チーズプロフェッショナル ① チーズの歴史と原料「乳」

チーズの起源と各時代・各地域への伝播の歴史、そして原料となる「乳」の基礎知識を学ぶ分野です。牛・羊・山羊・水牛など乳を出す動物の違い、乳の成分(タンパク質・脂肪・乳糖)やカゼインの役割が頻出です。チーズがどのように人類の食文化に組み込まれてきたかという歴史的背景も問われます。原料乳の特徴がチーズの個性に直結する点を意識して整理すると、後の製造・各国チーズの理解がスムーズになります。

この分野の問題38問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

クイズモードで挑戦 →

1メソポタミアの「肥沃なる三日月地帯」における農耕と動物の家畜化は、およそ何年頃に始まったとされるか。

  1. AB.C. 1000-500年頃
  2. BB.C. 5000-4500年頃
  3. CB.C. 3000-2500年頃
  4. DB.C. 9000-8500年頃
正解と解説を見る

正解:DB.C. 9000-8500年頃

メソポタミアでの農耕と家畜化はB.C.9000-8500年頃とされている。

この問題の解説ページを開く →

2「授乳中の別の母獣から人が搾乳し、親を失った仔に与える」という説は、何が始まった経緯として最も有力か。

  1. A牧草栽培
  2. B搾乳
  3. C遠心分離
  4. D低温殺菌
正解と解説を見る

正解:B搾乳

家畜の親子関係に人が介入したことで搾乳が始まったとする説が有力である。

この問題の解説ページを開く →

3乳に含まれるたんぱく質や脂肪を酸や酵素で凝固させ固体化したものを何と呼ぶか。

  1. A初乳
  2. Bホエイ
  3. Cカード
  4. Dスターター
正解と解説を見る

正解:Cカード

凝固した乳を「カード」と呼び、これがチーズ造りの原点である。

この問題の解説ページを開く →

4インドで広く行われている、レモン汁などの酸性の強いものを添加して乳を凝固させる製法で造られる代表的なチーズはどれか。

  1. Aダヒ
  2. Bパニール
  3. Cチェルピー
  4. Dダツィ
正解と解説を見る

正解:Bパニール

パニールは、加熱した乳にレモン汁やクエン酸などを加えて酸凝固させ、ホエイを除いて造るインドの代表的なフレッシュチーズである。ダヒは発酵乳であり、この設問の酸凝固チーズ名としては適切でない。

