天文宇宙検定2級 ⑨ 宇宙進出と宇宙工学

人類が宇宙へ進出するための技術、とくにロケット工学を扱う分野です。化学ロケット(固体・液体)の仕組みと長所短所、多段式ロケット、推力を左右する噴出速度と質量流量、性能を表す比推力が中心テーマです。はやぶさのイオンエンジンに代表される電気推進、ソーラーセイル(IKAROS)、理論段階の反物質ロケットなど非化学推進も問われます。火星探査で設定されるローンチウィンドウなど運用面の用語も出題されます。推進方式ごとの原理と長所短所を対比して整理するのが攻略の鍵です。

この分野の問題32問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

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268現在、宇宙開発で最も一般的な、化学系推進剤を利用したロケットエンジンにより推進力を得るロケットを何と呼ぶか。

  1. A核動力ロケット
  2. B電気ロケット
  3. C物理ロケット
  4. D化学ロケット
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正解:D化学ロケット

化学系推進剤を利用したロケットエンジンにより推進力を得るものを化学ロケットと呼ぶ。

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269多段式ロケットの段数として一般的なのは何段か。

  1. A4〜5段
  2. B3〜4段
  3. C1〜2段
  4. D2〜3段
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正解:D2〜3段

段数が増えるとシステムが複雑化するため、2〜3段式が多い。

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270ロケットの推進剤の性能を表す単位は何というか。

  1. A加速力
  2. B噴出速度
  3. C推力
  4. D比推力
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正解:D比推力

ロケットの推進剤の性能を表す値として比推力が用いられる。

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271固体ロケットの短所として、誤っているものはどれか。

  1. A部品点数が非常に多い
  2. B比推力が小さい
  3. C推力方向の制御が難しい
  4. D燃焼中断ができない
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正解:A部品点数が非常に多い

固体ロケットは部品点数が少なく構造が簡単なことが長所の一つである。

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272ロケットの推力は、噴出速度と何の積に比例するか。

  1. A燃料の温度
  2. B酸化剤の密度
  3. C単位時間あたりに噴射する質量(質量流量)
  4. Dエンジンの排気圧
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正解:C単位時間あたりに噴射する質量(質量流量)

推力は単位時間あたりに噴射するガスの質量(質量流量)と噴出速度の積に比例する。

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273液体ロケットの比推力を大きくするうえで有利になるのは、排気の平均分子量がどうなる場合か。

  1. A小さくなる場合
  2. Bゼロになる場合
  3. C大きくなる場合
  4. D変化しない場合
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正解:A小さくなる場合

排気の平均分子量が小さいほど噴出速度が速くなり比推力が大きくなるため、水素を多く含む推進剤が有利になる。

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274打ち上げのチャンスが年に1度程度しかない火星探査のような場合に設定される、打ち上げ可能時間帯のことを何というか。

  1. A打ち上げの扉
  2. B打ち上げの機会
  3. C打ち上げの窓
  4. D打ち上げの期間
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正解:C打ち上げの窓

諸条件から設定された打ち上げ可能時間帯のことを打ち上げの窓と呼ぶ。

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275小惑星探査機「はやぶさ」が搭載しており、電気推進の一種で燃費に優れているエンジンの名称は何か。

  1. Aプラズマエンジン
  2. Bイオンエンジン
  3. Cラムエンジン
  4. D化学エンジン
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正解:Bイオンエンジン

小惑星探査機「はやぶさ」は、電気推進の一種であるイオンエンジンを搭載していた。

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276気体温度を上げるとプラスとマイナスの粒子に分かれるが、この状態を何というか。

  1. Aプラズマ
  2. B光子
  3. C電子
  4. Dイオン
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正解:Aプラズマ

気体の原子がプラス電気とマイナス電気の粒子に分かれている状態をプラズマと呼ぶ。

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277光子の反射を利用して推進する非化学ロケットの一種を何というか。

