気象予報士試験は範囲が広く、覚えるべき法則・定義・数値基準・専門用語が数多くあります。この記事では、学科試験で繰り返し問われる要点を、分野をまたいで一覧で整理します。試験直前の総まとめや、参考書学習の合間の確認に活用してください。細部の数値は変更されることもあるため、最新の基準は公式資料でもあわせて確認しましょう。
観測の基準高度・単位(最頻出)
- 気温の観測基準高度:地上1.5m(気象庁基準)。WMO推奨は1.25〜2.0m
- 風速計の設置高度:地上10m。温度計は白金抵抗式の電気式温度計
- 瞬間風速:3秒間(0.25秒×12個)の平均。最大瞬間風速はその最大値
- 最大風速:10分間平均風速の最大値
- 降水:転倒ます型雨量計で0.5mm単位。飛行場の風は2分間平均
- 日照あり:直達日射量120W/m²以上。全天日射=直達日射+散乱光
似た数値が多く混同しがちな最頻出テーマです。「気温=1.5m/風速計=10m/瞬間風速=3秒/最大風速=10分」と、要素と数値を1対1で結びつけて覚えましょう。
降水粒子・大気現象の区別
- 霰(あられ):直径5mm未満の氷の固形粒子
- 雹(ひょう):直径5mm以上の氷の粒子
- みぞれ:雨と雪が混在して降る降水
- 凍雨:透明な氷の粒(直径5mm未満)。高層雲・乱層雲から降る
- 黄砂:大陸の黄土地帯で吹き上げられた砂が降下する現象
- 霜:地表付近の空気が昇華して生じる。落下しないため降水に含まれない
視程・雲量・波浪の定義
- 視程:最も見通しの悪い方位の距離。高度差があれば悪い方を採用
- 卓越視程:全方位のうち合計180度以上を占める代表的な視程(航空気象)
- 霧:視程1km未満・相対湿度ほぼ100%。もやは視程1km以上・湿度ほぼ75%以上
- 10分雲量:快晴は1以下、晴は2〜8。国際通報式(SYNOP)は8分雲量
- 有義波高:波高の高い順3分の1を集めて平均した値
- うねり:遠方の風浪が伝わった波長の長い波。減衰しにくい
高層観測・大気安定度の要点
- WMO勧告の高層観測網間隔:陸上300km・海上1000km程度
- ラジオゾンデの湿度:相対湿度で観測し、湿数(気温−露点温度)で報告
- 対流圏界面:気温減率2℃/km以下が2kmにわたる層の下面(500hPa以下は除外)
- 沈降性逆転層:下降気流で乾燥・昇温。気温と露点温度の差が大きい
- 前線性逆転層:転移層内で風の鉛直シアが大きくなりやすい
- 相当温位(θe)近似式:θe=θ+k・w(wは混合比 g/kg)
エマグラムの読解は学科・実技の共通スキルです。逆転層の種類と、状態曲線(気温と露点温度)の開き具合を結びつけて覚えると、実技の解析にも活きます。
気象衛星画像の読み分け
- 静止気象衛星「ひまわり」:赤道上空約36,000km
- 可視画像:雲の厚さ・太陽高度を反映。夜間は使えない
- 赤外画像:雲頂高度(温度)を反映。昼夜を問わず利用できる
- 水蒸気画像:中・上層の水蒸気(湿り具合)を表す
- 上層雲は薄いと可視で目立たず、赤外で白く写ることがある
- 極軌道衛星:同一地点の上空を通過する頻度は静止衛星より低い
「可視=厚さ(昼のみ)」「赤外=雲頂の高さ(昼夜)」「水蒸気=中上層の湿り」と役割で対比するのが、混同を防ぐコツです。
予報精度の評価(計算問題の要)
- 2×2分割表:A=予報あり実況あり、B=予報あり実況なし、C=予報なし実況あり、D=予報なし実況なし
- 適中率:(A+D)÷(A+B+C+D)
- 空振り率:予報したうち外れた割合(B に関わる)
- 見逃し率:実況があったのに予報しなかった割合(C に関わる)
- スレットスコア:まれにしか起きない現象の評価に有効(Dを除外)
- RMSE(二乗平均平方根誤差)・ME(平均誤差)・ブライアスコア(確率予報)
評価指標は「どのマスを使うか」が命です。各記号の意味を固めてから式を覚え、実際に数値を代入して解く練習を重ねましょう。試験では速く正確に計算する力が問われます。
予報プロダクトの対象時間
- 降水ナウキャスト・雷ナウキャスト・竜巻発生確度ナウキャスト:短時間の予測(発表間隔・予報時間を確認)
- 降水短時間予報:数時間先までの降水を予測
- 週間天気予報:アンサンブル予報で先の見通しと確度を表現
- 季節予報:さらに長い時間スケールを確率的に表現
- アンサンブル予報:複数の初期値から計算し、ばらつきで確からしさを示す
- 時間スケールが延びるほど個々の現象の予測は難しくなる
防災気象情報・気象用語の定義
- 猛暑日:1日の最高気温が35℃以上の日
- 真夏日:最高気温30℃以上/夏日:最高気温25℃以上
- 真冬日:1日の最高気温が0℃未満の日/冬日:最低気温0℃未満
- 注意報・警報・特別警報:災害のおそれの段階に応じた防災気象情報
- 土壌雨量指数:土砂災害のリスクを表す指標
- 予報用語の時間区分:未明は0〜3時(1日の時間帯区分)
用語は「定義(数値)」とセットで覚えるのが基本です。防災情報は「何のために発表するか」まで押さえると、実技の記述にも対応しやすくなります。
関連法規のポイント
- 気象業務法:気象業務の基本を定める法律
- 予報業務の許可:気象庁長官の許可を受けた事業者が予報業務を行える
- 気象予報士:許可事業者は現象の予想を気象予報士に行わせる
- 特別警報:重大な災害のおそれが著しく大きい場合に発表
- 観測の成果の発表など、業務上のルールも出題対象
- 法規は暗記中心で得点しやすく、実技の記述でも役立つ
直前チェック:混同しやすいポイント
- 気温1.5m vs 風速計10m:観測高度を取り違えない
- 瞬間風速(3秒平均) vs 最大風速(10分平均の最大値)
- 霰(5mm未満) vs 雹(5mm以上):直径で区別
- 可視(昼・厚さ) vs 赤外(昼夜・雲頂高度) vs 水蒸気(中上層の湿り)
- 適中率(A+D) vs スレットスコア(Dを除く):まれな現象はスレット
- 猛暑日(最高35℃以上) vs 真冬日(最高0℃未満)
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ここで整理した気象法則・専門用語・数値基準は、ケンテイラボの気象予報士対策301問で繰り返し演習することで定着します。観測系の定義や予報精度の計算、防災情報・法規の用語など、8分野を分野別に絞り込んで弱点を潰せば、断片的な知識が確実なものになります。チートシートで全体像をつかんだら、無料の問題演習で学科の得点力に変えていきましょう。