2026/09/07

201と202は別の試験と考える|LPIC-2の学習の組み方

選択式だけでなく綴りまで書かせる穴埋めが出るため、「見覚えがある」水準では点になりません。仮想マシンで手を動かす環境の作り方と、設定ファイルの定着のさせ方を軸に置きます。

執筆:ケンテイラボ編集部(資格試験対策アプリ開発・運営)

LPIC-2(LPICレベル2)は、Linux Professional Institute(LPI)が実施するLinux技術者認定の中級レベルです。最大の特徴は、これが「1つの試験」ではなく201-450と202-450という2科目に分かれている点にあります。両方に合格し、かつ有効なLPIC-1認定を保有していて初めてLPIC-2として認定されます。そして厄介なことに、2科目は難易度が同程度なだけで、扱うレイヤーがまったく違います。

201-450はカーネル・起動プロセス・ファイルシステム・RAID/LVMといった「サーバーそのものの土台」を扱い、202-450はDNS・Web・ファイル共有・メールといった「その上で動くサービス」を扱います。同じ勉強のやり方を2科目に当てはめると、どちらかで必ず息切れします。本記事では、この2科目制をどう分割して攻略するかを軸に、学習の組み立て方を解説します。

LPIC-2は「201」と「202」で性格がまったく違う

まず全体像を押さえます。LPIC-2の試験はCBT方式で、ピアソンVUEのテストセンターまたはOnVUEによるオンライン受験で実施されます。201-450・202-450とも1科目あたり60問、試験時間は90分です。出題は選択式に加えて、キーボードから直接文字列を入力する記述式(穴埋め)が混ざります。合否は200〜800点のスケールで判定され、500点以上が合格ラインです。

受験料はLPI公式の価格表(日本)で1科目18,000円、2科目合計で36,000円と案内されています。ただし消費税の内税・外税の別が公式には明記されておらず、国内向けの案内では税込1科目19,800円と表示されることも多いため、申し込み前に自分が申し込むルートの表示金額を必ず確認してください。なお、LPIC-2の合格率や受験者数はLPIが公表していないため、本記事では扱いません。

2科目の性格の違いを一言でまとめると、201-450は「1台のサーバーを深く掘る試験」、202-450は「複数のサーバーを横に並べる試験」です。201-450では、カーネルのバージョン体系やモジュールの扱い、systemdによる起動、ext4・XFS・Btrfsといったファイルシステムの保守、mdadmによるソフトウェアRAID、LVMの三層構造といった、1台のマシンの内部構造を追う知識が問われます。深さ方向の試験だと考えるとイメージしやすいはずです。

一方の202-450は、BIND、Apache、Squid、nginx、Samba、NFS、DHCP、OpenLDAP、Postfix、Dovecot、iptables、OpenSSH、OpenVPNと、独立したソフトウェアが次々に登場します。1つずつは深追いしないかわりに対象の数が多い、広さ方向の試験です。「LPIC-2の勉強をする」と一括りにすると、201で使えた深掘り型の学習法を202に持ち込み、範囲を消化しきれないまま試験日を迎えがちです。

LPIC-1からの跳躍点はどこにあるか

LPIC-1とLPIC-2のあいだには、はっきりした段差があります。LPIC-1は「コマンドを知っているか」を問う比重が高い試験でした。lsのオプション、パーミッションの意味、psやgrepの使い方、パッケージ管理といった、単体で答えが決まる知識が中心です。

LPIC-2ではこの前提が崩れます。跳躍点は大きく3つあります。1つ目は「コマンドから設定ファイルへ」の移動です。named.conf、httpd.conf、smb.conf、dhcpd.conf、main.cf、/etc/exports、/etc/fstab といったファイルの中身そのものが問われます。コマンド名を覚えていても、そのコマンドが読みに行くファイルの構造を知らなければ答えられません。

