2級土木施工管理技士(第一次検定) ④ 河川・砂防・地すべり防止工

治水と土砂災害防止に関わる構造物を扱う分野です。河川工事では堤防の構造と施工、護岸の構成要素(法覆工・基礎工・根固工)、樋門と水制工が中心になります。砂防では砂防えん堤の各部名称と施工順序、渓流保全工が対象です。地すべり防止工では、抑制工(水を抜いて誘因を減らす)と抑止工(構造物で直接止める)の区別が定番の頻出論点になります。用語の定義を正確に押さえることと、施工順序を問う出題への備えが得点の鍵です。

この分野の問題26問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

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91河川において、堤防で守られている側の呼称として、正しいものはどれか。

  1. A堤外地
  2. B堤内地
  3. C表法面
  4. D高水敷
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正解:B堤内地

堤防で守られている側を堤内地、河川の流水がある側を堤外地といいます。

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92河川の右岸・左岸の定義として、正しいものはどれか。

  1. A上流から下流を見て右側が右岸、左側が左岸である。
  2. B常に北側を向いて右側が右岸、左側が左岸である。
  3. C常に南側を向いて右側が右岸、左側が左岸である。
  4. D下流から上流を見て右側が右岸、左側が左岸である。
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正解:A上流から下流を見て右側が右岸、左側が左岸である。

河川においては、上流から下流を見て右側を右岸、左側を左岸と呼びます。

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93堤防の断面で一番高い平らな部分の呼称として、正しいものはどれか。

  1. A法尻
  2. B小段
  3. C法肩
  4. D天端
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正解:D天端

河川堤防の断面で一番高い平らな部分を天端といいます。

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94河川の天端の高さに関する次の記述のうち、正しくないものはどれか。

  1. A天端の高さは、計画高水位に余裕高を足した高さ以上にする。
  2. B余裕高は、計画高水流量によって決定される。
  3. C余裕高の数値は、一般に0.6〜2.0m程度である。
  4. D天端の高さは、常に周辺の堤内地より低く設定する。
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正解:D天端の高さは、常に周辺の堤内地より低く設定する。

天端の高さは、計画高水位に余裕高(0.6〜2.0m)を足した高さ以上にするため、周辺より高くなります。

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95河川堤防に用いる土質材料の条件として、適当なものはどれか。

  1. A高い密度を与える粒度分布で、せん断強度が大きいもの。
  2. B圧縮変形や膨張性が著しく、堤体を強固にするもの。
  3. C施工性を良くするため、水に溶解する成分を含むもの。
  4. D透水性が極めて高く、浸潤面が裏法尻に達しやすいもの。
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正解:A高い密度を与える粒度分布で、せん断強度が大きいもの。

堤防の土質材料は、高い密度を与える粒度分布でせん断強度が大きいことや、適度な不透水性が求められます。

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96河川堤防の腹付け工事を行う際の施工上の留意点として、適当なものはどれか。

  1. A新堤防の地盤安定を防ぐため、旧堤防は即座に撤去する。
  2. B高水敷が広い場合でも、必ず旧堤防の表法面に行う。
  3. C旧堤防との接合を高めるため、階段状に段切りを行う。
  4. D盛土の施工中は、雨水が滞水するよう水平に保つ。
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正解:C旧堤防との接合を高めるため、階段状に段切りを行う。

腹付け工事では旧堤防との接合を高めるために階段状に段切りを行います。また原則として裏法面に行います。

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97引堤工事を行った場合の旧堤防の撤去時期について、正しいものはどれか。

  1. A新堤防完成後、原則として3年間は撤去してはならない。
  2. B新堤防の盛土開始と同時に撤去する。
  3. C新堤防完成後、直ちに撤去する。
  4. D新堤防完成後、原則として1年間は撤去してはならない。
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正解:A新堤防完成後、原則として3年間は撤去してはならない。

引堤工事における旧堤防は、地盤の安定を見るため原則として新堤防完成後3年間は撤去してはなりません。

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98築堤した河川堤防の法面保護として、表法面全体に芝を張る工法の名称はどれか。

  1. A張芝
  2. B総芝
  3. C平芝
  4. D筋芝
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正解:B総芝

堤防の法面保護で行う芝付けのうち、表法面全体に芝を張るものを総芝といいます。

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99複断面の河川において、高水時に堤防の表法面を保護する目的で設ける護岸はどれか。

  1. A高水護岸
  2. B根固工
  3. C低水護岸
  4. D天端保護工
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正解:A高水護岸

高水護岸は、複断面の河川において高水時に堤防の表法面を保護するものです。

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100河川護岸の法覆工におけるブロックの使い分けについて、適当なものはどれか。

