ワイン検定シルバークラスは、日本ソムリエ協会(J.S.A.)が主催するワイン中級資格です。100問・60分・正答率70%以上が合格基準で、ブロンズの内容に加えて世界主要ワイン産地の地理・気候・品種・格付け制度を体系的に問われます。「世界のワインを地図で語れる」レベルの知識がないと合格基準には届きません。本記事では、出題範囲全7分野ごとの学習ポイント、勉強スケジュールのモデルケース、公式テキストの使い方、つまずきやすいポイントまでを網羅的に解説します。
ワイン検定シルバークラスとは
ワイン検定は、日本ソムリエ協会が「より多くの方にワインを楽しんでもらう」ことを目的に2012年から始めた一般向けの検定です。シルバークラスは中級レベルにあたり、ブロンズで学んだ基礎の上に、フランス・イタリア・ドイツ・スペイン・新世界各国の主要産地・品種・格付けといった「世界のワインを体系的に理解するための知識」を幅広く問う構成になっています。受験には講習会の受講が必須で、受講料と受験料がセットで16,500円(税込)。会場で半日ほどの講習を受け、その後すぐに試験を行うのが特徴です。
資格取得のメリットは大きく分けて3つあります。1つ目は、世界のワインを「産地から語れる」ようになること。レストランのワインリストを見て産地・品種を判断でき、ペアリングの提案もできるレベルになります。2つ目は、上位資格(ワインエキスパート・ソムリエ)への明確なステップになること。シルバーの内容は、上位資格の基礎範囲とほぼ重なります。3つ目は、飲食業・小売業でのキャリアアップに大きく役立つこと。ワインショップやレストランでの推奨業務にも自信を持って臨めます。
試験の基本情報
- 出題数:100問(マークシート式・4択)
- 試験時間:60分
- 合格基準:正答率70%以上(70問以上正解)
- 主催:一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)
- 受験料:16,500円(税込、講習会受講料込み)
- 受験形式:講習会+検定試験のセット
- 受験資格:満20歳以上、ブロンズ合格は不要(直接シルバー受験可)
- 実施時期:年2回(春・秋)
- 実施会場:全国の主要都市(東京・大阪・名古屋など)
1問あたりの配点は1点(100問×1点=100点満点)で、70点以上で合格となります。60分で100問なので、1問あたり36秒。マークシート式とはいえ、わからない問題に時間をかけすぎると最後まで解ききれないので、テンポよく進める練習が必須です。シルバーはブロンズ合格者でなくても受験可能ですが、ブロンズの基礎知識を前提とした難易度になっているため、未受験者は事前にブロンズ範囲を学習しておくことが推奨されます。
出題範囲7分野と配点の目安
ワイン検定シルバーの出題は、公式テキストの章立てに沿って大きく7つの分野(産地)に分けられます。当サイト(ケンテイラボ)に収録している全590問の対策問題を分野別に集計すると、以下のような出題比率の目安が見えてきます。
- ① 日本:約12%(GI制度・甲州・マスカット・ベーリーA)
- ② フランス:約30%(ボルドー・ブルゴーニュ・シャンパーニュ・ロワール・ローヌ・アルザス)
- ③ イタリア:約20%(ピエモンテ・トスカーナ・ヴェネト・シチリア等20州)
- ④ ドイツ・オーストリア:約10%(QmP6段階・モーゼル・ラインガウ)
- ⑤ スペイン・ポルトガル:約10%(リオハ・シェリー・ポートワイン)
- ⑥ 南北アメリカ(新世界):約10%(カリフォルニア・チリ・アルゼンチン)
- ⑦ 南半球(オセアニア・アフリカ):約8%(豪・NZ・南アフリカ)
②③だけで全体の50%、つまりフランスとイタリアだけで配点の半分を占めます。シルバー対策の最大の鍵は、いかにフランスとイタリアの主要産地を体系的に覚えられるかにかかっています。「フランス・イタリアで稼ぎ、その他で取りこぼさない」が基本戦略になります。
分野別の学習ポイント
① 日本(100問中12問程度の出題)
