第三種冷凍機械責任者は、高圧ガス保安法に基づく高圧ガス製造保安責任者免状のひとつです。1日の冷凍能力100トン未満の製造施設で冷凍保安責任者に選任されうる資格で、業務用の冷凍・空調設備を扱う現場では入口にあたる位置づけになっています。試験は高圧ガス保安協会(KHK)が年1回11月に実施し、年齢・学歴・実務経験による受験制限はありません。免状の交付は都道府県知事が行います。
この試験を難しくしているのは、範囲の広さそのものよりも、科目の性格が二つに割れていることです。「保安管理技術」は熱力学と機械工学の初歩を扱う理系科目で、線図の読み取りや計算がそのまま点になります。一方の「法令」は高圧ガス保安法とその政省令の条文を、数値と条件ごとに正確に覚える暗記科目です。同じ勉強法で両方を進めようとすると、どちらも中途半端になりがちです。
同じ試験の中に、性格のまったく違う2科目が同居している
まず試験の形を確認しておきます。出題はすべて択一式(マークシート)で、「法令」20問と「保安管理技術」15問の計35問。試験時間は法令が60分(9時30分から10時30分)、保安管理技術が90分(11時10分から12時40分)で、午前と午後にまたがる形で1日のうちに両方を受けます。
- 実施団体:高圧ガス保安協会(KHK)/免状交付は都道府県知事(知事試験)
- 実施時期:年1回・11月
- 出題形式:択一式(マークシート)、法令20問・保安管理技術15問の計2科目35問
- 試験時間:法令60分(9時30分から10時30分)、保安管理技術90分(11時10分から12時40分)
- 合格基準:各科目とも満点の60パーセント程度
- 受験資格:年齢・学歴・実務経験による制限なし
- 受験手数料:電子申請で9,800円(非課税・令和8年度)。振込手数料は受験者が負担します
注目したいのは問題数と時間の配分です。法令は20問を60分、保安管理技術は15問を90分。1問あたりでは法令が3分、保安管理技術が6分と、保安管理技術のほうが2倍の時間が与えられています。これは保安管理技術に計算問題や線図の読み取りが含まれるためで、逆にいえば法令は「読んで即断する」精度が求められる科目だということです。条文の数値を思い出すのに毎問30秒かかる状態では、20問を60分で処理しきれません。
そして合格基準は「各科目とも満点の60パーセント程度」です。合計点ではなく科目ごとの判定なので、法令が満点でも保安管理技術が基準に届かなければ合格になりません。保安管理技術は15問しかないため、1問の重みが法令より大きいという点にも注意が必要です。数問の取りこぼしがそのまま不合格に直結する構造になっています。
合格率もこの科目構成を反映しています。令和7年度は、2科目とも受験した人の合格率が45.0パーセント、保安管理技術の免除を受けた人が87.9パーセント、全体では51.6パーセントでした。免除を受けた人とそうでない人で数字が大きく開いているのは、保安管理技術が実質的な関門になっていることを示しています。この免除制度については後の見出しで扱います。
保安管理技術の入口は、p-h線図を自分で描けるようにすること
保安管理技術で最初に取り組むべきなのは、蒸気圧縮式冷凍サイクルの理解です。圧縮機で冷媒蒸気の圧力を上げ、凝縮器で熱を捨てて液にし、膨張弁で圧力を下げ、蒸発器で熱を奪って蒸発させる。この4工程が輪になって回っているという構造そのものは、文章で読めば数分で理解できます。問題は、それを線図の上で追えるかどうかです。
この試験で繰り返し登場するのがp-h線図(モリエル線図)です。横軸に比エンタルピー、縦軸に圧力をとった図の上に、冷凍サイクルの4工程が四角形に近い形で描かれます。各点の比エンタルピーを読み取れば、蒸発器で冷媒1キログラムあたりが奪う熱量も、圧縮機が加える仕事も、そこから求まる成績係数(COP)も、すべて引き算と割り算だけで計算できます。