2つ目は「単体の知識から流れの理解へ」の移動です。起動プロセスは、ブートローダからカーネル、initramfs、systemdのターゲット、各ユニットの起動という一連のつながりで問われ、どこかが欠けていると復旧の設問に答えられません。認証も同様で、PAMのモジュールがどの段階で呼ばれ、sssdやOpenLDAPとどう連携するのかを追えるかが分かれ目です。

3つ目は「選択肢から入力へ」の移動です。記述式では選択肢が表示されないため、うろ覚えでは1文字も書けません。つまり、LPIC-1で通用した「問題集を周回して選択肢の形を覚える」やり方だけでは届きません。LPIC-1の取得から時間が空いているなら、パーミッション、プロセス、パッケージ管理、シェルの扱いを先に短時間で復習しておくと段差を越えやすくなります。

201-450側の学習 ― 土台のレイヤーを掘る

201-450の範囲は、大きくキャパシティプランニング、カーネル、起動とファイルシステム、高度なストレージとネットワーク、システムメンテナンスに分かれます。それぞれ性質が違うので、同じ順番で同じ時間をかけるのではなく、性質に合わせて手の入れ方を変えるのが効率的です。

キャパシティプランニングとカーネル

キャパシティプランニングは、リソースを測って将来の増強時期を見積もる分野です。iostat、vmstat、sar、ss、lsof、topが並びますが、つまずく原因は「コマンドを知らない」ことではなく「似た用途のコマンドが何を測っているかを区別できていない」ことにあります。ディスクI/Oを見るのはどれか、ソケットの状態を見るのはどれかという軸で整理し、実際に出力を表示させて列の意味を確認すると定着します。

カーネル側は、バージョン体系、ソースからのコンパイル、initrd/initramfsの作成、modprobeやlsmodによるモジュール管理、sysctlとudevによるパラメータ制御が中心です。一度カーネルをビルドしてみると、設定からブートローダ更新までの流れが体で分かります。

システムの起動とファイルシステム

この分野は収録問題数が最も多く、201-450の中心です。systemdのユニットとターゲット、systemctlの操作が主役ですが、旧来のSysV initとランレベルも並行して問われます。両方を覚え分けるのが難所で、「systemdのこの操作はSysVでいうどれか」という対応表を自分で書き出すと混乱しにくくなります。

GRUBやUEFIからの復旧、代替ブートローダも対象です。ファイルシステム側は、/etc/fstab の書式、UUIDによるマウント、スワップ、ext4・XFS・Btrfsの作成と保守(mkfs、fsck、tune2fs)、autofs、LUKS暗号化まで及びます。fstabのフィールドの並びは記述式で綴りまで問われるため、順番ごと覚えるのが安全です。

高度なストレージ管理とネットワーク

RAIDとLVMは、概念図を描けるかどうかで理解の深さが変わります。RAIDはmdadmによるRAID 0/1/5の作成・監視・ディスク交換と /proc/mdstat の読み方が中心です。LVMは物理ボリューム・ボリュームグループ・論理ボリュームの三層構造を紙に描き、pv系・vg系・lv系のコマンドを層の横に書き足していくと、コマンド名の頭2文字が層を表していることが視覚的に頭に入ります。

加えてhdparm、fstrim、iSCSI接続が対象です。ネットワークはipコマンドによる設定、複数NIC環境のルーティング、tcpdumpやnmapでの切り分け、resolv.confの不備の見抜き方が問われます。設問は「症状から原因を推定する」形で出るため、設定を意図的に壊して復旧させる練習が効きます。

システムメンテナンス

ソースからのビルド(tar・gzip・xzでの展開、configureとmakeの流れ、patchの当て方)、バックアップ(dd・tar・rsync・mt、AmandaやBaculaの位置づけ)、利用者への告知(wall、shutdownのメッセージ、/etc/issue と /etc/motd)で構成されます。rsyncのオプションと、issueとmotdが表示されるタイミングの違いは取りこぼしやすい項目です。

