SAAはサービス名と機能の暗記では点が伸びません。設問はユースケース形式で、選択肢には「どれも動きそうなサービス」が並ぶからです。詰まる原因は知識不足ではなく、似たサービスの境目を言語化できていない点にあります。
問われるのは「要件を満たす最も適切な構成」。不正解の選択肢も技術的には実現可能で、動くかではなく要件に忠実かを比べます。対策は、単体でなくペアで「何が違うか」ごと覚えることです。
ストレージの使い分け
S3 / EBS / EFS / FSx
- S3:オブジェクトストレージ。静的コンテンツ配信、バックアップ、データレイクなど
- EBS:単一EC2にアタッチするブロックストレージ。OSやDBの低レイテンシ用途
- EFS:複数EC2から同時マウントできる共有ファイルストレージ。「複数台で同じファイルを共有」ならこれ
- FSx for Windows File Server:SMBのWindows共有。Active Directory連携が要件ならこちら
- FSx for Lustre:HPCや機械学習の大規模並列処理向け
- インスタンスストア:停止で消える一時領域。永続性が要件なら常に誤り
入口は「1台か複数台同時か」「ブロックかオブジェクトか」の2軸です。
ストレージクラスとGlacier系
- アクセス頻度が読めない:Intelligent-Tiering
- 稀だが即座に取り出したい:標準-IA、One Zone-IA(単一AZなので耐障害性の要件では誤り)
- アーカイブだがミリ秒で取り出したい:Glacier Instant Retrieval
- 長期保管でコスト最優先、取り出しに時間がかかってよい:Glacier Deep Archive
- 「一定期間後に自動で安いクラスへ」:ライフサイクル
データベースの使い分け
- RDS:既存のリレーショナルDBをそのまま移行、エンジンを選びたい
- Aurora:MySQL/PostgreSQL互換で高性能・高可用性。リージョン跨ぎはGlobal Database
- DynamoDB:NoSQL。スキーマレス、極めて低レイテンシ、サーバー管理不要
- ElastiCache:キャッシュ層。「読み取り負荷でDBが苦しい」が典型
- Redshift:データウェアハウス。集計・分析・BI連携・複雑なクエリ
リードレプリカとマルチAZ配置は混同しがち。前者は読み取りのスケール、後者は可用性の冗長構成です。
ロードバランサとネットワークの使い分け
- ALB:HTTP/HTTPS向け。パスやホスト名でのルーティング、コンテナへ振り分け
- NLB:TCP/UDPの負荷分散。超低レイテンシ、高スループット、静的IPが要るとき
- CloudFront:エッジでキャッシュするCDN。静的コンテンツ高速化、地理的制限
- Global Accelerator:キャッシュせず最適経路に流す。非HTTPや高速なリージョン切り替え
- Direct Connect:専用線。一貫した帯域と低レイテンシが要件で構築期間を許容できる
- Site-to-Site VPN:インターネット経由の暗号化接続。短期間で用意、専用線の予備
CloudFrontとGlobal Acceleratorはキャッシュの有無が決定的な違いです。
疎結合・非同期の使い分け
- SQS:キューに溜めて受信側が取りに行く。急増の吸収、処理の分離、再試行。順序保証はFIFO
- SNS:パブサブ型。1つのイベントを複数の宛先へ届けるファンアウト
- EventBridge:イベントをルールでフィルタして連携。イベント駆動やスケジュール実行
- Step Functions:複数ステップを順序・分岐・再試行つきで組むワークフロー管理
コンピューティングと購入オプション
- EC2:OSレベルの制御が必要、既存アプリをそのまま移行
- Lambda:イベント駆動で実行時間が短い処理。サーバー管理が不要
- ECS:AWSに閉じた手軽なコンテナ実行/EKS:Kubernetes資産や移植性が明記のとき
- Fargate:EC2を管理せずコンテナを動かす。「運用負荷を最小に」と好相性
- オンデマンド:短期・変動する負荷/Savings Plans・リザーブド:安定した定常負荷
- スポット:中断可のバッチ/Dedicated Host:ライセンス持ち込みやコンプライアンス
マルチAZとマルチリージョンの違い
マルチAZは複数AZにまたがる構成でデータセンター単位の障害に耐えるもの。マルチリージョンはリージョン全体の障害や広域災害への備えです。
- 「単一障害点をなくす」「高可用性」→ マルチAZ+Auto Scaling+ELBが基本形
- 「リージョン障害に耐える」「災害対策」→ クロスリージョン複製やRoute 53
- 「世界中の利用者のレイテンシを下げる」→ CloudFrontやGlobal Accelerator
高可用性どまりの要件でマルチリージョンを選ぶと、コストと複雑さの分だけ他に負けます。逆にDR明記の設問をマルチAZで済ませるのも誤りです。
キーワードから正解を絞る読み方
設問の定型表現は実質的なヒントです。先に要件語を拾ってから選択肢を見る順に変えると判断が安定します。
- 「最もコスト効率が高い」→ サーバーレス、スポット、適切なストレージクラス
- 「運用負荷を最小に」→ マネージド優先。EC2への自前構築は基本的に誤り
- 「可用性を高める」→ 複数AZ、Auto Scaling。単一AZ・単一インスタンスを切る
- 「レイテンシを最小に」→ キャッシュ、エッジ、読み取り用レプリカ
- 「最小権限」「認証情報を安全に」→ IAMロール。アクセスキーの埋め込みは常に誤り
- 「既存のアプリを変更せずに」→ リフト&シフト寄りの構成
- 「分析」「レポート作成」→ 分析基盤側。トランザクション用DBでの代替を切る
ケンテイラボの704問での確認方法
ケンテイラボのAWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト対策は全704問を分野別に収録しています。まず分野別演習で各領域を1周し、間違いを「知らなかった」のか「使い分けを誤った」のかで仕分けてください。後者こそ伸びしろです。
復習モードで間違いを解き直し、そのたびに「なぜ他の選択肢ではないのか」を一言で言えるか確認します。仕上げは要件語を意識したランダム出題での通し演習。登録不要・完全無料です。