  1. Aプラズマロケット
  2. Bソーラーセイル
  3. Cイオンロケット
  4. Dラムロケット
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正解:Bソーラーセイル

光子の反射による光圧を利用して推進する非化学ロケットをソーラーセイルと呼ぶ。

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278日本が史上初めてソーラーセイルの実証試験に成功した機体の名称はどれか。

  1. ASLIM
  2. Bはやぶさ
  3. CIKAROS
  4. DMMX
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正解:CIKAROS

日本はIKAROSにより世界で初めてソーラーセイルの実証試験に成功した。

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279理論的には実現可能だが、技術課題が多く極めて難しいとされる、物質と反物質を反応させて推進するロケットはどれか。

  1. A光子ロケット
  2. Bラムロケット
  3. Cレーザーロケット
  4. D原子力ロケット
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正解:A光子ロケット

物質と反物質を反応させ、光に変えて推進する光子ロケットは、技術的難易度が非常に高い。

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280ロケットを打ち出す際に考慮する、赤道上での自転速度は東向きに毎秒何kmか。

  1. A0.86km
  2. B0.46km
  3. C0.66km
  4. D0.26km
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正解:B0.46km

赤道上での自転速度は毎秒約0.46kmである。

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281地球の引力圏を脱出する速度を何宇宙速度というか。

  1. A第一宇宙速度
  2. B第三宇宙速度
  3. C第二宇宙速度
  4. D第四宇宙速度
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正解:C第二宇宙速度

地球の引力圏を脱出する速度を第二宇宙速度と呼ぶ。

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282人工衛星になるために必要な速度を何宇宙速度というか。

  1. A第三宇宙速度
  2. B第二宇宙速度
  3. C第一宇宙速度
  4. D第四宇宙速度
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正解:C第一宇宙速度

人工衛星になるために地球周回軌道に乗る速度を第一宇宙速度と呼ぶ。

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283太陽系から脱出する速度を何宇宙速度というか。

  1. A第二宇宙速度
  2. B第四宇宙速度
  3. C第一宇宙速度
  4. D第三宇宙速度
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正解:D第三宇宙速度

太陽の重力を振り切り太陽系から脱出する速度を第三宇宙速度と呼ぶ。

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284地球の自転周期と合わせ、赤道上空約3万5786kmを周回する軌道を何というか。

  1. A同期軌道
  2. B静止軌道
  3. C太陽同期軌道
  4. D準天頂軌道
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正解:B静止軌道

赤道上空で地球の自転と同期して止まって見える軌道を静止軌道と呼ぶ。

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2853機の衛星を軌道面120度で配置することで、日本へ24時間連続サービスを可能にする軌道を何というか。

  1. A太陽同期軌道
  2. B準天頂軌道
  3. C静止軌道
  4. D同期軌道
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正解:B準天頂軌道

準天頂軌道は、3機の衛星を配置することで日本などへ連続的なサービスが可能となる。

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286宇宙飛行士が宇宙酔いを起こす原因となるのは、身体のどの部分への影響か。

  1. A筋肉
  2. B前庭器官
  3. C心臓
  4. D骨格
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正解:B前庭器官

無重力環境下で内耳にある前庭器官への影響により宇宙酔いが発生する。

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287有人宇宙活動において、特にリスクが高いとされる宇宙環境はどれか。

  1. A宇宙放射線
  2. B温度変化
  3. C無重力
  4. D真空
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正解:A宇宙放射線

有人宇宙活動において、宇宙放射線の影響は特にリスクが高く、防御が重要な課題である。

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288宇宙滞在中に筋肉や骨が衰えることへの対応策としてISSで重要とされていることは何か。

  1. A適度な運動
  2. B精神的な休息
  3. C栄養摂取
  4. D投薬治療
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正解:A適度な運動

無重力による筋肉の萎縮や骨量の減少を防ぐため、しっかり運動することが重要である。

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289ISS滞在中の宇宙飛行士が1日に被曝する宇宙放射線量は、地上でのおよそどのくらいの期間分に相当するか。

