「DXビジネス検定」を検索して申込ページにたどり着いたら、最初に確かめてほしいのはそのページの主催者名です。2026年時点で、この名称の試験は実施主体の異なる2つが並立しています。出題数も合否の扱いも別で、受検料はどちらも6,600円(税込)、実施時期も2026年11月に重なります。
この記事は、どちらが正当かを判定するものではありません。両団体はそれぞれ自らの立場を公式サイトで説明しており、その内容には食い違いがあります。ここでは公開記載を並べるにとどめ、最終の確認は各主催者の公式ページで行ってください。
名称が同じで、主催者と申込窓口が別になっている
一方は株式会社ネクストエデュケーションシンクが主催する「DXビジネス検定™」で、同社は自社サイトで、NET検定シリーズ第2弾として2021年11月に創設されたと説明しており、2026年11月の回が第11回にあたります。もう一方は一般社団法人日本イノベーション融合学会が主催する「DXビジネス検定(TM)」で、2026年11月実施の回が第10回とされています。回次の数え方が別々に進んでいる点が、取り違えに気づきにくい理由のひとつです。
申込窓口も共通ではありません。前者は nextet.net の検定サイト、後者は ifsj.or.jp の案内から個人申込、団体(10名以上)は学会の検定事業代理店経由とされており、検索結果からどのドメインに入ったかで受ける試験が決まります。
申込前に突き合わせておく項目
以下は両者の公開ページから読み取れる範囲の対照です。前半がネクストエデュケーションシンク主催版、後半が日本イノベーション融合学会主催版で、いずれも2026年9月時点の記載です。
- 主催者:株式会社ネクストエデュケーションシンク(文京区)/一般社団法人日本イノベーション融合学会(千代田区)
- 出題数:96問/100問
- 試験時間:60分/80分(学会FAQ)
- 合否の扱い:合否判定はなく、スコアの認定形式/総合成績600点以上で合格の判定
- 認定の形:スコア800・700・600で3段階のレベル認定、認定証とレベル認定は結果発表日から2年間有効/合格者に認定証(PDF)、構造理解問題の結果に基づく能力レベル評価とオープンバッジ
- 受検料:一般6,600円(税込)/6,600円(税込)。後者では2026年8月3日〜9月2日の申込に個人早割5%引(6,270円・税込)が設定されていた(受付終了)
- 2026年秋の日程:第11回は法人が11月12日(木)、個人が11月29日(日)/第10回は団体受検が11月5日〜11日、個人受検が11月12日〜15日
- 申込期間:第11回は2026年7月28日正午〜10月27日正午/第10回は2026年8月3日10時〜11月2日23時59分
- 準拠教材:eラーニング「DX Study Biz™ 2026」(10,780円税込・厳選300用語)/「DXビジネス検定(TM)eラーニング2026」(8,800円税込・200問)
見分けに効くのは試験時間・出題数と合否の扱いです。案内に「80分」「100問」「600点以上で合格」とあれば学会主催版、「60分間で96問」「合否は無く、スコアの認定形式」とあればネクストエデュケーションシンク主催版です。
2025年7月のリリースまでは、主催表記が1つだった
ネクストエデュケーションシンクが2024年10月と2025年7月に出したニュースリリースには、いずれも「主催:一般社団法人 日本イノベーション融合学会/検定事務局運営:株式会社ネクストエデュケーションシンク」と記載されていました。
2026年7月の同社リリースと同社サイトでは、主催が「株式会社ネクストエデュケーションシンク」と記されています。学会はFAQで、運営委託先だった同社との契約終了に伴い、2026年度検定から学会主催検定の運営をCBTソリューションズ社に切り替えたと説明しています。この経緯についての同社側の説明は、公開ページでは確認できませんでした。
両団体がそれぞれ出している説明
日本イノベーション融合学会は「類似の検定試験にご注意ください」と題するお知らせを掲示しています。要約すると、同社のサイト等で「DX Next検定™」が学会主催の「DX検定™」のリニューアルと記載されていることを学会に無断の掲載とし、同社の2検定は学会が主催してきた「DX検定™」「DXビジネス検定™」とは一切関係がないと表明しています。あわせて、過去のDX検定の合格実績・認定証・オープンバッジの効力は、学会の「DXイノベーション検定™」においてのみ正当に継承されるとしています。
ネクストエデュケーションシンクは自社サイトで「DXビジネス検定™」を自社主催の検定として案内し、フッターに、同ドメインの™マークはすべて同社の商標であると記載しています。商標の帰属についても両者の記載は一致していません。
どちらの説明が正当かは、この記事では判断しません。両方の公式ページを読んだうえで、申込先を決めてください。
名前の似た別の試験を同じ枠に入れない
DXという語が付いた別の試験も検索結果に混ざります。全日本情報学習振興協会が実施しているのは「DXパスポート試験」「DX推進アドバイザー認定試験」「DXオフィサー認定試験」で、同協会は「DXビジネス検定」を実施していません。
ネクストエデュケーションシンクの「DX Next検定™」は60分100問で、同社のDXビジネス検定(60分96問)とは別の試験です。同社はこれを旧「DX検定™」のリニューアルと説明しており、学会はこの説明を否定しています。
申し込みを確定させる前の3ステップ
確認は、開いているページのドメインと主催者名を見る、出題数と合否の扱いを対照表と照らす、勤務先や学校から名称を指定されている場合はどちらの主催かを問い合わせる、の順です。認定を社内の指標や履歴書に使うなら、取り違えたままの受検は、受け直しが必要になることがあります。
ケンテイラボが収録しているDXビジネス検定の601問は、出題範囲を8分野に整理した練習用の問題です。どちらの主催者の公式問題でもなく、公式問題を再現したものでもありません。制度の確認は公式ページで、用語の下地づくりはこのサイトで、と使い分けてください。