2026/09/08

クレーン・デリック運転士は免許区分を決めてから学科へ

学科は4科目40問。構造は名称と役割の対応づけ、電気は公式を絞り込み、力学は単位まで合わせて手を動かす。科目ごとに攻め方を変える必要があります。実技教習という選択肢の使いどころも扱います。

執筆:ケンテイラボ編集部(資格試験対策アプリ開発・運営)

クレーン・デリック運転士は、工場の天井クレーンや港湾の橋形クレーン、建設現場のジブクレーンやデリックを運転するための国家免許です。試験は厚生労働大臣指定試験機関である公益財団法人安全衛生技術試験協会が実施し、学科試験と実技試験で構成されます。学科の受験資格はなく、誰でも申し込める試験です。

ただしこの試験には、参考書を開く前に決めておかなければならないことがあります。免許が「限定なし」「クレーン限定」「床上運転式クレーン限定」の3つに分かれていて、どれを選ぶかによって運転できる機械の範囲も、実技の内容も、合格率も変わるという点です。多くの資格試験は「何を勉強するか」から始まりますが、この試験は「どの免許を取るか」から始まります。

この記事では、まず3つの区分の違いを整理したうえで、学科4科目それぞれの攻め方、計算が集中する力学の崩し方、トン数の境界で決まる法令の覚え方、そして実技をどう通すかまでを順に解説します。ケンテイラボに収録している対策問題307問の分野内訳と、分野ごとの学習負荷の実データも途中で示します。

最初の分岐は「どの免許を取るか」

クレーン・デリック運転士免許には3つの区分があります。「限定なし」はクレーンとデリックの両方を対象とする、もっとも範囲の広い免許です。「クレーン限定」はデリックが範囲から外れ、クレーンの運転に限られます。「床上運転式クレーン限定」はさらに範囲が狭く、床上運転式のクレーンに限られます。名称のとおり、限定が付くほど運転できる機械の範囲は狭くなります。

どれを選ぶかは、勤め先で扱う機械が何かで決まります。工場の天井クレーンだけを扱うのであれば下位の区分でも実務は回りますし、将来的に扱う機械が広がる可能性があるなら限定なしを取っておく判断もあります。ここを曖昧にしたまま学習を始めると、受験申請の段になって実技の準備が間に合わないという事態になりかねません。

区分による違いは、合格率の数字にもはっきり表れています。安全衛生技術試験協会が公表している令和7年度の統計では、学科試験の受験者数と合格率は区分ごとに次のようになっています。

  • 学科・限定なし:受験者946人/合格者632人/合格率66.8%
  • 学科・クレーン限定:受験者17,550人/合格者10,052人/合格率57.3%
  • 学科・床上運転式クレーン限定:受験者79人/合格者39人/合格率49.4%

受験者数を見ると、クレーン限定が17,550人と圧倒的に多く、この試験の主流であることが分かります。一方で合格率は限定なしのほうが高くなっています。限定なしの受験者には、すでに関連する知識や実務経験を持つ層が含まれていると考えられ、区分の難易度がそのまま合格率の高低になっているわけではない点に注意してください。

学科の出題科目そのものは4科目で共通していて、区分の違いは主に運転できる範囲と実技の側に表れます。つまり、どの区分を選んでも学科で覚えることは大きく変わらず、変わるのは免許を取ったあとにできることと、実技の準備の重さです。自分がどの区分で申請するのかは、受験の申し込み前に試験協会の案内で確認してください。

実技試験の合格率は学科とは別に集計されており、同じ令和7年度で、限定なしが79人中32人の40.5%、クレーン限定が1,801人中878人の48.8%、床上運転式クレーン限定が59人中29人の49.2%です。学科の数字と実技の数字は別物なので、「合格率57.3%の試験」といった言い方で一つにまとめて考えないほうが安全です。

学科は4科目40問、科目ごとに足切りがある

学科試験は4科目・各10問の計40問、100点満点です。配点は科目によって異なり、「クレーン及びデリックに関する知識」が10問30点、「原動機及び電気に関する知識」が10問30点、「クレーンの運転のために必要な力学に関する知識」が10問20点、「関係法令」が10問20点という内訳になっています。同じ10問でも、前半2科目は1問3点、後半2科目は1問2点という重みの違いがあります。

合格基準は二段構えです。まず合計が60%以上、つまり100点満点で60点以上あること。そのうえで、科目ごとの得点が40%以上であることが求められます。30点満点の科目なら12点以上、20点満点の科目なら8点以上です。1科目でもこの40%を割ると、合計が60点を超えていても不合格になります。