ここでの学習の目安は、白紙にサイクルを自分で描けるようになることです。テキストに印刷された図を眺めて理解した気になっても、試験では数値だけが与えられて図がない設問も出ます。圧縮機の入口はどの点か、凝縮器を出た冷媒はどこにいるのか、膨張弁を通ると比エンタルピーは変わるのか。この対応づけを手で書いて覚えてしまえば、以降の分野で登場する「凝縮圧力が上がるとどうなるか」という問いにも、図の上で答えを出せるようになります。
熱の移動と冷媒・ブライン・冷凍機油は、数値ではなく性質で覚える
冷凍サイクルの次に来るのが、熱がどう伝わるかと、装置の中を回る流体の性質です。伝熱は熱伝導・熱伝達・熱放射の三形態から入り、平板や円筒壁を熱が通るときの考え方、熱伝達率、そして熱通過率と伝熱面積と温度差から交換熱量を求める形へと進みます。計算の形はほぼ決まっているので、記号が何を指すかさえ押さえれば得点源になります。
流体のほうは、数値を覚える分野ではありません。問われるのは性質の比較です。フルオロカーボンとアンモニアはどう違うのか、冷媒とともに循環する冷凍機油はどんな役割を持ち、冷媒にどれくらい溶けるのか、水分が混入すると何が起きるのか。ブラインなら無機系(塩化カルシウムなど)と有機系の違い、凍結温度と腐食性。これらは横並びの表にして初めて頭に残ります。
特に注意したいのが、冷媒と材料の相性です。アンモニアには銅および銅合金を使えないというように、冷媒の種類によって使える材料が変わる規定があります。この種の「条件つきで正誤が決まる知識」は、条件を外して覚えると本番でそのまま失点します。冷媒ごとに一覧を作り、性質・使える材料・環境への影響を1行ずつ埋めていく形で整理すると、選択肢の中の入れ替えに気づけるようになります。
機器は「役割」から入ると、名前が似ていても混ざらない
冷凍装置を構成する機器は、圧縮機・凝縮器・蒸発器という主要機器と、それを制御・補助する自動制御機器・附属機器に分かれます。ここでの学習の失敗は、構造の名前から覚えにいくことです。似た名前が非常に多いため、名称のリストとして暗記すると本番で入れ替えられて崩れます。「どこに付いていて、何を、何のために制御しているのか」から入ると、名前は後からついてきます。
圧縮機は、往復動(レシプロ)・スクリュー・スクロール・遠心式という形式の違いと、開放形・半密閉形・密閉形という構造の違いを、別々の軸として整理します。押さえどころはピストン押しのけ量と冷媒循環量の関係、すきま容積があると体積効率がどう下がるか、圧力比が上がったときに体積効率や成績係数がどちらに動くか。容量制御ではアンローダによる段階制御、回転速度制御、スクリュー圧縮機のスライド弁が問われます。あわせて、液戻りや液圧縮を防ぐ理由と、油分離器や均圧管の働きも押さえます。
凝縮器と蒸発器は、高圧側と低圧側の対で覚えるのが早道です。凝縮器は水冷横形シェルアンドチューブ、二重管、空冷、蒸発式の特徴と、冷却水量と温度上昇、凝縮温度差、水あかや不凝縮ガスによる能力低下。蒸発器は乾式・満液式・冷媒液強制循環式の違い、フィンコイルの構造、着霜の影響、そして散水・ホットガス・電気ヒータという除霜の方式です。凝縮圧力が上がる、あるいは蒸発圧力が下がるとき、装置全体に何が起きるのかを原因と結果でつないでおくと、運転・保守管理の分野がそのまま楽になります。
自動制御機器と附属機器は、この試験でもっとも取り違えが起きやすい領域です。中心は温度自動膨張弁で、感温筒と均圧管の働き、過熱度による制御の仕組み、内部均圧形と外部均圧形の使い分けが繰り返し問われます。そのうえで、次のような機器を「どの圧力を、どこで、何のために保つのか」の形で書き出して比較します。