この問題の解説ページを開く →

5現在広く採用されているレンネットによる乳凝固の起源として、当時の牧者がよく知っていたとされるのは動物のどの部位か。

  1. A心臓
  2. B肝臓
  3. C胃袋
  4. D腸管
正解と解説を見る

正解:C胃袋

授乳期の仔獣の胃袋に凝固した乳があることを当時の牧者は知っていたという説がある。

この問題の解説ページを開く →

6紀元1世紀の作家コルメラの『農事論』の中で、植物性のレンネットとして言及されていないものはどれか。

  1. Aアザミの花
  2. Bオリーブの葉
  3. Cいちじくの樹液
  4. Dベニバナの雌しべ
正解と解説を見る

正解:Bオリーブの葉

コルメラはアザミ、ベニバナ、いちじくの樹液をレンネットの代用として言及している。

この問題の解説ページを開く →

7イタリア語の「フォルマ(forma)」を語源とし、「モールド」を表す言葉に由来するチーズの名称はどれか。

  1. Aフロマージュ
  2. Bケーゼ
  3. Cカース
  4. Dケソ
正解と解説を見る

正解:Aフロマージュ

フランス語のフロマージュ(fromage)はラテン語のフォルマに由来する。

この問題の解説ページを開く →

8ゲルマン系言語であるドイツ語の「ケーゼ(kase)」や英語の「チーズ(cheese)」の語源となったラテン語はどれか。

  1. AForma
  2. BCaseus
  3. CCurd
  4. DLac
正解と解説を見る

正解:BCaseus

ゲルマン系はラテン語のカセウス(caseus)を語源としている。

この問題の解説ページを開く →

9古代において、地中海ルートで伝えられたチーズ文化がイタリア半島で融合した先住民はどれか。

  1. Aスキタイ人
  2. Bエトルリア人
  3. Cヒッタイト人
  4. Dケルト人
正解と解説を見る

正解:Bエトルリア人

地中海ルートはイタリア半島の先住民エトルリア人の文明と融合した。

この問題の解説ページを開く →

10寒い地方でバターの文化が残りやすい理由は、気温が低いと乳を静置した際に何が浮上しやすくなるからか。

  1. A乳糖
  2. Bカゼイン
  3. Cクリーム
  4. Dホエイ
正解と解説を見る

正解:Cクリーム

気温が低いと上層にクリームが浮上しやすく、バター作りが容易になる。

この問題の解説ページを開く →

11アジアのアーリア系民族がインド亜大陸に侵入して伝えた乳文化で、動物由来のレンネットを全く使用しない主な理由はどれか。

  1. A保存を重視したから
  2. B気温が高いから
  3. C道具がないから
  4. D牛信仰の影響
正解と解説を見る

正解:D牛信仰の影響

インドではヒンドゥー教的な牛信仰の影響でレンネットを使用しない技術が定着した。

この問題の解説ページを開く →

12日本の奈良・平安時代に造られていた古代チーズ「醍醐」の伝播経路は、主にどのルートに基づくと考えられるか。

  1. Aシルクロード
  2. B海上貿易ルート
  3. Cローマ経由ルート
  4. Dアフリカ北岸ルート
正解と解説を見る

正解:Aシルクロード

中央アジアを経由するシルクロードから古代中国を通って日本に伝わったとされる。

この問題の解説ページを開く →

13チーズの原産地を保護する試みとして、15世紀にフランス国王シャルル6世から特許状を与えられた地域はどこか。

  1. Aオーヴェルニュ
  2. Bロックフォール
  3. Cパルマ
  4. Dボルドー
正解と解説を見る

正解:Bロックフォール

15世紀のロックフォール・シュール・スールゾン住民への特許状が原産地保護の始まりとされる。

この問題の解説ページを開く →

141877年に遠心分離機を発明し、乳から短時間で効率的に脂肪分を分離する技術を確立した人物は誰か。

  1. Aジョセフ・リスター
  2. Bルイ・パスツール
  3. Cクリスチャン・ハンセン
  4. Dカール・グスタフ・パトリック・ド・ラヴェル
正解と解説を見る

正解:Dカール・グスタフ・パトリック・ド・ラヴェル

スウェーデンのラヴェルが遠心分離機を発明し、バター生産やチーズ原料乳の調整を効率化した。

この問題の解説ページを開く →

15アメリカでプロセスチーズを発売した人物は誰か。

  1. Aハンセン
