2026/09/13

1級造園施工管理 第一次検定の合格率は35.2%から52.1%まで振れる

令和4年度44.0%、令和5年度35.2%、令和6年度45.4%、令和7年度52.1%。19歳以上に開いた初年度に何人入ってきたのか、試験地で24.6ポイント開く理由、令和8年度の数字が出る日までを整理します。

執筆:ケンテイラボ編集部(資格試験対策アプリ開発・運営)

1級造園施工管理技術検定の第一次検定は、合格率が年度でよく動く試験です。令和4年度44.0%、令和5年度35.2%、令和6年度45.4%、令和7年度52.1%と、直近4年度だけで16.9ポイントの幅があります。

本記事は、この振れ幅と、その背景にある受検者層の変化だけを扱います。数値は一般財団法人全国建設研修センターの合格発表資料(令和7年10月9日発表分、令和6年10月3日発表分)、国土交通省の報道発表資料(令和3年度分・令和4年度分)、および令和8年度の受検の手引によります。令和6年度の資料は原本が現在は参照できないため、ウェブ上の保存記録に残っていたものによりましたが、同じ数値は令和7年度の発表資料の(参考)欄にも載っています。

先に断り書きを1つ入れます。これらの公表資料に記載があるのは受検者数・合格者数・合格率の3つで、申込者数(受検申込者数)は載っていません。したがって以下で扱う率はすべて、実際に受検した人数を分母にしたものです。申込んだが欠席した人がどれだけいたかは、この資料からは分かりません。

令和5年度35.2%と令和7年度52.1%。4年度で16.9ポイントの幅がある

まず、公表が確認できた4年度分を並べます。年度・受検者数・合格者数・合格率の順です。

  • 令和4年度:受検者3,091人/合格者1,360人/合格率44.0%
  • 令和5年度:受検者2,754人/合格者970人/合格率35.2%
  • 令和6年度:受検者3,451人/合格者1,566人/合格率45.4%
  • 令和7年度:受検者3,290人/合格者1,713人/合格率52.1%

隣り合う年度の動きを見ると、令和4年度から令和5年度で8.8ポイント下がり、令和5年度から令和6年度で10.2ポイント上がり、令和6年度から令和7年度でさらに6.7ポイント上がっています。1年で10ポイント前後動くことが、この4年度のあいだに2回起きました。

この試験の合格率を「およそ何割」という1つの数で覚えると、当たっている年度と外れている年度が出てきます。令和5年度の35.2%を基準に準備した人と、令和7年度の52.1%を基準に準備した人では、同じ「合格率どおり」でも想定している負荷がかなり違うことになります。

1年さかのぼると、令和3年度は受検3,008人・合格1,080人・合格率35.9%でした(国土交通省の令和3年10月14日報道発表)。合格基準は令和4年度と同じ「65問中39問以上正解(応用能力:6問中2問以上正解)」です。この年を足しても35.2%から52.1%という幅の内側に収まるので、振れ幅の見え方は変わりません。それ以前の年度は全国建設研修センターの現行サイトからは掲載が終了しています。

分母も分子も動く。受検者数は2,754人から3,451人のあいだで上下している

合格率は受検者数と合格者数の比なので、どちらが動いたのかを分けて見る必要があります。受検者数は令和4年度3,091人、令和5年度2,754人(337人減)、令和6年度3,451人(697人増)、令和7年度3,290人(161人減)と、増減を繰り返しています。

合格者数のほうは、令和5年度970人を底として、令和6年度1,566人(596人増)、令和7年度1,713人(147人増)と2年続けて増えました。令和7年度の合格者数は令和5年度の約1.8倍です。

率だけを見ると令和6年度の45.4%と令和7年度の52.1%は同じ方向の動きに見えますが、中身は違います。令和7年度は受検者が161人減ったうえで合格者が147人増えた年で、分母が縮んで分子が伸びたぶん、率が6.7ポイント押し上げられています。合格率を比べるときは、人数の側も一緒に見ておくほうが誤読しにくくなります。

19歳以上に開いた令和6年度、19〜24歳の合格者は76人だった

令和6年度は、受検者層が制度の側から動かされた年です。この年度から技術検定の受検資格が改正され、1級の第一次検定は学歴と実務経験年数に関係なく、受検年度末時点で19歳以上であれば受検できるようになりました。国土交通省は、改正の趣旨を建設業における担い手確保・育成を図るためと説明しています。

令和6年度の合格発表資料は、この改正を受けて年齢の内訳を載せています。造園の19〜24歳の合格者は76人で、令和5年度の9人から67人増えました。年齢要件の下限にあたる19歳の合格者は1人、在学中の合格者は15人(大学等7人・短大高専8人)です。

合格者1,566人のうち76人ですから、この層だけで全体の率を10ポイント動かせる規模ではありません。それでも、前年度の9人から8倍を超えて増えたという意味では、変化としてははっきり出ています。実施団体のよくある質問でも、実務経験がなくても第一次検定のみの受検は可能と回答されています。