  1. A堤防の法勾配が緩く流速が小さな場所には、積ブロック(間知ブロック)が用いられる。
  2. B堤防の法勾配が急で流速が大きい場所には、平板ブロックが用いられる。
  3. C堤防の法勾配に関わらず、常に平板ブロックが用いられる。
  4. D堤防の法勾配が急で流速が大きい場所には、積ブロック(間知ブロック)が用いられる。
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正解:D堤防の法勾配が急で流速が大きい場所には、積ブロック(間知ブロック)が用いられる。

法勾配が急で流速が大きい場所には積ブロック、法勾配が緩く流速が小さな場所には平板ブロックが用いられます。

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101河川護岸における根固工の主な目的として、正しいものはどれか。

  1. A洪水時の河床の洗掘を防ぎ、基礎工や法覆工を保護する。
  2. B低水護岸を裏側から破壊しないよう保護する。
  3. C水流の方向を変えて河川の流路を安定させる。
  4. D護岸の法肩部の破損を防ぐ。
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正解:A洪水時の河床の洗掘を防ぎ、基礎工や法覆工を保護する。

根固工は、河床の洗掘を防ぎ、護岸基礎工や法覆工を保護するために設けられます。

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102河川護岸の構造に関する次の記述のうち、正しくないものはどれか。

  1. A小口止め工は護岸の中央部に施工して構造全体を一体化させる。
  2. B横帯工は護岸の変位や破損が他に波及しないよう絶縁する。
  3. C縦帯工は護岸の法肩部に設けられ、法肩の施工を容易にする。
  4. D横帯工は法覆工の延長方向の一定区間ごとに設けられる。
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正解:A小口止め工は護岸の中央部に施工して構造全体を一体化させる。

小口止め工は、法覆工の上下流端(端部)に施工して護岸を保護するものです。

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103河川の護岸構造物に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  1. A天端保護工は、水流の方向を変えて河川の流路を安定させるために設ける。
  2. B水制工は、流水によって低水護岸の裏側から破壊しないように保護する。
  3. C低水護岸の天端保護工は、流水による裏側からの破壊を防止するために設ける。
  4. D水制工は、護岸基礎工の裏込め土砂の流出を防ぐために設ける。
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正解:C低水護岸の天端保護工は、流水による裏側からの破壊を防止するために設ける。

天端保護工は裏側からの破壊保護を目的とし、水制工は水流の方向を変え流路を安定させるために設けます。

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104砂防えん堤の堤体基礎の根入れについて、基礎地盤が岩盤の場合の深さとして正しいものはどれか。

  1. A2m以上
  2. B3m以上
  3. C1m以上
  4. D0.5m以上
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正解:C1m以上

堤体基礎の根入れは、基礎地盤が岩盤の場合は1m以上、砂礫盤では2m以上行うのが通常です。

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105砂防えん堤の本えん堤における水通しの構造として、適当なものはどれか。

  1. A断面は一般に逆台形とし、越流する流量に対して十分な大きさとする。
  2. B断面は一般に三角形とし、越流させずに地下へ浸透させる。
  3. C断面は一般に長方形とし、水流をせき止める構造とする。
  4. D断面は一般に円形とし、土石流を素早く通過させる構造とする。
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正解:A断面は一般に逆台形とし、越流する流量に対して十分な大きさとする。

水通しはえん堤上流からの流水の越流部として設置され、一般にその断面は逆台形です。

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106砂防えん堤の袖に関する次の記述のうち、正しくないものはどれか。

  1. A本えん堤の袖は、洪水を越流させないために設けられる。
  2. B土石等の流下による衝撃に対して強固な構造とする。
  3. C水通し側から両岸に向かって下り勾配とする。
  4. D袖の嵌入深さは本体と同程度の安定性を有する地盤までとする。
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正解:C水通し側から両岸に向かって下り勾配とする。

袖は洪水が越流しないよう、水通し側から両岸に向かって上り勾配とします。

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107砂防えん堤に水抜きを設ける主な理由として、正しいものはどれか。

  1. A落下する水のエネルギーを拡散・減勢させるため。
  2. B本えん堤から落下する水の衝撃を緩和するため。
  3. C施工中の流水の切換えや堆砂後の透水を抜き、本えん堤にかかる水圧を軽減するため。
  4. D越流する土砂を一時的に貯留するため。
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正解:C施工中の流水の切換えや堆砂後の透水を抜き、本えん堤にかかる水圧を軽減するため。

