ビジネス実務法務検定3級 ① 法体系

ビジネス法務の入り口として、法律全体のしくみと基本原則を学ぶ分野です(本検定で30問収録)。私的自治・所有権絶対・過失責任主義といった民法の基本原則、公法と私法・実体法と手続法・一般法と特別法の区別、強行法規と任意法規、成文法主義、裁判所の種類や民事・刑事・行政訴訟の違いが頻出します。コンプライアンスやリスクマネジメント、自力救済禁止・控訴と上告など、以降の分野を理解する土台となる用語を正確に押さえることが得点のコツです。

この分野の問題30問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

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1民法90条により、公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為はどうなると定められているか。

  1. A有効
  2. B無効
  3. C取消し可能
  4. D追認可能
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正解:B無効

公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為(公序良俗違反)は、民法90条により無効とされています。

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2クレジットカードの偽造を依頼し、その報酬を支払う旨の契約を結んだ場合の法的な効力として、適切なものはどれか。

  1. A犯罪が完了するまでは有効である
  2. B公序良俗に反するため無効である
  3. C当事者が同意していれば有効である
  4. D公法上の制約を受けるが私法上は有効である
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正解:B公序良俗に反するため無効である

犯罪の遂行を内容とする契約は公序良俗に反すると解され、民法90条に基づき無効となります。

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3所有権は不可侵のものとして尊重されるが、憲法29条2項に基づき、どのような観点から一定の制約を受けることがあるか。

  1. A私的自治の尊重
  2. B公共の福祉
  3. C過失責任主義
  4. D誠実義務の履行
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正解:B公共の福祉

憲法29条2項では、財産権(所有権)の内容は公共の福祉に適合するように法律で定めると規定されています。

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4所有権絶対の原則に関する記述として、適切なものはどれか。

  1. A所有権は公共の福祉の観点から法令等により制約を受ける場合がある
  2. B所有権は国家権力によっても一切制限されない
  3. C所有権は他人の権利を侵害しても優先される
  4. D所有権は実体法ではなく手続法によってのみ制限される
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正解:A所有権は公共の福祉の観点から法令等により制約を受ける場合がある

所有権は不可侵が原則ですが、公共の福祉に適合させるために法律による制限を受けることがあります。

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5損害の発生について故意又は過失がないときは損害賠償責任を負わないという原則を何と呼ぶか。

  1. A自己責任の原則
  2. B無過失責任の原則
  3. C信義誠実の原則
  4. D過失責任主義
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正解:D過失責任主義

故意又は過失がない限り賠償責任を負わないとする原則は、民法の基本原則の一つである過失責任主義です。

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6過失責任主義の考え方の根拠として、派生元となった民法の原則はどれか。

  1. A私的自治の原則
  2. B公序良俗の原則
  3. C所有権絶対の原則
  4. D信義誠実の原則
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正解:A私的自治の原則

過失責任主義は、個人の意思のみを根拠として権利義務が発生するという「私的自治の原則」から派生しています。

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7「特定の人に対して一定の行為を請求することができる権利」を指す用語として、適切なものはどれか。

  1. A債権
  2. B物権
  3. C用益物権
  4. D占有権
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正解:A債権

債権とは、債権者が特定の債務者に対して、一定の給付や行為を請求できる権利を指します。

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8債権の具体例として適切なものはどれか。

  1. A土地を直接支配して利用する権利
  2. B特許を独占的に使用する権利
  3. C公道を通行する権利
  4. D請負人が注文者に代金の支払いを請求する権利
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正解:D請負人が注文者に代金の支払いを請求する権利

請負契約に基づき仕事を完成させた請負人が、注文者に対して代金を請求する権利は債権に該当します。

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9他人の物を利用することを内容とする物権を総称して何と呼ぶか。

  1. A担保物権
  2. B用益物権
  3. C所有権
  4. D債権
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正解:B用益物権

物権のうち、所有権以外の他人の物を利用する性質を持つ権利を「用益物権」と呼びます。

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10用益物権に含まれる権利の組み合わせとして、適切なものはどれか。

