日商簿記検定2級 ① 株式・純資産

会社の資本にまつわる処理を扱う分野です。株式会社の設立および増資における株式の発行、資本金と資本準備金への組入れの考え方が出発点になります。剰余金の配当と処分では、利益準備金の積立額の計算、株主資本の計数の変動が頻出です。あわせて自己株式の取得・処分・消却、新株予約権の処理も対象になります。純資産の部の区分を正確に把握し、どの取引がどの項目を動かすのかを構造で理解しておくと、株主資本等変動計算書の作成問題にも対応できます。

この分野の問題35問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

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1株式会社において、株主が出資した資金を経営のプロである取締役に任せ、日々の経営を行わせる形態を何というか。

  1. A所有と経営の分離
  2. B所有と経営の融合
  3. C所有と経営の対立
  4. D所有と経営の統合
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正解:A所有と経営の分離

株主は会社の所有者であるが、日々の経営は専門家である取締役に任せる仕組みです。

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2株式会社の設立時に、株式を発行して払い込まれた金額のうち、資本金としなかった部分はどの科目で処理するか。

  1. A利益準備金
  2. B資本準備金
  3. C繰越利益剰余金
  4. D別途積立金
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正解:B資本準備金

払込金額のうち資本金としなかった部分は、純資産の資本準備金として処理します。

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3株式会社設立時に株式を発行した際、原則として払込金額の全額を処理する勘定科目はどれか。

  1. A資本準備金
  2. B利益準備金
  3. C資本金
  4. D繰越利益剰余金
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正解:C資本金

株式会社設立時の株式発行は、原則として払込金額の全額を資本金として処理します。

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4増資のために株式を募集した際、申込期日までに受け入れた払込金額(株式を割り当てる前)を処理する勘定科目はどれか。

  1. A資本金
  2. B別段預金
  3. C資本準備金
  4. D株式申込証拠金
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正解:D株式申込証拠金

株式の割当て前は資本金に振り替えず、株式申込証拠金として一時的に処理します。

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5増資時に申込証拠金として払い込まれた現金を、会社の当座預金などとは区別して処理する場合の勘定科目はどれか。

  1. A別段預金
  2. B当座預金
  3. C普通預金
  4. D現金
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正解:A別段預金

申込証拠金として受け入れた現金や預金は、別段預金として区別します。

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6株式会社設立時の株式発行にかかった費用は、どの勘定科目で処理するか。

  1. A株式交付費
  2. B創立費
  3. C開業費
  4. D支払手数料
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正解:B創立費

会社設立時の株式発行費用は、創立費(繰延資産)として処理し、償却時に費用化します。

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7株式会社設立後に増資(株式の発行)を行う際にかかった費用は、どの勘定科目で処理するか。

  1. A創立費
  2. B開業費
  3. C株式交付費
  4. D支払手数料
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正解:C株式交付費

増資時の株式発行費用は、株式交付費(費用)として処理します。

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8当期純利益を計上した際、損益勘定から振り替える純資産の勘定科目はどれか。

  1. A利益準備金
  2. B資本金
  3. C別途積立金
  4. D繰越利益剰余金
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正解:D繰越利益剰余金

当期純利益は、繰越利益剰余金(純資産)の貸方に振り替えます。

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9会社設立後、営業を開始するまでに要した費用を支出したときの勘定科目はどれか。

  1. A開業費
  2. B株式交付費
  3. C創立費
  4. D支払手数料
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正解:A開業費

営業開始までの費用は開業費(繰延資産)として処理し、償却時に費用化します。

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10剰余金の配当について、株主総会で決定し、支払いは後日となる場合に用いる勘定科目はどれか。

  1. A未払金
  2. B未払配当金
  3. C未払費用
  4. D未払法人税等
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正解:B未払配当金

配当金の支払いが後日となるため、未払配当金(負債)で処理します。

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11剰余金を配当する場合に、会社法で積立てが強制される準備金はどれか。