- 膨張弁のなかま:温度自動膨張弁、毛細管、電子膨張弁
- 圧力を保つ弁:蒸発圧力調整弁、吸入圧力調整弁、凝縮圧力調整弁
- そのほかの制御機器:断水リレー、四方切換弁
- 附属機器:受液器、油分離器、液分離器(アキュムレータ)、フィルタドライヤ、液ガス熱交換器
冷媒配管と安全装置は、事故を防ぐための仕掛けとして読む
冷媒配管の分野は、一見すると細かい施工上の決まりごとの集まりに見えます。しかし背景にある要求は単純で、「冷媒を滞りなく回し、油を圧縮機に戻し、圧力の無駄な低下を避ける」の3つです。吸込み管・吐出し管・液管でそれぞれ必要な冷媒ガス速度が違うのも、立ち上がり管やトラップ、二重立ち上がり管という仕掛けがあるのも、この要求から来ています。理由から辿れば、覚える量は見た目より少なくなります。
安全装置は、装置が異常な圧力になったときに人と設備を守るための仕組みです。安全弁、破裂板、溶栓、高圧遮断装置について、それぞれ何をきっかけに作動し、どんな圧力に設定されるのかを対応づけます。安全弁の口径計算や放出管の取り扱いも出題範囲です。ここは冷凍保安規則やその例示基準の数値が絡むため、後半の法令分野と論点が重なります。
取り違えやすいのは、冷媒の種類によって使える安全装置が変わる規定です。冷凍保安規則関係例示基準では、可燃性ガスや毒性ガスを冷媒とする設備に溶栓を用いないこととされています。このように条件が付いた形で覚える必要があります。「どんな場合に使えるか」ではなく「どんな場合に使えないか」を先に書いておくと、正誤問題で引っかかりにくくなります。
計算が集中する唯一の領域 — 材料の強さと圧力容器・圧力試験
保安管理技術のなかで、計算問題の比重がもっとも高いのが圧力容器の分野です。当サイトに収録している問題でも、この分野は最大の57問を占めています。引張応力と許容引張応力、設計圧力との関係、鏡板の形状と必要厚さ、腐れしろ、溶接継手の効率といった要素が組み合わさりますが、式そのものは限られています。
押さえておきたいのが、円筒胴に生じる円周方向の応力は長手方向の応力の2倍になる、という関係です。円筒形の容器がなぜ縦方向に裂けるのかを理解しておくと、応力の向きを問う設問で迷わなくなります。式を覚えるときは、記号が板厚なのか内径なのか設計圧力なのかを毎回口に出して確認し、記号のまま丸暗記しないことが大切です。
試験(テスト)の種類は、目的と圧力の違いで区別します。冷凍保安規則では、気密試験は許容圧力以上の圧力で行い、耐圧試験は液体を用いて許容圧力の1.5倍以上、液体で行うことが困難な場合は気体を用いて許容圧力の1.25倍以上とされています。数値と、どちらが液体でどちらが気体かをセットにして覚えてください。あわせて試運転の分野では、真空乾燥、冷媒充てん量の確認、初期の運転状態のチェックが問われます。
運転・保守管理は「現象」と「原因」を対にして覚える
運転・保守管理は、これまでの分野をすべて使う総合問題の性格を持っています。圧縮機の吸込み圧力と吐出し圧力、それぞれの温度、油面と油圧、凝縮温度差、過熱度といった値を読み、正常か異常かを判断する力が問われます。裏を返せば、この分野で詰まるのは前半の理解が足りていないサインでもあります。
扱われる異常は数が限られているので、「現象、考えられる原因、対処」の3列で表にしてしまうのが効率的です。不凝縮ガスの混入による凝縮圧力の上昇、冷媒充てん量の過不足、水分混入による膨張弁の氷結、着霜による蒸発圧力の低下、液戻りや液圧縮、油上がりや油戻り不良。このあたりが繰り返し登場します。
法令の入口 — 高圧ガス保安法は「行為」ごとに規定が分かれている