一方で、第二次検定は実務経験が必要なままです。令和6年度から令和10年度までは新受検資格と旧受検資格のどちらでも申し込める経過措置期間で、第一次検定だけが先に年齢要件のみになった形になっています。合格率の変化を読むときは、この「第一次検定だけが開いた」という非対称を前提に置くことになります。

令和7年度は女性の合格者326人・19.0%で過去最高だった

受検者層の動きは、性別の内訳にも出ています。令和7年度の女性の合格者は326人で、発表資料に過去最高と明記されています。割合は19.0%です。

令和6年度は305人で19.5%、令和5年度は137人で14.1%でした。割合だけを見ると令和6年度の19.5%のほうが高いのに令和7年度が過去最高とされているのは、これが人数の話だからです。合格者の総数が1,566人から1,713人へ増えたため、人数が21人増えても割合は0.5ポイント下がりました。

令和5年度と比べると、2年で189人増え、割合は4.9ポイント上がっています。年齢の内訳と合わせて見ると、令和5年度から令和7年度にかけて合格者の顔ぶれ自体が変わってきたことが数字に出ている、と読めます。

つまり、合格率が35.2%から52.1%へ動いた背景を、問題が易しくなったという一本の軸だけで説明するのは無理があります。受ける人の構成が変わっている以上、同じ問題でも通る割合は動きます。

令和7年度の合格者のうち34.4%は、すでに2級の第二次検定に通っている

令和7年度の発表資料には、合格者の属性としてもう1つ数字が載っています。合格者のうち、2級造園施工管理技術検定「第二次検定」の合格者が占める割合が34.4%です。ただしこの属性データには「申込区分『第一次検定のみ』の新規で受検した者のデータである」という注記が付いており、合格者全体の割合ではありません。おおよそ3人に1人が、すでに2級の第二次検定まで通っている人ということになります。

逆に言えば、6割強はこの区分に当てはまりません。ただし、その6割強がどういう経歴の人なのかまでは公表資料に内訳がないため、ここから先は推測になります。第一次検定の受検資格が年齢要件だけになった以上、2級を経由していない受検者が一定数いること自体は制度上ありうる話です。

この数字が学習量の見積もりに効いてきます。2級の第二次検定まで通っている人は、造園工事の用語や施工の流れを一度通した状態から始められます。そうでない人は同じ問題集を回すにも、用語の意味を確かめる時間が上乗せされます。合格率という1つの数字は、この差を平らにならしたあとの値です。

東京55.9%、新潟31.3%。同じ問題なのに試験地で24.6ポイント開く

令和7年度の第一次検定は全国10地区10会場で実施され、発表資料には試験地別の受検者数・合格者数・合格率も載っています。最も高いのが東京で、1,365人が受検して763人が合格し55.9%。最も低いのが新潟の31.3%で、差は24.6ポイントあります。

同じ日に同じ問題を解いているので、この差は問題の側から生まれたものではありません。試験地ごとにどういう人が集まったか、という受検者の側の差です。東京は1,365人と受検者数そのものが大きく、全国3,290人の4割強がここに集中しています。

反対に、受検者数の少ない試験地では、率が数十人の増減で大きく動きます。母数が小さいほど1人あたりの重みが増すからです。試験地別の合格率を「その地域は通りやすい・通りにくい」と読み替えるのは、この試験の規模では向きません。会場選びで合格率が変わるという話ではない、と考えておくほうが安全です。

率が動いても、合格基準は「全体60%以上」の位置に置かれたまま

合格率が35.2%から52.1%まで動いても、合格基準そのものは動いていません。令和8年度の受検の手引の合格基準は、第一次検定について「全体の得点が60%以上」かつ「検定科目(施工管理法(応用能力))の得点が30%以上」と書かれています。国土交通省の「令和8年度技術検定の合格基準について」にも、造園施工管理の一級として同じ数字が定められています。

つまり、上位から一定数を切る相対評価ではなく、あらかじめ置かれた線を超えた人が合格する仕組みです。年度による合格率の差は、線を動かした結果ではなく、受けた人の得点がその線に対してどう並んだかの結果ということになります。合格率が高い年度は基準が甘くなったわけではありません。

ただし手引には「ただし、試験の実施状況等を踏まえ変更する可能性があります。」という但し書きが付いています。60%と30%という数字を将来も動かないものとして計算に入れるのは避けておくのが無難です。

もう1つ、全体で60%を超えていても、施工管理法(応用能力)の得点が30%に届かなければ不合格になるという条件が別に効きます。全体の得点だけを追いかけていると、この条件に気づかないまま準備を終えることになります。応用能力の中身と対象問題については、別の記事で扱います。

実務経験を前提にできない試験。収録664問は8分野にほぼ均等に散っている

受検資格が年齢要件だけになったということは、現場での実務経験を前提にできない人も同じ問題を解くということです。そこで、ケンテイラボが収録している問題の並びを見ておきます。1級造園施工管理技術検定 第一次検定は664問を収録しています。分野ごとの収録数と構成比は次の表のとおりです。

