損保一般試験 基礎単位 損害保険の基礎・社会的役割

損害保険とは何か、その社会的役割を学ぶ導入分野です。リスクと保険の関係、大数の法則や収支相等の原則といった保険の基本原理、損害保険が社会や経済の安定に果たす機能を押さえます。生命保険との違いも理解しておきたいところです。保険の基本用語を正確につかむことが後の分野の土台になるため、専門用語の定義と保険の仕組みの全体像を丁寧に確認しましょう。

この分野の問題31問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

クイズモードで挑戦 →

1リスクの定義として、主として保険が対象とする「純粋リスク」に該当するものはどれか。

  1. A利益のみを発生させるリスク
  2. B損失のみを発生させるリスク
  3. C損失と利益の両方を発生させるリスク
  4. D経済的影響を全く及ぼさないリスク
正解と解説を見る

正解:B損失のみを発生させるリスク

保険が対象とする純粋リスクは、マイナスの要素である損失のみを発生させるリスクです。

この問題の解説ページを開く →

2株価や為替変動などによって損失が発生することもあれば、利益を得ることもあるリスクを何と呼ぶか。

  1. A休業リスク
  2. B純粋リスク
  3. C賠償責任リスク
  4. D投機的リスク
正解と解説を見る

正解:D投機的リスク

利益(プラスの要素)を得る可能性もあるリスクは投機的リスクと呼ばれ、一般に保険の対象外となります。

この問題の解説ページを開く →

3わたしたちを取り巻くリスクのうち、「人的リスク」に該当するものはどれか。

  1. A他人のものを壊して損害賠償を負うリスク
  2. B台風により家屋の屋根が破損するリスク
  3. C店舗の休業により利益が減少するリスク
  4. D長生きにより老後の資金が枯渇するリスク
正解と解説を見る

正解:D長生きにより老後の資金が枯渇するリスク

個人や企業経営者の死亡、傷害、病気のほか、長生きによる生存リスクも人的リスクに含まれます。

この問題の解説ページを開く →

4店舗に火災が発生したため長期間にわたって休業を余儀なくされ、利益が減少するリスクは何に分類されるか。

  1. A賠償責任リスク
  2. B物的リスク
  3. C人的リスク
  4. D投機的リスク
正解と解説を見る

正解:B物的リスク

休業リスクや費用リスクは、火災等の物的損害に伴って発生するため、物的リスクに含まれます。

この問題の解説ページを開く →

5リスク・コントロールの手法である「リスクの分散」に該当する具体例はどれか。

  1. Aスプリンクラーを設置して延焼を防ぐ
  2. B危険な化学物質の取り扱いをやめる
  3. C万が一の事故に備えて保険に加入する
  4. D商品を複数の場所に分けて保管する
正解と解説を見る

正解:D商品を複数の場所に分けて保管する

事故が発生した場合の損害を最小限に抑えるため、対象物を複数の場所に分けることがリスクの分散です。

この問題の解説ページを開く →

6リスク・ファイナンシングにおける「リスクの保有」の適切な説明はどれか。

  1. A損害をもたらす事業そのものを中止すること
  2. B損害が発生した際に自己資金で損失を補うこと
  3. C損害の発生頻度を最小限に食い止めること
  4. D損害が発生した際に保険金で損失を補うこと
正解と解説を見る

正解:B損害が発生した際に自己資金で損失を補うこと

リスクの保有とは、準備金を積み立てておき、損害発生時に自己資金でてん補することを指します。

この問題の解説ページを開く →

7リスクマップを活用した対策検討において、事故の発生頻度が低く、損害の規模が大きいリスクに対する最も有効な手段はどれか。

  1. A事業の中止などのリスクの回避
  2. B準備金の積立によるリスクの保有
  3. C防災設備の導入などのリスクの防止
  4. D保険などによるリスクの移転
正解と解説を見る

正解:D保険などによるリスクの移転

発生頻度は低いものの、一度発生すると損害規模が大きいリスクには保険への加入(移転)が有効です。

この問題の解説ページを開く →

8リスクマップを活用した対策検討において、事故の発生頻度が高く、損害の規模が小さいリスクに対する最も有効な手段はどれか。

  1. A保険などによるリスクの移転
  2. Bリスクの防止・軽減
  3. C事業の中止などのリスクの回避
  4. D準備金の積立によるリスクの保有
正解と解説を見る

正解:Bリスクの防止・軽減

頻度が高く規模が小さいリスクに対しては、未然に防ぐ、または被害を抑える防止・軽減が有効です。

この問題の解説ページを開く →

9多くの人々がお金を出し合い、万が一の事故の際に損失を補償する保険の基本精神を表す言葉はどれか。

  1. A自己責任の原則と受益者負担の原則
  2. Bハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン
  3. C備えあれば憂いなし、憂いあれば備えなし
  4. D一人は万人のために、万人は一人のために
正解と解説を見る

正解:D一人は万人のために、万人は一人のために

保険は「一人は万人のために、万人は一人のために」という互助・助け合いの精神で成り立っています。

この問題の解説ページを開く →

10保険業法に基づく分類において、「第三分野の保険」に該当するものはどれか。

  1. A地震保険や自賠責保険
  2. B医療保険や介護保険
  3. C自動車保険や火災保険
  4. D終身保険や定期保険
正解と解説を見る

正解:B医療保険や介護保険

傷害保険、医療保険、がん保険、介護保険などは第三分野の保険に分類されます。

この問題の解説ページを開く →

11第三分野の保険の取り扱いに関する説明として正しいものはどれか。

  1. A損害保険会社と生命保険会社のどちらでも取り扱うことができる
  2. B損害保険会社のみが取り扱うことができる
  3. C生命保険会社のみが取り扱うことができる
  4. D国や地方公共団体のみが取り扱うことができる
正解と解説を見る

