食品表示検定 中級は、一般社団法人食品表示検定協会が実施する検定です。CBT方式の選択問題100問を90分で解き、100点満点中70点以上で合格となります。受験料は9,350円(税込)で、初級・中級は前期と後期の年2回、約3週間の試験期間の中から日時と会場を選んで受験します。
合格率は第33回(2026年前期)が50.8%、第32回(2025年後期)が54.8%、第31回(2025年前期)が56.5%でした。第32回の中級の平均点は70.6点で、合格ラインの70点をわずかに上回る位置に受験者の平均が乗っています。半数前後が合格する試験ではありますが、平均点と合格ラインの距離はこれだけしかありません。
100問を90分、1問あたり54秒で決め切る
中級は100問を90分で解きます。単純に割ると1問あたり54秒です。初級は75問で同じ90分なので、1問に使える時間は中級のほうが短くなります。設問数が多いぶん、1問ずつじっくり考える解き方は最初から成立しません。
時間が足りなくなる原因になりやすいのは、難問よりも「あと少しで思い出せそうな問題」のほうです。原材料名の並べ方や期限表示の条件など、テキストの記述を思い出しかけている状態が一番粘りたくなります。54秒という目安を持っておくと、粘ってよい問題と切り上げる問題を分けやすくなります。
CBTの画面上で解答を見直せるか、電卓やメモ用紙を使えるかといった操作面の細部は、協会の受験概要やよくある質問のページには記載が見当たりません。申込から受験までは株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズのサービスを利用する形になっているので、当日の扱いはそちらの受験案内で確認してください。
試験のあとについても、協会は試験問題の内容や採点・合否に関する質問には一切回答しないとしています。どの設問を落としたのかを後から検証する手立ては用意されていないため、時間配分の練習は本番前に済ませておく必要があります。公式問題集には、本番同様に100問を90分で解くことを想定した模擬問題が収録されています。
受験回ごとに「法令基準日」が指定される
中級の受験概要には、試験内容と並んで法令基準日が明記されます。第34回(2026年後期)は「2026年4月1日時点で施行されているものを基準とする」とされています。何を出すかだけでなく、いつ時点の法令で出すかが公式に区切られているということです。
食品表示に関わる規定は改正が続いており、消費者庁は食品表示基準の改正をほぼ毎年公表しています。同じ論点でも、受験回によって正解として扱われる内容が変わりうる構造だということになります。学習を始める前に、自分が受ける回の基準日を受験概要で確かめておいてください。
協会が示しているのは基準日だけで、どの改正が出題に含まれるかまでは列挙されていません。個別の改正を自分で追いかけるより、その回の基準日に対応した版のテキストと問題集を使い切るほうが確実です。基準日より後に施行される改正の解説を読み込んでも、その回の得点には結びつきません。
テキストは2年ごとに改訂され、いまの対象は改訂9版
出題範囲は『食品表示検定 認定テキスト・中級』改訂9版からの基礎知識と、それを理解したうえでの応用力とされています。改訂9版は2025年1月発行・2,970円(税込)で、対象は2026年の中級試験と明示されています。テキストの版そのものが受験年と結びついている形です。
協会は、認定テキストの初級と中級を原則としてそれぞれ2年ごとに改訂しているとしています。初級と中級を交互に改訂していく運用のため、中級のテキストは受験する年によって版が変わります。中古で安く出回っている旧版は、その回の法令基準日とずれる可能性がある点に注意してください。
公式問題集は『食品表示検定 中級・問題集』<改訂版>(2025年4月発行・2,420円 税込)で、テキストの各章に対応した練習問題173問と模擬問題が入っています。改訂にあたって模擬問題は全面的に差し替えられ、各問題も主に法改正に即して内容が見直されたとされています。
テキストの本編は、法の体系・生鮮食品の表示・加工食品の表示・事例・表示の個別解説・栄養成分表示の6章です。これに加えて資料編があり、計量法の特定商品、自治体の条例、食品表示基準の別表、外食・中食における原料原産地情報提供ガイドラインなど12項目が収められています。初級テキストの資料編が原料原産地表示のみであることと比べると、参照する別表や法令の幅は中級で一段広がります。
「原則」を固めないと「事例」が解けない
中級の学習でつまずきやすいのは、加工食品の表示の原則と、個々の商品についての事例が二段構えになっているところです。原則の側は、義務表示の項目、原材料名と添加物の区分、期限表示や保存方法といった、どの加工食品にも共通する枠組みを扱います。事例の側は、その枠組みを具体的な品目に当てはめたとき、実際の表示がどう書かれるかを問います。
事例のほうから覚えようとすると、品目ごとの書き方を一つずつ丸暗記することになり、量が増えるばかりで応用が利きません。原則を先に固めておけば、事例は「原則のどこが上書きされているか」を確認する作業になります。同じ商品を見ても、共通ルールと個別ルールのどちらの話をしているのかが切り分けられるようになります。
ケンテイラボの収録問題でも、この二段構えがそのまま分野の分かれ方に出ています。次の表は、収録している265問の分野別の内訳です。本試験の配点を示すものではなくケンテイラボ側の整理ですが、どこにどれだけ手を動かせるかの目安になります。
収録問題9分野の内訳と比重
