クレーン・デリック運転士(学科) ③ 電気の基礎と電動機

学科科目「原動機及び電気に関する知識」の前半にあたります。電流・電圧・抵抗とオームの法則、直列と並列の合成抵抗、電力と電力量、直流と交流の違い、単相と三相の関係といった電気の基礎から入り、直流電動機と三相誘導電動機の構造・始動方法・回転数・逆転方法へ進みます。かご形誘導電動機と巻線形誘導電動機の使い分け、極数と周波数から同期速度を求める計算、すべりの考え方は頻出です。電気を苦手にする受験者が多い科目ですが、問われ方が限られるので基本公式を確実に暗記すれば得点源にできます。

この分野の問題36問を、選択肢・正解・解説つきで掲載しています。まず自分で解答を考えてから「正解と解説を見る」を開いて答え合わせをしてください。

クイズモードで挑戦 →

77直流の説明として、正しいものはどれか。

  1. A一定の方向に電流が流れている
  2. B電流や電圧の大きさが周期的に変化する
  3. C電圧を変えることが容易である
  4. D工場の動力用として広く用いられる
正解と解説を見る

正解:A一定の方向に電流が流れている

直流は一定の方向に電流が流れるものであり、電圧の変更は交流に比べて容易ではない。

この問題の解説ページを開く →

78電気に関する説明として、誤っているものはどれか。

  1. A乾電池から発生する電流は直流である
  2. B交流は変圧器で電圧の変更が容易である
  3. C日本の商用周波数には50Hzと60Hzがある
  4. D交流を整流器で整流しても完全に平滑な直流になる
正解と解説を見る

正解:D交流を整流器で整流しても完全に平滑な直流になる

整流器で整流しても完全な平滑直流にはならず、平滑化にはさらなる処理が必要である。

この問題の解説ページを開く →

79オームの法則として、正しいものはどれか。

  1. A電流は電圧に比例し抵抗に反比例する
  2. B電流は電圧に反比例し抵抗に比例する
  3. C電圧は電流に比例し抵抗に比例する
  4. D電流は電圧と抵抗の両方に比例する
正解と解説を見る

正解:A電流は電圧に比例し抵抗に反比例する

オームの法則とは、電流の大きさが電圧に比例し、抵抗に反比例することである。

この問題の解説ページを開く →

80抵抗の接続に関する説明として、正しいものはどれか。

  1. A直列接続の合成抵抗は個々の抵抗の和である
  2. B並列接続の合成抵抗は個々の抵抗の和である
  3. C直列接続の合成抵抗は個々の抵抗の逆数の和である
  4. D並列接続の合成抵抗は個々の抵抗の和の逆数である
正解と解説を見る

正解:A直列接続の合成抵抗は個々の抵抗の和である

直列接続の合成抵抗はそれぞれの抵抗値を足すことで求められる。

この問題の解説ページを開く →

81消費電力に関する説明として、誤っているものはどれか。

  1. A消費電力は電圧と電流の積で求められる
  2. B消費電力の単位にはワット(W)を用いる
  3. C電圧が同じであれば電流が大きいほど消費電力は大きい
  4. D電力は消費した時間に関係なく一定である
正解と解説を見る

正解:D電力は消費した時間に関係なく一定である

電力量は電力に時間を使用するが、電力自体は電圧と電流の積で決まる。

この問題の解説ページを開く →

82電気抵抗に関する説明として、正しいものはどれか。

  1. A導体は電気抵抗が非常に大きい
  2. B不導体は電気抵抗が非常に小さい
  3. C物質の抵抗は長さに比例し断面積に反比例する
  4. D物質の抵抗は断面積に比例し長さに反比例する
正解と解説を見る

正解:C物質の抵抗は長さに比例し断面積に反比例する

物質の電気抵抗は長さに比例し、太さ(断面積)に反比例する。

この問題の解説ページを開く →

83導体と不導体に関する説明として、誤っているものはどれか。

  1. A金や銀は電気抵抗が小さく導体である
  2. Bゴムやガラスは電気抵抗が大きく不導体である
  3. C空気は強い電圧を加えても決して電気を通さない
  4. D純水は不純物が混ざると電気をよく通すようになる
正解と解説を見る

正解:C空気は強い電圧を加えても決して電気を通さない

空気は通常電気を通さないが、強い電圧を加えると放電現象が起こる。

この問題の解説ページを開く →

84電力量の計算として、正しいものはどれか。

  1. A800Wの電動機を2時間使用すると1600Whである
  2. B800Wの電動機を2時間使用すると800Whである
  3. C800Wの電動機を2時間使用すると400Whである
  4. D800Wの電動機を2時間使用すると3200Whである
正解と解説を見る

