2026/09/13

公害防止管理者 水質関係第1種、10分野を5科目75問に割り振る

問題数が最も多い汚水処理特論は25問・75分で、収録658問のうち197問がここに当たります。1日で5科目を順に受ける時間割と、科目ごとに合否が付く仕組みから、演習を回す順番を決めます。

執筆:ケンテイラボ編集部(資格試験対策アプリ開発・運営)

公害防止管理者等国家試験の水質関係第1種は、公害総論・水質概論・汚水処理特論・水質有害物質特論・大規模水質特論の5科目を1日で受けます。問題は五者択一式のマークシートで、合計75問です。問題数と試験時間は科目によって3通りに分かれ(25問75分・15問50分が2科目・10問35分が2科目)、通しで245分かかります。

ケンテイラボの水質関係第1種は658問を10分野に分けて収録しています。分野名は公式の科目名をそのまま使っていないため、どの分野がどの科目に当たるのかを先に決めておかないと、演習の配分が本試験の配分とずれます。

この記事は、その対応づけを扱います。10分野を5科目に割り当てたうえで、収録数と本試験の問題数のずれ、科目ごとに違う試験時間、そして科目ごとに合否が出るという構造から、回す順番を組み立てます。制度側の数値は一般社団法人産業環境管理協会の2026年度受験案内、試験実施要領、試験科目の範囲、令和7年度の合格者発表ページによります。

試験は5科目75問。10分野は2つ・2つ・3つ・2つ・1つで対応する

公式の内訳は、公害総論15問、水質概論10問、汚水処理特論25問、水質有害物質特論15問、大規模水質特論10問です。ケンテイラボの10分野は、この5科目をさらに分けたものなので、次のように束ねると科目単位で演習できます。

  • 公害総論(15問)=①公害総論1 環境法規と公害防止組織/②公害総論2 環境問題全般と環境管理手法
  • 水質概論(10問)=③水質概論1 法規制と汚濁の現状・発生源/④水質概論2 汚濁の機構・影響・防止対策
  • 汚水処理特論(25問)=⑤処理計画と物理・化学的処理法/⑥生物処理法と装置の維持管理/⑦水質汚濁物質の測定技術
  • 水質有害物質特論(15問)=⑧有害物質の性質と処理/⑨有害物質の測定
  • 大規模水質特論(10問)=⑩大規模水質特論

分け方は、公式が示す「試験科目の範囲」に沿っています。汚水処理特論の範囲は(1)汚水等処理計画(2)物理・化学的処理法(3)生物的処理法(4)汚水等処理装置の維持・管理(5)測定の5項目で、⑤が(1)と(2)、⑥が(3)と(4)、⑦が(5)に当たります。水質有害物質特論の範囲も(1)有害物質の性質と処理(2)有害物質含有排水処理施設の維持・管理(3)有害物質の測定の3項目で、⑧が処理側、⑨が測定側です。

3つの分野が1科目に対応するのは汚水処理特論だけ、1つの分野がそのまま1科目になるのは大規模水質特論だけです。この2つが、演習の配分を考えるときの両端になります。

出題75問に対して収録は658問。科目ごとに1問あたりの厚みが違う

収録数を科目にまとめ直すと、公害総論133問、水質概論125問、汚水処理特論197問、水質有害物質特論122問、大規模水質特論81問です。本試験の問題数で割ると、公害総論は本番1問あたり約8.9問、水質概論は12.5問、汚水処理特論は約7.9問、水質有害物質特論と大規模水質特論はそれぞれ約8.1問ぶんの収録がある計算になります。

構成比で見ると、ずれの向きがはっきりします。本試験に占める割合は汚水処理特論が33.3%で最大ですが、収録に占める割合は29.9%で、収録のほうがやや薄い。逆に水質概論は本試験13.3%に対して収録19.0%で、収録のほうが厚くなっています。公害総論は本試験20.0%・収録20.2%でほぼ一致します。

分野ごとの収録数と構成比、それぞれの分野で何を扱っているかは次の表のとおりです。表の①〜⑩を、先ほどの対応表で5科目に読み替えながら見てください。

収録問題10分野の内訳と比重

ケンテイラボでは公害防止管理者 水質関係第1種の収録問題を10の分野に分けて整理しています (学習しやすさを優先した本サイト独自の区分で、実施団体が公表している 出題区分そのものではありません)。収録している658問を分野別に集計すると、 最も問題数が多いのは「⑩ 大規模水質特論」の81問(全体の12.3%)、 最も少ないのは「⑨ 水質有害物質特論2 有害物質の測定」の50問(同7.6%)です。上位3分野だけで全体の34.1%を占めるため、 ここを先に固めるかどうかが得点の土台になります。