この足切りの存在が、学習の設計を大きく左右します。得意科目で点を稼いで苦手科目を切り捨てるという戦略が使えないからです。電気が苦手だから力学と法令で取り返す、という発想は、電気が4点で止まった時点で成立しなくなります。4科目すべてを「最低ラインは確実に超える」状態まで持ち上げることが、この試験の最優先事項になります。

試験時間は13時30分から16時00分までの2時間30分です。科目免除を受ける場合は時間が短くなり、1科目免除者は13時30分から15時30分までの2時間、2科目免除者は13時30分から14時45分までの1時間15分となります(出張試験では会場ごとに別途設定されます)。受験手数料は学科試験が8,800円(非課税)、実技試験が別途14,000円(非課税)で、振込手数料は受験者負担、受験票発行後の返還はできません。

40問を2時間30分で解く配分なので、1問あたりに使える時間は3分以上あります。時間に追われる試験ではないぶん、計算問題で焦って単位を間違える、法令の数字を思い違いのまま確定してしまう、といった取りこぼしのほうが失点の中心になります。見直しの時間は十分に取れると考えて、確信の持てない問題に印を付けながら進めるのが現実的です。

構造と機械要素は「名称と役割」を対応づける

「クレーン及びデリックに関する知識」は、機械そのものを扱う科目です。天井クレーン・橋形クレーン・ジブクレーン・アンローダといったクレーンの種類、ガイデリック・スチフレッグデリック・ジンポールといったデリックの形式、そして各部の名称を覚えるところから始まります。ガーダ・サドル・トロリの位置関係と、走行・横行・巻上げという三つの運動の対応は、図で一度つかんでしまえば後がずっと楽になります。

この科目で先に固めておきたいのが用語の定義です。つり上げ荷重・定格荷重・定格速度・作業半径・揚程といった語は、法令の分野でも力学の分野でも前提として出てきます。特につり上げ荷重と定格荷重の違いは、法令のトン数区分を読むときに効いてきます。ここを取り違えると、他の科目でも連鎖的に失点します。

機械要素の側では、歯車・軸継手・軸受の種類、ワイヤロープの構成とより方、ブレーキの方式、安全装置の役割が並びます。ワイヤロープは「ストランド数×素線数」という表し方と、より方の区別を押さえます。ケンテイラボの収録307問では、ワイヤロープに触れる問題が31問あります。ブレーキは電磁ブレーキ・バンドブレーキ・ディスクブレーキを原理で区別し、安全装置は巻過防止装置・過負荷防止装置・外れ止め装置・アンカーやレールクランプを、それぞれ「何を防ぐための装置か」で覚えます。名称を丸暗記するのではなく、役割から名称を引ける状態にしておくのが目標です。

ワイヤロープの損傷と使用禁止の基準は、後述する法令の玉掛用具の規制と組み合わせて問われやすい箇所です。構造の科目として覚えたことが法令の科目でそのまま問われるので、科目の壁をまたいで整理しておくと効率が上がります。

電気は問われ方が限られるので、公式を絞って攻める

「原動機及び電気に関する知識」は、電気の基礎に馴染みのない受験者が最初に足を止める科目です。電流・電圧・抵抗とオームの法則、直列と並列の合成抵抗、電力と電力量、直流と交流の違い、単相と三相の関係といった基礎から入り、そこから直流電動機と三相誘導電動機の構造・始動方法・回転数・逆転方法へ進みます。

この科目を崩す鍵は、出題のされ方が限られている点にあります。かご形誘導電動機と巻線形誘導電動機の使い分け、極数と周波数から同期速度を求める計算、すべりの考え方といった項目が繰り返し問われます。電気工学を体系的に学び直す必要はなく、主要な公式を数えられる程度に絞って確実に使えるようにすれば、むしろ得点源に変えられる科目です。

後半は、電動機を実際に動かす周辺の仕組みです。直接制御器と間接制御器の違い、抵抗器による速度制御、電磁接触器やリレーの働き、集電装置・トロリ線・キャブタイヤケーブルによる給電方式、配線用遮断器やヒューズといった保護装置、接地と絶縁抵抗、感電防止の考え方が並びます。