202-450側の学習 ― サービスを1つずつ立てて覚える

公式の出題範囲では 201-450 が Topic 200〜206 の7トピック、202-450 が Topic 207〜212 の6トピックです。本記事では、ケンテイラボの収録区分に合わせて 202-450 側をDNS、Webとプロキシ、ファイル共有とクライアント管理、メールとセキュリティの4分野にまとめて説明します。登場するソフトウェアが多いので、章を読んで次に進む読書型の学習ではなく、「1サービス立てる、動かす、設定ファイルを読む」を1セットとして回すほうが記憶に残ります。

DNS

202-450の入口となる分野です。BIND 9を軸に、named.conf の構造、optionsやzoneステートメント、forwardersやキャッシュ専用サーバーの設定を押さえます。ゾーンファイルではSOA・NS・A・CNAME・MX・PTRの役割と書式、シリアル番号の更新規則、正引きと逆引きの対応を押さえます。named-checkconf による構文検証、rndc によるサーバー制御、digやhostでの確認も押さえます。収録676問のうち、これらのDNS運用コマンドに触れる問題は41問あります。

セキュリティ面ではchroot環境での実行、ゾーン転送の制限、TSIGやDNSSECの基礎が問われます。自分でゾーンを1つ作り、digで引いて期待どおりの応答が返るところまで確認すると、レコードの書式が一気に身近になります。

Webサービスとプロキシ

Apacheが中心で、設定ファイルの構造、Listenディレクティブ、バーチャルホスト、ディレクトリ単位のアクセス制御、mod_auth_basicとhtpasswdによる認証、ログ設定が対象です。出題範囲はApache 2.4が前提ですが、mod_access_compat が対象ファイルに挙がっているため2.2系のOrder/Allow/Deny記法も読める必要があります。両者を並べて対比して覚えるのが確実です。

HTTPSでは証明書と鍵の配置、SNIによる複数サイト運用が問われます。Squidはaclとhttp_accessによる許可・拒否の書き方、nginxは基本設定とリバースプロキシのproxy_passが中心です。Squidのaclは定義と適用が別行に分かれる点を押さえておくと設問が読みやすくなります。

ファイル共有とネットワーククライアントの管理

前半はSamba 4です。smbd・nmbd・winbinddの役割、smb.conf のグローバルセクションと共有セクションの書き分け、ユーザー管理、smbclientやmount.cifsによるアクセスが対象です。NFSはエクスポート設定(/etc/exports、exportfs、showmount)を押さえます。同じファイル共有でも設定の考え方が違うので、別々に整理してください。

後半はdhcpdによるDHCP、PAMの仕組みと各モジュールの役割、sssd、OpenLDAP(slapd)の設定とldapsearch・ldapaddの操作です。認証の流れをPAMとLDAPの両面から追えるかどうかが分かれ目になるため、「ログイン時に何がどの順で呼ばれるか」を1本の線でたどれる状態を目指します。

電子メールサービスとシステムセキュリティ

メールはPostfixが中心で、MTAの役割、main.cf の主要設定、エイリアスと転送、メールキューの操作、procmailやSieveによる振り分け、DovecotによるPOP3/IMAP提供が問われます。送信側と受信側でソフトウェアが分かれる構造を最初に押さえておくと、設定項目がどちら側の話なのかで迷わなくなります。

セキュリティ側はiptables/ip6tablesによるフィルタリングとNAT、IPフォワーディングによるルーター構成、vsftpd、OpenSSHの鍵認証とポートフォワーディング、fail2ban、nmap、OpenVPNまで及びます。iptablesはテーブルとチェインで混乱しやすいので、filter・nat・mangleにどのチェインがあり、パケットがどの順で通るのかを図にしておくと安定します。

設定ファイルのパスと主要ディレクティブを定着させる

LPIC-2で出題比重が高いのは、結局のところ設定ファイルの知識です。場当たり的に覚えると、直前期に httpd.conf の項目と smb.conf の項目が混ざります。サービスごとに「ファイルのフルパス」「読むデーモン名」「主要ディレクティブ5〜10個」「構文チェックコマンド」「再読み込みの方法」を1枚にまとめた対応表を自分で作るのがおすすめです。