正解:A800Wの電動機を2時間使用すると1600Whである

電力量(Wh)は電力(W)×使用時間(h)で求められるため、800×2=1600Whとなる。

この問題の解説ページを開く →

8510Ω、20Ω、30Ωの抵抗を直列に接続したときの合成抵抗はいくらか。

  1. A60Ω
  2. B30Ω
  3. C20Ω
  4. D10Ω
正解と解説を見る

正解:A60Ω

直列接続の合成抵抗は各抵抗値の和(10+20+30)である。

この問題の解説ページを開く →

8610Ωと10Ωの抵抗を並列に接続したときの合成抵抗はいくらか。

  1. A20Ω
  2. B10Ω
  3. C
  4. D2.5Ω
正解と解説を見る

正解:C

並列接続の合成抵抗の逆数は、各抵抗の逆数の和(1/10+1/10=2/10)の逆数となる。

この問題の解説ページを開く →

87ジュール熱に関する説明として、正しいものはどれか。

  1. A電気回路で発生する熱作用をジュール熱という
  2. Bジュール熱は電圧と抵抗の積で求められる
  3. Cジュール熱の単位にはワット(W)が用いられる
  4. Dジュール熱は消費した電力量とは無関係である
正解と解説を見る

正解:A電気回路で発生する熱作用をジュール熱という

電気抵抗により発生する熱作用をジュール熱と呼び、単位にはジュール(J)を用いる。

この問題の解説ページを開く →

88原動機の分類に関する説明として、誤っているものはどれか。

  1. A内燃機関は燃焼エネルギーを機械力に変える
  2. B電動機は電気エネルギーを機械力に変える
  3. C油圧装置は油圧を機械力に変える装置である
  4. D油圧装置を駆動するエンジンは二次原動機と呼ばれる
正解と解説を見る

正解:D油圧装置を駆動するエンジンは二次原動機と呼ばれる

油圧を機械力に変える装置を駆動するエンジンは一次原動機と呼ばれる。

この問題の解説ページを開く →

89三相誘導電動機の種類に関する説明として、正しいものはどれか。

  1. Aかご形三相誘導電動機は構造が複雑である
  2. B巻線形三相誘導電動機はスリップリングを介して二次抵抗に接続される
  3. Cかご形三相誘導電動機はデリックに広く使用される
  4. D三相誘導電動機には直流電動機のように整流子が必要である
正解と解説を見る