正解:A損害保険会社と生命保険会社のどちらでも取り扱うことができる

第一分野や第二分野と異なり、第三分野の保険は損害保険会社・生命保険会社の双方が取り扱えます。

この問題の解説ページを開く →

12保険契約における用語の違いについて、正しい組み合わせはどれか。

  1. A損害保険は「保障」、生命保険は「補償」
  2. B損害保険は「補償」、生命保険は「保障」
  3. C損害保険は「賠償」、生命保険は「補償」
  4. D損害保険は「補償」、生命保険は「賠償」
正解と解説を見る

正解:B損害保険は「補償」、生命保険は「保障」

損害保険では損害を償う意味で「補償」、生命保険では生活を守る意味で「保障」という言葉を用います。

この問題の解説ページを開く →

13公共性の観点から公的保険に分類されるものはどれか。

  1. A個人賠償責任保険
  2. B任意の自動車保険
  3. C自賠責保険
  4. D民間の医療保険
正解と解説を見る

正解:C自賠責保険

自賠責保険は民間の保険会社が引き受けますが、法律で加入が義務づけられ、交通事故の被害者を救済する公共性が高いことから、公的保険に分類されます。

この問題の解説ページを開く →

14保険法における分類で、偶然の事故による実際の損害額に応じて保険金が支払われるものはどれか。

  1. A生命保険契約
  2. B損害保険契約
  3. C傷害疾病定額保険契約
  4. D社会保険契約
正解と解説を見る

正解:B損害保険契約

損害保険契約は、実際の損害額に応じて保険金額を限度に保険金が支払われる仕組みです。

この問題の解説ページを開く →

15損害保険が社会的に果たしている3つの大きな役割に該当しないものはどれか。

  1. A経済社会の安定化・活性化
  2. B事故・損害の防止・軽減
  3. C被害者や被災者の救済
  4. D個人の資産運用における高利回りの提供
正解と解説を見る

正解:D個人の資産運用における高利回りの提供

損害保険の社会的役割は、経済社会の安定化、被害者の救済、事故の防止・軽減の3つです。

この問題の解説ページを開く →

16自動車保険において、事故歴に応じて保険料を決める制度(等級別料率制度)は、損害保険のどの役割を体現しているか。

  1. A事故・損害の防止・軽減
  2. B公的保険制度の補完
  3. C被害者や被災者の救済
  4. D投機的リスクの移転
正解と解説を見る

正解:A事故・損害の防止・軽減

事故のない運転者の保険料を安くすることで、運転者の事故発生防止への動機付けを図っています。

この問題の解説ページを開く →

172024年度における損害保険会社の全保険種目合計の元受正味保険料において、最も構成比が高い保険種目はどれか。

  1. A自動車保険
  2. B傷害保険
  3. C自賠責保険
  4. D火災保険
正解と解説を見る

正解:A自動車保険

元受正味保険料の構成比は、自動車保険が約43.3%と最も高い割合を占めています。

この問題の解説ページを開く →

182025年7月1日現在、日本で営業している損害保険会社の総数はおよそどの程度か。

  1. A約10社
  2. B約250社
  3. C約1000社
  4. D約57社
正解と解説を見る

正解:D約57社

日本で営業している損害保険会社は、国内会社と外国会社を合わせて57社です。

この問題の解説ページを開く →

19損害保険料率算出機構の主な役割として適切なものはどれか。

