2026/09/07

連音化・鼻音化・濃音化がTOPIK Iの聞き取りを崩す

表記は多くてもパッチムの音は7つに収束し、ㅎ は弱まって消えることもあります。激音化や流音化まで含めた規則を初級語彙の具体例で追い、耳と口を一致させる練習につなげます。

執筆:ケンテイラボ編集部(資格試験対策アプリ開発・運営)

TOPIK I の聞き取りでは、意味を知っている単語なのに音として拾えないことが起こります。原因の多くは語彙不足ではなく、韓国語が「書いてあるとおりに読まれない」言語だという点にあります。ハングルは表音文字ですが、パッチムと次の文字の組み合わせで実際の音が変わります。

音の変化には規則があり、数は多くありません。規則を知らないまま音源を聞き流しても、知っている語が知らない音のまま通り過ぎるだけです。逆に規則ごとに整理して自分の口で再現できるようになると、同じ音源が単語の連なりとして聞こえ始めます。

連音化 — パッチムが次の母音に流れ込む

最も頻度が高いのが連音化です。パッチムの後ろに母音で始まる文字が来ると、その子音がそのまま次の音節の初声として発音されます。助詞や語尾の多くは母音で始まるため、文字の切れ目と音の切れ目がずれ、単語の区切りが分からなくなります。二重パッチムでは、後ろの子音だけが次へ移ります。

  • 한국어 → [한구거](ハングゴ)/ㄱ が次の 어 に移る
  • 음악 → [으막](ウマク)/「ウンアク」とは読まない
  • 옷을 → [오슬](オスル)/助詞 을 が付くとパッチム ㅅ が動く
  • 있어요 → [이써요](イッソヨ)/ㅆ は同じ字が並ぶ쌍받침なので、まるごと次の音節の初声へ移る(앉아요・읽어요のような겹받침とは別の規則)
  • 앉아요 → [안자요](アンジャヨ)/二重パッチムは後ろの ㅈ だけが移動
  • 읽어요 → [일거요](イルゴヨ)/同じく ㄱ だけが次へ、ㄹ は残る

鼻音化 — ㄱ・ㄷ・ㅂ が鼻に抜ける音に変わる

パッチムが ㄱ・ㄷ・ㅂ の音で終わり、後ろに ㄴ や ㅁ が来ると、パッチムがそれぞれ ㅇ・ㄴ・ㅁ という鼻音に変わります。音を作る位置は変わらず、息が鼻に抜ける音に置き換わるだけです。丁寧形の -습니다 と -ㅂ니다 がこれにあたるため、音源に繰り返し登場します。

  • 입니다 → [임니다](イムニダ)/「イプニダ」とは発音しない
  • 감사합니다 → [감사함니다](カムサハムニダ)
  • 학년 → [항년](ハンニョン)
  • 국물 → [궁물](クンムル)
  • 있는 → [인는](インヌン)/ㅆ がまず ㄷ の音になってから ㄴ へ
  • 정리 → [정니](チョンニ)/ㅇ の後ろの ㄹ が ㄴ に変わる

激音化 — ㅎ に触れた子音が息の強い音になる

ㅎ は前後の子音と結びついて、息の強い激音を作ります。ㄱ・ㄷ・ㅂ・ㅈ が ㅎ と隣り合うと、それぞれ ㅋ・ㅌ・ㅍ・ㅊ に変わります。ㅎ が前でも後ろでも起こり、その結果 ㅎ という音そのものは残りません。聞いた音から表記を復元しにくい規則です。

  • 축하 → [추카](チュカ)
  • 어떻게 → [어떠케](オットケ)
  • 좋다 → [조타](チョタ)
  • 백화점 → [배콰점](ペクァジョム)
  • 입학 → [이팍](イパク)
  • 못해요 → [모태요](モテヨ)

濃音化 — 詰まる音のあとで平音が硬くなる

ㄱ・ㄷ・ㅂ の音で終わるパッチムの後ろでは、続く ㄱ・ㄷ・ㅂ・ㅅ・ㅈ が濃音の ㄲ・ㄸ・ㅃ・ㅆ・ㅉ になります。表記は平音のままなので、綴りを見ているだけでは気づけません。語幹が ㄴ・ㅁ で終わる用言に語尾が付くときや、漢字語で ㄹ の後ろに ㄷ・ㅅ・ㅈ が来るときにも起こります。

