2026/09/13

事業承継アドバイザー3級20.87パーセントを、同じ回の3級9種目と並べる

全国一斉公開試験だった第162回の合格率20.87パーセントは、同じ日の法務3級31.83、相続アドバイザー3級35.73を下回りました。記述式を廃した回に55.89へ跳ねた履歴と、収録426問での法務・税務・評価の重なりから読み解きます。

執筆:ケンテイラボ編集部(資格試験対策アプリ開発・運営)

事業承継アドバイザー3級は、銀行業務検定協会が実施する銀行業務検定試験の一種目です。出題はCBT四答択一式〈一部事例付〉50問、試験時間120分、合格基準は100点満点中60点以上で、公式の試験概要に科目別の足切りの記載はありません。この記事では、この種目の難しさがどこから来ているのかを、銀行業務検定協会が事務局報で公表してきた成績結果と、ケンテイラボが収録している426問の実測から読み解きます。

先に数字の扱いを決めておきます。以下に挙げる合格率は、すべて全国一斉公開試験として実施されていた回のものです。本種目は2025年度をもって全国一斉公開試験での実施を終え、2026年度からはCBT方式のみになりました。CBT方式で受験した場合の受験者数・合格者数・合格率については、本稿執筆時点では公表を確認できませんでした。確認したのは銀行業務検定協会の事務局報一覧(全ページ)、CBT方式の試験概要ページ、経済法令研究会の検定試験ページです。したがって、ここに出てくる数値をCBT方式の合格率として読むことはできません。

一方で、実施日程資料には「合格基準、出題範囲は同様」と記載があり、経済法令研究会も「全国一斉公開試験・CBT方式とも、出題範囲や問われるテーマ、難易度の水準は同じです」と案内しています。過去回の数値は現行のCBT方式の合格率ではありませんが、同じ範囲・同じ合格基準で作られた問題が実際にどのような得点分布を生んだかの記録としては読めます。なお、以下の税務や法務に関する記述は制度の一般的な解説であり、個別の判断は専門家への相談が前提になります。

記述式をやめた回に、合格率が36.52から55.89へ動いた

この種目には、出題形式が変わった時期に合格率が大きく動いた履歴があります。第141回(2018年10月28日実施)の協会講評は、本種目を〈四答択一式〉と〈記述式〉で構成されていると説明しており、受験者2,199名・合格者862名で合格率39.20パーセント、平均点54.27点でした。翌年の第144回は、協会が紹介した都道府県別合格率ランキングで全国平均50.90パーセントとされています。この回の受験者数と平均点の全国値は、本稿では確認できていません。

第147回(2020年10月25日実施)は応募者812名・受験者712名・合格者260名で、合格率36.52パーセント、平均点54.61点でした。この回の協会講評には「記述式問題においては、『事業承継税制』がよく記述できていました」とあり、記述式の出題が続いていたことが分かります。

翌年の第150回(2021年10月24日実施)は、応募者1,005名・受験者875名・合格者489名で、合格率55.89パーセント、平均点60.21点。協会は講評に「今回から択一式のみの出題(事例付を含む)となったこともあってか、全体としてはとても良好な結果となりました」と書いています。平均点を確認できた7回(第141回・第147回・第150回・第153回・第156回・第159回・第162回)のうち、平均点が合格点の60点を上回ったのはこの回だけです。

協会は形式の変更を良好な結果の一因として挙げていますが、「こともあってか」という推測の形です。記述式があった時期にも、第141回39.20パーセント、第144回50.90パーセント、第147回36.52パーセントと10ポイント以上の上下があり、第150回の上昇を形式の変更だけで説明することはできません。それでも受験準備の側では、形式の違いは教材選びの問題になります。中古で流通している対策問題集のうち、記述式が出題されていた時期に作られた版は、技能・応用の部分が現在と違う形式を前提にしています。制度の説明として読む分には使えても、解答手順や時間の使い方を練習する台としては前提が合いません。

ただし、択一式になったことで易しい試験になったわけではありません。翌年の第153回(2022年10月23日実施)は応募者754名・受験者646名・合格者168名で、合格率26.01パーセント、平均点51.44点まで下がりました。第156回は応募者455名・受験者386名・合格者148名で合格率38.34パーセント、平均点55.57点と、第153回を上回っています。択一式のみになってからの回のなかで第150回の55.89パーセントは突出しており、これを目安にすると準備量を見誤ります。

