医療秘書技能検定試験は、一般社団法人 医療秘書教育全国協議会が6月と11月の年2回実施している検定です。級は1級・準1級・2級・3級の4段階で、受験資格の制限はなく「どなたでも受験できます」と案内されています。2級の試験時間帯は15時00分から17時00分で、2026年度は第76回が2026年6月27日(土)、第77回が2026年11月7日(土)に予定されています。
この検定の学習計画を立てるときに最初に押さえておきたいのは、1本の試験としてまとめて対策するのが難しい構造になっている点です。出題は領域Ⅰ(医療秘書実務、医療機関の組織・運営、医療関連法規)、領域Ⅱ(医学的基礎知識、医療関連知識)、領域Ⅲ(医療事務)の3領域に分かれ、それぞれに100点が配点されます。さらに合否の条件が合計点と領域ごとの得点率の二段構えになっており、当日の持ち込みルールまで領域によって違います。
そこで本記事は、この構造から学習の割り振りを逆算していきます。制度と数値は協議会の公式サイト(試験案内・審査基準・個人受験・団体受験・受験願書・書籍情報・よくあるお問い合わせの各ページ)、合格領域有効制度の案内、2級領域Ⅲの新様式サンプル、機関誌『医療秘書教育全協誌』のVol.24とVol.25によります。収録問題の内訳はケンテイラボの自社データです。
「合計180点以上」だけ見て組み立てると、1領域で落ちます
合格基準は全級共通です。領域Ⅰ・Ⅱ・Ⅲに各100点、合わせて300点満点が配点され、合計180点以上かつ各領域の正解が60%以上の場合に合格となります。他の受験者との比較で線が動く相対基準ではなく、この数字を満たすかどうかで決まる絶対基準です。
注意したいのは、合計180点が3領域平均でちょうど6割にあたるという点です。つまり合計の条件と領域ごとの条件が同じ6割の水準で並んでいるので、平均で届いていても内訳が偏っていると通りません。たとえば領域Ⅰが85点、領域Ⅱが85点、領域Ⅲが55点なら合計225点ですが、領域Ⅲが60点に届かないため合格にはなりません。得意な領域で稼いで苦手を埋める設計が効かない試験です。
領域ごとの実際の得点状況については、機関誌『医療秘書教育全協誌』Vol.24に第72回(2024年6月実施)2級の集計が載っています。領域別の平均得点は領域Ⅰが70.1点、領域Ⅱが76.6点、領域Ⅲが67.4点、合計214.1点で、3領域のうち領域Ⅲが最も低い数字でした。同じ号には2級の志願者788人・受験者759人・合格者523人・合格率68.9%という結果も報告されています。
ただしこれは第72回の数値です。協議会のサイトには回次別の合格率をまとめた一覧ページが見当たらず、機関誌で回ごとに報告されている形なので、第74回(2025年6月実施)以降の合格率と領域別平均は今回確認できませんでした。数字を参照するときは「直近」ではなく「第72回」の結果として扱うのが安全です。
- 合計180点は3領域平均で6割にあたるので、合計を満たしても1領域が59点なら不合格になる
- 第72回2級の領域別平均は領域Ⅲが最も低く、平均の合計214.1点との落差から見ても、足切りを踏みやすいのは領域Ⅲ側
- 領域Ⅲの明細書部分(問31〜38が各2点、問39〜46が各3点)は配点が公表されているが、設問1や領域Ⅰ・Ⅱの配点は確認できない
- 第74回以降の合格率・領域別平均は確認できていない。第72回2級の68.9%を最新の数字として扱わない
55分は持ち込み不可、続く60分は点数表を開いていい
2級は15時00分から17時00分という時間帯で実施されますが、その中身は2部構成です。機関誌Vol.24に掲載された第73回(2024年11月10日実施)2級の問題冊子の表紙には、問題①「医療秘書実務」から「医療関連知識」までが55分、問題②「医療事務」が60分と明記されています。前半が領域Ⅰと領域Ⅱ、後半が領域Ⅲにあたります。
そして持ち込みのルールが領域で分かれています。問題①では参考書等を持ち込めません。問題②に限って電卓・ノート・参考書等の持ち込みが自由で、診療報酬点数表は必携とされています。薬価は問題に添付または記載されるため持参の対象ではなく、電子機器の使用は認められていません。
