ケンテイラボ

2026/08/09

CCNAサブネッティング計算の解き方【ブロックサイズ法で暗算】

CCNA最大の関門であるサブネッティング計算を、紙とペンだけで速く解く手順に落とし込みました。2進数とCIDR表記の整理、暗記すべき2のべき乗とブロックサイズの早見表、ネットワークアドレス・ブロードキャスト・ホスト範囲の求め方、必要ホスト数からのプレフィックス長逆算、VLSMと経路集約、本番の時短テクニックまで具体的な数値例つきで解説します。

執筆:堀内諒平(ケンテイラボ運営者・資格試験対策アプリ開発者)

CCNA(200-301)で最初に立ちはだかるのがサブネッティング計算です。ルーティングもACLもVLANも「このIPはどのネットワークに属するか」を即答できることが前提になっています。この記事では、サブネッティングを2進数の変換作業ではなく「数列の当てはめ作業」に変換し、紙とペンだけで解く手順を数値例つきでまとめます。

なぜサブネッティングでつまずくのか

原因は2つです。1つは毎回32ビットを書き出してANDを取ろうとすること。理屈は正しいのですが1問2〜3分かかります。もう1つはマスク値を暗記していないこと。255.255.255.192を見て即座に/26と変換できないと、そこで思考が止まります。

CCNAは120分で100問前後を解く試験です。シミュレーション問題に時間を取られるため、選択式1問にかけられるのは実質40〜50秒程度。サブネッティングに毎回2分かけていると、後半の問題を読む時間そのものが消えます。時間切れの主因はここだと考えて最初に潰すべき分野です。

前提の整理:オクテットとCIDR表記

IPv4アドレスは32ビットで、8ビットずつ区切った各ブロックがオクテットです。1オクテットは0〜255の256通り。サブネットマスクは「先頭何ビットがネットワーク部か」を示し、255.255.255.0という10進表記と/24というCIDR表記があります。試験では両表記が混在するため、相互変換は反射でできる状態が必要です。

2進数側で覚えるのは1オクテット内のビットの重み(128・64・32・16・8・4・2・1)だけです。11000000は128+64=192、11100000は128+64+32=224。この8つが書ければ変換に迷いません。

暗記すべき数字の早見表

次の3つの数列を反射で出せれば計算の9割は片付きます。3つとも同じ数列の裏返しです。

  • 2のべき乗:2, 4, 8, 16, 32, 64, 128, 256
  • マスクに現れる値:128, 192, 224, 240, 248, 252, 254, 255(これ以外は出てこない)
  • ブロックサイズ=256−マスク値:128, 64, 32, 16, 8, 4, 2, 1
  • /25 = 255.255.255.128 = ブロック128 = 有効ホスト126台
  • /26 = 255.255.255.192 = ブロック64 = 有効ホスト62台
  • /27 = 255.255.255.224 = ブロック32 = 有効ホスト30台
  • /28 = 255.255.255.240 = ブロック16 = 有効ホスト14台
  • /29 = 255.255.255.248 = ブロック8 = 有効ホスト6台
  • /30 = 255.255.255.252 = ブロック4 = 有効ホスト2台(ルータ間リンク用)

有効ホスト数はブロックサイズ−2。ネットワークアドレスとブロードキャストは割り当てられないためです。第3オクテットが動く場合も同じで、/23は510台、/22は1022台、/21は2046台、/20は4094台になります。

ブロックサイズ法で3つのアドレスを出す

「192.168.10.100/26 のネットワークアドレス・ブロードキャスト・ホスト範囲を答えよ」を、2進数を使わずに解きます。

手順1:ブロックサイズを出す

/26のマスクは255.255.255.192。動くのは第4オクテットで、ブロックサイズは256−192=64です。

手順2:倍数を書き出す

0から64刻みで区切りを書きます。0・64・128・192。これがネットワークアドレスの候補です。

手順3:対象がどの区間かを見る

第4オクテットの100は64以上128未満なので区間64〜127。ネットワークアドレスは192.168.10.64です。

手順4:ブロードキャストとホスト範囲

ブロードキャストは次の区切りの1つ手前で128−1=127、つまり192.168.10.127。ホスト範囲は192.168.10.65〜192.168.10.126の62台で、早見表と一致します。/27の例なら172.16.5.50/27はブロック32、区切り0・32・64…で50は32〜63。ネットワーク172.16.5.32、ブロードキャスト172.16.5.63、範囲は.33〜.62の30台です。

