① 簿記・会計の基礎、現金・当座預金
37問複式簿記の基本構造と現金預金の処理を扱う、すべての土台となる分野です。取引の二面性、仕訳と転記、試算表の作成、決算の流れという簿記一巡の手続が出発点になります。あわせて資産・負債・純資産・収益・費用の5要素と貸借対照表・損益計算書の関係を押さえます。現金では現金過不足の処理、当座預金では当座借越の扱い、小口現金では定額資金前渡法が頻出です。ここが曖昧なまま先へ進むと、後続の論点がすべて暗記になります。
② 銀行勘定調整表・手形
38問決済手段に関わる処理を扱う分野です。銀行勘定調整表では、企業の帳簿残高と銀行残高が一致しない原因(未取付小切手・未渡小切手・時間外預入・連絡未通知・誤記入)を区別し、企業側の修正仕訳が必要なものを判断する点が最重要論点になります。手形では約束手形の振出と受入、裏書譲渡と割引、割引料の計算と手形売却損、不渡手形の処理が対象です。あわせて電子記録債権と電子記録債務の発生記録と譲渡記録も問われます。
③ 有価証券・固定資産・繰延資産
41問資産の評価と償却を扱う分野です。有価証券では保有目的による分類と期末評価の方法、売買時の手数料の扱いが中心になります。固定資産では取得原価の決定、減価償却の各方法(定額法・定率法・生産高比例法)、期中売却や買換え、除却と廃棄の処理が頻出です。建設業では機械装置や車両運搬具の扱いが実務でも重要になります。繰延資産では創立費や開業費などの種類と償却期間が対象です。
④ 社債・引当金・税金・純資産
40問負債と純資産にまつわる処理を扱う分野です。社債では発行時の払込金額と社債発行費、償却原価法による評価、償還時の処理が中心になります。引当金では計上要件と、貸倒引当金・退職給付引当金・完成工事補償引当金・工事損失引当金の設定が対象です。税金では法人税等と消費税の処理が頻出になります。純資産では株式の発行、剰余金の配当と利益準備金の積立が問われます。建設業固有の引当金に注意してください。
⑤ 建設業簿記の基礎・費目別計算
59問建設業経理の中核であり、出題数が最多の分野です。商業簿記との最大の違いは、工事ごとに原価を集計する点にあります。原価の3要素として材料費・労務費・外注費・経費という4区分(建設業では外注費が独立)を押さえることが出発点です。材料費では購入と消費の記帳、労務費では賃金と作業時間の把握、外注費では下請への発注が対象になります。未成工事支出金と完成工事原価という建設業固有の勘定科目の流れを理解することが最重要です。
⑥ 工事間接費の配賦・部門別計算
38問複数の工事に共通してかかる費用の割り振りを扱う分野です。工事間接費では、配賦基準の選択(直接作業時間・直接材料費・機械運転時間など)と予定配賦率の算定、配賦差異の把握と処理が中心になります。部門別計算では、部門個別費と部門共通費の区別、第1次集計と第2次集計、補助部門費の配賦方法(直接配賦法・相互配賦法・階梯式配賦法)が頻出です。計算問題が中心となるため、手順の固定化が得点につながります。
⑦ 工事別計算・工事収益の認識
33問工事ごとの原価集計と収益計上を扱う分野です。工事別計算では、工事台帳による個別原価計算の考え方、完成工事原価報告書の作成が中心になります。工事収益の認識では、工事の進行途上で収益を計上する方法と、完成引渡時に計上する方法の区別が最重要論点です。進行基準では工事進捗度の見積り(原価比例法)と各期の収益・原価・利益の計算が頻出になります。建設業ならではの会計処理であり、確実に押さえたい領域です。
⑧ 決算・精算表・財務諸表
33問1年間の取引をまとめて財務諸表を作る手続を扱う分野です。決算整理では、売上原価に相当する完成工事原価の確定、減価償却、引当金の設定、経過勘定の処理、有価証券の評価替えを漏れなく行う力が求められます。精算表の作成では、修正記入欄から損益計算書欄と貸借対照表欄への振り分けが中心です。財務諸表では建設業固有の表示科目(完成工事高・完成工事原価・未成工事支出金・未成工事受入金)を正確に使い分ける必要があります。
⑨ 本支店会計・理論問題対策
24問本支店会計と、記述で問われる理論を扱う分野です。本支店会計では、本店勘定と支店勘定の照合、支店間取引の処理、内部利益の控除、合併財務諸表の作成が中心になります。理論問題対策では、原価計算の目的、原価の分類、建設業会計の特徴、各種会計処理の根拠となる考え方を、自分の言葉で説明できる状態にしておくことが求められます。用語の定義を正確に覚えるだけでなく、なぜそう処理するのかまで理解しておくことが重要です。