最初に押さえるべきは、高圧ガス保安法が「高圧ガスに対して何をする行為なのか」で規定を分けているという全体構造です。製造・貯蔵・販売・移動・消費という行為ごとに、必要な手続きと守るべき基準が定められています。学習の初期に迷子になる原因の多くは、いま読んでいる条文がどの行為についてのものかを見失うことです。
- 製造:許可または届出の区分、技術上の基準、冷凍保安責任者の選任、各種検査
- 貯蔵:充てん容器等の置き方、温度の管理、容器の表示
- 販売:販売事業の届出と、購入者に対する周知の義務
- 移動:警戒標の掲示、消火設備や保護具の携行
- 消費:消費者側が守るべき基準
冷凍関係でとくに問われるのは、この5つのうち「製造」です。冷凍のために高圧ガスを圧縮したり液化したりする行為が製造にあたるため、冷凍設備を持つ事業所は製造事業者として規制を受けます。まず法の目的と用語の定義、適用除外を押さえたうえで、製造の区分に進むのが自然な順序です。
冷凍能力のトン数が、許可か届出かを決める
法令分野の核心は、1日の冷凍能力が何トンかによって扱いが変わるという点にあります。ここは二段構えになっています。高圧ガス保安法第5条第1項第2号・第2項第2号が本則として20トン以上で許可・3トン以上で届出と定め、施行令第4条がガスの種類ごとにこれを上回る値を定めます。トン数区分は他の規定を読む前提になるので、法令科目の土台にあたる論点です。
- 【施行令第4条】第一種ガス:1日の冷凍能力50トン以上で許可、20トン以上で届出
- 【施行令第4条】アンモニアおよび燃焼性の基準に適合しないフルオロカーボン:50トン以上で許可、5トン以上で届出
- 【法第5条の本則】上記以外のガス(施行令第4条の表に無いもの):20トン以上で許可、3トン以上で届出
次に、その冷凍能力をどう算定するかです。冷凍保安規則第5条に算定の基準があり、設備の方式ごとに考え方が違います。遠心式圧縮機を使う設備では原動機の定格出力1.2キロワットをもって1日の冷凍能力1トンとし、吸収式冷凍設備では1時間の入熱量27,800キロジュールをもって1トンとします。方式ごとに数値が違うため、ここも設備別の表にまとめてください。
トン数はさらに、人の選任にも関わります。冷凍保安規則第36条により、冷凍保安責任者は1日の冷凍能力が300トン以上の施設では第一種、100トン以上300トン未満では第一種または第二種、100トン未満では第一種・第二種・第三種のいずれかの免状を持つ者から選任します。第三種の免状で選任されうるのが100トン未満の施設だというのは、この資格そのものの位置づけでもあります。
ただし免状だけでは足りず、所定の製造に関する経験も要件になります。100トン未満の施設であれば、1日の冷凍能力が3トン以上の施設で1年以上の製造経験を有する者、という形です。免状の種類と経験年数はセットで問われるので、切り離さずに覚えておきます。あわせて代理者の選任、選任と解任の届出も押さえます。収録615問のうち冷凍保安責任者と代理者に触れる問題は70問あります。
容器に関する数値も、法令科目では落とせません。容器保安規則第10条による塗色は、酸素が黒色、水素が赤色、液化炭酸ガスが緑色、液化アンモニアが白色と定められています。貯蔵では、充てん容器等は常に温度40度以下に保つこと、転落・転倒やバルブの損傷を防ぐ措置、充てん容器と残ガス容器を区分して置くことが繰り返し問われます。可燃性ガス・毒性ガスに付す「燃」「毒」の表示もここに含まれます。
検査と手続きは「誰が・いつ・何を」で並べ替える
法令のもうひとつの山が、施設を作った後の手続きと検査です。製造施設の位置・構造・設備を変更するときに許可が要るのか届出で済むのか、軽微な変更工事はどう扱われるのか、変更後に完成検査が必要になるのはどんな場合か。ここは行為の時系列に沿って、着工前・完成時・運転開始後という順で整理すると混乱しません。
