高圧ガス製造保安責任者 乙種化学は、法令・保安管理技術・学識の3科目それぞれに合格基準があり、暗記すべき数値やガスの性質が数多くあります。この記事では、3科目に共通して頻出の「ガスの性質」と「法令の数値」の要点を、直前チェックに使える早見表としてコンパクトに整理します。試験直前の総まとめや、スキマ時間の確認に活用してください。細かな要件や最新の基準は、必ず高圧ガス保安協会(KHK)の公式情報で確認しましょう。
高圧ガスの定義(法令の最重要数値)
- 圧縮ガス(アセチレンを除く):温度35度で圧力1MPa以上となるもの
- 圧縮アセチレンガス:温度15度で圧力0.2MPa以上となるもの
- 液化ガス:圧力0.2MPaとなる場合の温度が35度以下であるもの(現在の圧力にかかわらず)
- 特定の液化ガス(液化シアン化水素・液化ブロムメチル・液化酸化エチレン):35度で0Paを超えるもの
定義の数値は法令科目の土台であり、選択肢のひっかけにも頻出です。「35度・1MPa」「0.2MPa」といった数字を正確に覚えることが、①法令の得点の出発点になります。
許可・届出と貯蔵の区分
- 第一種製造者(許可):第一種ガス1日300m3以上、第二種ガス1日100m3以上
- 第二種製造者(届出):許可の基準に満たない一定規模の製造者
- 第一種貯蔵所(許可):第一種ガス3,000m3以上、第二種ガス1,000m3以上
- 第二種貯蔵所(届出):容積300m3以上で第一種貯蔵所の基準未満
- 販売事業:販売所ごとに事業開始の20日前までに届出
- 特定高圧ガス消費者:事業所ごとに消費開始の20日前までに届出
「許可か届出か」「何m3が境界か」を区別できるかが問われます。数値と手続き(許可・届出)をセットで表にして覚えると、混同を防げます。
容器の塗色と表示
- 水素:赤色
- 酸素:黒色
- 液化炭酸ガス(二酸化炭素):緑色
- 液化アンモニア:白色
- 液化塩素:黄色
- アセチレン:かっ色(褐色)/その他のガス:ねずみ色
- 毒性ガス:名称の明示とともに『毒』の文字を表示、可燃性ガスは『燃』の文字
塗色はガスごとに定められており、視覚的に覚えると定着します。毒性・可燃性の文字表示とあわせて、①法令の頻出テーマとして押さえておきましょう。
容器の充てんと再検査の要点
- 圧縮ガスの充てん:容器に刻印等で示された圧力以下で充てん
- 液化ガスの充てん質量:G=V/C(Vは内容積、Cは定数)で計算
- 液化炭酸ガスの定数C:1.34(一般継目なし容器)
- 一般継目なし容器の再検査:経過年数に関係なく製造検査合格後一律5年
- 溶接容器(液化アンモニア等)の再検査:製造後20年未満は5年、以後は2年
- 刻印事項:内容積・耐圧試験圧力(記号TP)・ガスの種類など(最大充てん質量は刻印しない)
貯槽・設備の技術上の基準(②法令)
- 貯槽への液化ガス充てん:常用温度で内容積の90%を超えない
- 毒性ガスの液化ガス貯槽:90%超を自動検知して警報する措置
- 気密試験:常用圧力以上/耐圧試験:液体で常用圧力の1.5倍以上、気体で1.25倍以上
- 安全装置:許容圧力を超えたとき、直ちに許容圧力以下に戻せるもの
- 貯槽の支柱:地盤が堅固でも同一の基礎に緊結する
- 漏えい検知警報設備:可燃性・毒性・特定不活性ガスの施設に設置
代表的なガスの分類(⑧学識)
- 可燃性ガス:水素・アセチレン・メタン・プロパン・アンモニアなど
- 支燃性(助燃性)ガス:酸素・塩素・フッ素など(他の物質の燃焼を支える)
- 毒性ガス:塩素・アンモニア・硫化水素・シアン化水素・ホスゲンなど
- 不活性ガス:窒素・アルゴン・二酸化炭素・ヘリウムなど
- 自然発火性ガス:モノシラン(シラン)・ホスフィンなど
一つのガスが複数の性質を持つ点に注意が必要です。たとえばアンモニアは可燃性かつ毒性です。分類ごとに代表的なガスを整理し、性質の組み合わせで覚えると、⑧学識3の各論に強くなります。
空気との比重(重い/軽いガス)
- 空気より重いガス(分子量29超):塩素(約71)・硫化水素(約34)・二酸化炭素(44)・プロパン(44)など
- 空気より軽いガス(分子量29未満):水素(2)・アンモニア(17)・メタン(16)・シアン化水素(27)など
- 漏えい時、重いガスは低所に滞留、軽いガスは上方へ拡散する傾向
分子量29(空気)を基準に、重いか軽いかを判断できるようにしておきましょう。滞留する場所の違いは、漏えい検知や防災(②法令・⑤保安管理)の考え方にもつながります。
SI単位と燃焼・爆発の要点(⑥⑦保安管理・学識)
- 圧力 Pa=kg/(m・s2)、エネルギー J=kg・m2/s2、仕事率 W=kg・m2/s3、力 N=kg・m/s2
- 理想気体の状態方程式:PV=nRT
- 最小発火エネルギー:化学量論組成付近で最も小さくなる(発火しやすい)
- 爆ごう:火炎伝ぱ速度が音速を超える(1000〜3000m/s程度)現象
- 化学反応式の係数:未定係数法(連立方程式)で決定
- 反応熱の計算:ヘスの法則を利用
直前チェック:混同しやすいポイント
- 水素は赤・酸素は黒・液化炭酸ガスは緑(塗色の取り違えに注意)
- 許可(第一種)と届出(第二種・販売・消費)の区別
- 貯槽の充てんは内容積の90%まで(80%ではない)
- 耐圧試験は液体1.5倍・気体1.25倍、気密試験は常用圧力以上
- アンモニアは可燃性かつ毒性、塩素は支燃性かつ毒性
- 空気より重いか軽いかは分子量29が基準
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ここで整理したガスの性質と法令の数値は、ケンテイラボの高圧ガス製造保安責任者 乙種化学対策400問で繰り返し演習することで定着します。法令・保安管理技術・学識の3科目を8分野に分けて収録しているので、苦手な分野に絞って弱点を潰し、頻出の数値やガスの分類を問う問題を重点的に解けば、要点が確かな得点力に変わります。チートシートで全体像をつかんだら、無料の問題演習で3科目すべての合格基準クリアを目指しましょう。