです。

この問題の解説ページを開く →

4賃金の「通貨払いの原則」の例外として、労働協約に別段の定めがある場合に認められるものはどれか。

  1. A通勤手当や住宅貸与などの現物給与
  2. B所得税や社会保険料の控除
  3. C銀行口座への振込
  4. D賞与の支払
正解と解説を見る

正解:A通勤手当や住宅貸与などの現物給与

労働協約に別段の定めがある場合、通勤手当などの現物給与が通貨払いの例外として認められます。

この問題の解説ページを開く →

5賃金を銀行口座振込などで支払う場合、何が必要とされているか。

  1. A労働組合の結成
  2. B労働基準監督署への届出
  3. C労働者の同意
  4. D就業規則への記載のみ
正解と解説を見る

正解:C労働者の同意

銀行口座振込などで賃金を支払うには、労働者の同意を得る必要があります。

この問題の解説ページを開く →

6賃金の「直接払いの原則」の例外として、通達で支払が可能と示されている対象はどれか。

  1. A労働者の借金の債権者
  2. B労働者が所属する労働組合の代表者
  3. C労働者が指定した友人
  4. D労働者の依頼で代わりに受け取る家族
正解と解説を見る

正解:D労働者の依頼で代わりに受け取る家族

使者たる家族や派遣先の使用者を通じての支払は直接払いの例外として可能とされています。

この問題の解説ページを開く →

7「全額払いの原則」の例外として、法令に別段の定めがある場合に該当するものはどれか。

  1. A生命保険料の控除
  2. B購買代金の控除
  3. C所得税・社会保険料の控除
  4. D労働組合費の控除
正解と解説を見る

正解:C所得税・社会保険料の控除

所得税や社会保険料の控除は、法令に別段の定めがある場合の例外に該当します。

この問題の解説ページを開く →

8生命保険料や購買代金などを賃金から控除して支払う(全額払いの原則の例外)ためには何が必要か。

  1. A労働協約の締結
  2. B労使協定の締結
  3. C労働基準監督署の許可
  4. D個別の労働契約
正解と解説を見る

正解:B労使協定の締結

生命保険料の控除などを行うには、労使協定を締結した場合の例外として認められます。

この問題の解説ページを開く →

9「毎月1回以上払い」や「一定期日払い」の原則の例外となるものはどれか。

  1. A基本給
  2. B臨時に支払われる賃金や賞与
  3. C役職手当
  4. D家族手当
正解と解説を見る

正解:B臨時に支払われる賃金や賞与

臨時に支払われる賃金や賞与は、毎月1回以上払い及び一定期日払いの例外です。

この問題の解説ページを開く →

10労働の提供がない場合、その限度において賃金を支払う必要はないとする考え方を何と呼ぶか。

  1. A賃金全額払いの原則
  2. B同一労働同一賃金の原則
  3. Cノーワーク・ノーペイの原則
  4. D出来高払いの原則
正解と解説を見る

正解:Cノーワーク・ノーペイの原則

労働の提供がない場合に賃金を支払う必要はないとする原則をノーワーク・ノーペイの原則と呼びます。

この問題の解説ページを開く →

11ノーワーク・ノーペイの原則の例外となるものはどれか。

  1. A年次有給休暇
  2. B早退による不就労
  3. C遅刻による不就労
  4. D欠勤による不就労
正解と解説を見る

正解:A年次有給休暇

