① 株式・純資産
35問会社の資本にまつわる処理を扱う分野です。株式会社の設立および増資における株式の発行、資本金と資本準備金への組入れの考え方が出発点になります。剰余金の配当と処分では、利益準備金の積立額の計算、株主資本の計数の変動が頻出です。あわせて自己株式の取得・処分・消却、新株予約権の処理も対象になります。純資産の部の区分を正確に把握し、どの取引がどの項目を動かすのかを構造で理解しておくと、株主資本等変動計算書の作成問題にも対応できます。
② 税金(法人税等・消費税・税効果会計)
40問会社が負担する税の会計処理を扱う分野です。法人税等の中間申告と確定申告における未払法人税等の処理、消費税の税抜方式による仮払消費税と仮受消費税の相殺が基礎になります。最も重要なのが税効果会計で、会計上の利益と税務上の所得の差から生じる一時差異を、繰延税金資産または繰延税金負債として計上する仕組みが問われます。将来減算一時差異と将来加算一時差異の区別、法定実効税率の適用が頻出の論点です。
③ 商品売買・収益認識
50問本業の売上に関わる処理を扱う、簿記の中核となる分野です。三分法による売上原価の算定、売上原価対立法との違い、期末商品の評価(棚卸減耗損と商品評価損)が基礎になります。2級では収益認識に関する考え方も対象で、履行義務の充足時点で収益を計上するという原則、変動対価の見積り、返品権付き販売の処理が問われます。売上割戻や売上値引の扱いも含め、取引の実態から会計処理を導く力が求められます。
④ 手形・電子記録債権・銀行勘定調整表
45問債権債務の決済手段を扱う分野です。約束手形の振出と受入、手形の裏書譲渡と割引、不渡手形の処理が基礎になります。手形の割引では割引料の計算と手形売却損の計上が頻出です。電子記録債権と電子記録債務は、手形に代わる決済手段として発生記録と譲渡記録の処理が問われます。銀行勘定調整表では、企業側と銀行側の残高が一致しない原因(未取付小切手・未渡小切手・時間外預入・連絡未通知)を区別し、修正仕訳が必要なものを判断します。
⑤ 固定資産・リース・研究開発費/ソフトウェア
53問長期にわたって使用する資産を扱う分野です。有形固定資産では取得原価の決定、減価償却の各方法(定額法・定率法・生産高比例法)、期中売却や買換えの処理、除却と廃棄が中心になります。圧縮記帳や資本的支出と収益的支出の区別も頻出です。リース取引ではファイナンス・リースとオペレーティング・リースの判定と、それぞれの会計処理が問われます。無形固定資産では、研究開発費の費用処理と、ソフトウェアの制作目的別の会計処理を押さえてください。
⑥ 有価証券
40問他社の株式や債券を保有した場合の処理を扱う分野です。保有目的による分類(売買目的有価証券・満期保有目的債券・子会社株式および関連会社株式・その他有価証券)が出発点で、分類ごとに期末評価の方法が異なる点が最重要論点になります。売買目的は時価評価して評価差額を損益に、その他有価証券は時価評価して評価差額を純資産に計上します。満期保有目的債券では償却原価法による処理が問われます。分類と評価方法の対応を確実に押さえてください。
⑦ 引当金・外貨換算会計
40問将来の費用や損失に備える処理と、外貨建取引を扱う分野です。引当金では計上要件(将来の特定の費用または損失であること、発生が当期以前の事象に起因すること、発生の可能性が高いこと、金額を合理的に見積もれること)が基礎になります。貸倒引当金の設定方法、退職給付引当金、賞与引当金、修繕引当金が頻出です。外貨換算会計では、取引時・決算時・決済時の3時点における換算と為替差損益の認識、為替予約による振当処理が問われます。
⑧ 決算・財務諸表・本支店会計
45問1年間の取引をまとめて財務諸表を作る手続を扱う分野です。決算整理では、売上原価の算定、減価償却、引当金の設定、経過勘定の処理、有価証券の評価替えといった一連の処理を漏れなく行う力が求められます。精算表の作成、損益計算書と貸借対照表の作成、株主資本等変動計算書の記入が頻出です。本支店会計では、内部利益の控除、支店独立会計制度における本支店間取引の相殺、合併財務諸表の作成が問われます。総合力が試される領域です。
⑨ 連結会計
57問親会社と子会社を一体とみなして財務諸表を作る、2級の最大の山です。支配獲得日の投資と資本の相殺消去、のれんの計上と償却、非支配株主持分の把握が出発点になります。連結第2年度以降では、開始仕訳による過年度の修正の引継ぎが必須の手続です。成果連結では、内部取引高の相殺、債権債務の相殺、未実現利益の消去(期末商品・土地)、貸倒引当金の調整が問われます。タイムテーブルを描いて資本の変動を追う方法が有効な分野です。
⑩ 製造業会計
25問工業簿記の要素を含む製造業の会計処理を扱う分野です。商業簿記との違いとして、材料費・労務費・経費という原価の3要素、製造原価の集計、仕掛品と製品という棚卸資産の区分が基礎になります。製造原価報告書の作成、売上原価の算定における当期製品製造原価の位置づけが頻出です。あわせて原価差異の把握と処理も対象になります。出題数は限られますが、商業簿記の枠組みとの接続を理解しておくことで、財務諸表作成問題に対応できます。