第3オクテットが動く場合も同じ

10.1.130.45/22はマスク255.255.252.0、ブロックサイズ256−252=4。第3オクテットの区切りは…124・128・132で、130は128〜131に入ります。ネットワークは10.1.128.0、ブロードキャストは10.1.131.255、範囲は10.1.128.1〜10.1.131.254の1022台です。

必要ホスト数からプレフィックス長を逆算する

  • 1. 必要ホスト数に2を足す(ネットワークとブロードキャスト分)
  • 2. それ以上になる最小の2のべき乗を選び、指数n(ホスト部のビット数)を出す
  • 3. プレフィックス長は32−n

50台なら52以上の最小は64(2の6乗)でn=6、32−6=26。/26で62台となり要件を満たします。100台なら102以上の最小は128でn=7、/25(126台)。300台なら302以上の最小は512でn=9、/23(510台)。ルータ間リンクは2台で足りるのでn=2、/30が定番です。

サブネット数からの逆算も同じ発想です。192.168.1.0/24を6つに分けるなら6以上の最小は8(2の3乗)で3ビット借り、24+3=27。/27で各30台・8サブネットになります。

VLSMとサマライズ(経路集約)

VLSMは1つの空間を用途ごとに違うサイズで切る手法で、コツは大きいセグメントから割り当てること。192.168.1.0/24を営業100台・開発50台・管理20台・ルータ間2本に分けるなら、営業は/25で.0〜.127、開発は/26で.128〜.191、管理は/27で.192〜.223、リンクは/30を2つ取って.224〜.227と.228〜.231。残る.232〜.255が予備です。

サマライズはその逆で、複数経路を1つにまとめます。192.168.0.0/24〜192.168.3.0/24の4つは、連続4個=2の2乗なので/24から2ビット短くして192.168.0.0/22。172.16.8.0/24〜172.16.11.0/24も同様に172.16.8.0/22です。条件は開始アドレスがブロックサイズの倍数であること。/22の区切りは0・4・8…なので、192.168.1.0から4つまとめて/22にすることはできません。ここは誤答選択肢の定番です。

本番で速く解くための小技

  • 先に選択肢を見る:3つが明らかに区間外なら計算せず消去法で決まる
  • 動くオクテットは1つだけ:マスクが255の部分は書き写すだけで計算しない
  • 開始直後に早見表を転記:/25〜/30のマスク値・ブロック・ホスト数を控えれば全問で使い回せる
  • ブロードキャストは「次の区切り−1」:直接計算しようとしない
  • ワイルドカードマスクは「ブロックサイズ−1」:/26ならACLやOSPFで使う0.0.0.63
  • 迷ったら30秒で切り上げ、印を付けて後で戻る

特に効くのが2つ目です。マスクが255のオクテットはネットワーク部が確定済みなので触る必要がありません。扱う数字が0〜255に収まり、暗算の負荷が一気に下がります。

ケンテイラボの647問での確認方法

サブネッティングは知識ではなく手続きなので、間隔をあけて反復した後に定着します。ケンテイラボはCCNA対策問題を全647問・登録不要で公開しています。

  • 初期:IPアドレッシング分野に絞り、早見表を見ながらで手順を体に入れる
  • 中期:早見表を見ずに解き、間違えた問題だけ復習モードで繰り返す
  • 後期:ランダム出題で他分野と混ぜ、40秒以内で処理できるか計測する
  • 直前期:全647問を2〜3周し、計算問題の正答率90%以上を目安にする

目安は「/25〜/30のどれでも3つのアドレスを30秒以内に書き出せる」状態です。ここまで来ればサブネッティングは得点源に変わります。

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