年次有給休暇は労働者保護のための特別な規定であり、ノーワーク・ノーペイの原則の例外です。

この問題の解説ページを開く →

12賞与を支払う場合、支払額から控除する計算を行う必要があるものはどれか。

  1. A住民税と生命保険料
  2. B雇用保険料と労災保険料
  3. C社会保険料、雇用保険料、所得税
  4. D所得税と住民税のみ
正解と解説を見る

正解:C社会保険料、雇用保険料、所得税

賞与を支払う場合は、社会保険料、雇用保険料及び所得税の計算を行い控除します。

この問題の解説ページを開く →

13社会保険料における「賞与」の定義として正しいものはどれか。

  1. A年間の支給回数が3回以下のもの
  2. B年間の支給回数が2回以下のもの
  3. C年間の支給回数が4回以下のもの
  4. D支給回数に関わらず業績に応じて支払うもの
正解と解説を見る

正解:A年間の支給回数が3回以下のもの

社会保険料では、3か月を超える期間ごとに支払うもの(年間の支給回数が3回以下のもの)と定義されます。

この問題の解説ページを開く →

14退職金を支払う場合、退職所得が課税対象となるため計算と控除が必要なものはどれか。

  1. A所得税と住民税
  2. B雇用保険料と労災保険料
  3. C健康保険料と厚生年金保険料
  4. D雇用保険料と所得税
正解と解説を見る

正解:A所得税と住民税

退職金を支払う場合は、退職所得が課税対象となるので所得税及び住民税の控除が必要です。

この問題の解説ページを開く →

15年次有給休暇の権利が最初に発生する要件として、雇入れの日から何ヶ月継続勤務する必要があるか。

  1. A3か月
  2. B9か月
  3. C6か月
  4. D12か月
正解と解説を見る

正解:C6か月

年次有給休暇の最初の発生要件は、雇入れの日から6か月以上継続勤務することです。

この問題の解説ページを開く →

16年次有給休暇の権利が発生するためには、算定期間の全労働日に対してどの程度の出勤率が必要か。

  1. A6割以上
  2. B8割以上
  3. C7割以上
  4. D9割以上
正解と解説を見る

正解:B8割以上

継続勤務期間の全労働日の出勤率が8割以上であることが発生要件です。

この問題の解説ページを開く →

17一般の労働者が雇入れの日から起算して1年6か月継続勤務し、出勤率の要件を満たした場合に付与される年次有給休暇の日数は何日か。

  1. A11日
  2. B12日
  3. C10日
  4. D14日
正解と解説を見る

正解:A11日

継続勤務1年6か月の付与日数は11日です。

この問題の解説ページを開く →

18一般の労働者が継続勤務6年6か月以上となった場合、1年間に付与される年次有給休暇の日数は最大何日か。

  1. A16日
  2. B18日
  3. C20日
  4. D22日
正解と解説を見る

正解:C20日

継続勤務6年6か月以上での付与日数は20日です。

この問題の解説ページを開く →

191年間の出勤率が8割未満だった場合、次の1年間の年次有給休暇の権利と継続勤務年数の扱いはどうなるか。

  1. A権利は発生せず、継続勤務年数もリセットされる
  2. B権利は発生しないが、継続勤務年数には影響しない
  3. C権利は通常通り発生するが、継続勤務年数がリセットされる
  4. D前年の半分の権利が発生し、継続勤務年数に影響しない
正解と解説を見る