水抜きは、流水の切換えや透水を抜いて本えん堤にかかる水圧を軽減するために設けられます。

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108砂防えん堤の前庭保護工に含まれる構造物の組み合わせとして、適当なものはどれか。

  1. A押え盛土工、排土工、集水井工
  2. B水通し、袖、水抜き
  3. C縦帯工、横帯工、小口止め工
  4. D副えん堤、水叩き、側壁護岸
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正解:D副えん堤、水叩き、側壁護岸

前庭保護工は、副えん堤、減勢工、水叩き、側壁護岸、護床工等からなります。

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109砂礫層上に施工する砂防えん堤の一般的な施工順序として、正しいものはどれか。

  1. A①副えん堤、②本えん堤基礎部、③側壁護岸、④水叩き、⑤本えん堤上部
  2. B①本えん堤基礎部、②側壁護岸、③副えん堤、④本えん堤上部、⑤水叩き
  3. C①水叩き、②側壁護岸、③本えん堤基礎部、④副えん堤、⑤本えん堤上部
  4. D①本えん堤基礎部、②副えん堤、③側壁護岸、④水叩き、⑤本えん堤上部
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正解:D①本えん堤基礎部、②副えん堤、③側壁護岸、④水叩き、⑤本えん堤上部

砂礫層上の一般的な施工順序は、①本えん堤基礎部、②副えん堤、③側壁護岸、④水叩き、⑤本えん堤上部となります。

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110地すべり防止工を大別した場合の2つの工法名として、正しいものはどれか。

  1. A護岸工と根固工
  2. B抑制工と抑止工
  3. C引堤工と拡築工
  4. D排水工と盛土工
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正解:B抑制工と抑止工

地すべり防止工は、自然条件を変化させる抑制工と、構造物により停止させる抑止工に大別されます。

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111地すべり防止工の施工順序に関する記述として、適当なものはどれか。

  1. A抑止工だけの単独施工を積極的に採用するのが一般的である。
  2. B一般的に抑制工を先に施工し、その後に抑止工を施工する。
  3. C一般的に抑止工を先に施工し、その後に抑制工を施工する。
  4. D抑制工と抑止工は必ず同時に施工を行わなければならない。
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正解:B一般的に抑制工を先に施工し、その後に抑止工を施工する。

地すべり防止工では、抑制工を先行させて活動を軽減してから抑止工を施工するのが一般的であり、抑止工だけの施工は避けます。

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112次の地すべり防止工のうち、抑止工に分類されるものはどれか。

  1. A横ボーリング工
  2. B水路工
  3. C排土工
  4. D杭工
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正解:D杭工

横ボーリング工、水路工、排土工は抑制工ですが、杭等の構造物を用いる杭工は抑止工に分類されます。

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113地すべり防止工の抑制工における集水井工の排水方法として、原則とされるものはどれか。

  1. A集水井の底から直接地中へ浸透させる。
  2. B地表に直接溢れさせて水路工へ接続する。
  3. C大型の揚水ポンプを用いて強制的に排水する。
  4. D排水ボーリング孔または排水トンネルによって自然排水を行う。
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正解:D排水ボーリング孔または排水トンネルによって自然排水を行う。

集水井工の排水は、原則として排水ボーリング等による自然排水を行います。

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114地すべり防止工の杭工において、杭の建込み位置として適当な場所はどこか。

  1. A地すべり土塊上部のすべり面の勾配が緩やかな場所
  2. B地すべり土塊上部のすべり面の勾配が急な場所
  3. C地すべり土塊下部のすべり面の勾配が緩やかな場所
  4. D地すべり土塊下部のすべり面の勾配が急な場所
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正解:C地すべり土塊下部のすべり面の勾配が緩やかな場所

杭工の建込み位置は、地すべり土塊下部のすべり面の勾配が緩やかな場所とします。

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115地すべり頭部の不安定土塊を排除し、土塊の滑動力を減少させる中小規模向けの工法はどれか。

  1. A押え盛土工
  2. B排土工
  3. C横ボーリング工
  4. Dシャフト工
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正解:B排土工

排土工は、地すべり頭部の不安定土塊を排除し荷重を減ずることで滑動力を減少させる抑制工です。

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116地すべり防止工における押え盛土工の記述として、正しくないものはどれか。

  1. A地すべりの滑動力に対する抵抗力を増加させる。
  2. B構造物によって地すべり運動を停止させる抑止工である。
  3. C地形の自然条件を変化させる抑制工の一種である。
  4. D地すべり土塊の下部に盛土を行う工法である。
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正解:B構造物によって地すべり運動を停止させる抑止工である。

押え盛土工は地形などの自然条件を変化させる抑制工であり、構造物を用いる抑止工ではありません。

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