メンタルヘルス・マネジメント検定II種(ラインケアコース)で得点の土台になるのが、法制度と数値要件、そして管理監督者が担うラインケアの実務対応です。似た法律名や数字は混同しやすく、あいまいな理解のままだと本番で失点します。この記事では、II種で頻出の要点を「これだけは覚えておきたい」形で一覧に整理します。試験直前の総まとめや、公式テキストの復習に活用してください。
法律と制度の対応(最頻出ポイント)
- 労働安全衛生法:安全衛生の最低基準を定める取締法規(公法的規制)。違反には刑事罰もある
- 安全配慮義務:企業が負う私法上の義務。1975年の最高裁判決で認められ、2008年施行の労働契約法で明文化
- 労働施策総合推進法:パワーハラスメントの措置義務の根拠法
- 男女雇用機会均等法・育児介護休業法:セクハラ・マタハラの措置義務に関わる
- 過労死等防止対策推進法:脳・心臓疾患や精神障害による死亡・自殺に加え、疾患・障害そのものも『過労死等』に含む
最重要ポイントは「労働安全衛生法=公法的規制」「安全配慮義務=私法的規制」という対比です。ここを軸に、どの法律が何を定めているかを1対1で結びつけて覚えると、法律名の混同を防げます。
覚えておきたい数値要件
- ストレスチェックの実施義務:常時50人以上の労働者を使用する事業場
- 集団分析の単位:10人以上の集団を単位に集計・分析する
- 産業医・衛生管理者の選任義務:常時50人以上の事業場
- 面接指導の記録の保存期間:5年間
- 適応障害:確認できるストレス因の発生から3か月以内に症状が現れる
- 研究開発業務従事者:月100時間超の時間外・休日労働で、申出がなくても面接指導が義務
数値要件は正確さが命です。「50人」「10人」「5年」「3か月」などの数字は、少しの違いで誤答になります。数字だけを抜き出したチェックリストを作り、直前期に繰り返し確認しましょう。
4つのメンタルヘルスケアと担い手
- セルフケア:労働者自身が自分の心の健康を守る(III種の中心テーマ)
- ラインケア:管理監督者が部下の不調に気づき対応する(II種の中心テーマ)
- 事業場内産業保健スタッフ等によるケア:産業医・保健師・衛生管理者などが担う
- 事業場外資源によるケア:地域産業保健センターや専門医療機関などを活用する
- 経営者の意思表明(方針の周知)が、これらのケアを推進する前提になる
「4つのケア」は担い手とセットで覚えるのが鉄則です。II種は『ラインケア』が主役ですが、管理監督者は他の3つのケアと連携して動くという位置づけを押さえておきましょう。
社内外資源の役割分担
- 産業医:医療の立場から助言・指導。健康管理の勧告はできるが、就業上の措置を独断で強制はできない
- 衛生管理者:職場の衛生管理を担う(常時50人以上で選任義務)
- 保健師:健康相談や保健指導などを担う
- 人事労務管理スタッフ:就業上の措置の実施や労務管理面の対応を担う
- 管理監督者:診断や治療は行わず、気づき・傾聴・適切な資源への橋渡しに徹する
「誰がどの権限を持ち、何を担うか」を区別できるかが得点の分かれ目です。管理監督者は医学的な診断を行う立場ではない、という前提を押さえると、不適切な選択肢を見抜きやすくなります。
パワーハラスメントの3要件・6類型
- 3要件①:職場において優越的な関係を背景とした言動であること
- 3要件②:業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること
- 3要件③:労働者の就業環境が害されること(3つすべてを満たすことが必要)
- 6類型:身体的な攻撃/精神的な攻撃/人間関係からの切り離し/過大な要求/過小な要求/個の侵害
- 大企業は2020年6月、中小企業は2022年4月から措置義務化された
3要件は「3つすべてを満たす」点が問われます。発病の有無は要件ではないことに注意。6類型は数を問われることもあるので、6つの名称をセットで覚えておきましょう。
相談対応の基礎理論
- 積極的傾聴(アクティブリスニング):聴いている姿勢を態度で表す。評価や説得を急がない
- アサーション:攻撃的でも受け身でもなく、自他を尊重する自己表現
- ジョハリの窓:開放・隠蔽・盲点・未知の4領域で自己理解を整理する
- メラビアンの法則:言語・聴覚・視覚が矛盾する場合、視覚情報の影響が大きいとされる
- ストレス反応の3期:警告反応期 → 抵抗期 → 疲憊期
職場復帰支援の5ステップ
- 第1ステップ:病気休業開始および休業中のケア
- 第2ステップ:主治医による職場復帰可能の判断
- 第3ステップ:職場復帰の可否の判断および復帰支援プランの作成
- 第4ステップ:最終的な職場復帰の決定
- 第5ステップ:職場復帰後のフォローアップ
- 支援のルール・プログラムを策定する主体は事業者。管理監督者の独断で進めない
5ステップは順序が問われます。「休業開始→主治医の判断→可否判断と支援プラン→復帰決定→フォローアップ」という流れで覚えると、順序を入れ替えたひっかけにも対応できます。
直前チェック:混同しやすいポイント
- 労働安全衛生法(公法的規制・刑事罰) vs 安全配慮義務(私法的規制・損害賠償)
- プレゼンティーズム(出勤しているが生産性低下) vs アブセンティーズム(欠勤)
- ストレスチェックの実施義務『50人以上』 vs 集団分析の単位『10人以上』
- 管理監督者の役割:診断・治療は行わず、気づき・傾聴・橋渡しに徹する
- ワーク・エンゲイジメントの3要素:熱意・没頭・活力
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