さらに問題①と問題②は綴じ合わせになっており、問題①の時間中に問題②を開くと答案が全部無効になります。前半で行き詰まったから後半を先に見る、という進め方ができない構造です。
学習面での意味は明確です。同じ2時間の中で、何も見ずに答える試験と、資料を開いて組み立てる試験が切り替わります。領域Ⅰ・Ⅱは記憶から引き出す速さを鍛える対象で、領域Ⅲは点数表とノートのどこに何が書いてあるかを手が覚えている状態を作る対象です。同じ教材の読み方では両方に届かないので、最初から二本立てで計画を組むほうが素直です。
- 領域Ⅰ・Ⅱは「何も見ないで答えられる」まで仕上げる。参照して正解できる状態では本番の55分に対応できない
- 領域Ⅲで鍛えるのは暗記よりも索引力。どの規定が点数表のどのあたりにあるかの見当をつける練習に時間を割く
- 持ち込むノートは本番で引く前提の索引として作り、付箋や見出しの位置を普段の演習から固定しておく
- 電卓が使えるのは問題②だけ。電子機器は不可なので、スマートフォンの計算機で練習した状態のまま本番に行かない
収録577問がどの領域に寄っているか
ケンテイラボの医療秘書技能検定2級の問題集は、収録577問を8つの分野に分けています。次の表は、分野名・収録問題数・全体に占める構成比・その分野で扱っている内容の一覧です。自分の学習がどのあたりに偏っているかを確かめる材料として見てください。
収録問題8分野の内訳と比重
ケンテイラボでは医療秘書技能検定2級の収録問題を8の分野に分けて整理しています (学習しやすさを優先した本サイト独自の区分で、実施団体が公表している 出題区分そのものではありません)。収録している577問を分野別に集計すると、 最も問題数が多いのは「⑥ 循環器・脳神経・呼吸器・感覚器の疾患」の88問(全体の15.3%)、 最も少ないのは「④ 医療保険制度と保険給付」の57問(同9.9%)です。上位3分野だけで全体の41.5%を占めるため、 ここを先に固めるかどうかが得点の土台になります。
表を上から見ると、①から④までが領域Ⅰの範囲(医療秘書実務と、医療機関の組織・運営、医療関連法規、社会保障制度)に対応し、⑤から⑧までが領域Ⅱの範囲(解剖生理と臨床、検査・薬剤・医学用語)に対応しています。④の医療保険制度と保険給付は、領域Ⅰの社会保障制度でありながら領域Ⅲの前提知識にもなる位置にあります。
一方で、点数表を開いて診療報酬明細書を1枚仕上げる作業そのものは、この形式の一問一答では扱いきれません。収録577問のうち「診療報酬」に言及する問題は6問、「点数」に言及する問題は1問です。領域Ⅲの作成・点検の練習は、点数表と明細書の用紙を実際に使う演習で別に確保する必要があるということになります。
逆に言えば、収録問題は領域Ⅰ・Ⅱ側の知識をひと通り点検する用途に向いています。分野の偏りは次のような形で確認できます。
- 収録577問のうち「入院」に言及する問題は38問。分野別では①医療秘書実務・接遇と患者応対が14問、③医療機関の組織運営と医療法規が12問で、レセプト以外の文脈でも入院が出てくる
- 「傷病手当金」に言及する問題は10問で、うち9問が④医療保険制度と保険給付
- 「略語」に言及する問題は33問で、全問が⑧検査・画像診断・薬剤・医学英語
- 「時候」(時候の挨拶)に言及する問題は15問で、全問が②医療秘書実務・院内外文書とファイリング
- 「ホルモン」に言及する問題は26問で、⑤人体の解剖生理が20問、⑦消化器・代謝・感染症の疾患が6問
漢字もレセプトもマークシートになった2年で、練習の型が変わりました
この検定は、2024年から2025年にかけて解答形式が続けて変わりました。まず領域Ⅱの記述解答問題がマークシート解答形式に改定され、2級では「次のひらがなに当てはまる漢字を選び、その番号のマーク欄を塗りつぶしなさい」という選択式になりました。協議会が公開した改定の案内には、「手であっぱくする」に対して①圧白 ②圧迫 ③厚迫から選ばせる例が載っています。適用は2024年6月実施の第72回からです。