日本のワイン産地と日本ワインの定義を扱う分野です。「日本ワイン」は国産ブドウ100%・国内製造というGI(地理的表示)に基づく定義があり、輸入濃縮果汁を使った国内製造ワインとは区別されます。海外ワインを学ぶ前に、日本のワインの位置づけを理解する基礎分野です。
- 日本ワインの定義:国産ブドウ100%・国内製造(GI制度)
- GI(地理的表示)認定産地:山梨・北海道・大阪・山形・長野・新潟
- 山梨:甲州の最大産地、勝沼が中心地
- 長野:千曲川ワインバレー・桔梗ヶ原など、メルロが有名
- 北海道:寒冷地ワイン、ピノ・ノワールやケルナー
- 山形:上山・南陽など赤白バランスが取れた産地
- 甲州:日本固有の白ブドウ、和食に合う繊細な味わい
- マスカット・ベーリーA:日本固有の黒ブドウ、軽快な赤に
② フランス(100問中30問程度・最重要分野)
ワイン検定シルバーの最重要分野です。ボルドー・ブルゴーニュ・シャンパーニュなど主要地域ごとの土壌・気候・主要品種・代表AOC・格付けを体系的に問われます。出題数が圧倒的に多く、ここを取りこぼすと合格は厳しくなるので、優先度を最高にして取り組みましょう。
ボルドーで覚えるべきポイント
- 1855年メドック格付け:1級〜5級(5級まで)の61シャトー
- 左岸(メドック・グラーヴ):カベルネ・ソーヴィニヨン主体
- 右岸(サンテミリオン・ポムロール):メルロ主体
- ソーテルヌ:貴腐ワインの聖地、シャトー・ディケムが頂点
- サンテミリオンの格付け(10年ごと改定)
ブルゴーニュで覚えるべきポイント
- 格付けの4階層:地方名→村名→1級畑→特級畑
- 特級畑(グラン・クリュ):33の畑、コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌに集中
- コート・ド・ニュイ:ピノ・ノワールの赤が中心(ロマネ・コンティ等)
- コート・ド・ボーヌ:白ワインの最高峰(モンラッシェ等)
- シャブリ:シャルドネ100%、4階層(プティ→シャブリ→1級→特級)
- ボージョレ:ガメイ100%、特に「クリュ・デュ・ボージョレ」10村
シャンパーニュで覚えるべきポイント
- 3つの主要品種:シャルドネ・ピノ・ノワール・ピノ・ムニエ
- 瓶内二次発酵(メソッド・トラディショナル)が必須
- 村格付け:17のグラン・クリュ村、44のプルミエ・クリュ村
- ドサージュによる甘辛度分類:ブリュット・ナチュレ〜ドゥー
- ヴィンテージ・ノンヴィンテージの違い、最低熟成期間
その他フランス主要産地
- ロワール:サンセール・プイィ・フュメ(ソーヴィニヨン・ブラン)、ヴーヴレ(シュナン・ブラン)
- ローヌ:北部はシラー、南部はグルナッシュ主体(シャトーヌフ・デュ・パプ)
- アルザス:リースリング・ゲヴュルツトラミネール・ピノ・グリの白
- ラングドック:南仏の大規模生産地、コスパの良い赤白
- プロヴァンス:ロゼワインの一大産地
- 南西地方:マディラン(タナ)・カオール(マルベック)
③ イタリア(100問中20問程度・第2の重要分野)
イタリアの州別主要産地・DOCG/DOC制度・代表ワインを扱う分野です。20州ごとの個性的なワインを、ブドウ品種と地域の組み合わせで覚えます。多様性が魅力の難関分野です。
覚えるべきイタリア主要DOCG
- ピエモンテ州:バローロ・バルバレスコ(ネッビオーロ)、アスティ(モスカート)
- トスカーナ州:キアンティ・キアンティ・クラッシコ(サンジョヴェーゼ)
- トスカーナ州:ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(サンジョヴェーゼ100%)
- トスカーナ州:ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ
- ヴェネト州:ソアーヴェ(ガルガーネガ)、アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ
- ヴェネト州:プロセッコ(グレーラ、シャルマ方式)
- シチリア州:ネロ・ダーヴォラの赤、エトナの土着品種