ここでは、故障時の症状から原因を推定させる形式の問題も出ます。個々の部品を単独で覚えるより、「操作器から電磁接触器を経て電動機へ」という制御の流れを一本の線として追えるようにしておくと、初めて見る設問にも対応しやすくなります。用語を並べたノートより、流れを描いた図のほうが役に立つ領域です。

力学は計算が集中する。手を動かして単位まで合わせる

「クレーンの運転のために必要な力学に関する知識」は、この試験でもっとも計算が集中する科目です。前半は力学の基礎で、力の三要素と力の合成・分解、力のモーメントとつり合い、質量と重量の違い、比重と体積から質量を求める計算、立方体・円柱・球など基本形状の重心位置、速度・加速度・慣性・遠心力、摩擦力と摩擦係数までが範囲になります。

この前半で確実に押さえたいのが、比重を使った質量計算です。鋼材やコンクリートといった代表的な材料の比重は繰り返し問われるので、値そのものを覚えてしまうのが近道になります。失点の主な原因は理解不足ではなく単位の換算ミスなので、暗算で済ませず計算過程を書く習慣をつけておくと安定します。

後半は、実務に直結する計算が集まります。引張・圧縮・せん断・曲げ・ねじりという荷重の種類、応力とひずみ、安全係数と許容応力、静荷重と動荷重の違いを整理したうえで、つり角度と滑車という二大テーマに入ります。

つり角度は、この科目の最重要項目です。同じ荷をつっていても、つり角度が大きくなるほど1本のワイヤロープにかかる張力は増えます。この関係を張力係数を使って計算できるようにしておくことが必要で、感覚ではなく数値で答えられる状態にしておきます。滑車は、定滑車と動滑車を組み合わせたときの「引く力」と「引く距離」の関係を押さえます。収録307問のうち滑車に触れる問題は39問あり、力学のなかでも比重の大きい論点です。ロープが何本で荷を支えているかを図の上で数える練習をしておけば、確実に取れる問題になります。

力学は20点満点の科目ですが、足切りがあるため8点は必ず必要です。10問中4問を確実に取れる状態にするのは、範囲を絞れば十分に現実的です。つり角度と滑車、比重による質量計算の3つを固めるだけでも、足切りラインからはかなり余裕が生まれます。

法令はトン数の境界で決まる

「関係法令」は、数字の境界を正確に覚えられるかどうかがすべての科目です。まず事業者側の手続として、つり上げ荷重3トン以上(スタッカー式クレーンは1トン以上)のクレーンには設置届と落成検査が必要で、0.5トン以上3トン未満であれば設置報告書で足りる、という区分があります(クレーン等安全規則第5条・第6条・第11条)。

検査に関しては、クレーン検査証の有効期間が原則2年であること(同規則第10条)を軸に、性能検査、変更届、使用再開検査の位置づけを整理します。トン数の境界と期間の数字は、文章のまま覚えようとすると混ざります。トン数を縦軸、必要な手続を横軸にした表を1枚作って横並びで見比べる形にしておくのが確実です。

覚えるべき境界を並べると、0.5トン・1トン・3トン・5トンという4つの数字が繰り返し登場することが分かります。それぞれの数字が「誰に」「何を」求めるものなのかをセットで覚えると、設問で数字を入れ替えた引っかけにも気づけるようになります。

法令の設問は、条文の趣旨を問うよりも、数字や対象の入れ替えを見抜けるかを問う形が中心になります。だからこそ、覚え方を「トン数から手続を引く」方向と「手続からトン数を引く」方向の両方向で確認しておくと安定します。表を作ったら、片側を隠して言えるかどうかを試すところまでやって初めて、暗記が済んだと言える状態になります。

玉掛け・合図・検査・運転業務の線引き

関係法令の後半は、日々の作業に直接かかわる規制です。中心にあるのは資格の線引きで、つり上げ荷重5トン以上のクレーンの運転業務にはクレーン・デリック運転士免許が必要とされています(労働安全衛生法施行令第20条第6号、クレーン等安全規則第22条)。ただし床上操作式クレーンについては、床上操作式クレーン運転技能講習の修了者も運転することができます。5トン未満のクレーンの運転業務は特別教育の対象です(同規則第21条)。

玉掛けの業務にも同じ構造の線引きがあります。つり上げ荷重1トン以上のクレーン等の玉掛け業務は玉掛け技能講習の修了者に限られ、1トン未満は特別教育の対象となります(同規則第221条・第222条)。運転が5トン、玉掛けが1トンという境界の違いは、そのまま出題の材料になるので、混同しないよう分けて覚えます。