続いて2025年6月実施の第74回から、領域Ⅲの診療報酬請求明細書の記述解答(設問A〜J)もマークシート形式に改定されました。答案用紙はマークシート部分のみとなり、明細書部分の解答選択肢は問題冊子から分離した設問用紙として配られます。問題冊子の編集順も変わり、診療録と診療報酬明細書が表裏配置から左右ページ配置になりました。対象は2級と3級です。
この2つが重なった結果、領域Ⅲは明細書を書き上げる試験から、示された候補のどれが正しいかを見分ける試験に寄りました。機関誌Vol.25の研修会報告では、領域Ⅲのチーフ検定委員が、記述式廃止で試験時間に余裕が出るという予想があったものの実際には選択解答方式に慣れていないと時間がかかる結果が出ていると述べ、「明らかに間違っている解答選択肢をいち早く消していくことも大事」「医療現場における点検業務に通じる」と指摘しています。
学習の型もそこに合わせるのが自然です。領域Ⅲは、白紙から明細書を作る練習だけでなく、候補として並んだ点数や算定の組み合わせを見て、根拠が薄いものから外していく練習を入れておきます。領域Ⅱの漢字も、書けることより、似た字の中から正しいものを判別できることが問われる形に変わりました。なお第72回の領域Ⅱ平均得点76.6点は過去4回で最高で、機関誌では検定委員長が漢字問題が選択式になったことを要因として推測しています。
- 2級の領域Ⅱは、設問1(文章の空欄補充・解剖生理と症状・診断・検査・治療)、設問2(各文章の正誤判定)、設問3(医学用語・医学英語)、設問4(一般的な略語)、設問5(傷病・症状・検査・診断)の5設問構成
- 2級領域Ⅲの新様式は、設問1が診療報酬算定の正誤判定10問、設問2が診療録から診療報酬明細書を完成させ解答番号を選ぶ問11〜問46の36問で、計46問
- 新様式の設問1には「①または②のみにマークする機械的な回答は、該当する全ての設問を0点とする」という規定があるため、正誤判定を勘で埋める戦法は成り立たない
- 教材を選ぶときは記述式時代の版かどうかを確認する。つちや書店の2級問題集2冊は「記述式からマークシートへ。新形式に慣れるための問題集」として案内されている
2級のレセプトに入院が入る、という段差
3級から2級へ上がるときに何が増えるのかは、協議会の審査基準にはっきり書かれています。領域Ⅲのレセプト作成レベルは、3級が「平均的な外来診療(在宅医療含む)例」、2級が「軽度な入院事例」、準1級が「やや重度な入院事例」、1級が「作成済みレセプトの事務点検による不備の発見・指摘」と「複雑な内容のレセプト作成」です。級を分けているのは入院事例の重さだと読めます。
2級全体の程度も「医療秘書として、それぞれの領域について一般的な知識と技能をもち、やや複雑な業務を遂行することができる」と示されています。加えて2級の領域Ⅲには、診断群分類別包括支払制度と「厚生労働大臣が別に定める施設基準」の基本的な知識が含まれます(準1級では深い知識、1級では届出書類の作成まで)。
学習上は、外来の算定手順をそのまま延長すれば入院に届く、とは考えないほうがよいところです。入院になると入院料や食事療養の扱い、施設基準にひもづく加算が入り、包括で払う部分と出来高で払う部分の区別も必要になります。外来の練習を積むのとは別に、入院事例を1件、最後の欄まで仕上げきる演習を確保しておく形が計画として組みやすくなります。
領域Ⅱも級で読む範囲が変わります。機関誌Vol.25の研修会報告では、指導の中心となる巻が級ごとに示されており、3級の教材をそのまま持ち上がると範囲がずれることが分かります。
- 領域Ⅱの2級は建帛社『新 医療秘書医学シリーズ 3 改訂 臨床医学Ⅰ−内科』『同 4 改訂 臨床医学Ⅱ−外科』が中心とされ、3級は『同 2 改訂 基礎医学』が中心とされている
- あわせて『同 7 三訂 医療用語』の「薬に関する用語」「診療科ごとの症状・検査・疾患用語」を押さえるべきとされている
- 2級の領域Ⅱの審査基準には「患者の心理状況を把握し、それに応じた対処ができる」「診療録・看護録から、ごく平易な(主訴など)必要事項を抽出できる」「簡単な医学英語、看護用語の理解」が含まれる