  1. A所有権・抵当権
  2. B地上権・地役権
  3. C質権・留置権
  4. D賃借権・代金請求権
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正解:B地上権・地役権

テキストによれば、地上権、永小作権、地役権、入会権が用益物権に該当します。

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11適用対象が限定されている「特別法」と、限定されていない「一般法」の両方に規定がある場合、どちらが優先されるか。

  1. A常に特別法が優先される
  2. B常に一般法が優先される
  3. C後に制定された法が優先される
  4. D裁判所が個別に判断する
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正解:A常に特別法が優先される

ある事項について一般法と特別法の両方に規定がある場合、特別法の規定が優先して適用されます。

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12民法と商法の関係について、法体系上の分類として適切なものはどれか。

  1. A民法が特別法で、商法が一般法である
  2. B両方とも一般法である
  3. C両方とも特別法である
  4. D民法が一般法で、商法が特別法である
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正解:D民法が一般法で、商法が特別法である

民法は私法の一般法であり、商法は商取引という限定された領域に適用される特別法です。

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13契約当事者が法律の規定と異なる特約を定めた場合でも、その特約に優先して適用される法規を何と呼ぶか。

  1. A任意法規
  2. B強行法規
  3. C取締規定
  4. D手続法
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正解:B強行法規

強行法規は、当事者の意思にかかわらず適用が強制される規定であり、特約よりも優先されます。

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14強行法規と任意法規に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. A強行法規と異なる内容の特約を定めても無効である
  2. B任意法規は当事者が別段の合意をしない場合に適用される
  3. C民法の契約に関する規定の多くは強行法規である
  4. D公序良俗に関する規定は強行法規に該当する
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正解:C民法の契約に関する規定の多くは強行法規である

民法の規定のうち、債権(特に契約)に関する規定の多くは、特約を許す「任意法規」です。

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15経済政策や行政目的のために、国民のある行為を制限・禁止する規定を何と呼ぶか。

  1. A任意法規
  2. B実体法
  3. C手続法
  4. D取締規定
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正解:D取締規定

経済政策や行政目的に基づき行為を制限・禁止する規定は、一般に「取締規定」と呼ばれます。

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16取締規定の具体例として、テキストに記載されているものはどれか。

  1. A食品衛生法による表示義務のない食品の販売禁止
  2. B民法の契約解除に関する規定
  3. C借地借家法による借主の保護規定
  4. D刑事訴訟法による公判手続の規定
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正解:A食品衛生法による表示義務のない食品の販売禁止

食品衛生法による表示義務や、道路運送法による白タク禁止などが取締規定の例として挙げられています。

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17日本の裁判所の種類について、正しい記述はどれか。

  1. A最高、高等、地方、家庭、簡易の5種類である
  2. B最高、高等、地方、家庭の4種類である
  3. C最高、地方、家庭、簡易の4種類である
  4. D最高、高等、地方、簡易の4種類である
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正解:A最高、高等、地方、家庭、簡易の5種類である

裁判所法に基づき、最高・高等・地方・家庭・簡易の5種類の裁判所が設置されています。

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18日本の裁判所に関する説明として、誤っているものはどれか。

  1. A裁判所法1条および2条1項に種類が定められている
  2. B家庭裁判所は日本の裁判所の種類に含まれる
  3. C地方裁判所は日本の裁判所の種類に含まれない
  4. D簡易裁判所は日本の裁判所の種類に含まれる
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正解:C地方裁判所は日本の裁判所の種類に含まれない

地方裁判所は、日本に設置されている5種類の裁判所のうちの一つであり、記述は誤りです。

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19私人間の法的紛争の解決を目的とする訴訟の種類はどれか。

  1. A刑事訴訟
  2. B行政訴訟
  3. C公法訴訟
  4. D民事訴訟
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正解:D民事訴訟

民事訴訟は、私人と私人の間の権利義務関係などの紛争を解決することを目的としています。

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20刑事訴訟の主な目的として、適切なものはどれか。

  1. A犯罪事実を確定し、どのような刑罰を科すか決定すること
  2. B私人間の損害賠償額を確定させること
  3. C行政権の行使が妥当かどうかを判断すること
  4. D契約の無効を宣言すること
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正解:A犯罪事実を確定し、どのような刑罰を科すか決定すること