本種目について公式に案内されている参考書籍は、銀行業務検定協会編『事業承継アドバイザー3級 対策問題集 2026年度受験用』(A5判336頁、2026年3月30日発行、2,970円税込)です。CBT方式に合わせた内容構成で、本試験と同じ構成の模擬問題を収録すると説明されています。年度版の書籍なので、古い版を安く手に入れるという選択をする前に、形式がいつ変わったかを確認しておく価値があります。

同じ日に実施された3級9種目のなかで、最も低い合格率だった

合格率を単独で見ると、その回が難しかったのか種目そのものが難しいのかが分かりません。銀行業務検定試験は同じ日に複数の種目を実施し、事務局報で種目ごとの成績を並べて公表しているので、横に並べれば切り分けられます。第162回(2025年10月26日実施)に実施された3級の種目を、全体の合格率が高い順に並べると次のようになります。いずれも合格点は60点以上です。

  • 保険販売3級 72.45パーセント(受験者294名)
  • 資産形成アドバイザー3級 62.25パーセント(受験者694名)
  • 証券3級 58.96パーセント(受験者307名)
  • 相続アドバイザー3級 35.73パーセント(受験者1,517名)
  • 外国為替3級 34.85パーセント(受験者789名)
  • 税務3級 32.64パーセント(受験者1,915名)
  • 法務3級 31.83パーセント(受験者4,446名)
  • 年金アドバイザー3級 30.67パーセント(受験者1,888名)
  • 事業承継アドバイザー3級 20.87パーセント(受験者206名)

9種目のうち最も低く、2番目に低い年金アドバイザー3級との間にも10ポイント近い差があります。しかもこれは1回だけの現象ではありません。第159回(事務局報No.347)でも事業承継アドバイザー3級は21.00パーセントで、同じ回の法務3級32.60パーセント、相続アドバイザー3級34.99パーセント、税務3級45.30パーセント、資産形成アドバイザー3級48.55パーセント、外国為替3級66.51パーセントを下回り、3級のなかで最下位でした。

この比較が効くのは、条件がそろっているからです。同じ団体が同じ日に実施し、合格基準はどれも100点満点中60点以上。問題の難易度調整も同じ協会の中で行われています。母集団の構成は種目ごとに違いますが、それでも2回続けて10ポイント前後の差が付くのは、回ごとのばらつきというより種目の性質と考えるのが自然です。

内容がとくに近いのは相続アドバイザー3級です。相続税・贈与税の基本、遺言、遺留分、非上場株式の評価といった論点は両方に出てきます。それでも第162回は35.73パーセントと20.87パーセントで15ポイント近く離れました。重なっている論点の難しさが理由ではない、ということになります。

平均年齢38.6歳・勤続15.7年という層が受けて、この数字になっている

事務局報の業態別一覧表には、アンケートにもとづく受験者の平均年齢と平均勤続年数も載っています。第162回の事業承継アドバイザー3級は平均年齢38.6歳、平均勤続年数15.7年でした。第159回も38.6歳・15.8年で、ほぼ同じ層です。

同じ第162回の法務3級は平均年齢28.0歳・勤続4.9年、税務3級は30.3歳・勤続6.9年で、受験者の平均勤続年数は本種目の15.7年のほうが長くなっています。あくまで平均値で、業態別に見ると地方銀行の受験者は平均勤続11.3年でした。それでいて合格率は3級のなかで最も低い、という組み合わせになっています。

ここに難しさの性質が出ています。営業店の経験年数がそのまま得点になる種目であれば、平均勤続15年を超える層が受けて20パーセント台にはなりにくいはずです。もう一つの比較材料として、相続アドバイザー3級は平均年齢41.0歳・勤続17.3年というさらに上の層が受けて35.73パーセントでした。年齢と勤続年数だけでは差を説明できません。

受験資格はなく誰でも申し込めますが、出題が想定している読者ははっきりしています。公式の試験概要は目的を「営業店の渉外担当者が、事業承継における取引先の状況把握から情報収集・整理、承継手法に関するアドバイスを行うための基本知識や実務知識について、その習得程度を測定します」と説明しています。金融機関の外から受ける場合は、承継手法や融資・保証の語彙を先に固める時間を、制度の学習とは別に見積もっておくことになります。

法務と税務と企業価値評価が、同じ50問のなかに同居している

単科の3級との違いは、1つの試験が扱う領域の数です。法務3級は法務、税務3級は税務を軸に据えますが、本種目は「事業承継」という場面を軸にして、そこで必要になる法務・税務・財務を横に切って出します。ケンテイラボが収録している426問で語を決めて数えると、その重なり方が見えます。