正解:B権利は発生しないが、継続勤務年数には影響しない

出勤率8割未満の場合、翌年の権利は発生しませんが、継続勤務年数には影響しません。

この問題の解説ページを開く →

20パートなどの非正規労働者に対して年次有給休暇が比例付与される対象となる「週の所定労働時間」の条件はどれか。

  1. A40時間未満
  2. B20時間未満
  3. C35時間未満
  4. D30時間未満
正解と解説を見る

正解:D30時間未満

比例付与の対象者は、週の所定労働時間が30時間未満の者です。

この問題の解説ページを開く →

21週の所定労働時間が30時間未満の労働者のうち、比例付与の対象となる「週の所定労働日数」の条件はどれか。

  1. A2日以下
  2. B3日以下
  3. C5日以下
  4. D4日以下
正解と解説を見る

正解:D4日以下

比例付与の対象は、週の所定労働日数が4日以下の者です。

この問題の解説ページを開く →

22週の所定労働日数が4日(週所定労働時間30時間未満)の労働者が、雇入れの日から6か月継続勤務した場合の比例付与日数は何日か。

  1. A5日
  2. B7日
  3. C6日
  4. D10日
正解と解説を見る

正解:B7日

週4日勤務の場合、6か月経過時の比例付与日数は7日です。

この問題の解説ページを開く →

23週の所定労働日数が3日(週所定労働時間30時間未満)の労働者が、雇入れの日から3年6か月継続勤務した場合の比例付与日数は何日か。

  1. A6日
  2. B9日
  3. C8日
  4. D11日
正解と解説を見る

正解:C8日

週3日勤務の場合、3年6か月経過時の比例付与日数は8日です。

この問題の解説ページを開く →

24比例付与の対象となる条件として「週の所定労働日数が4日以下」のほかに、年間の所定労働日数で判断する場合の条件はどれか。

  1. A280日以下
  2. B168日以下
  3. C240日以下
  4. D216日以下
正解と解説を見る

正解:D216日以下

比例付与の対象は、週所定労働日数4日以下又は年間の所定労働日数が216日以下の者です。

この問題の解説ページを開く →

25年次有給休暇の期間中に支払う賃金として、就業規則等で定める必要がない(労使協定が必要な)ものはどれか。

  1. A健康保険法に定める標準報酬月額の30分の1に相当する金額
  2. B平均賃金
  3. C所定労働時間に労働した場合に支払われる通常の賃金
  4. D最低賃金額
正解と解説を見る

正解:A健康保険法に定める標準報酬月額の30分の1に相当する金額

標準報酬月額の30分の1を支払う場合は、労使協定により定める必要があります。

この問題の解説ページを開く →

26年次有給休暇中の賃金として「標準報酬月額の30分の1」を支払う場合、5円以上10円未満の端数が出た際の処理方法はどれか。

  1. A切り捨てる
  2. B5円に切り下げる
  3. Cそのまま支払う
  4. D10円に切り上げる
正解と解説を見る

正解:D10円に切り上げる

5円以上10円未満の端数は10円に切り上げます。

この問題の解説ページを開く →

27年次有給休暇の期間中に支払う賃金の基準(平均賃金、通常の賃金など)について、正しい取扱いはどれか。

  1. A労働者の希望により毎回変更できる
  2. B使用者の都合により毎回変更できる
  3. C最初から取り決めておく必要があり、その都度の変更は認められない
  4. D勤続年数に応じて自動的に切り替わる
正解と解説を見る

正解:C最初から取り決めておく必要があり、その都度の変更は認められない

いずれの賃金を基準とするかは最初から取り決めておく必要があり、その都度変更することは認められません。

この問題の解説ページを開く →

28労働者が年次有給休暇の取得時季を請求する権利を何というか。

  1. A時季指定権
  2. B計画的付与権
  3. C時季変更権
  4. D休暇買取権
正解と解説を見る

正解:A時季指定権

労働者が請求する時季に与えなければならない権利を労働者の時季指定権といいます。

この問題の解説ページを開く →

29使用者が労働者の年次有給休暇の取得時季を変更できる「時季変更権」を行使できるのはどのような場合か。

  1. A労働者が繁忙期に休暇を申請した場合常に
  2. B請求された時季に休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合
  3. C労働者の前月の残業時間が一定未満の場合
  4. D他の労働者が同時に休暇を申請した場合常に
正解と解説を見る

