銀行業務検定 財務3級の学習で土台となるのが、財務諸表の構造と主要な会計処理・分析指標の要点です。貸借対照表・損益計算書の区分、流動と固定の分類基準、そして財務分析の算式は、知識問題でも計算問題でも繰り返し問われます。この記事では、ケンテイラボの財務3級対策322問で頻出のポイントを、「これだけは覚えておきたい」要点に絞って一覧で整理します。試験直前の総まとめや、テキスト学習の復習に活用してください。
財務諸表と計算書類の基本
- 会社法上の計算書類:貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表の4つ
- キャッシュ・フロー計算書は会社法上の計算書類には含まれない
- 事業報告と附属明細書は作成が求められるが計算書類ではない
- 貸借対照表(B/S):一時点の財政状態を表す
- 損益計算書(P/L):一期間の経営成績を表す
- キャッシュ・フロー計算書(C/F):一期間の資金の流れを表す
まず「計算書類は4つ、C/Fは含まれない」という基本を押さえましょう。3つの財務諸表それぞれが何を表すかを理解すると、以降の会計処理と分析の位置づけが見えてきます。
企業会計原則の一般原則(7つ)
- 真実性の原則:真実な報告を求める最上位の原則
- 正規の簿記の原則:正確な会計帳簿の作成を求める
- 資本取引・損益取引区分の原則:資本剰余金と利益剰余金を混同しない
- 明瞭性の原則:利害関係者に明瞭に表示する
- 継続性の原則:採用した会計処理を継続して適用する
- 保守主義の原則:不利な影響に備え健全な処理を行う
- 単一性の原則:形式が異なっても会計記録は1つ
一般原則は7つ。単一性の原則の説明にある「真実な表示」という言葉から真実性の原則と混同しやすいので注意しましょう。重要性の原則は注解で定められた別の原則です。
流動・固定の分類基準
- 正常営業循環基準:営業サイクル(仕入→在庫→売上→回収)の中にあるものは流動
- ワン・イヤー・ルール:1年以内に回収・支払期限が到来するものは流動
- まず営業循環基準で判断し、外れるものを1年基準で判断する
- 前受金は営業循環の中にあるため流動負債(1年超でも)
- 不渡手形は営業循環から外れるため1年基準で判断
- 流動性配列法:換金性の高い順(流動資産→固定資産→繰延資産)に並べる
分類基準は2つの適用順序がポイントです。「営業循環の中か」を先に見て、外れるものだけ「1年以内か」で判断する、という流れを押さえると、ひっかけ問題にも対応できます。
貸借対照表の区分
- 資産の部:流動資産・固定資産・繰延資産の3区分
- 固定資産:有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産の3区分
- 純資産の部:株主資本・評価換算差額等・株式引受権・新株予約権など
- 株主資本:資本金・資本剰余金・利益剰余金・自己株式
- 無形固定資産の例:特許権・のれん・ソフトウェア・借地権
- 投資その他の資産の例:投資有価証券・関係会社株式・長期貸付金・ゴルフ会員権
主要な会計処理の要点
- 減価償却(定額法)=(取得原価-残存価額)÷耐用年数(月割りに注意)
- 定率法:初期に多く償却、償却保証額を下回ると定額法に切替、備忘価額1円
- 資本的支出は資産計上、収益的支出(現状維持・修繕)は費用処理
- 繰延資産5項目:株式交付費・社債発行費等・創立費・開業費・開発費
- 引当金の要件:将来の費用・損失、当期以前の事象起因、発生可能性が高い、金額を合理的に見積れる
- 有価証券:売買目的は時価評価(損益)、満期保有は取得原価(償却原価)、その他有価証券は純資産に評価差額
減価償却と引当金は財務3級の頻出テーマです。定額法の算式は月割り計算まで押さえ、引当金は4つの要件をセットで覚えておくと、設定可否を問う問題に対応できます。
損益計算書の段階利益
- 売上総利益=売上高-売上原価
- 営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費
- 経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用
- 税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失
- 当期純利益=税引前当期純利益-法人税等±法人税等調整額
- 売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高
段階利益は上から順に「本業→経常→最終」と利益の範囲が広がっていく構造です。5つの利益がどの費用・収益を加減して求められるかを、流れで覚えておきましょう。
収益性・効率性の主要な算式
- 総資本経常利益率=経常利益÷総資本×100
- 総資本回転率=売上高÷総資本(回)
- 売上債権回転期間=売上債権÷売上高×12(月)
- 回転率と回転期間は逆数の関係にある
- 損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率(=固定費÷(1-変動費比率))
- 安全余裕率=(実際売上高-損益分岐点売上高)÷実際売上高×100
財務分析は算式暗記が得点の前提です。回転率と回転期間は逆数の関係にある点、損益分岐点は限界利益率で割る点を、意味とセットで押さえておくと計算を取り違えません。
安全性・株主還元の主要な算式
- 流動比率=流動資産÷流動負債×100(高いほど安全)
- 当座比率=当座資産(流動資産-棚卸資産)÷流動負債×100
- 固定長期適合率=固定資産÷(自己資本+固定負債)×100
- ROE=当期純利益÷自己資本×100
- ROA=当期純利益÷総資産×100
- 配当性向=配当金÷当期純利益×100、運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務
安全性指標は「支払能力」を測るもの。流動比率と当座比率の違い(棚卸資産を含むか)を押さえましょう。ROEは財務レバレッジで分解する出題もあるため、算式の意味まで理解しておくと安心です。
直前チェック:混同しやすいポイント
- 計算書類は4つ/キャッシュ・フロー計算書は含まれない
- 正常営業循環基準(先に判断)/ワン・イヤー・ルール(外れたものを判断)
- 資本的支出(資産計上)/収益的支出(費用処理)
- 定額法(毎期均等)/定率法(初期に多い)
- 回転率(売上高÷資産)/回転期間(資産÷売上高×12)
- 流動比率(棚卸資産含む)/当座比率(棚卸資産を除く)
ケンテイラボで財務3級の要点を定着させよう
ここで整理した財務諸表の要点は、ケンテイラボの銀行業務検定 財務3級対策322問で繰り返し演習することで定着します。財務諸表の基礎から会計処理、決算整理・連結などの個別論点、収益性・安全性・効率性の財務分析まで8分野を分野別に絞り込んで演習でき、苦手分野を重点的に潰せます。早見表で全体像をつかんだら、完全無料の問題演習で、五肢択一の本番形式に対応できる得点力に変えていきましょう。