  • BIND:/etc/named.conf / named / options・zone・forwarders / named-checkconf / rndc reload
  • Apache:httpd.conf(ディストリビューションにより配置が異なる) / httpd / Listen・VirtualHost・DocumentRoot / apachectl configtest
  • Samba:/etc/samba/smb.conf / smbd・nmbd / workgroup・path・valid users / testparm
  • DHCP:dhcpd.conf / dhcpd / subnet・range・option routers
  • Postfix:main.cf / master プロセス / myhostname・mydestination・relayhost / postfix check
  • NFS:/etc/exports / nfsd / ro・rw・sync・no_root_squash / exportfs -a

この形で並べると、ディレクティブ単体の丸暗記ではなく「どのファイルに属する項目か」という所属情報がセットで残ります。設問は「このディレクティブを書くファイルはどれか」という方向で問われることが多いため、所属を持った記憶が得点に直結します。

記述式(穴埋め)に備える ― 綴りまで正確に

LPIC-2の出題には、解答欄にコマンド名やオプション、ファイル名を直接入力する記述式(穴埋め)が含まれます。選択肢がないということは、「見れば分かる」レベルの記憶では0点になるということです。ここが実務的にいちばん大きな違いです。

有効なのは、学習の途中で「思い出す」工程を必ず入れることです。理解した直後に、何も見ずに紙やエディタへコマンドを書き出してみる。書けなかったものが、そのまま記述式で落とす候補になります。読むだけの学習は理解度を過大評価しやすく、書き出しの自己テストで実際の到達度が見えます。

特に注意したいのが、綴りが紛らわしいものです。ハイフンやアンダースコアの有無、単数形と複数形、省略形かフルスペルかは、頭で分かっていても手が覚えていないと打ち間違えます。ディレクティブ名やデーモン名は、補完なしで打って通るかを確認しておくと安心です。また、ファイル名を答えるときはフルパスで書く癖をつけておくと、設問の指定に迷ったときも情報量の多い解答を出せます。

手を動かす環境をどう用意するか

設定ファイルの構造や起動の流れは、実際に動かしたほうが圧倒的に定着します。手元に1台のパソコンがあれば、仮想マシンやコンテナで検証環境を作れます。学習内容によって向き不向きがあるので、使い分けるのが効率的です。

  • 仮想マシン:カーネル、initramfs、GRUB、systemdのターゲット、LVMやRAIDなど、ハードウェアや起動に近い領域を扱うときはこちら。壊しても戻せるようスナップショットを取ってから作業する
  • コンテナ:BIND、Apache、Squid、Postfix、Sambaといったサービス単体の設定を試すときに軽くて速い。ただし起動プロセスやカーネルの検証には向かない
  • 複数台構成:DNSの正引き・逆引き、NFSやSambaのクライアント接続、iptablesによるルーター構成、OpenVPNなどは、最低2台を立てて相互に通信させると理解が進む

環境ができたら、「設定を壊して直す」練習を入れてください。resolv.confを空にする、fstabのUUIDを1文字変える、Apacheのディレクティブを閉じ忘れるといった故障を意図的に作り、症状から原因にたどり着く経路を確認します。LPIC-2はトラブルシューティング色の強い設問を含むため、異常を見抜ける力がそのまま得点になります。なお検証は1サービス30分から1時間で切り上げ、深追いしないほうが範囲を消化できます。

ケンテイラボ収録676問の分野内訳

ケンテイラボでは、LPIC-2対策問題を8分野・全676問収録しています。以下の表は、その内訳を分野ごとの収録数・構成比とあわせて示したものです。①〜④が201-450、⑤〜⑧が202-450にあたるので、2科目のボリューム感を比べる材料としても使えます。分野解説には、その分野で何が問われ、どこでつまずきやすいかをまとめています。

