LPIC-2は選択式に加えて記述式(穴埋め)が出題される試験です。コマンド名やファイルのパスを自分で入力させる設問があるため、「見覚えがある」水準の記憶では点になりません。綴りが1文字違えば不正解になる以上、設定ファイルは絶対パスの形で覚えておく価値があります。
また201-450と202-450では扱うソフトウェアが別で、その数がそのまま設定ファイルの数になります。サービスごとに束ねて覚えるほうが効率的です。
カーネルとシステム起動まわり
- /etc/sysctl.conf … カーネルパラメータの永続設定(分割時は /etc/sysctl.d/)
- /proc/sys/net/ipv4/ip_forward … 実行中の値の参照・変更先
- /etc/modprobe.d/ … モジュールのオプション・別名・読み込み禁止の指定
- /etc/udev/rules.d/ … デバイス名やパーミッションのudevルール
- /etc/default/grub と /etc/grub.d/ … GRUB 2設定の入力側
- /boot/grub/grub.cfg … 生成後のGRUB 2設定。Red Hat系は /boot/grub2/grub.cfg
- /etc/fstab … 起動時にマウントする構成を6つの列で記述
- /etc/systemd/system/ … 管理者が置くユニット(配布物は /usr/lib/systemd/system/。Debian系では /lib/systemd/system/ が同じ場所を指す)
ストレージ(RAIDとLVM)
- /proc/mdstat … ソフトウェアRAIDの状態と同期の進捗
- /etc/mdadm.conf … mdadmの設定。Debian系は /etc/mdadm/mdadm.conf
- /etc/lvm/lvm.conf … LVMの動作設定(最新構成の退避先は /etc/lvm/backup/、変更前の世代は /etc/lvm/archive/。vgcfgbackup と vgcfgrestore に対応)
- /dev/ボリュームグループ名/論理ボリューム名 … 論理ボリュームへの経路
DNS(BIND)
- /etc/named.conf … BINDの主設定(Red Hat系)。options と zone を書く
- /etc/bind/named.conf … Debian系の主設定。named.conf.options / named.conf.local / named.conf.default-zones を include する構成
- /var/named/ … ゾーンファイルの既定位置。Debian系は /var/cache/bind/ など
- /etc/rndc.key … rndcの共有鍵。Debian系は /etc/bind/rndc.key
- /etc/resolv.conf … 参照先の指定。nameserver と search
- /etc/nsswitch.conf … hostsとDNSを引く順序
Webサーバーとプロキシ
- /etc/httpd/conf/httpd.conf … Apacheの主設定(Red Hat系)。追加は conf.d/
- /etc/apache2/apache2.conf … Apacheの主設定(Debian系)。待受は ports.conf
- /etc/apache2/sites-available/ … バーチャルホスト定義。有効化は sites-enabled/
- /etc/nginx/nginx.conf … nginxの主設定。追加は /etc/nginx/conf.d/
- /etc/squid/squid.conf … acl と http_access で許可・拒否
ファイル共有とクライアント管理
- /etc/samba/smb.conf … Sambaの共有設定。testparm で構文検査
- /etc/exports … NFSの公開先と許可クライアント
- /etc/dhcp/dhcpd.conf … DHCPの設定(リース記録はDebian系が /var/lib/dhcp/dhcpd.leases、Red Hat系が /var/lib/dhcpd/dhcpd.leases)
- /etc/openldap/ldap.conf … クライアント設定。Debian系は /etc/ldap/ldap.conf。サーバ側は /etc/openldap/slapd.d/(cn=config による動的設定。旧来は slapd.conf)、Debian系は /etc/ldap/slapd.d/
メールサービス
- /etc/postfix/main.cf … Postfixの主設定。myhostname、mydestination など
- /etc/postfix/master.cf … 各デーモンの起動定義
- /etc/aliases … 全体の転送先。編集後は newaliases
- ~/.forward … 利用者ごとの転送設定
- /etc/dovecot/dovecot.conf … POP3・IMAPの設定
セキュリティ(SSH・パケットフィルタ・VPN)
- /etc/ssh/sshd_config … SSHサーバー設定。PermitRootLogin など
- /etc/ssh/ssh_config … クライアント既定値(個人用は ~/.ssh/config)
- ~/.ssh/authorized_keys … 公開鍵認証で受け入れる鍵の一覧
- /etc/sysconfig/iptables … 保存済みルール。Debian系は /etc/iptables/rules.v4
- /etc/nftables.conf … nftablesのルール記述先(現行の出題範囲 V4.5 は iptables/ip6tables が対象なので、これは参考)
- /etc/openvpn/ … OpenVPNの設定と鍵・証明書の置き場所
パスを取り違えないための覚え方
LPIC-2で扱うファイルは「どの環境でも同じもの」と「Red Hat系とDebian系で違うもの」に分かれます。前者は /etc/fstab、/etc/exports、/etc/aliases、/etc/ssh/sshd_config などで、迷わず即答できるようにしておきます。
問題は後者です。BIND、Apache、mdadm、パケットフィルタの保存先はいずれも差があり、片方だけでは本番で書き切れません。Debian系は役割ごとにファイルを分けて有効な分だけリンクを張る流儀、Red Hat系は主設定にまとめて追加分を conf.d に置く流儀、と対で捉えると覚えやすくなります。
さらに、パス単体ではなく「直したあと何を実行するか」まで結び付けると定着します。/etc/aliases なら newaliases、BINDなら named-checkconf と rndc reload、Sambaなら testparm というように編集と反映を1組で覚えれば、記述式でどちらを問われても引き出せます。