調剤報酬請求事務専門士には、合格して認定証を受け取ったあとも2年に一度の更新制度があります。実施団体の一般社団法人専門士検定協会は、その目的を、最新の保険知識の習得をバックアップし有資格者のレベルを一定に保つためと説明しています。更新は再受験ではなく、郵送された更新問題に解答して提出する形式です。
そのため合格後の手続きは、受験対策とは別の段取りで動きます。案内はいつ届くのか、期日はどこに書かれているのか、複数の級を持つとどう扱われるのか。さらに第49回試験の合格者以降は更新グループが再編され、期日が繰り上がりました。以下は協会公式サイトの記載に基づきます。
更新問題に解答して返す手続きと、そこにかかる費用
更新費用は5,500円(10パーセント税込)です。この中に更新問題セット(問題・解答用紙・点数表)と事務手数料が含まれ、結果となる認定証は普通郵便で発送されます。レターパックプラスで受け取る場合は600円加算の6,100円です。2024年度以降は改定資料が同封されません。
更新問題はゆうメールで郵送され、協会の案内では郵便事情により4日から10日程度かかるとされています。問題の発送後はキャンセルできません。解くための教材として協会が挙げるのは公式テキストと処方箋問題集ですが、購入前に更新問題と同じ改定年度の版かを確認するよう案内されています。
更新案内のハガキは黙って届き続けるわけではない
合格後1回目の更新は、対象者全員に案内ハガキが郵送されます。しかし2回目以降は、前回更新した人にのみ郵送される仕組みです。直近の更新を見送って後日改めて更新したい場合は、協会へ連絡しておく必要があります。長く更新していなかった人が後から更新することも可能で、氏名と生年月日を伝えると更新時期を調べてもらえます。
案内ハガキには、更新対象グループとパスワードが記載されています。協会は、更新申込みの有無にかかわらず、申込締切日までにハガキ記載のグループのページでパスワードを入力し、内容を確認するよう求めています。申し込まない人も確認は必要です。
第49回合格者から更新グループが第1G〜第4GPに再編された
従来、調剤報酬の改定が行われた年は7月試験から新しい改定内容で実施されていました。これが第49回試験から変わり、改定年の最初の試験(7月)は前年度の改定内容、次の12月試験から最新の改定内容という順になりました。この変更に合わせて協会は更新グループを第1G〜第4GPに改め、第49回試験以降の資格所有者の更新期日を変更しています。第48回以前の取得者は変更がありません。
協会が示している具体例は次のとおりです。
- 第49回(2026年7月試験)の合格者は、従来の2028年9月更新から2028年3月更新へ
- 第50回(2026年12月試験)の合格者は、従来の2029年3月更新から2028年9月更新へ
- 第51回試験の合格者は、従来の2029年9月更新から2029年3月更新へ
- 第52回試験の合格者は、従来の2030年3月更新から2029年9月更新へ
いずれも6か月の前倒しです。第49回の合格者は本来の第1グループから第4グループ(改定2年目の3月更新)へ移り、第48回試験の合格者と同じ回で更新します。合格した回が1つ違うだけで最初の更新時期が半年ずれます。
認定証に書かれた更新期日は9月末日か3月末日
更新期日は認定証に記載されており、9月末日または3月末日のいずれかです。案内ハガキは、9月更新の人には7月中旬から下旬、3月更新の人には12月中旬から下旬に郵送されます。更新時期は合格した試験日で決まるため、本人の都合に合わせて変更することはできません。
2026年9月時点で協会が掲示しているグループ別の更新期限は、第1Gが2026年9月末日、第2Gが2027年3月末日、第3Gが2027年9月末日、第4Gが2028年3月末日です。このときの更新問題は2026年度調剤報酬改定の内容とされています。ただし認定証に書かれた更新期限と、更新申込みの受付期間は別物です。2026年9月時点では第1Gの申込受付は終了しており、第2G以降は受付開始前と掲示されています。期限までなら申し込めるという読み方はできないので、自分のグループの受付期間を協会のページで確認してください。
複数の級を持つ人は級が上・期日が直近で処理される
どの級からでも受験できるため、認定証が複数枚になることがあります。この場合の扱いは2つの原則で決まります。更新後の新認定証の級表示は、原則として取得済みの級のうち上級が優先されます。更新期日は、合格した直近の検定試験の認定証に記載された期日が優先されます。
協会が挙げている例は、第41回試験で1級に合格(9月更新)し、第42回試験で2級に合格(3月更新)した場合です。更新期日は新しい認定証の3月末日となり、更新後に発行される認定証は1級のみになります。下の級を後から取ると、級の表示は上のまま、期日だけが後から取ったほうに寄ります。なお期限切れの認定証は回収されません。
未更新のまま認定証を再発行しても期日は古いまま
認定証を紛失した場合の再発行料は1,750円(税込・手数料・送料込)です。未更新または更新を見送っている場合、再発行される認定証の更新期限も古い期日のままになると協会は案内しています。最新の期日が入った認定証が必要なら次回の更新を待つよう示されており、再発行は期日を先に進める手続きではありません。
認定証への証明写真の掲載は、個人情報保護の観点から廃止されました。これに伴い、従来の更新手続きで提出していた証明写真が不要になり、認定証のデザインも変更されています。
2年ごとに動く調剤報酬と、2年ごとの更新が噛み合っている
更新は有料かつ任意の制度で、協会は更新しなかったことによる資格の剥奪はないと明記しています(更新しない場合は認定証が更新されないという扱いです)。協会は更新の目的を、最新の保険知識の習得を支えて有資格者の水準を保つことと説明しています。調剤報酬の改定も2年周期です。令和8年6月施行の改定では、調剤基本料1が45点から47点になり、後発医薬品調剤体制加算と地域支援体制加算が統合されて地域支援・医薬品供給対応体制加算となり、医薬品の安定供給に関する要件だけで算定できる加算1(27点)が新たに置かれました。合格時に覚えた名称と点数の一部は、次の更新を迎える前に入れ替わっています。
しかも令和8年度改定は、中間年にも動く項目を含みます。調剤ベースアップ評価料4点と調剤物価対応料1点は令和9年6月以降は所定点数の100分の200で算定し、後発医薬品調剤体制加算は同改定で撤廃され、後発医薬品の数量割合は地域支援・医薬品供給対応体制加算の要件に組み込まれました。令和8年3月31日時点で旧加算の届出があった薬局は、令和9年5月31日までは新加算1の85%要件を満たすものとみなす経過措置が置かれています。2年に一度だけ確認すれば足りる形にはなっていません。
更新料と解答の手間は、資格を持ち続けるための維持コストです。一方で、制度が動く分野の知識を定期的に洗い直す仕組みとしては、改定周期と更新周期が噛み合った設計になっています。個別の算定の可否や手続きの判断は、協会の案内と厚生労働省の告示・通知で確認してください。