  1. A資本準備金
  2. B別途積立金
  3. C利益準備金
  4. D新築積立金
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正解:C利益準備金

会社法で積立てが強制されているのは利益準備金です。

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12株主総会で会社が独自に積み立てる金銭(新築積立金や別途積立金など)を総称して何というか。

  1. A資本準備金
  2. B利益準備金
  3. C資本剰余金
  4. D任意積立金
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正解:D任意積立金

会社が将来のために独自に積み立てる金銭は任意積立金といいます。

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13資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の何分の1に達するまで、配当金の10分の1を利益準備金として積み立てる必要があるか。

  1. A4分の1
  2. B3分の1
  3. C2分の1
  4. D5分の1
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正解:A4分の1

会社法により、資本金の4分の1に達するまで積立てが必要です。

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14配当財源が「その他資本剰余金」である場合に積み立てる準備金はどれか。

  1. A利益準備金
  2. B資本準備金
  3. C繰越利益剰余金
  4. D別途積立金
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正解:B資本準備金

配当財源がその他資本剰余金の場合、積み立てるのは資本準備金です。

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15会社法で規定される利益準備金の積立額を計算する際、計算対象となる基準額はどれか。

  1. A資本金の4分の1
  2. B繰越利益剰余金の2分の1
  3. C配当金の10分の1
  4. D資本準備金の10分の1
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正解:C配当金の10分の1

積立額は配当金の10分の1(上限あり)で計算します。

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16吸収合併において、合併会社が消滅会社から資産・負債を時価で受け入れる際、貸借差額が生じた場合に計上する資産はどれか。

  1. A特許権
  2. Bソフトウェア
  3. C商標権
  4. Dのれん
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正解:Dのれん

取得対価と時価純資産の差額はのれんとして処理します。

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17特許権や商標権のように、形はないが長期間にわたってプラスの効果をもたらす資産を何というか。

  1. A無形固定資産
  2. B有形固定資産
  3. C繰延資産
  4. D投資その他の資産
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正解:A無形固定資産

形のない固定資産は無形固定資産に分類されます。

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18特許権を800円で取得し、現金で支払った場合の正しい仕訳はどれか。

  1. A(借)現金 800 / (貸)特許権 800
  2. B(借)特許権 800 / (貸)現金 800
  3. C(借)無形固定資産 800 / (貸)現金 800
  4. D(借)特許権 800 / (貸)当座預金 800
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正解:B(借)特許権 800 / (貸)現金 800

特許権の取得額を直接資産として計上します。

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19無形固定資産の決算時の償却は、原則として何法で行うか。

  1. A定率法
  2. B生産高比例法
  3. C定額法
  4. D級数法
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正解:C定額法

無形固定資産の償却は残存価額ゼロの定額法で行います。

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20無形固定資産の償却における記帳方法は、直接法・間接法のどちらで行うか。

  1. Aどちらでもない
  2. B間接法
  3. C両方可能
  4. D直接法
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正解:D直接法

無形固定資産の償却は直接法のみが認められています。

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21合併により取得した「のれん」の償却期間は最大何年以内とされているか。

  1. A20年
  2. B8年
  3. C10年
  4. D5年
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正解:A20年

のれんは取得後20年以内に定額法により償却します。

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22次のうち、純資産の項目に該当しないものはどれか。

  1. A資本金
  2. B未払配当金
  3. C利益準備金
  4. D資本準備金
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正解:B未払配当金

未払配当金は負債に分類されます。

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23「会社法で積み立てが強制されている利益準備金」に該当する区分はどれか。

  1. A負債
  2. B評価・換算差額等
  3. C株主資本
  4. D費用
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正解:C株主資本

利益準備金は株主資本の一部です。

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24資本金と資本剰余金は、純資産の構成において何を表すか。