  1. A保険代理店に対する教育や研修の実施と普及活動
  2. B火災保険や自動車保険などの基準料率の算出
  3. C保険会社が破綻した際の契約者保護と資金援助
  4. D保険会社に代わって顧客と直接契約を締結する業務
正解と解説を見る

正解:B火災保険や自動車保険などの基準料率の算出

損害保険料率算出機構は、各種保険の基準料率の算出や保険統計の収集・研究などを行っています。

この問題の解説ページを開く →

20損害保険の販売チャネル(募集形態)のうち、元受正味保険料の割合が約9割と最も大きな割合を占めるものはどれか。

  1. A銀行等の窓口販売扱
  2. B保険仲立人扱
  3. C直扱
  4. D代理店扱
正解と解説を見る

正解:D代理店扱

損害保険の販売は、代理店を通じて行われる「代理店扱」が大部分(約89.7%)を担っています。

この問題の解説ページを開く →

21インターネットやコールセンター、郵送などを組み合わせた保険の販売方法は、どの募集形態に分類されるか。

  1. A保険仲立人扱
  2. B直扱
  3. C専業代理店扱
  4. D代理店扱
正解と解説を見る

正解:B直扱

保険代理店や仲立人を介さず、保険会社が直接販売を行うインターネット販売などは直扱に分類されます。

この問題の解説ページを開く →

22保険仲立人(保険ブローカー)の特徴として正しいものはどれか。

  1. A顧客の委託を受け、顧客と保険会社の間に立って契約を媒介する
  2. B保険会社の委託を受け、特定の一社の保険商品を専属で販売する
  3. C国の委託を受け、公的保険の加入手続きを代行する
  4. D損害保険料率を独自に設定し、新しい保険商品を開発する
正解と解説を見る

正解:A顧客の委託を受け、顧客と保険会社の間に立って契約を媒介する

保険仲立人は契約者(顧客)の委託を受け、最適な保険を手配するため保険会社と条件交渉等を行います。

この問題の解説ページを開く →

23チャネル別の損害保険代理店数の構成比(2024年度)において、最も割合が高い業種はどれか。

  1. A専業代理店
  2. B不動産業
  3. C自動車関連業
  4. D金融業
正解と解説を見る

正解:C自動車関連業

代理店実在数のうち、自動車販売店や整備工場などの自動車関連業が半数以上(55.9%)を占めています。

この問題の解説ページを開く →

24代理店(保険募集人)の役割である「リスクコンサルティング」の適切な説明はどれか。

  1. A顧客の健康状態を診断し、医療機関を紹介すること
  2. B事故発生時に顧客に代わって相手方と示談交渉を行うこと
  3. C顧客のリスクを把握し、適切な保険商品を選択できるよう助言すること
  4. D顧客の代わりに資産運用を行い、利益を最大化すること
正解と解説を見る

正解:C顧客のリスクを把握し、適切な保険商品を選択できるよう助言すること

リスクを的確に把握し、きめ細かく情報を提供して顧客が適切な保険を選択できるよう助言することが重要です。

この問題の解説ページを開く →

25保険金の不正請求に対する代理店の適切な心構えはどれか。

  1. A事故の状況を多少誇張しても、保険金が多く支払われるよう助言する
  2. B少額や出来心であっても許さず、断固として防止に努める
  3. C会社の利益に影響しない範囲であれば、顧客の要望を優先する
  4. D顧客との関係を維持するため、少額の不正であれば黙認する
正解と解説を見る