収録問題8分野の内訳と比重

ケンテイラボではLPIC レベル2の収録問題を8の分野に分けて整理しています (学習しやすさを優先した本サイト独自の区分で、実施団体が公表している 出題区分そのものではありません)。収録している676問を分野別に集計すると、 最も問題数が多いのは「② システムの起動とファイルシステム」の114問(全体の16.9%)、 最も少ないのは「④ システムメンテナンス」の74問(同10.9%)です。上位3分野だけで全体の43.1%を占めるため、 ここを先に固めるかどうかが得点の土台になります。

201-450側は「システムの起動とファイルシステム」に重心があり、202-450側は4分野におおむね分散しているという構造が読み取れます。ただしこの構成比は本サイトの収録量であって配点ではありません。実際の重みは公式の出題範囲に付いている weight で確認してください(201-450 は Networking Configuration の11、202-450 は System Security の14が最大です)。収録数の構成比を学習量の目安にして、演習の正答率を見ながら調整するとバランスを取りやすくなります。

分野ごとの学習負荷を数値で見る

分野の重さは、問題数だけでは測れません。次の表は、収録している676問を分野ごとに集計し、「数値を含む問題の割合」と「問題文の平均文字数」を示したものです。前者が高い分野はポート番号やバージョン、サイズといった数字の暗記が要求される分野、後者が長い分野は設定ファイルの記述や状況説明を読み解く必要がある分野だと考えられます。

分野別の学習タイプ(収録676問の集計)

ケンテイラボに収録しているLPIC レベル2の問題を分野別に集計し、 「問題文または選択肢に数値が登場する問題の割合」と「問題文の平均文字数」を出しました。 数値の割合が高い分野は具体的な数字の暗記が得点を左右しやすく、 低い分野は用語の理解や文章の読み取りが中心になる傾向があります。

この試験でもっとも数値の比率が高いのは「③ 高度なストレージ管理とネットワーク」で56%、 もっとも低いのは「⑦ ファイル共有とネットワーククライアントの管理」で7%でした。 また問題文がもっとも長いのは「② システムの起動とファイルシステム」の平均61字で、 設問を読み解く負担が大きい分野といえます。

  • ① キャパシティプランニングとLinuxカーネル77問/数値を含む問題 30%/問題文 平均59
  • ② システムの起動とファイルシステム114問/数値を含む問題 43%/問題文 平均61
  • ③ 高度なストレージ管理とネットワーク75問/数値を含む問題 56%/問題文 平均53
  • ④ システムメンテナンス74問/数値を含む問題 23%/問題文 平均52
  • ⑤ DNS75問/数値を含む問題 21%/問題文 平均45
  • ⑥ Webサービスとプロキシ91問/数値を含む問題 36%/問題文 平均47
  • ⑦ ファイル共有とネットワーククライアントの管理86問/数値を含む問題 7%/問題文 平均52
  • ⑧ 電子メールサービスとシステムセキュリティ84問/数値を含む問題 26%/問題文 平均55

数値の比率が高い分野は、数字を単独で覚えるより 「どの制度の・何の基準か」とセットで整理すると定着しやすくなります。 比率が低い分野は、似た用語同士の違いを説明できる状態を目指すと得点が安定します。

数値の比率が高い分野は、暗記カードのように短時間で何度も回す学習が向きます。問題文が長い分野は、まとまった時間を取って設定ファイルを読み下すほうが効果的です。同じ1時間でも、分野によって使い方を変えると消化速度が上がります。

学習スケジュールの組み立て方 ― 2つのパターン

2科目制であるがゆえに、進め方には大きく2つの選択肢があります。まとまった学習時間を取れるか、業務でLinuxに触れているかで向き不向きが分かれます。以下はあくまで目安で、前提知識や確保できる時間によって大きく変わります。

