2026/09/13

1級造園施工管理の第一次検定は65問すべて必須、捨て分野が作れない

午前の試験問題A36問と午後の試験問題B29問はどちらも全問解答で、選択問題がありません。8分野664問を〔土木工学等〕〔施工管理法〕〔法規〕の3科目に寄せて回す組み立て方を、公表されている数字だけで整理します。

執筆:ケンテイラボ編集部(資格試験対策アプリ開発・運営)

1級造園施工管理技術検定の第一次検定は、国土交通大臣指定試験機関である一般財団法人全国建設研修センターが年1回実施する、マークシート方式の国家試験です。令和8年度は午前の「試験問題A」36問と午後の「試験問題B」29問、合わせて65問が出されました。

学習計画を立てるうえで最初に確かめておきたいのは、この65問に選ぶ余地がまったくないことです。問題冊子には午前・午後のどちらにも「問題は全て必須です」と書かれており、選択問題は1問もありません。解く問題を自分で決められる試験と、配られた順に全部解く試験とでは、時間の割り振り方が変わります。

この記事は、その「全問必須」という構造を出発点に、ケンテイラボが収録している664問の8分野を、公式の検定科目〔土木工学等〕〔施工管理法〕〔法規〕にどう寄せて回すかを整理します。数値は全国建設研修センターの受検の手引(令和8年度・第一次検定)、令和8年度の試験問題A・試験問題B、公表された正答肢、および国土交通省「令和8年度技術検定の合格基準について」によります。

試験問題Aが36問、試験問題Bが29問。どちらも「全部を解答してください」

令和8年度の出題構成は、午前の試験問題Aが36問で「36問題全部を解答してください」、午後の試験問題Bが29問で「29問題全部を解答してください」という指示でした。配点は「1問1点とし、その合計を得点とする」とされています。65問すべてが1点ずつの同じ重みで、分野による重み付けはありません。

試験問題Bの中身は途中で形式が切り替わります。問題1から問題23までは正解が一つしかない四肢択一ですが、問題24から問題29までの6問は「正解を全てぬりつぶしてください」という複数解答形式です。公表された正答肢の資料には、この6問が施工管理法(応用能力)の問題であると明記されています。

合格には全体の得点が60%以上であることに加えて、施工管理法(応用能力)の得点が30%以上であることも求められます。つまり足切りが一つ置かれている試験ですが、その6問の解き方は別記事に譲り、ここでは65問全体の回し方に絞ります。

選択問題が無いということは、8分野のどれも空白にできないということ

選択制のある試験なら、苦手な分野の問題を選ばないという逃げ方ができます。第一次検定にはその余地がありません。65問は全員が同じ問題を解き、白紙で出せば単純に持ち点が減ります。したがって計画の立て方は「どこを捨てるか」ではなく「どこにどれだけ時間を割り振るか」になります。

とはいえ、ある分野を落としたらそれだけで不合格になるわけでもありません。科目別の最低基準が置かれているのは施工管理法(応用能力)だけで、〔土木工学等〕にも〔法規〕にも足切りはないからです。分野ごとの取りこぼしは、他の分野の正解で埋め合わせがききます。

この二つを合わせると、現実的な組み立て方は「全分野に手をつけたうえで、得点しやすい分野に厚みを持たせる」という形になります。逆に、最初から特定の分野を学習対象から外す前提の計画は、この試験では成立しません。

公式の検定科目は3つ。科目ごとの出題数は公表を確認できませんでした

受検の手引の「(4) 試験の内容」には、第一次検定の検定科目と検定基準が次のように示されています。範囲の輪郭を掴むために、原文の言い回しのまま並べます。

  • 〔土木工学等〕造園工事の施工の管理を適確に行うために必要な土木工学、園芸学、電気工学、電気通信工学、機械工学及び建築学に関する一般的な知識を有すること。設計図書に関する一般的な知識を有すること
  • 〔施工管理法〕監理技術者補佐として、施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する知識を有すること。監理技術者補佐として必要な応用能力を有すること
  • 〔法規〕建設工事の施工の管理を適確に行うために必要な法令に関する一般的な知識を有すること