- プーリア州:プリミティーヴォ(カリフォルニアのジンファンデルと同種)
- サルデーニャ州:カンノナウ(グルナッシュ系)
スーパータスカン(ティニャネロ・サッシカイア・オルネライアなど)はDOCではなくIGTやDOCの枠組みで作られる高級ワインで、フランス品種を主体とすることが多い点も頻出ポイントです。
④ ドイツ・オーストリア(100問中10問程度の出題)
ドイツの格付け制度と主要産地、リースリングを中心とした品種、貴腐ワインや遅摘みワインの製法を扱う分野です。冷涼地域ならではの白ワインが中心です。
- ドイツの格付け:地ワイン→ラントワイン→QbA→プレディカーツヴァイン
- プレディカーツヴァインの6段階:カビネット→シュペートレーゼ→アウスレーゼ→ベーレンアウスレーゼ→アイスヴァイン→トロッケンベーレンアウスレーゼ(TBA)
- 主要産地:モーゼル(リースリングの聖地)・ラインガウ・ファルツ・ラインヘッセン
- リースリングの特徴:ペトロール香、酸味と甘味のバランス、長期熟成可能
- VDP(ドイツ高級ワイン生産者連盟)の格付け:グローセス・ゲヴェクス等
- オーストリア:グリューナー・フェルトリーナー(白)、ブラウフレンキッシュ(赤)
- オーストリアの主要産地:ヴァッハウ・ブルゲンラント・ニーダーエスタライヒ
⑤ スペイン・ポルトガル(イベリア半島)(100問中10問程度の出題)
スペインの格付けと主要産地、ポルトガルのポートワインやマデイラの製法を扱う分野です。酒精強化ワインの本場として、独自の製法に注目します。
- スペインの格付け:DOCa(最上位、リオハとプリオラート)→DO→VdlT→Vino
- リオハ:テンプラニーリョ主体、熟成区分(ホーベン→クリアンサ→レゼルバ→グラン・レゼルバ)
- リベラ・デル・ドゥエロ:テンプラニーリョの別名ティント・フィノ
- プリオラート:ガルナッチャ(グルナッシュ)・カリニェナの濃厚な赤
- カバ:スペインのスパークリング、瓶内二次発酵、主にカタルーニャ州
- シェリー:アンダルシア州ヘレス、ソレラシステム熟成、フロール酵母
- シェリーの主要タイプ:フィノ・マンサニーリャ・アモンティリャード・オロロソ・ペドロ・ヒメネス
- ポートワイン:ポルトガルのドウロ渓谷、ヴィンテージ・LBV・トウニーの違い
- マデイラ:火の島の酒精強化ワイン、加熱熟成(エストゥファ)
- ヴィーニョ・ヴェルデ:軽快な微発泡白
⑥ 南北アメリカ(新世界)(100問中10問程度の出題)
アメリカ・チリ・アルゼンチン・カナダの主要産地と品種を扱う分野です。AVA・DO制度の違い、アイスワインなど独特のスタイルにも注目します。
- アメリカ:AVA(American Viticultural Area)制度
- カリフォルニア:ナパヴァレー(カベルネ)・ソノマ・セントラルコースト
- オレゴン:ウィラメット・ヴァレーのピノ・ノワール
- ワシントン:コロンビア・ヴァレーの赤白バランス産地
- チリ:マイポ・コルチャグア・カサブランカが主要産地
- チリ固有品種:カルメネール(ボルドーから持ち込まれた品種)
- アルゼンチン:メンドーサ州が中心、高地栽培
- アルゼンチン主要品種:マルベック(赤)・トロンテス(白)
- カナダ:オンタリオ州・BC州、アイスワインの主要生産国
⑦ 南半球(オセアニア・アフリカ)(100問中8問程度の出題)
オーストラリア・ニュージーランド・南アフリカの主要産地と品種を扱う分野です。南半球ならではの気候と個性的なワインを整理します。
- オーストラリア:GI(Geographical Indication)制度
- 南オーストラリア:バロッサ・ヴァレー(シラーズ)、クナワラ(カベルネ)
- 西オーストラリア:マーガレット・リヴァー(カベルネ・シャルドネ)
- ヴィクトリア:ヤラ・ヴァレー(ピノ・ノワール)
- オーストラリア固有:シラーズの代名詞、ペンフォールズ・グランジが象徴
- ニュージーランド:マールボロのソーヴィニヨン・ブランが世界的名声