- 3級の領域Ⅱでは医学用語の出題が「書き方」から「読み方」のみに変わっており、用語の扱いも級で同じではない
出題元が指定テキストだと明言されている検定です
独学で臨むときに助かるのは、協議会が検定指定テキストを検定の出題元として書籍情報ページに明記していることです。該当するのは建帛社の『新 医療秘書実務シリーズ』全6巻と『新 医療秘書医学シリーズ』全7巻で、何を読めばよいかを探す工程がほとんど発生しません。
ただし合わせて13巻あるので、全部を通読する前提で計画を立てると初期の負荷が大きくなります。領域Ⅱについては級ごとに中心となる巻が示されているので、そこから入って、周辺の巻は必要になった箇所を引く使い方のほうが現実的です。
- 『新 医療秘書実務シリーズ』は1 三訂医療秘書/2 改訂病院のマネジメント/3 三訂医療情報管理/4 三訂医療関連法規/5 社会福祉関連法規/6 DPCの実際の6巻
- 『新 医療秘書医学シリーズ』は1 改訂医療概論/2 改訂基礎医学/3 改訂臨床医学Ⅰ−内科/4 改訂臨床医学Ⅱ−外科/5 改訂検査・薬理学/6 患者・看護論/7 三訂医療用語の7巻
- 2級の市販問題集はつちや書店から『医療秘書検定問題集2級 (1) 医療秘書実務〜医療関連知識』『医療秘書検定問題集2級 (2) 医療事務』の2冊が出ている
- 1級・準1級には市販問題集がなく、協議会事務局が直近過去5回分までの過去問題(模範解答付き・解説なし)を販売している。過去問題料は1部110円切手3枚
1領域だけ届かなかったときに使える制度があります
領域別に6割の条件があるということは、3領域のうち1つだけ届かずに不合格になる形があり得ます。これに対して、協議会は2024年12月18日から「合格領域有効制度」の運用を始めました。全領域合格でなくても、最初の受験で合格した領域は2年間有効となり、有効期間内の再受験で残りの領域に合格した場合、合否通知書を添えて申請すると合格証が交付される制度です。
気をつけたいのは、2回目以降の受験でも全領域を受験しなければならないという点です。不合格だった領域だけを受け直すことはできません。つまり制度があるからといって、合格済みの領域の学習を完全に止めてよいわけではなく、当日の受験そのものは3領域分あるという前提で臨むことになります。
手続きの面も計画に関わります。申請できるのは本人のみで、申請期間は合否通知が到着した月の翌月末までです。合否通知は試験日の約40日後に通知され、合格証の発行までは通常2か月から3か月かかります。合否通知書の原本は申請に必要なので保管しておき、紛失していた場合は別途2,000円の手数料がかかります。電話・メールでの合否照会は受け付けていません。制度の細部は協議会の案内で最新のものを確認してください。
- 合格領域の有効期間は2年間。年2回(6月・11月)実施なので、有効期間内に複数回の受験機会がある
- 再受験では全領域を受験する。不合格領域だけの再受験はできない
- 申請は本人のみで、期間は合否通知到着月の翌月末まで。合格証の発行までは通常2〜3か月
- 受験票は試験日の約2週間前に送付され、合否通知は試験日の約40日後に届く
領域Ⅲは点数改定に張り付いているので、教材の版を先に確認します
領域Ⅲは診療報酬そのものを扱うため、点数が改定されると答えも変わります。実際に第73回2級の問題冊子には「2024年10月1日現在で施行されている法令・通知により算定すること」という基準日が示されていました。回ごとに基準日が問題冊子で明示される仕組みなので、自分が受ける回の基準日は当日の冊子で確認することになります(2026年度の基準日の告知は今回見つけられませんでした)。
2026年度は診療報酬改定の年にあたり、協議会の検定案内にも新点数の表示があります。協議会の過去問題集も「2026年診療報酬点数改定版」として、模範解答が改定後の点数に修正された形で販売されています。古い問題集をそのまま使うと、模範解答の点数が現在と合わない箇所が出てきます。