  1. A3ヶ月分
  2. B1週間分
  3. C半年分
  4. D1ヶ月分
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正解:C半年分

ISS滞在中の1日あたりの放射線量は、地上での約半年分に相当するとされる。

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290タンパク質立体構造情報に基づき、短期間・低コストで創薬を行う方法を何というか。

  1. ANASA
  2. BMMX
  3. CISS
  4. DSBDD
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正解:DSBDD

SBDDはタンパク質立体構造情報に基づく薬剤設計の手法である。

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291静止トランスファ軌道(GTO)について、正しい説明はどれか。

  1. A静止軌道へ直接投入するための軌道である
  2. B軌道傾斜角を0度にする必要は全くない
  3. C静止軌道に投入するときに一時的に使われる軌道である
  4. D軌道変換のリスクを避けるため一回で静止軌道へ変える
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正解:C静止軌道に投入するときに一時的に使われる軌道である

静止トランスファ軌道は、静止軌道に投入する際に一時的に使用される軌道である。

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292宇宙飛行士の被曝を軽減するために超高分子量ポリエチレンが使われている設備を何というか。

  1. Aゲートウェイ
  2. Bクルークォータ
  3. CISS
  4. Dミール
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正解:Bクルークォータ

クルークォータは宇宙飛行士の放射線被曝を軽減するための設備である。

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293現在、ISSでの長期滞在に当面6ヶ月という制約がある主な理由は何か。

  1. A筋肉の低下を止めるため
  2. B累積被曝による細胞のがん化を回避するため
  3. C精神的なストレスを避けるため
  4. D宇宙酔いを完全に克服するため
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正解:B累積被曝による細胞のがん化を回避するため

累積被曝による細胞のがん化を回避するため、6ヶ月の制約がある。

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294人工衛星が軌道を周回する時間(周期)は、軌道の何に関係するか。

  1. A高度
  2. B傾斜角
  3. C質量
  4. D重力
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正解:A高度

人工衛星の周期は、軌道の高度によって異なる。

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295地球の自転を考慮したとき、同じ地域の上空を数日後に再び通過する軌道を何というか。

  1. A静止軌道
  2. B太陽同期軌道
  3. C極軌道
  4. D同期準回帰軌道
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正解:D同期準回帰軌道

同期準回帰軌道は、数日後に同じ地域の上空を通過する特性を持つ。

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296太陽と地球の相対関係を常に一定に保つ軌道で、地球表面からの放射エネルギーの正確な観測に適しているのはどれか。

  1. A同期軌道
  2. B天頂軌道
  3. C太陽同期軌道
  4. D静止軌道
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正解:C太陽同期軌道

太陽同期軌道は、太陽との位置関係が一定になるため地球の観測に適している。

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297ISSの長期滞在で骨量が減少する主な理由はどれか。

  1. A放射線の影響で骨が溶けるため
  2. B宇宙食にカルシウムが不足しているため
  3. C真空状態でカルシウムが体外に排出されるため
  4. D重力による負荷が減り、骨を作る活動が低下するため
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正解:D重力による負荷が減り、骨を作る活動が低下するため

重力や運動による負荷が減り、骨を作る活動が低下することが原因である。

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298人工衛星などが地球の周りを回る道筋を何というか。

  1. A軌道
  2. B周回線
  3. C航路
  4. D飛行線
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正解:A軌道

人工衛星が地球の周りを回る道筋を軌道と呼ぶ。

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299推進剤を機体に積まず、外部から照射されたレーザーのエネルギーで推進する方式はどれか。

  1. Aラムロケット
  2. Bイオンロケット
  3. C光子ロケット
  4. Dレーザーロケット
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正解:Dレーザーロケット

レーザーロケットは地上などから照射されたレーザーで推進剤を加熱・噴射する方式で、機体に大量の燃料を積まずに済む利点がある。

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