運転開始後の検査は、主体と頻度が異なる2つを区別します。保安検査は冷凍保安規則第40条により、特定施設について3年に1回行われます。定期自主検査は同規則第44条により1年に1回以上行い、選任した冷凍保安責任者に監督させたうえで、検査記録を作成して保存します。片方は外部から受ける検査、もう片方は自分たちで行う検査、という性格の違いを押さえておくと取り違えません。
定期自主検査の対象となる冷凍能力にも基準があり、条文は「アンモニア又はフルオロカーボン(不活性のものを除く。)」を冷媒ガスとするもので20トンと定めています。施行令第4条が使う「燃焼性の基準」とは別の用語なので、置き換えて覚えないでください。製造の許可・届出の区分で出てきた数値とは別物なので、同じ「20トン」でも何についての基準なのかを必ず確認してください。数値だけを抜き出して覚えると、法令科目ではこの種の混線が起きやすくなります。
危害予防規程と保安教育計画の違いも押さえどころで、収録615問のうち105問がこの2つに触れています。いずれも第一種製造者の義務で、危害予防規程は高圧ガス保安法第26条により都道府県知事への届出が必要、保安教育計画は同法第27条により定めて忠実に実行する義務があります。第二種製造者等は計画ではなく従業者に保安教育を施す義務を負います。どちらも「保安のための決まりごと」ですが、対象と手続きが違います。あわせて、技術上の基準の分野では、警戒標の掲示、可燃性・毒性ガスの製造設備に求められる漏えい検知と警報設備、除害や通風の措置、電気設備の防爆構造、受液器の液面計に対する措置などが問われます。安全弁に付帯する止め弁は常に全開にしておく、修理や清掃のときは作業計画を作り作業責任者を指名する、といった製造の方法の基準も押さえておきます。
最後に、認定指定設備という特例があります。機器製造業者の事業所で一体に組み立てられるなどの要件を満たした設備で、冷凍保安責任者の選任や検査の扱いが一般の施設と異なります。原則を覚えたうえで「ここだけ扱いが違う」という形で追加すると、原則そのものが崩れずに済みます。
講習による科目免除を使うかどうかは、学習計画を立てる前に決める
KHKの資格講習を受けて検定に合格すると、試験当日は「保安管理技術」が免除され、法令1科目だけを受験することになります。前述のとおり、令和7年度は2科目とも受験した人の合格率が45.0パーセント、免除を受けた人が87.9パーセントでした。この差は、免除制度が合否に与える影響の大きさをそのまま表しています。
この免除に有効期限はありません。したがって、講習を受けるかどうかは「今年受かるための手段」であると同時に、長い目で見た学習設計の問題でもあります。判断の材料としては、時間と費用をかけて講習に参加できるか、独学で保安管理技術の計算まで詰めきれそうか、といった点が挙げられます。
ただし、免除を選ぶ場合でも保安管理技術の内容を捨ててよいわけではありません。講習の後には検定があり、そこで問われるのは結局この分野の知識です。また、資格を取った後に冷凍設備を扱う立場になるのであれば、冷凍サイクルや機器の理解は実務でそのまま必要になります。免除は「試験当日の科目を減らす制度」であって、「学ばなくてよくなる制度」ではない、と捉えておくのが安全です。
収録615問は、2科目におおよそ6対4で配分されている
ケンテイラボでは第三種冷凍機械責任者の対策問題を615問収録し、13の分野に分けています。①から⑧までが保安管理技術、⑨から⑬までが法令にあたり、問題数では保安管理技術が364問、法令が251問です。以下の表は、分野ごとの収録問題数と構成比、そして各分野で何が問われるのかをまとめたものです。自分がどの分野に時間を使うべきかを決めるときの目安にしてください。
収録問題13分野の内訳と比重