  1. A会社の利益
  2. B営業活動の成果
  3. C外部からの借入
  4. D株主からの払込金額
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正解:D株主からの払込金額

これらは出資された元手にあたります。

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25利益剰余金の構成項目に含まれないものはどれか。

  1. A資本準備金
  2. B別途積立金
  3. C繰越利益剰余金
  4. D利益準備金
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正解:A資本準備金

資本準備金は資本剰余金に分類されます。

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26増資における「申込証拠金の受取」から「払込期日の処理」までの正しい順番はどれか。

  1. A資本金振替→申込証拠金受取→別段預金
  2. B申込証拠金受取→別段預金→資本金振替
  3. C申込証拠金受取→資本金振替→別段預金
  4. D資本金振替→別段預金→申込証拠金受取
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正解:B申込証拠金受取→別段預金→資本金振替

申込証拠金を受け取り別段預金とし、期日に資本金等へ振替えます。

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27資本金の増資に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. A増資は会社の設立時のみ行える
  2. B増資には申込期間は不要である
  3. C増資により資本金が増える
  4. D増資を行うと負債が必ず増える
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正解:C増資により資本金が増える

増資は資本金を増やすことを目的とした手続きです。

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28剰余金の配当について、株主総会で承認される内容はどれか。

  1. A配当の有無のみ
  2. B広告宣伝費の予算
  3. C取締役に一任された金額
  4. D利益の使い道(配当や処分)
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正解:D利益の使い道(配当や処分)

利益の使い道は株主総会で決定します。

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29無形固定資産の償却額を計算する際、建物等の減価償却と異なる点はどれか。

  1. A残存価額をゼロとすること
  2. B償却期間の決定方法
  3. C費用を計上すること
  4. D直接法を用いること
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正解:A残存価額をゼロとすること

建物等の減価償却には残存価額がある場合がありますが、無形固定資産は必ず残存価額ゼロです。

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30企業が吸収合併を行う理由として正しいものはどれか。

  1. A支払利息を減らすため
  2. B市場競争力を高めるため
  3. C法人税を免除されるため
  4. D負債を隠蔽するため
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正解:B市場競争力を高めるため

競争力強化や市場占有率向上のために行われます。

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31「株式会社の設立」に関する記述として誤っているものはどれか。

  1. A設立時に株式を発行する
  2. B設立費用は創立費で処理する
  3. C資本金は払込金額の2分の1を超えて計上できない
  4. D原則として払込金額の全額を資本金とする
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正解:C資本金は払込金額の2分の1を超えて計上できない

払込金額は原則として全額を資本金にできるため、2分の1までという制限はありません。

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32剰余金の配当について誤った記述はどれか。

  1. A利益は株主のものなので分配する
  2. B株主総会の承認が必要である
  3. C利益準備金の積立が強制される場合がある
  4. D配当を行っても利益準備金の積立は一切不要である
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正解:D配当を行っても利益準備金の積立は一切不要である

配当時には会社法により利益準備金の積立が強制される場合があります。

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33資本準備金に関する記述として誤っているものはどれか。

  1. A利益剰余金の一種である
  2. B株式払込剰余金などがある
  3. C純資産の項目である
  4. D資本取引に関する項目である
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正解:A利益剰余金の一種である

資本準備金は資本剰余金の一種であり、利益剰余金ではありません。

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34合併における「のれん」について、正しい記述はどれか。

  1. A消滅会社で計上される
  2. B取得企業の超過収益力を表す資産である
  3. C必ず負債として処理される
  4. D償却は行われない
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正解:B取得企業の超過収益力を表す資産である

のれんは、取得対価が受け入れた純資産の時価を上回る差額で、ブランド力やノウハウなどの超過収益力を表します。

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35無形固定資産の決算時の処理について誤っているものはどれか。

  1. A特許権償却という費用を使う
  2. B残存価額をゼロとする
  3. C間接法により記帳する
  4. D定額法により償却する
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正解:C間接法により記帳する

無形固定資産の決算時は直接法のみを使用します。

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