収録問題8分野の内訳と比重

ケンテイラボでは1級造園施工管理技術検定(第一次検定)の収録問題を8の分野に分けて整理しています (学習しやすさを優先した本サイト独自の区分で、実施団体が公表している 出題区分そのものではありません)。収録している664問を分野別に集計すると、 最も問題数が多いのは「⑥ 測量・契約・設計図書・関連法規」の90問(全体の13.6%)、 最も少ないのは「⑤ 建築・バリアフリー・造園技法」の72問(同10.8%)です。上位3分野だけで全体の40.2%を占めるため、 ここを先に固めるかどうかが得点の土台になります。

最も少ない「⑤ 建築・バリアフリー・造園技法」が72問、最も多い「⑥ 測量・契約・設計図書・関連法規」と「⑧ 品質管理・安全管理」が90問で、8分野の幅は18問です。どこか1分野に大きく寄った並びにはなっていません。全65問すべてが必須で選択問題がないという出題の形とも、この散り方は合っています。

分野ごとに問われ方の性格は違います。収録問題では、⑥に施工体制台帳を備え置く場所や都市公園法の占用許可、⑤にバリアフリーの有効幅員や傾斜路の手すりの高さ、④に砂場の段差やマンホールの最大間隔といった、条文と数値の線引きを問う設問が入っています。現場で見た記憶に頼れない場合、こうした基準値は数字として覚えるしかない範囲です。

分野ごとに、数値を含む問題の割合と問題文の平均文字数を集計すると次のようになります。実務経験の有無で負荷が変わりやすいのはどこか、という目安として見てください。

分野別の学習タイプ(収録664問の集計)

ケンテイラボに収録している1級造園施工管理技術検定(第一次検定)の問題を分野別に集計し、 「問題文または選択肢に数値が登場する問題の割合」と「問題文の平均文字数」を出しました。 数値の割合が高い分野は具体的な数字の暗記が得点を左右しやすく、 低い分野は用語の理解や文章の読み取りが中心になる傾向があります。

この試験でもっとも数値の比率が高いのは「④ 運動・遊戯・水景・給排水・電気施設」で67%、 もっとも低いのは「① 造園の歴史・造園材料」で13%でした。 また問題文がもっとも長いのは「⑧ 品質管理・安全管理」の平均51字で、 設問を読み解く負担が大きい分野といえます。

  • ① 造園の歴史・造園材料80問/数値を含む問題 13%/問題文 平均37
  • ② 植栽施工・植物管理85問/数値を含む問題 31%/問題文 平均40
  • ③ 敷地造成・コンクリート・舗装81問/数値を含む問題 58%/問題文 平均44
  • ④ 運動・遊戯・水景・給排水・電気施設86問/数値を含む問題 67%/問題文 平均40
  • ⑤ 建築・バリアフリー・造園技法72問/数値を含む問題 44%/問題文 平均37
  • ⑥ 測量・契約・設計図書・関連法規90問/数値を含む問題 44%/問題文 平均39
  • ⑦ 施工計画・建設機械・工程管理80問/数値を含む問題 31%/問題文 平均40
  • ⑧ 品質管理・安全管理90問/数値を含む問題 59%/問題文 平均51

数値の比率が高い分野は、数字を単独で覚えるより 「どの制度の・何の基準か」とセットで整理すると定着しやすくなります。 比率が低い分野は、似た用語同士の違いを説明できる状態を目指すと得点が安定します。

数値を含む問題の比率が高い分野は、覚える対象がはっきりしている代わりに、取り違えるとそのまま失点につながります。合格率が動く年度差に対して自分の側で用意できる余裕は、こうした数値の取り違えを減らした分だけ増えます。

令和8年度は9月6日に終わっている。数字が出るのは10月8日

最後に現在地です。令和8年度の1級造園施工管理技術検定「第一次検定」は、令和8年9月6日(日)に実施済みです。ただし合格発表は令和8年10月8日(木)の予定で、本記事の時点では令和8年度の受検者数・合格者数・合格率はいずれも公表されていません。

一方、試験問題と正答肢は先に出ています。令和8年度は令和8年9月7日(月)13時から1年間公表されると受検の手引に書かれています。合格率が分かるより前に、その年度の問題そのものは確認できる形になっています。

10月8日に令和8年度の数字が出れば、令和4年度から5年度分が並ぶことになります。19歳以上への緩和から3年目にあたる年度なので、19〜24歳や在学者の合格者数がどう動いたかも、あわせて確認できる見込みです。

現時点で言えるのは、直近4年度の合格率が35.2%から52.1%のあいだにあったということまでです。受検を考えるなら、直近1年の率だけを取って見積もるより、この4年度の幅を前提に置いて準備量を決めるほうが、年度の当たり外れに振り回されずに済みます。

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