パターンA:1科目ずつ順番に仕上げる

201-450を仕上げて受験し、合格を確認してから202-450に取りかかる進め方です。1度に覚える対象が半分になるため記憶の混線が起きにくく、区切りもはっきりします。学習時間が細切れになりがちな人や、Linuxの実務経験が浅い人に向きます。

  • 前半:201-450の範囲をテキストで通読しながら、仮想マシンでカーネル・起動・LVM・RAIDを実際に触る
  • 中盤:分野別に問題演習を行い、正答率の低い分野をテキストに戻って埋める
  • 直前:記述式を想定して、コマンド名とファイルパスを何も見ずに書き出せるかを確認する
  • 受験後:合格を確認してから202-450へ移り、同じサイクルをサービス単位で繰り返す

注意点は、2科目目に入る頃には1科目目の内容が薄れることです。2科目目の学習中も週に一度は1科目目の問題を少量だけ解き、記憶を維持しておくと安心です。

パターンB:2科目をまとめて進める

201-450と202-450を並行して学習し、短い間隔で連続受験する進め方です。学習時間をまとまって確保できる人や、すでに業務でサーバー運用に携わっている人に向きます。ファイルシステムの知識がWebサーバーのドキュメントルート設計に効くといった、分野をまたいだつながりを意識しやすいのが利点です。

  • 平日は202-450のサービスを1つずつ立てて設定ファイルを読む、週末は201-450の起動やストレージをまとめて検証する、といった具合に曜日で科目を割り当てる
  • 両科目の問題演習を毎日少量ずつ混ぜ、どちらの記憶も落とさない
  • 受験日は2科目を近い日程で押さえ、1科目目の受験後すぐに2科目目へ集中する

リスクは、範囲が広いぶん消化不良のまま試験日を迎えやすいことです。週の初めに「今週触るサービスと分野」を決め、決めた範囲だけを確実に終わらせる運用にすると崩れにくくなります。

認定の有効期間5年とLPIC-1の扱い

LPIC-2の認定要件は、201-450と202-450の両方に合格することに加えて、有効なLPIC-1認定を保有していることです。ここは見落とされやすく、2科目に合格していてもLPIC-1が有効でなければLPIC-2としては認定されません。取得から時間が経っている場合は、自分の認定状況を先に確認してください。

LPIの認定には有効期間があり、LPIC-2は5年間です。上位の認定を取得する、同レベルの試験に再度合格する、LPIのPDU(LPIC系は3年サイクルで60PDU)を積む、のいずれかでアクティブ状態を維持できます。転職活動や社内の評価では認定日と有効期限が見られることもあるため、取得後もLPIの管理画面で自分の認定状態を把握しておくと安心です。この5年は、扱う技術の現在地を確認する棚卸しの周期と捉えると健全です。

収録676問をどう使って仕上げるか

ケンテイラボでは、LPIC-2対策問題を8分野・全676問、登録不要・無料で公開しています。201-450にあたる①〜④と202-450にあたる⑤〜⑧が分かれているので、いま学習している科目の分野だけを選んで演習できます。テキスト学習と並行して次のように使うと仕上がりが速くなります。

  • 学習初期:これから学ぶ分野を先に数問だけ解き、何が問われる分野なのかの当たりをつける
  • 学習中期:分野別演習で正答率を確認し、低い分野は設定ファイルを実際に開いて読み直す
  • 学習後期:間違えた問題だけを繰り返す復習モードで、取りこぼしを潰す
  • 直前期:受験する科目の分野をランダムに解き、60問90分のペース感覚をつかむ

選択肢を選べた問題も、記述式で問われたら書けるかを自問してみてください。「選べるが書けない」項目こそがLPIC-2で失点しやすい部分です。解いたあとに正解のコマンドやディレクティブを何も見ずに1度打ち込む。この一手間が、2科目分の広い範囲を本番で使える記憶に変えてくれます。

実際に問題を解いて知識を定着させよう

ケンテイラボではLPIC レベル2の問題を無料で練習できます。

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