ケンテイラボでは食品表示検定 中級の収録問題を9の分野に分けて整理しています (学習しやすさを優先した本サイト独自の区分で、実施団体が公表している 出題区分そのものではありません)。収録している265問を分野別に集計すると、 最も問題数が多いのは「⑤ 事例・一般加工食品と酒類」の40問(全体の15.1%)、 最も少ないのは「⑨ 栄養成分表示」の20問(同7.5%)です。上位3分野だけで全体の41.5%を占めるため、 ここを先に固めるかどうかが得点の土台になります。
収録問題では、加工食品の表示の原則が35問、事例が農産畜産水産加工品35問と一般加工食品・酒類40問で、この3分野を合わせると110問と全体の4割を超えます。原則の35問を先に潰してから事例の75問に入る順序にすると、あとの2分野で判断に迷う回数が減ります。
約3週間の試験期間を、いつどこで使うか
初級・中級は全国300カ所以上のテストセンターから会場を選び、約3週間の試験期間の中で日時を指定して受験します。第34回(2026年後期)の試験期間は2026年11月12日から12月6日まで、受験申込期間は2026年9月8日10時から10月21日23時59分までです。合否結果は2026年12月16日9時からマイページで照会できます。
期間に幅があるぶん、受験日をいつに置くかが、そのまま学習計画の締め切りを決めることになります。期間の後ろのほうに取れば学習時間は伸びますが、希望の会場と時間帯が埋まる可能性や、直前の予定変更に弱くなる点は考えておいたほうがよいでしょう。
注意したいのは、同じ級を同一の試験期間内に複数回受験することはできない点です。一人1回限りとされ、発覚した場合は合格も無効になります。期間中なら何度でも挑戦できる方式ではないので、1回で仕上げる前提で日程を決めることになります。
当日は本人確認書類が必須で、忘れた場合は受験できません。受験票は発行されず、会場と当日の注意事項はマイページで確認します。来場は試験開始時刻の30分前から15分前までと決められています。
上級へ進む道は中級合格でしか開かない
初級と中級には受験資格がなく、どちらから受けてもかまいません。初級を飛ばして中級から入ることも、同じ回で初級と中級を併願することもできます。一方で上級は「中級食品表示診断士」の有資格者が対象で、申込時に中級の合格証に記載された合格番号が必要になります。
この検定で唯一の受験要件のゲートが、中級合格に置かれているということです。初級は飛ばせても、中級は飛ばせません。上級まで視野に入れている場合、中級は通過点であると同時に、必ず通らなければならない一点になります。
上級は受験料22,000円(税込)で、直近の第15回(2025年)の合格率は22.4%でした。中級の直近3回が50%台であることと比べると、段差の大きさが分かります。中級の段階でテキストの記述を曖昧なまま通り抜けると、その差が上級で効いてくることになります。
「中級食品表示診断士」という称号と、社内制度での使われ方
合格すると「中級食品表示診断士」の称号が与えられます。初級の合格者は初級食品表示診断士、上級の合格者は上級食品表示診断士です。合格者は名刺などへの食品表示検定ロゴマークの使用や、合格者バッジの購入ができます。
合格証は、初級・中級では2024年後期の第30回からデジタル合格証に切り替わり、カード型は発行手数料2,000円(送料・税込)の有料オプションになりました。上級の申込で必要になる合格番号は合格証に記載されるので、受け取った時点で番号を控えておくと後で探さずに済みます。
申込のしかたとしては、団体申込も用意されています。各級10名以上でまとめて申し込むことができ、20名以上なら受験料が5%割引になります。団体の責任者には受験者全員の合否結果一覧が送られ、協会は合格者数の上位団体を表彰する制度も設けています。個人で受けるか、勤務先の枠で受けるかで、申込の手順と締め切りが変わる点は早めに確認しておくとよいでしょう。
食品表示検定の累計出願者数は、2026年1月現在で212,967人とされています。対象として想定されているのは、食品業界の品質管理・品質保証や商品開発の担当者など、食品表示に現場で携わる方です。実務で表示を確認する立場にいるなら、テキストの記述と手元の帳票を突き合わせながら読むほうが早く頭に入ります。
収録265問をどう回すか
ケンテイラボでは、中級の対策問題を265問、9分野に分けて無料で公開しています。テキストを一度通したあとに分野別で解き、間違えた問題だけを繰り返す使い方が向いています。
- ①食品表示の法体系20問:どの法律がどこを規定しているかの枠組みを先に確認する
- ②生鮮食品の表示30問と③加工食品の表示の原則35問:二本の柱として先に固める
- ④農産畜産水産加工品35問と⑤一般加工食品と酒類40問:原則が入ってから事例に進む
- ⑥添加物アレルゲン遺伝子組換え有機30問と⑦任意表示と保健機能食品25問:原則とは別立ての規定が多く、後半にまとめる
- ⑧関連法令とマーク30問と⑨栄養成分表示20問:最後に通して取りこぼしを拾う
この順序にしているのは、③の原則が④⑤の事例を読む前提になっているためです。逆に⑥から⑨は、加工食品の表示の原則とは別の条文や制度を根拠にしている部分が多く、前半と混ぜて覚えると根拠がつながらなくなります。前半と後半を分けて回すほうが、知識の置き場所が整理されます。
なお、分野の分け方はケンテイラボ側の整理であり、公式の出題区分ではありません。出題範囲・法令基準日・試験日程・受験料はいずれも回次ごとに更新されるため、申込の前に協会の公式サイトで最新の受験概要を確認してください。