  • 収録426問のうち、会社法・株主総会・取締役・定款・遺留分・遺言・民法のいずれかに触れる問題は98問(23.0パーセント)
  • 相続税・贈与税・法人税・所得税・消費税・課税・税額のいずれかに触れる問題は85問(20.0パーセント)
  • LBO・MBO・特別目的会社・ファイナンス・保証・融資・借入のいずれかに触れる問題は66問(15.5パーセント)
  • 株式の評価・類似業種比準・純資産価額・EBITDA・DCF・のれん・企業価値のいずれかに触れる問題は48問(11.3パーセント)

数字だけ見ると3つの領域が並んでいるように見えますが、内訳を見ると分野をまたいで散っています。法務側の語を含む98問は12分野のうち11分野に現れ、最多の③「各承継方法共通①(会社法・株式)」の34問以外に、⑥「親族内承継②(遺言・遺留分・信託)」20問、⑧「親族外承継(第三者)①M&A法務」13問、技能・応用の⑪⑫に21問が分かれています。税務側の85問も同じで、⑤「親族内承継①(税制・贈与・相続)」の20問を筆頭に11分野に散ります。

この散り方が負荷を上げます。1つの分野を仕上げれば1つの領域が終わる構造ではなく、どの分野を開いても会社法の手続と税務の要件と評価の考え方が混ざって出てきます。覚える総量というより、頭の切り替えの回数が多い試験です。単科の3級で通用する「1本の体系を上から下まで通す」形の勉強は、そのままでは効きにくくなります。

協会自身も、この幅について講評で触れています。第156回の成績結果には「本種目の出題範囲は、事業承継やM&Aにかかる法務・税務の基本知識に加えて、取引先の現状把握・分析、融資手法、各工程のアドバイス、公的支援の概要など、幅広く実務的な内容を多く含んでいます」という記述があります。公式に示されている出題範囲は「事業承継の基本知識/事業承継と金融実務/その他関連知識等」の3区分だけですが、実際に問われる範囲はこの講評のほうが正確に示しています。

同じ426問を別の角度から集計すると、分野ごとに負荷の種類が違うことも見えます。次の表は、分野別に「問題文または選択肢に数値が登場する問題の割合」と「問題文の平均文字数」を集計したものです。数字を押さえる負荷が重い分野と、文章を読み解く負荷が重い分野を切り分けるために使えます。

分野別の学習タイプ(収録426問の集計)

ケンテイラボに収録している事業承継アドバイザー3級の問題を分野別に集計し、 「問題文または選択肢に数値が登場する問題の割合」と「問題文の平均文字数」を出しました。 数値の割合が高い分野は具体的な数字の暗記が得点を左右しやすく、 低い分野は用語の理解や文章の読み取りが中心になる傾向があります。

この試験でもっとも数値の比率が高いのは「⑤ 親族内承継①(税制・贈与・相続)」で80%、 もっとも低いのは「① 基本と必要性・関連制度」で12%でした。 また問題文がもっとも長いのは「⑪ 技能・応用①(親族内承継)」の平均85字で、 設問を読み解く負担が大きい分野といえます。

  • ① 基本と必要性・関連制度42問/数値を含む問題 12%/問題文 平均42
  • ② 事業承継関連のガイドライン33問/数値を含む問題 15%/問題文 平均42
  • ③ 各承継方法共通①(会社法・株式)42問/数値を含む問題 38%/問題文 平均40
  • ④ 各承継方法共通②(現状把握・計画)28問/数値を含む問題 14%/問題文 平均44
  • ⑤ 親族内承継①(税制・贈与・相続)35問/数値を含む問題 80%/問題文 平均72
  • ⑥ 親族内承継②(遺言・遺留分・信託)40問/数値を含む問題 45%/問題文 平均46
  • ⑦ 親族外承継(従業員)26問/数値を含む問題 23%/問題文 平均49
  • ⑧ 親族外承継(第三者)①M&A法務34問/数値を含む問題 15%/問題文 平均40
  • ⑨ 親族外承継(第三者)②評価・財務41問/数値を含む問題 24%/問題文 平均45
  • ⑩ その他(個人事業主・廃業支援)23問/数値を含む問題 52%/問題文 平均60
  • ⑪ 技能・応用①(親族内承継)32問/数値を含む問題 72%/問題文 平均85
  • ⑫ 技能・応用②(親族外承継)50問/数値を含む問題 42%/問題文 平均81