- ニュージーランド:セントラル・オタゴのピノ・ノワール、ホークス・ベイの赤
- 南アフリカ:ステレンボッシュ・パール、ピノタージュ(南ア固有品種)
- 南アフリカ:シュナン・ブラン(現地名スティーン)の最大栽培国
勉強スケジュールのモデルケース
ワイン検定シルバーの学習期間は、ブロンズ範囲の予備知識量や1日に確保できる学習時間によって変わります。ブロンズ合格者なら1〜2ヶ月、未受験者なら2〜3ヶ月が目安です。以下の3パターンから自分に合うスケジュールを選んでください。
【1ヶ月集中コース】1日1.5〜2時間
- 1週目:フランスを徹底的に(ボルドー・ブルゴーニュ・シャンパーニュの格付け)
- 2週目:イタリア20州とドイツ・オーストリアの格付け
- 3週目:スペイン・ポルトガル・新世界各国を整理
- 4週目:日本+全分野の問題演習で正答率70%安定を確認
ブロンズ合格者向け。1日1.5〜2時間×30日=合計45〜60時間の学習量。短期間での詰め込みになるため、ワイン産地の地図を毎日眺めて視覚的に整理するのが成功の鍵になります。
【2ヶ月標準コース】1日30分〜1時間
- 1〜3週目:フランス全土を集中学習(ボルドー・ブルゴーニュ・シャンパーニュ)
- 4〜5週目:イタリア20州とドイツ・オーストリア
- 6〜7週目:スペイン・ポルトガル・新世界各国
- 8週目:日本+総復習・問題演習で弱点補強
ワイン中級者向けの最も標準的なコース。1日30分〜1時間×60日=合計30〜60時間の学習量。仕事と両立しながらでも無理なく合格レベルに到達できます。週末にまとまった時間が取れる方は、平日30分・週末2時間の配分にすると効率的です。
【3ヶ月じっくりコース】1日20〜30分
- 1〜3週目:ブロンズ範囲の復習+日本ワインの整理
- 4〜6週目:フランス(ボルドー・ブルゴーニュ)の格付けを完全暗記
- 7〜8週目:シャンパーニュ・ロワール・ローヌ・アルザス
- 9〜10週目:イタリア・ドイツ・オーストリア
- 11週目:スペイン・ポルトガル・新世界
- 12週目:模擬試験+総復習+直前1週間の追い込み
ブロンズ未受験者・初学者向け。1日20〜30分×90日=合計30〜45時間。長期間に分散することで、世界の産地知識が記憶に深く定着します。「短期集中は苦手」「コツコツ型」の方におすすめです。
効率的な学習ステップ
ステップ1:公式テキストを1度通読する(所要2〜3日)
まずは細かい暗記をせずに、公式テキストを最初から最後まで通読します。目的は「全体像を把握すること」と「自分が知らない国・地域を特定すること」。マーカーを引きすぎず、章のタイトルと構成を意識して読むのがコツです。
ステップ2:フランスを徹底的に攻略する(所要2〜3週間)
全体の30%を占めるフランスに最も時間を割きます。ボルドー1855年格付けの5級分類、ブルゴーニュの特級畑33、シャンパーニュの17グラン・クリュ村など、暗記項目が膨大です。地方ごとに1週間ずつ集中して取り組み、地図と一緒に覚えましょう。
ステップ3:イタリアを州別に整理する(所要1〜2週間)
イタリアは20州あり、それぞれに代表ワインがあります。「州 × DOCG/DOC × 主要品種 × 代表ワイン」を1セットでカード化し、毎日反復しましょう。ピエモンテのバローロ=ネッビオーロ、トスカーナのキアンティ=サンジョヴェーゼなど、典型的な対応関係から覚えるのがコツです。
ステップ4:ドイツの格付け6段階を完全暗記(所要3〜5日)
ドイツのプレディカーツヴァインの6段階(カビネット→シュペートレーゼ→アウスレーゼ→ベーレンアウスレーゼ→アイスヴァイン→TBA)は頻出。「収穫時の糖度が上がるほどランクが上」と覚えると、順序を間違えにくくなります。
ステップ5:スペイン・新世界を地図で整理(所要1週間)
スペインのリオハ・シェリー、ポルトガルのポート・マデイラ、新世界各国の主要産地を地図上で位置確認しながら整理します。「リオハ=テンプラニーリョ」「マールボロ=ソーヴィニヨン・ブラン」など、典型ペアを優先して覚えましょう。
ステップ6:問題演習で実力を確認(所要1週間)