  2. Bワット
  3. Cリンデ
  4. Dクラフト
正解と解説を見る

正解:Dクラフト

スイス人が発明し、アメリカのチーズ商であったクラフトがシカゴで発売した。

この問題の解説ページを開く →

161866年にワインの腐敗を防止するために低温殺菌法を提案した人物は誰か。

  1. Aルイ・パスツール
  2. Bカール・リンデ
  3. Cジョセフ・リスター
  4. Dカール・グスタフ
正解と解説を見る

正解:Aルイ・パスツール

パスツールがワインの腐敗防止のために提案した低温殺菌法は、後の牛乳殺菌にも応用された。

この問題の解説ページを開く →

17産業革命期に蒸気機関を発明し、製造を人手によるものから「工業」へと発展させるきっかけを作った人物は誰か。

  1. Aワット
  2. Bシャルル
  3. C綱吉
  4. Dロックフォール
正解と解説を見る

正解:Aワット

1769年のワットによる蒸気機関の発明が産業界に根本的な変化をもたらした。

この問題の解説ページを開く →

18真空ポンプを利用したミルカーが開発されたのは何世紀頃か。

  1. A19世紀後半
  2. B18世紀中頃
  3. C20世紀初頭
  4. D17世紀末
正解と解説を見る

正解:C20世紀初頭

20世紀初頭に真空ポンプを利用したミルカーが開発された。

この問題の解説ページを開く →

19牛(ホルスタイン種)の乳成分において、水分を除いた固形分はおよそ何パーセントか。

  1. A12%
  2. B4%
  3. C8%
  4. D5%
正解と解説を見る

正解:A12%

水分が約88%であり、固形分は約12%を占める。

この問題の解説ページを開く →

20牛乳のたんぱく質において、全体の約80%を占める主要な成分はどれか。

  1. Aホエイプロテイン
  2. Bカゼイン
  3. C乳糖
  4. Dアルブミン
正解と解説を見る

正解:Bカゼイン

チーズ造りの主役となるカゼインがたんぱく質の約80%を占める。

この問題の解説ページを開く →

21カゼインミセルの表面に存在し、ミセル同士が互いに反発し合うことで沈殿せずに分散している成分はどれか。

  1. Aビタミン
  2. B乳糖
  3. Cカルシウム
  4. Dκ-カゼイン
正解と解説を見る

正解:Dκ-カゼイン

ミセルの表面には親水性のκ-カゼインが存在し、電気的に反発し合っている。

この問題の解説ページを開く →

22乳に含まれる糖質である乳糖について、最も適切な説明はどれか。

  1. A固形分として沈殿しやすい
  2. B脂肪球の中に含まれる
  3. C水分の中に溶けている
  4. Dカゼインと結合している
正解と解説を見る

正解:C水分の中に溶けている

乳糖は水に溶けており、乳の中だけに存在する。

この問題の解説ページを開く →

23チーズ造りにおいて、カゼインが固まる過程やチーズの物性に重要な役割を果たすミネラルはどれか。

  1. Aカルシウム
  2. B鉄分
  3. Cカリウム
  4. Dナトリウム
正解と解説を見る

正解:Aカルシウム

カルシウムはカゼインの凝固過程やチーズの物性に重要な役割を果たす。

この問題の解説ページを開く →

24乳を静置した際に、比重が小さいために表面に浮き上がり、クリームとなる成分はどれか。

  1. A脂肪球
  2. Bカゼイン
  3. C乳糖
  4. Dホエイプロテイン
正解と解説を見る

正解:A脂肪球

乳脂肪球は水より比重が軽いため、静置すると表面に浮き上がりクリームとなる。

この問題の解説ページを開く →

25牛乳に強い圧力をかけて脂肪球を細かくし、脂肪の浮上を防止する機械はどれか。

  1. A遠心分離機
  2. Bホモジナイザー
  3. C真空包装機
  4. Dミルキングパーラー
正解と解説を見る

正解:Bホモジナイザー

ホモジナイザーを通すと脂肪球が均質化され、浮上がなくなる。

この問題の解説ページを開く →

26出産直後の乳である「初乳」について、法律上、産後何日間は出荷が禁止されているか。

  1. A7日間
  2. B3日間
  3. C5日間
  4. D10日間
正解と解説を見る

正解:C5日間

乳等命令により、出産後5日間の初乳は出荷できない。

この問題の解説ページを開く →