とはいえ、古い教材の価値がなくなるわけではありません。明細書のどの欄を何から埋めるかという手順そのものは改定で変わらないので、手順の練習には引き続き使えます。変わるのは点数の値であり、その値は本番で持ち込む点数表の側から引くものです。手順は繰り返しで身につけ、数字は必ず改定後の点数表で確かめる、という分け方にしておくと教材の入れ替えに振り回されません。
- 領域Ⅲの点数・薬価は、診療報酬改定年には改定後のものが使われる
- 診療報酬点数表は必携。薬価は問題に添付または記載されるので暗記の対象ではない
- 明細書を埋める手順は改定の影響を受けないため、古い教材でも手順の反復には使える
- 模範解答の点数は改定に対応した版で確認する
個人で受けられる会場が13校しかないので、場所から先に決まります
受験資格の制限はありませんが、受験できる場所には制限があります。この検定は会員校を通じた団体受験が主体で、個人受験の一般会場は会員校の一部だけです。協議会も「協議会の会員校が全て一般の受験者を受け入れるわけではありません」と明記しています。第77回の一般会場一覧に載っているのは13校で、北海道・東北が2校、関東が5校、甲信越・東海・北陸が2校、近畿が2校、中国・四国・九州が2校です。県によっては受験できる会場がありません。定員については、協議会が公開している一般会場一覧に欄がなく、公表を確認できませんでした。
つまり、教材を選ぶより先に「そもそもどこで受けられるか」を確認しておく必要がある検定です。申込期間も決まっていて、2026年度は第76回が4月27日から5月27日まで、第77回が9月7日から10月7日までの受付です。個人受験の申込方法は郵送の願書提出からホームページのフォーム入力に変更されています。
費用の面も先に見ておくと計画が組みやすくなります。個人受験の受験料(税込)は2級6,000円で、会員校経由の団体受験は5,000円です。日本医療秘書学会員は個人受験で1,500円引きの4,500円になります。併願できるのは時間割が連続する隣接級のみで、「1級・準1級」「準1級・2級」「2級・3級」の3通りです。2級・3級の併願は11,000円で、3級が12時30分から14時30分、2級が15時00分から17時00分という並びになります。
- 受験資格は問われないが、個人受験の一般会場は第77回で13校しかなく、受験できない県がある
- 2026年度の願書受付は第76回が4月27日〜5月27日、第77回が9月7日〜10月7日
- 受験料の支払いは指定口座への振込で、振込依頼人名は出願者本人名義が必要
- 合格証は合格者に無料で発行され合否通知とともに送付される。合格後の更新や登録に関する案内は今回確認できなかった
2級の先に医師事務作業補助技能認定を置くかどうか
最後に、2級をどこに位置づけるかという話をしておきます。協議会は「医師事務作業補助技能認定」を設けており、その認定基準は医療秘書技能検定準1級以上・医事コンピュータ技能検定2級以上・電子カルテ実技検定合格の3つすべてを満たすことです(認定料2,000円)。2級ではこの要件には届きません。
2級を到達点と考えるのか、準1級への通過点と考えるのかで、領域Ⅲにかける時間の判断が変わります。準1級の領域Ⅲはやや重度な入院事例で、包括支払制度についても深い知識が求められます。この先に進む想定があるなら、2級の段階で入院事例の手順を曖昧にしないほうが後の負担が軽くなります。制度上は「準1級・2級」の併願(13,000円)という選択肢もあります。
なお協議会は、医療事務を「患者受付・医療費の計算・保険請求事務が主なもの」、医療秘書を「医療事務を含めて病棟クラーク、院長秘書、部長秘書、医局秘書等の業務」と区別して説明しています。領域Ⅰに接遇や院内外文書、席次のような秘書業務の知識が入っているのは、この位置づけの反映です。レセプトだけの試験だと思って領域Ⅰを後回しにすると、6割の条件に引っかかりやすくなります。
ここまでの内容は制度と公表資料の範囲での整理です。診療報酬の算定や医学的な内容の解釈は実務・臨床の判断が関わる部分なので、最終的な確認は協議会の案内と指定テキスト、および最新の点数表で行ってください。ケンテイラボの収録577問は、領域Ⅰ・Ⅱ側の知識をどこまで思い出せるかを確かめる用途に使えます。