正解:B少額や出来心であっても許さず、断固として防止に努める

不正請求は制度の安定を揺るがすため、「ほんの出来心」であっても防止に取り組むことが求められます。

この問題の解説ページを開く →

26「損害」と「損失」の違いについて、適切な説明はどれか。

  1. A損害は企業が被る影響、損失は個人が被る影響
  2. B損害は未来に予測される影響、損失は過去に生じた影響
  3. C損害は対象物が被る物理的影響、損失はそれに伴い人に与える経済的影響
  4. D損害は精神的な影響、損失は物理的な影響
正解と解説を見る

正解:C損害は対象物が被る物理的影響、損失はそれに伴い人に与える経済的影響

事故等による物理的影響が「損害」、その結果として人が被る経済的影響が「損失」と定義されます。

この問題の解説ページを開く →

27リスクマネジメントの手順において、「家庭や事業を脅かすリスクの洗い出し(リスクの確認)」の次に行うべきステップはどれか。

  1. Aどの程度の損失を被るかを予測するリスクの評価
  2. B実施した対策の有効性を確かめる結果の検証
  3. C万が一の資金対策を講じるリスクの処理
  4. D準備金を自己負担で賄うリスクの保有
正解と解説を見る

正解:Aどの程度の損失を被るかを予測するリスクの評価

リスクマネジメントは、確認→評価→処理(コントロール・ファイナンシング)→検証の手順で行われます。

この問題の解説ページを開く →

28万が一に備える手段として、貯蓄と比較した際の保険の特長はどれか。

  1. A他人の損害は補償できないが自分の損害は全額補償される利点がある
  2. B事故の発生頻度に関わらず自由に金額を決められる利点がある
  3. C加入直後に事故が起きても、損失が補償される利点がある
  4. D支払ったお金が将来必ず利息とともに戻ってくる利点がある
正解と解説を見る

正解:C加入直後に事故が起きても、損失が補償される利点がある

貯蓄は積み立てた金額までしか充当できませんが、保険は加入直後の事故でも必要な補償が得られます。

この問題の解説ページを開く →

29保険業法により、代理店(保険募集人)が保険の募集を行うために義務付けられていることはどれか。

  1. A複数の保険会社と委託契約を結ぶこと
  2. B毎年一定額以上の保険契約を獲得すること
  3. C内閣総理大臣(財務局等)への登録・届出
  4. D損害保険鑑定人資格の取得
正解と解説を見る

正解:C内閣総理大臣(財務局等)への登録・届出

消費者の相談相手として適切な役割を果たすため、代理店は保険業法によって登録・届出が定められています。

この問題の解説ページを開く →

30損害保険契約者保護機構の主な役割はどれか。

  1. A消費者からの保険に関する苦情を受け付け、紛争を解決する
  2. B保険料率が適正かどうかを審査し、消費者庁に報告する
  3. C保険募集人の資格試験を実施し、合格証書を交付する
  4. D保険会社が破綻した際に、契約の移転や資金援助を行い契約者を保護する
正解と解説を見る

正解:D保険会社が破綻した際に、契約の移転や資金援助を行い契約者を保護する

経営破綻した保険会社の契約移転や保険金支払いの援助を通じて、契約者を保護する機関です。

この問題の解説ページを開く →

31リスク・コントロール手法の1つである「リスクの回避」の具体例として適切なものはどれか。

  1. A事故時の修理費用を自己資金から支払う準備をする
  2. B万が一の事故に備えて損害保険に加入する
  3. C火災の被害を抑えるために防火シャッターを設置する
  4. D危険な製品の製造をあらかじめ行わないようにする
正解と解説を見る

正解:D危険な製品の製造をあらかじめ行わないようにする

リスク自体を避けるため、危険なことをしない、危険な製品を作らないといった方法がリスクの回避です。

この問題の解説ページを開く →
損保一般試験 基礎単位の全分野一覧へ戻る