ある程度知識が入ったら、分野別の演習問題で正答率を測定します。70%を超えていない分野はテキストに戻って復習。本サイト(ケンテイラボ)の590問は、本番の出題傾向に合わせて分野別に整理されているので、苦手分野の特定と克服に使えます。
公式テキストの活用ポイント
ワイン検定シルバーには日本ソムリエ協会が編纂する公式テキストがあり、受講料に教材費が含まれているため別途購入する必要はありません。試験問題はこの公式テキストの内容から出題されるため、市販のワイン書籍で勉強するよりも公式テキストを徹底的に読み込む方が効率的です。
- 公式テキストの章立てに沿って学習を進める(オリジナル順序で勉強しない)
- 産地の地図はコピーして書き込み式の自作ノートに
- わからない用語は別ノートに書き出して個別に調べる
- 公式テキストに載っていない情報は試験に出ないと割り切る
- 講習会で講師が強調したポイントは特に重要(出題されやすい)
受験者がつまずきやすいポイント
つまずき1:フランスの格付けが複雑で混乱する
ボルドーは「1855年メドック5級」、ブルゴーニュは「特級・1級・村名・地方名の4階層」、シャンパーニュは「グラン・クリュ村・プルミエ・クリュ村」と、地域ごとに格付けの仕組みが全く異なります。まず「地域ごとに格付けの考え方が違う」と頭に入れて、地域別にノートを分けて整理しましょう。
つまずき2:イタリア20州が覚えきれない
20州を完璧に覚える必要はありません。出題頻度の高いピエモンテ・トスカーナ・ヴェネト・シチリアの4州を完璧にすれば、配点の大部分をカバーできます。残りはマイナー州として軽く触れる程度で十分です。
つまずき3:ドイツの6段階格付けの順序を間違える
プレディカーツヴァインの6段階は「収穫時の糖度の高さ=ランクの高さ」と覚えると順序を間違えにくくなります。カビネット(基本)→シュペートレーゼ(遅摘み)→アウスレーゼ(選り抜き房)→ベーレンアウスレーゼ(選り抜き粒)→アイスヴァイン(凍結)→TBA(貴腐選り抜き粒)の順です。
つまずき4:シェリーのタイプが区別できない
フィノ・マンサニーリャ・アモンティリャード・オロロソ・ペドロ・ヒメネスの違いは「フロール酵母の有無」と「熟成方法」で整理しましょう。フィノ・マンサニーリャは生物学的熟成(フロールあり)、オロロソは酸化的熟成(フロールなし)、アモンティリャードは両方の特徴を持つ、と覚えるのが基本です。
つまずき5:本番で時間が足りなくなる
60分で100問は1問36秒のペース。迷う問題が10問続くと10分以上ロスします。模擬試験で「迷ったら20秒以内に決断して印をつけて先へ進む」訓練を徹底しましょう。後で見直す問題には印を付け、最後にまとめて検討するのが時間配分の鉄則です。
受験当日の流れと持ち物
ワイン検定シルバーは「講習会+試験」がセットの一日完結型で、おおむね半日で全工程が終わります。当日のスケジュール例と持ち物をまとめます。
当日のスケジュール例
- 受付:開始30分前から会場で受付(身分証明書の提示)
- 講習会:約2時間、講師がテキストの重要ポイントを解説
- 休憩:10〜15分
- 試験:60分(マークシート式・100問)
- 解散:試験終了後すぐ。合否は後日郵送通知
持ち物リスト
- 受験票(事前に郵送される)
- 身分証明書(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- HBの鉛筆またはシャープペンシル(複数本)
- 消しゴム
- 腕時計(教室の時計が見えない場合に備えて、スマートウォッチは不可)
- 公式テキスト(休憩時間の最終確認用)
- 飲み物(試験中は飲めないが講習中はOK)
試験当日のテクニック
- 1問あたり36秒の感覚を意識し、迷ったら印をつけて先に進む
- 産地問題は「最も典型的な品種・産地」を選ぶと正解率が上がる
- 選択肢の中で「明らかに違う」ものを2つ消すだけで正答率が大きく上がる
- 見直しは新世界ワインを優先(うろ覚えになりやすい)
- マークシートの塗り間違いに注意(飛ばした問題のマーク欄に注意)