一方で、この3科目が65問のうち何問ずつを占めるのかを示した公式資料は見つけられませんでした。受検の手引、全国建設研修センターの1級造園施工管理技術検定のページと試験問題・合格基準の案内、令和8年度の試験問題A・Bと正答肢、国土交通省の合格基準の資料まで確認しましたが、科目別の出題数の内訳は記載がありません。

公式に数が確定しているのは、全65問が試験問題A36問と試験問題B29問に分かれてすべて必須であること、そのうち施工管理法(応用能力)が試験問題Bの問題24から問題29までの6問であること、この2点だけです。科目別の配点から逆算して勉強量を配る、という組み立て方はできません。

収録664問を3科目に寄せると、〔土木工学等〕側に404問が集まる

科目別の出題数が分からない以上、実際に手を動かす単位は分野になります。ケンテイラボの1級造園施工管理技術検定 第一次検定は664問を8分野に分けて収録しています。分野ごとの収録数と構成比、それぞれがどんな内容かは次の表のとおりです。

収録問題8分野の内訳と比重

ケンテイラボでは1級造園施工管理技術検定(第一次検定)の収録問題を8の分野に分けて整理しています (学習しやすさを優先した本サイト独自の区分で、実施団体が公表している 出題区分そのものではありません)。収録している664問を分野別に集計すると、 最も問題数が多いのは「⑥ 測量・契約・設計図書・関連法規」の90問(全体の13.6%)、 最も少ないのは「⑤ 建築・バリアフリー・造園技法」の72問(同10.8%)です。上位3分野だけで全体の40.2%を占めるため、 ここを先に固めるかどうかが得点の土台になります。

この8分野を検定科目の言葉に寄せると、おおむね次のように読めます。①造園の歴史・造園材料から⑤建築・バリアフリー・造園技法までの5分野が、園芸学・土木工学・建築学を含む〔土木工学等〕の側にあたり、合計404問です。⑦施工計画・建設機械・工程管理と⑧品質管理・安全管理の2分野が〔施工管理法〕の側で、合計170問。⑥測量・契約・設計図書・関連法規の90問が〔法規〕の中心になります。

収録数の偏りは出題数の偏りを表すものではありません。科目別の出題数が非公表である以上、404対170対90という比を配点の比として読むことはできません。あくまで「覚える対象の量がどこに厚いか」を示す数字として扱ってください。

⑥の90問は測量・契約・法規の3種類が1分野に同居している

8分野のうち、そのまま1科目に対応させにくいのが⑥測量・契約・設計図書・関連法規です。名前のとおり性格の違う内容が同じ分野に入っているので、中身を数えて分けておくと計画が立てやすくなります。

  • 測量・水準・トラバース・平板・標高・器械高のいずれかに触れる問題:12問
  • 労働基準法・労働安全衛生法・安全衛生・作業主任者のいずれかに触れる問題:14問
  • 約款・契約・積算・設計図書・工事費・数量のいずれかに触れる問題:18問

測量にあたる12問は、平板・水準・トラバースといった手法の特徴と、後視と前視から高低差や標高を出す計算です。内容としては〔土木工学等〕に近く、⑥の中では性格が浮いています。分野の名前で一括りにせず、測量だけを別枠で回したほうが混ざりません。

残りは条文と約款の読み分けです。特定建設業・一括下請負・施工体制台帳・監理技術者・主任技術者のいずれかに触れる問題が11問あり、条数ではなく「誰が」「いつ」「何人以上で」という要件の形で問われています。上の3つは重なりを含む数え方なので、合計しても⑥の90問にはなりません。

午前2時間30分で36問、午後2時間で29問という時間の形

令和8年度のタイムテーブルは、入室が9時45分まで、受検に関する説明が9時45分から10時00分、午前の試験時間が10時00分から12時30分の2時間30分。昼休みを12時30分から13時35分まで挟み、13時35分から13時45分の説明を経て、午後の試験時間が13時45分から15時45分の2時間です。試験時間の合計は4時間30分になります。

全問必須なので、1問あたりに使える時間はそのまま割り算で出ます。午前は150分を36問で割って約4.2分、午後は120分を29問で割って約4.1分です。午前と午後で1問あたりの持ち時間はほとんど変わりません。ただし午後は最後の6問が複数解答形式なので、同じペースで進めると終盤に余裕が残りにくくなります。