  • 학교 → [학꾜](ハッキョ)
  • 식당 → [식땅](シクタン)
  • 잡지 → [잡찌](チャプチ)
  • 있습니다 → [읻씀니다](イッスムニダ)/濃音化と鼻音化が続けて起こる
  • 안다 → [안따](アンタ)/語幹末の ㄴ の後ろ
  • 일주일 → [일쭈일](イルチュイル)/漢字語の ㄹ の後ろ

流音化 — ㄴ と ㄹ が隣り合うと両方 ㄹ になる

ㄴ と ㄹ が隣り合うと、ㄴ の側が引き寄せられて、両方とも ㄹ の音で発音されます。ㄹ が前でも後ろでも同じです。書かれている ㄴ が音として完全に消えるため、単語の形が綴りの印象と大きく変わります。漢字語に多く、初級語彙にも含まれます。

  • 연락 → [열락](ヨルラク)
  • 편리 → [펼리](ピョルリ)
  • 신라 → [실라](シルラ)
  • 설날 → [설랄](ソルラル)
  • 일 년 → [일련](イルリョン)

パッチムの代表音 — 表記は多くても音は7つに収束する

パッチムに書ける子音字は多くありますが、後ろに母音が続かない限り、実際に発音されるのは ㄱ・ㄴ・ㄷ・ㄹ・ㅁ・ㅂ・ㅇ の7つだけです。ㅅ・ㅆ・ㅈ・ㅊ・ㅌ は ㄷ の音になり、ㅋ と ㄲ は ㄱ、ㅍ は ㅂ になります。パッチム ㅎ はこの代表音の規則の対象外で、単独や語末では [ㄷ] になる一方、後ろに ㄱ・ㄷ・ㅈ が来れば激音化し、ㅅ が来れば [ㅆ]、ㄴ が来れば [ㄴ] になります。二重パッチムも一方しか読まれません。鼻音化や濃音化は、この代表音を出発点に起こります。

  • 옷・낮・꽃 は語末ではいずれも [옫][낟][꼳] で、同じ ㄷ の音
  • 부엌 → [부억](プオク)/ㅋ は ㄱ の音に
  • 앞 → [압](アプ)/ㅍ は ㅂ の音に
  • 값 → [갑](カプ)/二重パッチムのうち ㅂ だけが読まれる
  • 없다 → [업따](オプタ)/二重パッチム ㅄ が代表音 [ㅂ] に収束し、その [ㅂ] が後ろの ㄷ を濃音にする(학교[학꾜] と同じ規則)

ㅎ の弱化・脱落 — 書いてあるのに聞こえない子音

ㅎ はもともと弱い音で、条件がそろうと聞こえなくなります。用言の語幹末のパッチム ㅎ は、母音で始まる語尾が続くと発音されません。母音や ㄴ・ㅁ・ㅇ・ㄹ に挟まれた ㅎ も、会話の速さでは弱まってほとんど聞こえないことがあります。

  • 좋아요 → [조아요](チョアヨ)/語幹末の ㅎ は読まれない
  • 많아요 → [마나요](マナヨ)
  • 싫어요 → [시러요](シロヨ)
  • 넣어요 → [너어요](ノオヨ)
  • 결혼 は速い発話では ㅎ が弱まり、「キョロン」に近く聞こえることがある

聞き取り対策としての使い方 — 耳と口を一致させる

これらの規則は、知識として覚えただけでは点数に変わりません。聞き取りで起きているのは、耳に入った音を自分の中の音のイメージと照合する作業です。照合の相手が綴りどおりの音のままだと実際の音と一致せず、知っている語でも素通りしてしまいます。

そこで有効なのが、変化後の音で声に出す音読です。短い文を見て、どの規則がどこで働くかを予測し、変化後の音で読みます。そのあとで音源を聞き、自分の読みとずれた箇所を確かめます。ずれた箇所が、聞き取れなかった原因の正体です。

TOPIK I の聞き取りは30問で、日常生活の短い会話が中心です。扱われる語彙の範囲は限られているため、よく出る語だけでも変化後の音を固めておく価値があります。とくに -습니다 と -ㅂ니다 の鼻音化と、助詞が付いたときの連音化は、ほとんどの問題文に現れます。

実際に問題を解いて知識を定着させよう

ケンテイラボでは韓国語能力試験 TOPIK Iの問題を無料で練習できます。

問題を解く →
← 記事一覧へ戻る