刑事訴訟は、犯罪事実を確定し、国家が刑罰を科すべきかどうかを決定するために行われます。

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21「行政権の行使その他の公法上の権利関係についての争い」を解決する訴訟はどれか。

  1. A行政訴訟
  2. B民事訴訟
  3. C刑事訴訟
  4. D家事審判
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正解:A行政訴訟

行政権の行使や公法上の争いを扱う訴訟は、行政訴訟に分類されます。

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22法を「文書の形に表されているか否か」で分類したとき、日本が採用している主義はどれか。

  1. A不文法主義
  2. B判例法主義
  3. C成文法主義
  4. D慣習法主義
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正解:C成文法主義

日本は、法律が文書の形で表されている「成文法」を重視する成文法主義の国です。

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23「公法」に分類される法律の組み合わせとして、適切なものはどれか。

  1. A民法・会社法
  2. B刑法・民法
  3. C商法・労働基準法
  4. D憲法・行政手続法
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正解:D憲法・行政手続法

憲法や行政手続法は、国や地方公共団体と私人との関係を律する「公法」に該当します。

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24実体法と手続法の関係において、民法と民事訴訟法の組み合わせとして適切なものはどれか。

  1. A民法が手続法で、民事訴訟法が実体法である
  2. B民法が実体法で、民事訴訟法も実体法である
  3. C民法が実体法で、民事訴訟法が手続法である
  4. D民法が手続法で、民事訴訟法も手続法である
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正解:C民法が実体法で、民事訴訟法が手続法である

権利義務の内容を定める民法は実体法であり、その実現手続を定める民事訴訟法は手続法です。

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25コンプライアンス(法令遵守)の概念について、適切な記述はどれか。

  1. A罰則のある法律のみを厳格に守ることである
  2. B法令のほか、その背景にある趣旨や精神に沿った活動も含まれる
  3. C法令の字面だけを守れば、その趣旨は問われない
  4. D企業の利益追求を最優先し、違法でなければ何をしてもよいことである
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正解:B法令のほか、その背景にある趣旨や精神に沿った活動も含まれる

コンプライアンスは、法令のみならずその趣旨や精神に沿った活動が求められる考え方です。

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26リスクマネジメントの説明として、適切でないものはどれか。

  1. A不確定要素を把握し、損失の発生を予防する手法である
  2. B自然災害による事業の停滞はリスクマネジメントの対象外である
  3. C不確定要素が顕在化した時の対処方法をあらかじめ講じることである
  4. Dコンプライアンスもリスクマネジメントの手法の一つといえる
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正解:B自然災害による事業の停滞はリスクマネジメントの対象外である

近時は自然災害による事業への影響も、リスクマネジメントの重要な対象として議論されています。

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27CSR(企業の社会的責任)において、行動規範を策定する際に関係を考慮すべき「利害関係者」を指す用語はどれか。

  1. Aアウトサイダー
  2. Bベンダー
  3. Cステークホルダー
  4. Dキャリア
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正解:Cステークホルダー

CSRは、利益追求だけでなくステークホルダー(利害関係者)との関係で適切に行動することを求めます。

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28債務者が債務を履行しない場合、債権者が裁判所を通さず実力で行使して回収することを何と呼ぶか。

  1. A強制執行
  2. B法的措置
  3. C自力救済
  4. D任意履行
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正解:C自力救済

裁判所を通さず自分の実力で権利を実現することを「自力救済」と呼び、法治国家では禁止されています。

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29第一審の地方裁判所または簡易裁判所が出した終局判決に対し、不服がある場合に上級裁判所に申し立てることを何というか。

  1. A上告
  2. B抗告
  3. C控訴
  4. D上訴
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正解:C控訴

第一審の判決に対する不服申し立ては「控訴」と呼ばれます(民訴法281条1項)。

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30「控訴」と「上告」を総称した用語として、適切なものはどれか。

  1. A再審
  2. B執行
  3. C受理
  4. D上訴
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正解:D上訴

判決に不服がある場合に上級裁判所に再審査を求める「控訴」や「上告」をまとめて「上訴」といいます。

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