宅建の合否を大きく左右するのが、配点ウェイトの大きい「権利関係(民法等)」と「宅建業法」です。権利関係は事例問題への理解が、宅建業法は数字と手続きの正確な暗記がカギになります。この記事では、この二大分野のなかでも「これだけは覚えておきたい」要点を一覧で整理します。試験直前の総まとめや、テキスト学習の合間の確認に活用してください。
権利関係①:民法総則の要点
- 制限行為能力者:未成年者・成年被後見人の行為は原則取消し可。日用品の購入等の日常行為は除く
- 詐術:制限行為能力者が詐術を用いた場合、取消しはできない
- 意思表示:詐欺・強迫による意思表示は取消し可。強迫は善意の第三者にも対抗できる
- 虚偽表示:通謀虚偽表示は無効だが、善意の第三者には対抗できない
- 代理:無権代理は本人の追認で有効に。表見代理は相手方保護の制度
- 時効:取得時効・消滅時効。完成猶予と更新の区別を押さえる
民法総則は抽象的ですが、「原則(取消し・無効)」と「例外(第三者保護)」の対比で整理すると理解しやすくなります。誰が保護されるのかを意識して覚えましょう。
権利関係②:物権・担保の要点
- 対抗要件:不動産の物権変動は登記がなければ第三者に対抗できないのが原則
- 登記に公信力なし:登記を信じても、必ず権利を取得できるとは限らない
- 二重譲渡:先に登記を備えた者が優先する
- 抵当権:被担保債権を担保する。順位は登記の先後で決まる
- 物上代位:抵当目的物の売却代金・賃料などにも効力が及ぶ
- 法定地上権:土地と建物が同一所有者で、一方に抵当権が設定された場合の要件を確認
物権分野の最重要テーマは「登記による対抗」です。当事者間の関係を図に描き、誰が登記を備えたかで結論を判断する練習を重ねましょう。
権利関係③:債権・契約の要点
- 連帯保証:催告の抗弁・検索の抗弁がない点が単純保証との違い
- 契約の解除:債務不履行があれば解除可。原状回復義務が生じる
- 解除と第三者:解除前の第三者は登記があれば保護される
- 危険負担:契約後・引渡し前の滅失など、リスクを誰が負うかの問題
- 契約不適合責任:買主は追完請求・代金減額・損害賠償・解除ができる
- 賃貸借:民法の原則と、借地借家法の特則との関係を区別する
債権・契約は権利関係で最も出題数が多い分野です。連帯保証と単純保証の違い、契約不適合責任で買主ができることを、セットで正確に押さえましょう。
権利関係④:相続・特別法の要点
- 法定相続人・相続分:配偶者と子・直系尊属・兄弟姉妹の順位と割合
- 承認・放棄:単純承認・限定承認・相続放棄の期間と効果
- 遺言:自筆証書遺言・公正証書遺言などの方式
- 借地権:対抗力は登記のほか、借地上の建物の登記でも認められる
- 借家:更新拒絶には正当事由が必要。定期建物賃貸借は更新なし
- 区分所有法:集会の決議・規約・管理組合の基本
特別法(借地借家法・区分所有法)は、借主や区分所有者を守るための独自ルールが多い分野です。民法の原則とどう違うのかを意識して覚えると混同しません。
宅建業法①:免許・宅建士の要点
- 宅建業:宅地・建物の売買・交換・貸借の代理・媒介などを業として行うこと
- 専任宅建士:事務所ごとに、業務従事者5人に1人以上の割合で設置
- 宅建士の独占業務:重要事項の説明、35条書面・37条書面への記名
- 免許の欠格事由:一定の犯罪歴や破産などが該当
- 事務所の整備:標識・帳簿・従業者名簿などの備え付け義務
- 宅建士証:交付を受け、重要事項説明時には提示する
宅建業法②:保証金・書面の要点(数字に注意)
- 営業保証金:本店1,000万円・支店ごと500万円を供託
- 保証協会:加入すると営業保証金の供託が不要(弁済業務保証金分担金を納付)
- 35条書面(重要事項説明):契約成立前に、宅建士が説明する
- 37条書面(契約書面):契約成立後に交付する契約内容の書面
- 書面への記名:35条・37条いずれも宅建士の記名が必要
- 供託の届出:届出をしないと業務を開始できない
この分野は数字が正誤を分けます。「本店1,000万円・支店500万円」「35条は契約前・37条は契約後」を正確に押さえ、ひっかけ選択肢に備えましょう。
宅建業法③:8種制限・報酬の要点
- 8種制限の適用:宅建業者が自ら売主で、買主が宅建業者でない場合に適用
- クーリング・オフ:書面告知の日から8日以内なら申込みの撤回・契約解除が可能
- 損害賠償額の予定:予定額と違約金の合算が代金の2割(20%)を超えられない
- 手付金等の保全措置:未完成物件・完成物件で保全の要否と方法が異なる
- 他人物売買の制限:原則禁止だが、取得契約済みなどの例外あり
- 報酬額:媒介・代理で上限が定まる。速算式(400万円超は代金×3%+6万円)を使う
8種制限は「宅建業者でない買主」を守る規制です。適用の有無をまず判断し、そのうえで各制限の数字(8日・2割など)を当てはめる練習をしましょう。
直前チェック:混同しやすいポイント
- 35条書面(契約前・重要事項説明) vs 37条書面(契約後・契約内容)
- 営業保証金(供託所へ供託) vs 弁済業務保証金分担金(保証協会へ納付)
- 連帯保証(催告・検索の抗弁なし) vs 単純保証(抗弁あり)
- 詐欺(善意の第三者に対抗不可) vs 強迫(善意の第三者にも対抗可)
- クーリング・オフ8日、損害賠償額の予定は代金の2割という数字を取り違えない
ケンテイラボで権利関係・宅建業法を定着させよう
ここで整理した権利関係と宅建業法の要点は、ケンテイラボの宅地建物取引士(宅建)対策608問で繰り返し演習することで定着します。権利関係・宅建業法をはじめ、法令上の制限・税その他まで10ブロックに分けて収録しているので、分野に絞り込んで弱点を潰せます。とくに配点の大きい権利関係と宅建業法を重点的に解けば、合格に直結する得点力が身につきます。チートシートで全体像をつかんだら、無料の問題演習で確かな得点力に変えていきましょう。