この表を科目単位で足し直すと、演習の量を本試験の配分に寄せる操作ができます。収録の並び順どおりに端から解いていくと、水質概論に時間を使いすぎて汚水処理特論が薄くなる形になりやすいところです。

汚水処理特論の25問に、⑤⑥⑦の197問が当たる

汚水処理特論は75問中25問で、5科目のうち最も問題数が多い科目です。試験時間も75分で最長ですが、1問あたりにすると3.0分で、5科目の中では最も短くなります。公害総論と水質有害物質特論が約3.3分、水質概論と大規模水質特論が3.5分ですから、時間の余裕が最も少ない科目でもあります。

収録側では⑤が72問、⑥が65問、⑦が60問の計197問で、10分野のうち3つを占めます。⑤は沈降分離のストークスの式、表面積負荷、傾斜板の有効分離面積、無機凝集剤ごとの適正pH、砂ろ過や膜分離まで。⑥は活性汚泥法のBOD容積負荷・BOD汚泥負荷・SVI・汚泥滞留時間・必要酸素量といった、式に数値を当てはめる問いが並びます。

収録658問のうち、末尾が「いくらか」で数値を答えさせる問いは21問あり、そのうち13問が⑥に集まっています。1問3.0分という配分の中で式を組み立て直す余裕はないので、負荷式の分母に何を置くかを先に固めておく作りになります。国家試験で使える電卓は四則演算・開平計算・百分率計算などの機能を持つものに限られ、関数電卓は使えません。

⑦は同じ汚水処理特論の測定側で、試料容器の材質と項目ごとの保存条件、吸光光度法、原子吸光法、BODの20℃・5日間という培養条件、CODの酸化条件といった内容です。⑤⑥が装置と運転の話であるのに対し、⑦だけ実験室側に寄っているので、同じ科目の中でも切り替えが要ります。

公害総論15問の①②133問は、13区分すべてに共通で作られる問題

公害総論は水質関係第1種だけの科目ではありません。受験案内には各試験科目の問題は試験区分を問わず共通と書かれており、大気関係でも騒音・振動関係でも同じ問題が出ます。時間割でも1科目目に置かれ、9時35分から10時25分までの50分です。

収録では①が65問、②が68問の計133問です。①は環境基本法の制定年、第2条の「環境への負荷」の定義、典型7公害、事業者と国民の責務といった条文側と、公害防止組織整備法が定める特定工場の要件、公害防止統括者・公害防止管理者・公害防止主任管理者の三職種を扱います。②は環境問題全般と環境管理手法で、オゾン層とCFC、京都議定書とパリ協定、廃棄物とマニフェスト、環境影響評価、JIS Q 14001、LCA、環境ラベルまで広がります。

収録問題で「環境基準」に触れているのは658問中37問で、内訳は③が22問、②が10問、①が5問です。同じ語が公害総論と水質概論の両方に出てくるので、この2科目は続けて回すと重なりを拾えます。

適用される関連法令およびJISは、受験年度の4月1日現在施行のものです。②には大気や水質の測定結果など統計値を問う内容も含まれるため、数字そのものを丸ごと覚えるより、大小関係と傾向で押さえるほうが年度差に耐えます。

同じ10問でも、水質概論の125問と大規模水質特論の81問は性格が違う

水質概論と大規模水質特論は、どちらも出題10問・試験時間35分で、外形はまったく同じです。ただし収録量も中身も違います。

水質概論に当たるのは③70問と④55問の計125問です。③は人の健康の保護に関する環境基準で「検出されないこと」とされる項目、海域には適用されない項目、一律排水基準の許容限度、上乗せ基準、総量規制、特定施設の届出期限といった数値と期限が中心。④はエスチャリーの分類と循環、青潮の発生機構、窒素循環の硝化と脱窒素、湖沼の成層、水俣病とメチル水銀、イタイイタイ病とカドミウムなど、機構と健康影響の側です。

大規模水質特論に当たる⑩は81問で、10分野のうち単独では最も多い分野です。公式の範囲は(1)水質汚濁物質の挙動(2)処理水の再利用(3)大規模設備の水質汚濁防止対策の事例の3つで、収録も生態系モデルの状態変数やQ10、回収利用とカスケード利用の区別、濃縮倍数の計算、製鉄所の安水や酸洗、パルプの黒液と白水回収といった事例に分かれています。

出題10問に対して収録81問は多く見えますが、⑩は水質関係第1種と第3種にしか課されない科目です。ほかの科目との接点も薄いわけではなく、収録で「活性汚泥」に触れる29問のうち14問が⑩にあり、⑥の13問を上回ります。汚水処理特論で覚えた処理方式が、大規模設備の事例として別の角度から出てくる形です。