数値の比率が高い分野は、数字を単独で覚えるより 「どの制度の・何の基準か」とセットで整理すると定着しやすくなります。 比率が低い分野は、似た用語同士の違いを説明できる状態を目指すと得点が安定します。

注目したいのは⑨「親族外承継(第三者)②評価・財務」です。企業価値評価を扱う分野なので数値の比率が最も高くなりそうに見えますが、実際にはそうではありません。収録問題では、この分野で問われているのはコストアプローチ・インカムアプローチ・マーケットアプローチの区別や、仲介契約とファイナンシャル・アドバイザー契約の違いといった枠組みの理解が中心で、計算は技能・応用側に多く入っています。評価の計算練習だけでは⑨の対策になりにくいと考えられます。

正解率の低かった問題10問のうち4問は、金融機関やアドバイザーが関与する側の論点だった

事務局報は種目ごとに、正解率の低かった問題を挙げています。直近2回は次のとおりです。

  • 第162回:〔問3〕事業承継関連の金融支援/〔問13〕株式の集約/〔問20〕法人版事業承継税制/〔問37〕M&Aアドバイザリー契約/〔問50〕MBO(LBO)ファイナンス
  • 第159回:〔問7〕事業承継関連のガイドライン/〔問16〕役員退職金の税務/〔問38〕ファイナンシャル・アドバイザー(FA)の留意点/〔問39〕法人成りの税務上の取扱い/〔問41〕非上場株式の評価(計算)

10問の内訳を見ると、金融機関やアドバイザーが関与する側の論点が4問あります。事業承継関連の金融支援、M&Aアドバイザリー契約、MBO(LBO)ファイナンス、ファイナンシャル・アドバイザーの留意点です。残りは制度の枠組みが2問(法人版事業承継税制、ガイドライン)、税務の個別論点が2問、株式の集約と非上場株式の評価の計算が各1問という構成でした。数で言えば過半は制度・税務・株式の側で、第156回の講評も正答率が低めだった問題を「制度や仕組み、法務や税務等に関する問題」とまとめています。

金融機関の関与に当たる4問の論点は、収録問題の分布と重ねると位置が見えます。収録426問のうち、LBO・MBO・特別目的会社・ファイナンス・保証・融資・借入のいずれかに触れる問題は66問で、そのうち⑦「親族外承継(従業員)」に14問、⑫「技能・応用②(親族外承継)」に14問、①「基本と必要性・関連制度」に11問、②「事業承継関連のガイドライン」に10問が集まっています。

この4問に対応する論点は、①②⑦⑨⑫という分野にまたがります。法務と税務の知識を積み上げても、公的支援の枠組みや買収資金の調達の仕組みは別に覚える必要があるということです。難度の正体を「相続税と会社法が難しい」とだけ捉えると、この部分が抜けやすくなります。

平均点が50点台の回が続いても、本種目で合格基準点を下げた記録は見当たらない

合格基準は100点満点中60点以上で、成績上位者から一定数を合格させるという相対評価の記述は見当たりません。平均点を確認できた回は、第141回54.27点、第147回54.61点、第150回60.21点、第153回51.44点、第156回55.57点、第159回50.77点、第162回51.41点で、60点を超えたのは1回だけです。それでも本種目の成績表は、確認した範囲ではいずれも「合格点は60点以上」として集計されています。

ただし、銀行業務検定試験の合格基準点が絶対に動かないとは言えません。第158回(2024年6月2日実施)の事業性評価3級では、事務局が想定していた結果と大きく乖離する低い成績になったとして、試験委員会の協議を経て合格基準点が60点から52点に引き下げられました(事務局報No.345)。本種目で同じ引き下げが行われた記録は確認できませんでしたが、準備の前提としては60点を目標に置くのが安全です。

直近の2回は50点台前半で、合格点まで9点前後足りていません。50問で100点満点なので、60点は30問正解に相当します。平均が51点前後ということは、平均的な受験者は25問から26問の正解で止まっている、という読みになります。埋めなければならないのは4問から5問です。

上振れの幅も狭いのが、この種目の特徴です。第156回の最高点は84点、第162回は個人賞の最優秀賞が1名で78点、優秀賞が5名で74点以上でした。同じ第162回の法務3級は最優秀賞1名が100点・優秀賞15名が94点以上、相続アドバイザー3級は最優秀賞1名が94点・優秀賞9名が90点以上です。高得点層の厚みが違うので、満点近くを狙う設計より、60点を確実に超える設計のほうが実際の分布に合っています。