27乳牛の泌乳量は、出産後およそ何日でピークに達するか。

  1. A100-110日
  2. B10-20日
  3. C50-60日
  4. D200-220日
正解と解説を見る

正解:C50-60日

泌乳量は出産後50-60日に最も多くなる。

この問題の解説ページを開く →

28山羊や羊、水牛の乳製品が白色になる理由は、これらが体内でカロテンを何に変換するからか。

  1. AビタミンD
  2. BビタミンB
  3. CビタミンC
  4. DビタミンA
正解と解説を見る

正解:DビタミンA

これらはカロテンを無色のビタミンAに変換するため、製品が黄色くならない。

この問題の解説ページを開く →

29世界的に飼育数が最も多い、乳量に優れる乳牛の品種はどれか。

  1. Aホルスタイン種
  2. Bジャージー種
  3. Cブラウンスイス種
  4. Dガーンジー種
正解と解説を見る

正解:Aホルスタイン種

ホルスタイン種は乳量が多く、世界的に最も多く飼育されている。

この問題の解説ページを開く →

30乳牛の品種のうち、乳脂肪分などの成分が濃く、質の高い乳を出すことで知られる品種はどれか。

  1. Aラロース種
  2. Bホルスタイン種
  3. Cザーネン種
  4. Dジャージー種
正解と解説を見る

正解:Dジャージー種

ジャージー種はホルスタイン種に比べて乳成分が濃厚である。

この問題の解説ページを開く →

31主に酸乳主体のチーズが多く造られている、代表的な乳用種の家畜はどれか。

  1. A
  2. B山羊
  3. C水牛
  4. Dヤク
正解と解説を見る

正解:B山羊

山羊は代表的な乳用種であり、フランスでは山羊乳製の酸凝固チーズが多い。

この問題の解説ページを開く →

32「めん羊乳」として利用され、固形分が多く独特の風味を持つチーズが多く造られる家畜はどれか。

  1. A水牛
  2. B山羊
  3. C
  4. D
正解と解説を見る

正解:C

羊乳は固形分が多く、チーズ造りに適している。

この問題の解説ページを開く →

33イタリアのモッツァレラなどのチーズの原料として知られる家畜はどれか。

  1. A水牛
  2. B
  3. C山羊
  4. D
正解と解説を見る

正解:A水牛

南イタリアでは水牛乳によるモッツァレラが有名である。

この問題の解説ページを開く →

34反芻動物の第1胃(ルーメン)に生息し、繊維質の分解を助けるものはどれか。

  1. A脂肪球
  2. B酵素
  3. C微生物
  4. Dカゼイン
正解と解説を見る

正解:C微生物

ルーメン内の微生物が草を分解し、エネルギーに変換している。

この問題の解説ページを開く →

35夏季にアルプスの高地で放牧された牛の乳で造られるチーズを何と呼ぶか。

  1. Aチェダー
  2. Bロックフォール
  3. Cゴーダ
  4. Dアルパージュ
正解と解説を見る

正解:Dアルパージュ

移牧によって造られるチーズをアルパージュと呼ぶ。

この問題の解説ページを開く →

36チーズ造りにおいて、乳酸菌の餌となり、最終的に乳酸となってチーズの風味や物性を決定する成分はどれか。

  1. Aたんぱく質
  2. B乳糖
  3. Cミネラル
  4. D脂肪分
正解と解説を見る

正解:B乳糖

乳糖は乳酸菌の餌となり、乳酸を生成してチーズの性質を左右する。

この問題の解説ページを開く →

37乳成分に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. Aホエイプロテインはチーズの主要成分である
  2. B乳脂肪は風味形成の主役となる
  3. Cカゼインは乳糖と結合している
  4. D初乳は乳酸菌の発酵に最適である
正解と解説を見る

正解:B乳脂肪は風味形成の主役となる

乳脂肪は風味形成の主役となり、カゼインとともに重要である。

この問題の解説ページを開く →

38古代から現在までチーズ造りの技術として最も重要な作業とされる工程はどれか。

  1. A低温殺菌
  2. B搾乳
  3. C均質化
  4. Dホエイの分離
正解と解説を見る

正解:Dホエイの分離

チーズ造りにおいてカードとホエイの分離の加減が最も重要である。

この問題の解説ページを開く →
チーズプロフェッショナルの全分野一覧へ戻る