水質有害物質特論15問は、処理の⑧72問と測定の⑨50問に割れる

水質有害物質特論は15問・50分で、収録は⑧が72問、⑨が50問の計122問です。⑧は物質ごとに処理法を対応づける分野で、シアンのアルカリ塩素法や酸分解燃焼法、クロム(VI)の亜硫酸塩還元と鉄(II)塩還元、水銀の硫化物法、ひ素とセレンの鉄(III)塩共沈、ふっ素のふっ化カルシウム法、ほう素の吸着樹脂と続きます。

⑨は分析側で、ガスクロマトグラフの検出器の使い分け、イオンクロマトグラフ、クロム(VI)のジフェニルカルバジド吸光光度法、ひ素とセレンの水素化物発生原子吸光法、総水銀の還元気化原子吸光法などが並びます。収録で「クロマトグラフ」に触れる17問は、すべて⑨にあります。

ただし、分析手法は⑨だけの話ではありません。収録で「吸光光度」に触れる25問は⑨14問・⑦10問・⑧1問、「原子吸光」に触れる17問は⑨13問・⑦4問という分かれ方です。⑦は汚水処理特論、⑨は水質有害物質特論と別科目ですが、装置の原理を共有しているので、測定は科目をまたいで一度にさらうほうが手数が減ります。

反対に、分野をまたいで意味が変わる語もあります。pHに触れる問いは658問中69問あり、⑧31問・⑥10問・⑦10問・⑤7問・⑨6問・⑩4問・③1問と7分野に散っています。処理の反応条件としてのpHと、試料の保存条件としてのpHは別の話なので、まとめて覚えると取り違えます。

1日245分、科目ごとに区切られた時間割の中で解く

5科目は1日で順に実施され、科目ごとに試験時間が決まっています。水質関係第1種の時間割は次のとおりです。

  • (01)公害総論 9時35分〜10時25分(50分・15問)
  • (07)水質概論 11時00分〜11時35分(35分・10問)
  • (08)汚水処理特論 12時45分〜14時00分(75分・25問)
  • (09)水質有害物質特論 14時35分〜15時25分(50分・15問)
  • (10)大規模水質特論 16時00分〜16時35分(35分・10問)

合計245分で、朝の9時35分から夕方の16時35分まで会場にいることになります。試験開始後の入室は原則として認められず、遅刻が認められるのは試験開始後15分までです。途中退出時間の設定はなく、どの科目も試験時間内は退出できません。

並びを見ると、最長の汚水処理特論が昼をはさんだ12時45分から始まります。1問3.0分で25問を解く科目が、5科目の真ん中に置かれている形です。午前に公害総論と水質概論の計25問を終え、午後に汚水処理特論25問、そのあと水質有害物質特論15問と大規模水質特論10問という並びになります。

収録問題を科目単位で束ねて解くときは、この並びをそのまま使えます。⑤⑥⑦を続けて75分ぶんで解いてみると、25問を3.0分ずつで処理する感覚が測れます。

1科目でも欠けると区分合格にならないので、回す順は収録数の順にしない

合否は科目ごとに判定され、試験区分としての合格には必要な5科目すべてに合格することが要ります。合計点で苦手な科目を埋める形ではないので、演習の配分も「どの科目も基準を割らない」という条件から決めることになります。合格した科目を次年度以降に持ち越す仕組みもありますが、申請の要件や有効期間は別の話になります。

各科目の合格基準は、毎年、国家試験終了後に開かれる試験員委員会で決定され、合格発表時に公表されます。事前公表は行われません。令和7年度については「当該試験科目において60%以上の正解率を得た者」を科目合格とすると公表されており、この年は各科目6割でした。翌年度も同じ基準になるとは限らないため、目安として扱うことになります。

以上を踏まえると、回す順は収録数の多い順(⑩81問、⑤72問、⑧72問……)ではなく、科目単位で組むほうが噛み合います。順番の目安は次のとおりです。

  • ⑤⑥⑦(汚水処理特論197問)を最初に置く。本試験25問で最も多く、1問3.0分と時間も最も厳しい
  • 続けて⑧⑨(水質有害物質特論122問)。⑨の吸光光度法や原子吸光法は⑦と重なるので、記憶が新しいうちに回す
  • ⑩(大規模水質特論81問)は、⑥の処理方式を通したあとに読むと事例がつながる
  • ①②(公害総論133問)と③④(水質概論125問)は、環境基準という共通の語で結ばれているので続けて回す

本試験は五者択一式で、ケンテイラボの収録問題は四肢択一です。選択肢が1つ少ないぶん本番より当たりやすいので、正解したかどうかだけでなく、残りの選択肢のどこが誤りかまで言えるかを確認の基準にすると、差が埋まります。科目単位で解いて6割を割った科目に戻る、という回し方にすれば、科目ごとに合否を出す試験の形に合わせられます。

実際に問題を解いて知識を定着させよう

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