正解:B巻線形三相誘導電動機はスリップリングを介して二次抵抗に接続される

巻線形三相誘導電動機は回転子巻線をスリップリングを介して外部抵抗に接続する。

この問題の解説ページを開く →

90三相誘導電動機の同期速度の説明として、誤っているものはどれか。

  1. A同期速度は電源周波数に比例する
  2. B同期速度は電動機の極数に比例する
  3. C極数が多いほど同期速度は遅くなる
  4. D同期速度は120×周波数÷極数で求められる
正解と解説を見る

正解:B同期速度は電動機の極数に比例する

同期速度は極数に反比例するため、極数が多いほど遅くなる。

この問題の解説ページを開く →

91周波数50Hz、4極の三相誘導電動機の同期速度はいくらか。

  1. A1000rpm
  2. B1200rpm
  3. C1500rpm
  4. D1800rpm
正解と解説を見る

正解:C1500rpm

同期速度Ns=120×周波数÷極数=120×50÷4=1500rpmとなる。

この問題の解説ページを開く →

92三相誘導電動機の滑りに関する説明として、誤っているものはどれか。

  1. A滑りは回転磁界と回転子の速度差を示す
  2. B無負荷時の滑りはほぼゼロに近い
  3. C負荷が掛かるほど滑りは小さくなる
  4. D始動時の滑りは100%である
正解と解説を見る

正解:C負荷が掛かるほど滑りは小さくなる

滑りは負荷が掛かるほど大きくなる性質がある。

この問題の解説ページを開く →

93三相誘導電動機の速度制御のうち、かご形に用いられるものはどれか。

  1. A二次抵抗制御
  2. B極数変換法
  3. Cダイナミックブレーキ制御
  4. D電動油圧押上機ブレーキ制御
正解と解説を見る

正解:B極数変換法

極数変換法はかご形三相誘導電動機の速度制御に用いられる。

この問題の解説ページを開く →

94かご形三相誘導電動機の「全電圧始動」の説明として、正しいものはどれか。

  1. A始動時に低い電圧を加える方法である
  2. B始動電流を小さく抑える方法である
  3. C始動時に電源電圧をそのまま加える方法である
  4. Dクレーンの走行制御に用いられる方法である
正解と解説を見る

正解:C始動時に電源電圧をそのまま加える方法である

全電圧始動はラインスタートとも呼ばれ、電源電圧をそのまま加える始動法である。

この問題の解説ページを開く →

95インバーター制御に関する説明として、誤っているものはどれか。

  1. A供給する電源の周波数を変えて速度を制御する
  2. B可変速制御とも呼ばれる
  3. C直流を一旦交流に変換してから電動機に供給する
  4. D広い範囲で安定した速度を得ることができる
正解と解説を見る

正解:C直流を一旦交流に変換してから電動機に供給する

インバーター制御は交流を直流に変換し、再び任意の周波数の交流に変換する。

この問題の解説ページを開く →

96巻線形三相誘導電動機の「二次抵抗制御」の説明として、正しいものはどれか。

  1. A固定子側の巻線に抵抗を接続して制御する
  2. B回転子側の抵抗を調整して速度を制御する
  3. C一次側の電圧を調整して速度を制御する
  4. D極数を切り替えて速度を制御する
正解と解説を見る

正解:B回転子側の抵抗を調整して速度を制御する

二次抵抗制御は回転子(二次側)の外部抵抗値を調整して速度を変える方式である。

この問題の解説ページを開く →

97電動油圧押上機ブレーキ制御に関する説明として、誤っているものはどれか。

  1. A二次抵抗制御と併用されることが多い
  2. B90kW程度以下の比較的小容量の電動機に用いられる
  3. C低速での巻下げ性能が非常に優れている
  4. D大容量の電動機ほど制御が容易である
正解と解説を見る

正解:D大容量の電動機ほど制御が容易である

機械的なブレーキシューを用いるため、大型電動機には不向きである。

この問題の解説ページを開く →

98渦電流ブレーキ制御に関する説明として、正しいものはどれか。

  1. Aブレーキとして摩擦熱を利用する
  2. B回転子の回転を止めようとする方向に制動力を発生させる
  3. C大容量電動機に最も適した方式である
  4. D構造が非常に単純で装置が小さい
正解と解説を見る

正解:B回転子の回転を止めようとする方向に制動力を発生させる

渦電流ブレーキは磁極面内の円板の回転を止めようとする制動力を利用する。

この問題の解説ページを開く →

99ダイナミックブレーキ制御の説明として、正しいものはどれか。

  1. A一次側に交流電圧を加えて制動する
  2. B一次側に直流を流して固定磁界を作り制動する
  3. C二次側に抵抗を接続して制動する
  4. Dブレーキドラムの摩擦力で制動する
正解と解説を見る

正解:B一次側に直流を流して固定磁界を作り制動する

ダイナミックブレーキは一次側に直流を流して回転子に起電力を発生させ制動する。

この問題の解説ページを開く →

100直流電動機の構造として、誤っているものはどれか。

  1. A回転運動を行う部分を電機子という
  2. B固定磁界を作る部分を界磁という
  3. Cブラシから供給される電流を切り替える部分を整流子という
  4. D整流子は回転せずに固定されている
正解と解説を見る

正解:D整流子は回転せずに固定されている

整流子は電機子と共に回転し、ブラシと接触して電流を一定方向に流す。

この問題の解説ページを開く →

101直流電動機の種類として、存在しないものはどれか。

  1. A直巻電動機