受験者は2,000名台から206名まで縮み、回ごとの合格率は幅で受け取る

合格率を読むときに押さえておきたいのが、母集団の規模の変化です。受験者数は、第141回2,199名、第147回712名、第150回875名、第153回646名、第156回386名、第159回300名、第162回206名と推移しています(第144回は全国の受験者数を確認できていません)。合格者数も第141回の862名から第162回の43名まで減りました。

受験者の規模が10分の1程度まで小さくなっているので、第141回の39.20パーセントと第162回の20.87パーセントを、同じ受験者層の成績が下がった結果とそのまま読むことはできません。

受験者が200名台になると、合格者は43名という規模です。この規模だと数名の増減で合格率が数ポイント動きます。20.87パーセントと21.00パーセントが2回続いたことは同じ水準を示しますが、「21パーセントの試験」と1点で覚えるより、第141回以降の8回が20パーセント台から50パーセント台まで分布していることを前提に置くほうが安全です。そしてCBT方式での合格率は、前述のとおり公表を確認できていません。

業態別の内訳では「他団体・個人」区分が全体の2倍を上回っていた

事務局報の一覧表は、合格率を所属業態別に分けて載せています。第162回の事業承継アドバイザー3級では、地方銀行61名が受験して22.95パーセント、信用金庫77名が12.99パーセント、第二地方銀行8名が12.50パーセント、信用組合17名が5.88パーセント、そして「他団体・個人」36名が44.44パーセントでした。全体は20.87パーセント、平均点51.41点に対して、他団体・個人区分の平均点は58.44点です。

他団体・個人の区分だけが全体の2倍を超えています。第159回も、他団体・個人は25名が受験して9名が合格、合格率36.00パーセント、平均点54.48点で、全体の21.00パーセント・50.77点を上回っていました。ただし毎回そうなるわけではなく、第147回の他団体・個人は81名が受験して34.57パーセントと、全体の36.52パーセントを下回っています。受験者も数十名という規模なので、ここから確定的な結論は引けません。協会がこの差の理由を説明しているわけでもありません。準備の密度が違うのか、受ける動機が違うのか、あるいは単に人数が少ないための振れなのかは、公表資料からは判断できません。

それでも、準備量を見積もるうえでは意味があります。職場の推奨で一斉に受ける形になった場合、周囲のペースがそのまま合格に十分な水準を示しているとは限らない、ということです。所属の平均ではなく、60点に必要な正解数から逆算する方が確かです。

難しさの重心は、1回勝負から再受験にかかる費用へ移った

CBT方式では受験資格がなく、再受験規約も「何回でも受験予約可能」とされています。全国のテストセンターで申込日より3日目以降の予約ができ、受験日や会場の変更・キャンセルは受験日の3日前まで可能です。結果は即時判定で、全受験者にスコアレポートと出題項目一覧が配布されます。年に1回の実施日を外すと次は1年後、という形の緊張はなくなりました。

その代わり、難しさは費用の形で残ります。1回あたりのコストは受験料5,500円(10パーセント消費税込)に事務手数料330円(税込)を加えた5,830円です。3回受ければ17,490円で、対策問題集2,970円を足すと2万円を超えます。合格率20パーセント台という数字は、受けた人の約8割が60点に届いていない状態を指すので、1回で通す前提だけで計画を組むと、費用の見積もりが後からずれることになります。

なお併願割引や団体受験の割引の有無については、公式ページに記載がなく確認できませんでした。団体申込は経済法令研究会のCBT試験担当への問合せとされています。合格後の登録や更新の費用はかからず、公式の試験概要では「試験後の手続」が「なし」とされています。維持コストはかからない代わりに、かかるのは受験の回数ぶんだけ、という構造です。

まとめると、この種目の難しさは3つに分かれます。3級9種目のなかで最も低い合格率が2回続いていること、法務・税務・評価が同じ50問に同居して頭の切り替えを要求すること、そして正解率の低かった問題に、法務・税務とは別に金融機関の関与の仕方を問う論点が混ざっていることです。ケンテイラボは426問を12分野に分けて収録しているので、分野ごとの正答率を見ながら、どの領域で切り替えに失敗しているのかを確認する使い方ができます。

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