正解:B請求された時季に休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合

事業の正常な運営を妨げる場合には、使用者は他の時季に休暇を与えることができます。

この問題の解説ページを開く →

30年次有給休暇を計画的に消化させる「計画的付与」の対象となるのは、各人の有給休暇日数のうち何日を超える部分に限られるか。

  1. A3日
  2. B5日
  3. C7日
  4. D10日
正解と解説を見る

正解:B5日

計画的付与の対象となるのは、各人の年次有給休暇の日数のうち、5日を超える部分に限られます。

この問題の解説ページを開く →

31使用者側から時季を指定して年次有給休暇を取得させる義務(時季指定義務)の対象となるのは、年に何日以上の有給休暇が付与される労働者か。

  1. A5日以上
  2. B7日以上
  3. C10日以上
  4. D12日以上
正解と解説を見る

正解:C10日以上

年次有給休暇を年に10日以上付与される労働者が対象です。

この問題の解説ページを開く →

32年次有給休暇の使用者側からの時季指定義務(5日)について、パートやアルバイトなどの非正規労働者の扱いはどうなるか。

  1. A対象外となる
  2. B一律で3日間の指定義務となる
  3. C正社員の半分の日数が指定義務となる
  4. D付与日数が10日以上などの要件を満たせば対象となる
正解と解説を見る

正解:D付与日数が10日以上などの要件を満たせば対象となる

非正規の労働者でも、年に10日以上付与されるなどの要件を満たす場合には含まれます。

この問題の解説ページを開く →

33労働者が自ら時季指定をして年次有給休暇を3日取得した場合、使用者が指定すべき残りの義務日数は何日になるか。

  1. A5日
  2. B3日
  3. C2日
  4. D7日
正解と解説を見る

正解:C2日

自ら取得した日数は、使用者が指定すべき「5日」から除くことができるため、残りは2日となります。

この問題の解説ページを開く →

34計画的付与により年次有給休暇を5日取得させた場合、使用者側からの時季指定(5日間の義務)はどうなるか。

  1. A追加で5日指定する必要がある
  2. B時季指定は労働者の同意があれば不要となる
  3. C追加で2日指定する必要がある
  4. D時季指定は不要となる
正解と解説を見る

正解:D時季指定は不要となる

計画的付与で5日以上取得させた場合は、使用者側から時季指定すべき日数から除くことができるため不要となります。

この問題の解説ページを開く →

35使用者が作成・保存しなければならない「年次有給休暇管理簿」で、明らかにする必要がない項目はどれか。

  1. A取得した時季
  2. B取得した日数
  3. C基準日
  4. D休暇中の旅行先
正解と解説を見る

正解:D休暇中の旅行先

管理簿では、時季、日数、基準日を明らかにする必要があり、旅行先は不要です。

この問題の解説ページを開く →

36「年次有給休暇管理簿」の原則的な保存期間は何年間か(当分の間は3年間とされているが、法令上の原則)。

  1. A1年間
  2. B7年間
  3. C3年間
  4. D5年間
正解と解説を見る

正解:D5年間

年次有給休暇管理簿は5年間(当分の間は3年間)保存しなければなりません。

この問題の解説ページを開く →

37「年次有給休暇管理簿」の作成方法について正しいものはどれか。

  1. A専用の紙の台帳で独立して作成しなければならない
  2. B労働者名簿又は賃金台帳と合わせて調製することができる
  3. Cシステム上での管理は一切認められていない
  4. D労働者自身に作成・管理させなければならない
正解と解説を見る

正解:B労働者名簿又は賃金台帳と合わせて調製することができる

管理簿は労働者名簿や賃金台帳と合わせて調製でき、システム管理も出力可能なら差し支えありません。

この問題の解説ページを開く →

38年次有給休暇を取得した労働者に対する不利益な取扱いに該当する例として、テキストで挙げられているものはどれか。

  1. A昇進試験の受験資格を取り消すこと
  2. B退職金の支給額を一律で減額すること
  3. C翌年の年次有給休暇の付与日数を半分にすること
  4. D賞与の算定対象期間から年次有給休暇日を除くこと
正解と解説を見る

正解:D賞与の算定対象期間から年次有給休暇日を除くこと

賞与の算定対象期間から年次有給休暇日を除くことも不利益な取扱いに当たると例示されています。

この問題の解説ページを開く →

39以下の中で、労働基準法における賃金の支払ルールの対象となる「賃金」に該当するものはどれか。

  1. A結婚祝金(就業規則に定めのない任意のもの)
  2. B平均賃金の100分の60以上の休業手当
  3. C30日前の予告に代えて支払う解雇予告手当
  4. D労働基準法違反の罰金
正解と解説を見る

正解:B平均賃金の100分の60以上の休業手当

使用者の責めに帰すべき事由による休業手当は賃金と同視されます。解雇予告手当は賃金ではありません。

この問題の解説ページを開く →

40退職手当を支払う場合、労働者の同意を得た場合に限り通貨払いの原則の例外として認められる支払方法はどれか。

  1. A現物支給
  2. B銀行振出小切手などによる支払
  3. C株式の譲渡
  4. D自社製品の提供
正解と解説を見る

正解:B銀行振出小切手などによる支払

退職手当の銀行振出小切手などによる支払は、労働者の同意を得た場合の例外として認められています。

この問題の解説ページを開く →
給与計算実務能力検定1級の全分野一覧へ戻る