検査と点検については、定期自主検査が1年以内ごとに1回と1月以内ごとに1回の二本立てであること、これとは別に作業開始前の点検があること、そして記録の保存期間が3年であることを押さえます。「年次・月次・作業開始前」という三段構えで頭に入れておくと、周期を問う設問で迷いません。

法令は20点満点で足切りは8点ですが、覚えれば確実に取れる科目でもあります。力学や電気に時間がかかる人ほど、法令を安定して高得点にしておくことで合計60点の設計が楽になります。

収録307問を8分野に分けた内訳

ケンテイラボでは、クレーン・デリック運転士の対策問題を307問収録しています。分野の分け方は公式の4科目とは別軸で、学習しやすいように当サイトが独自に8つに再編したものです。公式の科目としては4つですが、たとえば「クレーン及びデリックに関する知識」は概要・構造の話と機械要素・安全装置の話で性格が違うため、分けて演習したほうが弱点を特定しやすくなります。以下の表は、その8分野それぞれの収録問題数・構成比・分野の解説をまとめたものです。

収録問題8分野の内訳と比重

ケンテイラボではクレーン・デリック運転士(学科)の収録問題を8の分野に分けて整理しています (学習しやすさを優先した本サイト独自の区分で、実施団体が公表している 出題区分そのものではありません)。収録している307問を分野別に集計すると、 最も問題数が多いのは「② 機械要素・ブレーキ・安全装置・取扱い」の40問(全体の13%)、 最も少ないのは「⑦ 法令:製造設置・使用」の36問(同11.7%)です。上位3分野だけで全体の39%を占めるため、 ここを先に固めるかどうかが得点の土台になります。

次の表は、収録問題そのものを集計した学習負荷の指標です。分野ごとに「数値を含む問題の割合」と「問題文の平均文字数」を出しています。数値を含む割合が高い分野は数字の暗記や計算が中心、低い分野は用語の理解や文章の読解が中心という傾向を示します。問題文が長い分野は、本番でも読む時間がかかる分野だと考えて、時間配分の目安に使ってください。

分野別の学習タイプ(収録307問の集計)

ケンテイラボに収録しているクレーン・デリック運転士(学科)の問題を分野別に集計し、 「問題文または選択肢に数値が登場する問題の割合」と「問題文の平均文字数」を出しました。 数値の割合が高い分野は具体的な数字の暗記が得点を左右しやすく、 低い分野は用語の理解や文章の読み取りが中心になる傾向があります。

この試験でもっとも数値の比率が高いのは「⑧ 法令:玉掛用具・合図・検査・運転業務」で70%、 もっとも低いのは「④ 付属機器・制御器・給電・電気設備」で20%でした。 また問題文がもっとも長いのは「⑦ 法令:製造設置・使用」の平均36字で、 設問を読み解く負担が大きい分野といえます。

  • ① クレーン・デリックの概要と構造36問/数値を含む問題 33%/問題文 平均30
  • ② 機械要素・ブレーキ・安全装置・取扱い40問/数値を含む問題 33%/問題文 平均30
  • ③ 電気の基礎と電動機36問/数値を含む問題 25%/問題文 平均28
  • ④ 付属機器・制御器・給電・電気設備40問/数値を含む問題 20%/問題文 平均34
  • ⑤ 力学の基礎・質量重心・運動40問/数値を含む問題 48%/問題文 平均31
  • ⑥ 荷重・応力・つり角度・滑車39問/数値を含む問題 56%/問題文 平均34
  • ⑦ 法令:製造設置・使用36問/数値を含む問題 53%/問題文 平均36
  • ⑧ 法令:玉掛用具・合図・検査・運転業務40問/数値を含む問題 70%/問題文 平均34

数値の比率が高い分野は、数字を単独で覚えるより 「どの制度の・何の基準か」とセットで整理すると定着しやすくなります。 比率が低い分野は、似た用語同士の違いを説明できる状態を目指すと得点が安定します。

実技をどう通すか。実技教習という選択肢

この試験は学科に受かっただけでは免許になりません。実技試験は「クレーンの運転」と「クレーンの運転のための合図」で構成され、減点の合計が40点以下であれば合格となる方式です。学科のように何点取れば良いという足し算ではなく、ミスを積み上げない引き算の試験だと考えると準備の方向が見えてきます。