- 試験前日は詰め込みすぎず、十分な睡眠を取って体調を整える
- 当日朝は軽食を取り、空腹で集中力が落ちないようにする
合格後にできること・次に取るべき資格
ワイン検定シルバーに合格すると、認定カードと認定バッジが郵送されます。日本ソムリエ協会の公式認定資格として履歴書にも記載でき、ワイン関連の業務で知識の証明として活用できます。
シルバー合格後におすすめの資格・進路
- J.S.A. ワインエキスパート:プロ向けの資格、実務経験不要で受験可能、難易度高
- J.S.A. ソムリエ:飲食業界での実務経験3年以上が必須、プロフェッショナル資格
- J.S.A. ワイン・エキスパート・エクセレンス:エキスパートの上位資格
- WSET(Wine & Spirit Education Trust)Level 2/3:国際資格として世界で通用
- 唎酒師(ききさけし):日本酒の専門資格、ワインと並行して取得する人も多い
シルバーで「世界のワインを地図で語れる」レベルに達したら、次はワインエキスパートで本格的なプロ知識を身につけるのが王道のステップアップ。WSETにも挑戦すれば、海外でもワインの専門家として通用する資格を手に入れられます。
よくある質問(FAQ)
Q. ブロンズに合格していなくても受験できますか?
A. はい、可能です。シルバークラスはブロンズ合格を受験条件としていません。ただし、ブロンズの基礎知識(ブドウ品種・醸造工程・テイスティング)を前提とした難易度になっているため、未受験者は事前にブロンズ範囲を学習しておくことをおすすめします。
Q. 完全初学者でも合格できますか?
A. 可能ですが、2〜3ヶ月の学習期間を確保し、ブロンズ範囲の基礎から始める必要があります。1日30分の学習を3ヶ月続ければ合格レベルに到達できます。
Q. 試験に落ちた場合、再受験は可能ですか?
A. 可能です。次回開催時に改めて申し込みをして、再度講習会を受講した上で試験に臨むことになります。受講料・受験料は再度支払いが必要です。
Q. お酒が飲めない人でも受験できますか?
A. 試験は座学のみで、飲酒を伴う実技試験はありません。お酒が飲めない方でも知識として学ぶことは可能です。ただし、講習会の中で少量のテイスティングが行われる場合があるため、事前に主催者へ確認することをおすすめします。
Q. 公式テキスト以外に参考書は必要ですか?
A. 基本的には公式テキストだけで十分です。試験は公式テキストの内容から出題されるため、市販のワイン書籍を追加で読むよりも、公式テキストを徹底的に読み込む方が合格への近道です。
Q. フランス・イタリアの格付けが多すぎて覚えきれません。コツはありますか?
A. まずは「ボルドー1級5シャトー」「ブルゴーニュ特級畑の地図上での位置」「キアンティ・バローロの主要品種」だけを完璧に覚えることに集中してください。それができたら徐々に範囲を広げていきます。地図と一緒に覚えるのが最も効果的です。
Q. 受験会場はどこで開催されますか?
A. 東京・大阪・名古屋・福岡などの主要都市で開催されます。最新の開催地・日程は日本ソムリエ協会の公式サイトをご確認ください。地方在住の方は、最寄りの開催地への移動時間も考慮してスケジュールを組みましょう。
ケンテイラボでの実力チェック方法
ケンテイラボでは、ワイン検定シルバー対策問題を全590問・無料で公開しています。本番と同じ4択マークシート形式で、出題範囲7分野(日本〜南半球)を網羅。学習ステップに合わせて以下の使い方がおすすめです。
- 学習初期:分野別演習で苦手分野(国・地域)を特定する
- 学習中期:間違えた問題だけを繰り返し解く「復習モード」で弱点を克服
- 学習後期:ランダム出題で100問・60分の本番形式に慣れる
- 直前期:全590問を通しで2〜3周し、正答率90%以上を目指す
登録不要・完全無料で利用できるため、公式テキストの学習と並行して気軽に問題演習を取り入れられます。スキマ時間にスマホからアクセスして、合格基準(70%)を確実にクリアできる実力を身につけましょう。