  2. B分巻電動機
  3. C他励磁電動機
  4. D三相電動機
正解と解説を見る

正解:D三相電動機

直流電動機の種類には直巻、分巻、複巻、他励磁があるが三相電動機は交流用である。

この問題の解説ページを開く →

102ワードレオナード制御の説明として、正しいものはどれか。

  1. A直流電動機の速度を界磁電流のみで制御する
  2. B直流発電機の電圧を変えて直流電動機の速度を制御する
  3. Cかご形三相誘導電動機の速度を制御する方式である
  4. Dサイリスタ装置のみで構成されている
正解と解説を見る

正解:B直流発電機の電圧を変えて直流電動機の速度を制御する

ワードレオナード制御は、直流発電機の電圧を変えて接続された直流電動機の速度を変える方式である。

この問題の解説ページを開く →

103サイリスタレオナード制御の説明として、正しいものはどれか。

  1. A直流発電機をサイリスタに置き換えた方式である
  2. B交流電動機にのみ適用される制御方式である
  3. Cワードレオナード制御より設備が大きくなる
  4. D直流発電機の電圧を制御する方式である
正解と解説を見る

正解:A直流発電機をサイリスタに置き換えた方式である

サイリスタレオナード制御はワードレオナード制御の発電機をサイリスタ装置に置き換えたものである。

この問題の解説ページを開く →

104三相誘導電動機の始動法のうち、始動電流を抑える方法はどれか。

  1. A全電圧始動
  2. Bスターデルタ始動
  3. C直入れ始動
  4. D定電圧始動
正解と解説を見る

正解:Bスターデルタ始動

スターデルタ始動は始動電流をデルタ結線の3分の1に抑える始動法である。

この問題の解説ページを開く →

105直流電動機の電機子に関する説明として、正しいものはどれか。

  1. A回転運動を行う部分である
  2. B固定磁界を作る部分である
  3. C電流の方向を周期的に変える部分である
  4. D外部から電流を供給する部分である
正解と解説を見る

正解:A回転運動を行う部分である

直流電動機において回転運動を行う部分を電機子(アーマチュア)という。

この問題の解説ページを開く →

106巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御において、抵抗を増やすとどうなるか。

  1. A回転速度が速くなる
  2. B回転速度が遅くなる
  3. Cトルクが増大する
  4. D回転方向が逆になる
正解と解説を見る

正解:B回転速度が遅くなる

回転子回路の抵抗を増やすと、すべりが大きくなり回転速度は遅くなる。

この問題の解説ページを開く →

107同期電動機の説明として、正しいものはどれか。

  1. A回転子の回転速度が回転磁界より遅い
  2. B直流で駆動される
  3. Cかご形ローターを使用している
  4. D回転子の回転速度と同期速度が一致する
正解と解説を見る

正解:D回転子の回転速度と同期速度が一致する

同期電動機は回転磁界と回転子の速度が一致(同期)する電動機である。

この問題の解説ページを開く →

108クレーンにおける電動機の選定として、もっとも不適切なものはどれか。

  1. A巻上装置に全電圧始動を用いる
  2. B走行装置に緩始動を用いる
  3. C大きな始動トルクが必要な場合に巻線形を用いる
  4. D頻繁な正逆転に巻線形を用いる
正解と解説を見る

正解:A巻上装置に全電圧始動を用いる

大容量電動機への全電圧始動は衝撃が大きいため、通常は小容量電動機に採用される。

この問題の解説ページを開く →

109スターデルタ始動の説明として、誤っているものはどれか。

  1. A始動時と運転時で結線方式を切り替える
  2. B巻線の全端子を外部に出す必要がある
  3. C始動電流を抑えて回転力を落とすことができる
  4. D大きな始動トルクを求める低圧電動機に広く用いられる
正解と解説を見る

正解:D大きな始動トルクを求める低圧電動機に広く用いられる

スターデルタ始動は、大きな始動トルクを求めない場合に用いられる。

この問題の解説ページを開く →

110速度制御装置としての「ブレーキ」の説明として、正しいものはどれか。

  1. A運動を完全に停止させ保持する機能がある
  2. B物体の位置を固定するための装置である
  3. C運動を制御する装置であり制動用ブレーキとは別である
  4. D摩擦によって機械を停止させる専用の装置である
正解と解説を見る

正解:C運動を制御する装置であり制動用ブレーキとは別である

速度制御用ブレーキには運動を停止・保持する機能はなく、制動用ブレーキとは別物である。

この問題の解説ページを開く →

111三相誘導電動機の「極数」を増やすと同期速度はどうなるか。

  1. A速くなる
  2. B変わらない
  3. C遅くなる
  4. D2倍になる
正解と解説を見る

正解:C遅くなる

同期速度は極数に反比例するため、極数が増えると同期速度は遅くなる。

この問題の解説ページを開く →

112三相誘導電動機が非同期電動機と呼ばれる理由はどれか。

  1. A回転磁界が存在しないため
  2. B誘導起電力が発生しないため
  3. C回転磁界の速度が可変であるため
  4. D回転子の速度が同期速度より遅いため
正解と解説を見る

正解:D回転子の速度が同期速度より遅いため

回転子が回転磁界に引きずられて同期速度より若干遅れて回転するため。

この問題の解説ページを開く →
クレーン・デリック運転士(学科)の全分野一覧へ戻る