ケンテイラボでは第三種冷凍機械責任者の収録問題を13の分野に分けて整理しています (学習しやすさを優先した本サイト独自の区分で、実施団体が公表している 出題区分そのものではありません)。収録している615問を分野別に集計すると、 最も問題数が多いのは「⑦ 材料の強さと圧力容器・圧力試験と試運転」の57問(全体の9.3%)、 最も少ないのは「③ 圧縮機」の40問(同6.5%)です。上位3分野だけで全体の26.7%を占めるため、 ここを先に固めるかどうかが得点の土台になります。
- ⑦ 材料の強さと圧力容器・圧力試験と試運転:57問(9.3%) 解説つきで見る →
- ⑪ 販売・機器製造・保安教育・冷凍保安責任者:56問(9.1%) 解説つきで見る →
- ⑩ 容器による貯蔵・移動・充てん容器:51問(8.3%) 解説つきで見る →
- ⑫ 変更手続き・完成検査・保安検査・定期自主検査・危害予防規程:49問(8%) 解説つきで見る →
- ⑬ 技術上の基準・認定指定設備:48問(7.8%) 解説つきで見る →
- ⑧ 冷凍装置の運転・保守管理:47問(7.6%) 解説つきで見る →
- ⑨ 高圧ガス保安法・製造の許可・冷凍能力の算定:47問(7.6%) 解説つきで見る →
- ⑤ 自動制御機器・附属機器:45問(7.3%) 解説つきで見る →
- ① 冷凍の原理と冷凍サイクル:44問(7.2%) 解説つきで見る →
- ② 熱の移動・冷媒・ブライン・冷凍機油:44問(7.2%) 解説つきで見る →
- ④ 凝縮器・蒸発器:44問(7.2%) 解説つきで見る →
- ⑥ 冷媒配管・安全装置:43問(7%) 解説つきで見る →
- ③ 圧縮機:40問(6.5%) 解説つきで見る →
分野ごとの性格の違いは、問題文そのものにも表れます。次の表は、収録している615問を分野別に集計し、「数値を含む問題の割合」と「問題文の平均文字数」を出したものです。数値を含む割合が高い分野は数字そのものの暗記や計算が中心であり、低い分野は現象や役割の理解が中心である、という傾向を読み取れます。文字数が長い分野は、条件が複雑で読解に時間がかかる分野です。
分野別の学習タイプ(収録615問の集計)
ケンテイラボに収録している第三種冷凍機械責任者の問題を分野別に集計し、 「問題文または選択肢に数値が登場する問題の割合」と「問題文の平均文字数」を出しました。 数値の割合が高い分野は具体的な数字の暗記が得点を左右しやすく、 低い分野は用語の理解や文章の読み取りが中心になる傾向があります。
この試験でもっとも数値の比率が高いのは「⑨ 高圧ガス保安法・製造の許可・冷凍能力の算定」で83%、 もっとも低いのは「⑤ 自動制御機器・附属機器」で9%でした。 また問題文がもっとも長いのは「⑨ 高圧ガス保安法・製造の許可・冷凍能力の算定」の平均50字で、 設問を読み解く負担が大きい分野といえます。
- ① 冷凍の原理と冷凍サイクル:44問/数値を含む問題 27%/問題文 平均40字
- ② 熱の移動・冷媒・ブライン・冷凍機油:44問/数値を含む問題 30%/問題文 平均40字
- ③ 圧縮機:40問/数値を含む問題 18%/問題文 平均37字
- ④ 凝縮器・蒸発器:44問/数値を含む問題 23%/問題文 平均39字
- ⑤ 自動制御機器・附属機器:45問/数値を含む問題 9%/問題文 平均32字
- ⑥ 冷媒配管・安全装置:43問/数値を含む問題 44%/問題文 平均44字
- ⑦ 材料の強さと圧力容器・圧力試験と試運転:57問/数値を含む問題 39%/問題文 平均41字
- ⑧ 冷凍装置の運転・保守管理:47問/数値を含む問題 26%/問題文 平均43字
- ⑨ 高圧ガス保安法・製造の許可・冷凍能力の算定:47問/数値を含む問題 83%/問題文 平均50字