この試験は午前と午後に分けて実施されますが、午前のみの受検は欠席扱いになり、午後のみの受検はできません。また試験開始後1時間以内と試験終了時刻の10分前以降は退室できないため、途中で切り上げて帰るという選択肢も限られます。1日で4時間半座り切る前提で、通し演習を一度は入れておきたいところです。

39問正解が線。応用能力の6問を外すと、残り59問で37問という読み替えになる

合格基準は「全体の得点が60%以上」かつ「施工管理法(応用能力)の得点が30%以上」です。令和7年度の合格発表資料では、これが実数で「必須問題65問につき、1問1点としてその合計の得点が60%以上(39問以上正解)かつ施工管理法(応用能力)の6問の内その合計の得点が30%以上(2問以上正解)」と示されました。

39問という数字を、分野ごとの目標に落とすときは応用能力の6問を切り離して考えると分かりやすくなります。仮に応用能力で基準ちょうどの2問を取ったとすると、残り37問を応用能力以外の59問から取ることになり、割合にすると約63%です。全体の60%より高い水準を、四肢択一の側で出す計算になります。

なお、個人への成績の通知は全体の結果のみで、設問ごとの得点は通知されません。合格者には成績の通知そのものが行われません。分野別に自分の弱点を知りたければ、試験問題を持ち帰って翌日13時から1年間公表される正答肢と突き合わせるしかありません。持ち帰りが認められるのは試験終了時刻まで在席した希望者に限られます。

電卓が使えない試験。収録664問のうち38問が計算を求める

解答は HB の黒鉛筆またはシャープペンシルで記入し、電卓等は使用できません。試験中は時計代わりの携帯電話も含めてすべての電子機器の使用が禁止されています。計算の出る問題は、手計算と暗算だけで処理することになります。

収録664問のうち、「いくらか」「いくつか」「求め」「算定」のいずれかを含む、値を出させる問題は38問です。分野別では⑦施工計画・建設機械・工程管理が10問、⑧品質管理・安全管理が10問、⑥測量・契約・設計図書・関連法規が8問、③敷地造成・コンクリート・舗装が7問、④運動・遊戯・水景・給排水・電気施設が3問となっています。土量変化率LとC、ダンプの延べ台数、水準測量の標高、トータルフロート、平均値やレンジといった、桁数の少ない計算が中心です。

計算以外にも、数字と単位の組合せを含む問題は664問中208問あります。④が52問、③が42問、⑧が36問、⑤が30問と、施設の寸法基準や材料の温度・強度を扱う分野に集まっています。傾斜角、有効幅員、蹴上げと踏面、転圧温度、スランプの許容差のように、数値そのものが答えになる範囲です。ここは理解より照合の作業なので、直前期に回す対象として分けておけます。

年1回・9月の1日に全部が乗るので、逆算の起点は5月の申込受付に置く

1級の第一次検定は年1回です。令和8年度は令和8年9月6日(日)の実施で、申込受付期間は令和8年5月7日(木)から5月21日(木)、受検票の発送が8月17日(月)、合格発表は令和8年10月8日(木)でした。申込受付期間を過ぎるといかなる理由でも申し込めないため、学習の逆算は試験日ではなく5月の受付期間から始めることになります。

「第一次検定のみ」の申込はインターネット受付だけで、書面の申込用紙は販売されていません。事前に住民票コード(11桁。マイナンバーの12桁とは別です)と顔写真データが要ります。受検手数料は17,200円(消費税非課税)で、インターネット申込では事務手続手数料250円が加わります。試験地は札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇の全国10地区です。

第一次検定に合格すると「1級造園施工管理技士補」となり、この合格に有効期限はありません。以降は期間や回数の制限なく第二次検定から受検できます。逆に言えば、65問すべてを解き切る形式に向き合うのはこの1回だけで済むということです。全分野に手をつける計画は重く見えますが、繰り返す前提の試験ではありません。

実際に問題を解いて知識を定着させよう

ケンテイラボでは1級造園施工管理技術検定(第一次検定)の問題を無料で練習できます。

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