実技には、安全衛生技術センターで実技試験を受ける道のほかに、登録教習機関のクレーン運転実技教習を修了して実技試験の免除を受ける道があります。実務で機械に触れる機会がない人にとっては、教習で実際に操作を学んでから免除を受けるほうが現実的な選択肢になることが多いようです。費用と日程は教習機関によって異なるため、申し込む前に確認が必要です。

ここで注意したいのが、学科合格の効力が1年間である点です。学科に受かってから1年以内に実技をクリアしなければ、学科の合格が無効になります。実技教習は日程がまとまって必要になるうえ、時期によっては予約が取りにくいこともあるため、学科の受験時期は教習の予約時期から逆算して決めるのが安全です。「学科に受かってから考える」という進め方は、この試験ではリスクになります。

なお、学科試験には一定の要件を満たす人を対象とした科目免除の制度があり、免除を受ける場合は試験時間が短くなります。自分が免除の対象になるかどうかは、申請前に試験協会の案内で確認してください。

免許区分を決めてからの進め方

ここから示す期間はあくまで目安です。学科の合格に必要な時間は、現場で機械に触れた経験があるかどうかで大きく変わります。実務経験がある人は構造と法令の実感が既にあるぶん、力学と電気に時間を集中できます。知識ゼロから始める人は、用語の定義を固める時間を最初に確保する必要があります。

現場経験がある人の進め方

普段からクレーンのある現場にいる人は、構造と機械要素、そして法令の一部が既知の状態から始められます。この場合は最初に力学と電気の2科目に時間を割り当て、構造と法令は問題演習で穴を確認する形が効率的です。

  • 序盤:力学(比重による質量計算・つり角度・滑車)と電気の基本公式に集中する
  • 中盤:構造と機械要素を問題演習で確認し、実務では意識していない用語の定義を埋める
  • 終盤:法令のトン数と期間を表にまとめ、数字だけを繰り返し確認する
  • 直前:4科目それぞれで足切りの40%を確実に超えているかを分野別に点検する

経験がある人ほど陥りやすいのが、現場の運用と法令の条文がずれている箇所での失点です。「現場ではこうしている」ではなく「規則ではこう定められている」で答える切り替えを、演習のたびに意識しておくと安全です。

知識ゼロから始める人の進め方

機械にも電気にも馴染みがない状態から始める場合は、いきなり計算に入らず、用語の定義から固めるのが遠回りに見えて確実です。つり上げ荷重と定格荷重、走行・横行・巻上げといった基本語が曖昧なままだと、法令も力学も設問の意味が取れません。

  • 第1段階:クレーンの種類と各部の名称、つり上げ荷重などの用語の定義を固める
  • 第2段階:法令のトン数の境界(0.5トン・1トン・3トン・5トン)と検査の周期を表で覚える
  • 第3段階:電気の基本公式と誘導電動機を、頻出項目に絞って演習で回す
  • 第4段階:力学をつり角度・滑車・質量計算の3本柱に絞り、計算過程を書いて解く
  • 第5段階:4科目を通しで演習し、科目ごとの得点が40%を割らないことを確認する

初学者が最初に詰まるのは電気と力学ですが、どちらも問われ方が安定している領域です。範囲を広げて理解を深めようとするより、主要な型を数えられる数まで絞って反復するほうが、足切りを越えるという目的には合っています。

ケンテイラボの307問でどう仕上げるか

ケンテイラボでは、クレーン・デリック運転士の対策問題307問を8分野に分けて無料で公開しています。学科試験は科目ごとの足切りがある試験なので、全体の正答率だけを見るのではなく、分野ごとの正答率を見る使い方が向いています。

  • 学習初期:8分野を1周して、正答率の低い分野を特定する
  • 学習中期:間違えた問題だけを繰り返す復習モードで、苦手分野を足切りラインの上へ押し上げる
  • 学習後期:力学と電気の計算問題を、電卓に頼らず計算過程を書きながら解き直す
  • 直前期:8分野すべてで正答率が安定していることを確認し、特定の科目だけが落ち込んでいないかを見る

分野別の演習が効くのは、この試験が「苦手を1つでも残すと落ちる」構造だからです。合計点が伸びていても、どこか1分野の正答率が低いままなら、本番でその科目が40%を割る可能性が残ります。登録不要で使えるので、テキストの学習と並行して、分野ごとの仕上がりを確認する物差しとして使ってみてください。

実際に問題を解いて知識を定着させよう

ケンテイラボではクレーン・デリック運転士(学科)の問題を無料で練習できます。

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