- ⑩ 容器による貯蔵・移動・充てん容器:51問/数値を含む問題 45%/問題文 平均45字
- ⑪ 販売・機器製造・保安教育・冷凍保安責任者:56問/数値を含む問題 41%/問題文 平均36字
- ⑫ 変更手続き・完成検査・保安検査・定期自主検査・危害予防規程:49問/数値を含む問題 29%/問題文 平均48字
- ⑬ 技術上の基準・認定指定設備:48問/数値を含む問題 29%/問題文 平均35字
数値の比率が高い分野は、数字を単独で覚えるより 「どの制度の・何の基準か」とセットで整理すると定着しやすくなります。 比率が低い分野は、似た用語同士の違いを説明できる状態を目指すと得点が安定します。
学習スケジュールの組み立て方
以下は学習の進め方のモデルです。必要な期間は前提知識や学習にあてられる時間によって大きく変わるため、あくまで順序と配分の目安として読んでください。共通するのは、2科目を並行させず、まとまった塊として交互に進めるという考え方です。法令の暗記と保安管理技術の計算を同じ日に混ぜると、どちらも定着しにくくなります。
設備の実務経験がある場合
冷凍・空調設備の運転や施工に携わっている場合、機器の名前と役割、装置の中で何が起きているかはすでに体に入っています。この場合の弱点は多くが法令側にあります。現場では当たり前に運用している手続きでも、条文上の区分や数値までは意識していないことが多いためです。
順序としては、まず法令から入り、トン数の区分・冷凍保安責任者の選任要件・検査の周期を表として固めます。そのうえで保安管理技術に移り、実務では触れる機会の少ない計算領域、つまりp-h線図を使った冷凍能力や成績係数の計算と、圧力容器の強度計算に時間を集中させます。運転・保守管理の分野は経験が効くので後回しでも構いません。
知識ゼロから始める場合
前提知識がない場合は、逆に保安管理技術から入ります。理由は、法令に出てくる「冷凍能力」「製造」「冷凍設備」といった言葉が、装置の仕組みを知らないままでは実感を伴わないからです。冷凍サイクルの4工程とp-h線図をまず理解し、そこから熱の移動、機器、配管と安全装置へと順に広げていきます。
装置の全体像がつかめたところで法令に移ります。この段階なら「1日の冷凍能力」が何を意味するかが分かっているので、トン数の区分も丸暗記ではなく意味のある数字として入ってきます。そして直前期には、両科目とも過去に間違えた問題だけを繰り返す時間を確保します。科目ごとに合格基準がある試験なので、どちらか一方だけを直前に詰め込む形にしないことが重要です。
収録615問を、2科目それぞれの仕上げにどう使うか
問題演習は、科目の性格に合わせて使い方を変えます。保安管理技術の①から⑧は、解いて終わりにせず「なぜその選択肢が誤りなのか」を説明できるかどうかで理解を測ります。特にp-h線図や機器の分野では、正解を選べても理由が曖昧なまま通過してしまうことがあるためです。誤答選択肢のどこが事実と違うのかを言えるようになれば、表現を変えた出題にも対応できます。
法令の⑨から⑬は、逆に速度を重視します。20問を60分で解く科目なので、条文の数値を見た瞬間に正誤が判断できる状態が目標です。分野別に繰り返し、間違えた問題だけを残していく形で回すと、自分がどの数値を混同しているかがはっきりします。トン数の区分と検査の周期は、混同が起きやすい代表格です。
最後にもう一度確認しておきます。この試験は、性格の異なる2科目それぞれで満点の60パーセント程度という基準を満たす必要があります。得意な科目を伸ばすことより、苦手な科目を基準まで引き上げることのほうが、合格には直結します。ケンテイラボの615問は分野別に解けるようになっているので、手薄な分野を見つけて重点的に埋める使い方を試してみてください。