金融AMLオフィサーの学習で得点源になるのが、金額基準や制度の要点といった「覚えれば確実に取れる」知識です。この記事では、ケンテイラボ収録の320問で頻出のテーマを、試験直前でも一気に確認できる早見表としてまとめました。取引時確認の金額基準、三つの防衛線、高リスク取引の追加措置、疑わしい取引の届出、外為法との関係まで、これだけは押さえておきたいポイントを整理します。総まとめや直前チェックに活用してください。
マネロンの三段階と手口
- プレイスメント:犯罪収益の現金を金融システム等へ物理的に預け入れる段階
- レイヤリング:複数の送金取引等を経由して、資金の出所を犯罪という原因から分離する段階
- インテグレーション:合法的な資金と統合し、所有権に合法的な根拠をもたせる段階
- ストラクチャリング:大口取引の確認等を免れるため、多額の現金を複数の小口取引に分割する手口
取引時確認の金額基準(要暗記)
- 10万円を超える現金送金:取引時確認が必要な特定取引にあたる
- 200万円を超える大口現金取引:対象取引として取引時確認が必要
- 200万円を超える財産の移転を伴う高リスク取引:「資産及び収入の状況」の確認が追加で必要
- 公共料金・税金・入学金の支払など:簡素な顧客管理が許容され、対象取引から除外
金額基準は選択肢のひっかけに最も使われるポイントです。取引の種類と閾値を必ずセットで覚えましょう。
取引時確認の確認事項
- 自然人(通常取引):本人特定事項(氏名・住居・生年月日)+取引を行う目的+職業
- 法人(通常取引):本人特定事項(名称・本店所在地等)+取引目的+事業の内容+実質的支配者とその本人特定事項
- 高リスク取引:通常の確認事項に加え、追加の本人確認書類等の提示と「資産及び収入の状況」の確認
- なりすまし等の疑い:過去に確認した書類「以外」の書類を少なくとも1点確認する
三つの防衛線(3線ディフェンス)
- 第1線(営業部門):顧客と直接対面しリスクに最初に直面。低減措置を的確に実施
- 第2線(管理部門):コンプライアンス・リスク管理部門。第1線を独立した立場から牽制・支援
- 第3線(内部監査部門):第1線・第2線が機能しているかを独立した立場から定期的に検証
- 経営陣:マネロンリスクを経営上の重大リスクと認識し、主導性を発揮。リスク評価の過程にも関与
リスクベース・アプローチ(RBA)の流れ
- リスクの特定:自らの事業環境を踏まえ、直面するリスクを洗い出す(RBAの出発点)
- リスクの評価:特定したリスクを分析し、リスク評価書(特定事業者作成書面等)に文書化する
- リスクの低減:リスク許容度の範囲内に実効的に低減するため、リスクに見合った対策を講ずる
- 見直し:新たな商品・サービスの取扱い時などに検証し、評価を継続的に更新する
疑わしい取引の届出の要点
- 届出義務:特定業務で収受した財産が犯罪収益である疑い等がある場合に届け出る
- 取引不成立でも届出:取引の謝絶等で取引が成立しなかった場合でも届出が必要
- ティッピング・オフの禁止:届出を行うこと・行ったことを顧客等に漏らしてはならない
- 参考事例の位置づけ:注意すべき類型の「例示」。形式的合致だけで判断せず総合的に勘案する
外為法と犯収法の関係
- 外為法の目的:対外取引の正常な発展、国際収支の均衡、通貨の安定を図る
- 犯収法の目的:犯罪収益の移転防止、国民生活の安全と平穏の確保、経済活動の健全な発展
- 確認義務の関係:金融機関が犯収法上の取引時確認を履行すれば、外為法上の本人確認も行ったものとされる場合がある
- 特定為替取引・外貨両替:一定金額以下は本人確認義務の対象外(金額基準は要確認)
FATFと相互審査の基礎
- FATF:アルシュ・サミット経済宣言により設立された政府間会合。当初はマネロン対策、米国同時多発テロ後にテロ資金供与対策を追加
- 全体会合:通常年3回開催
- APG:日本が参加するFATF型地域体(アジア・太平洋マネー・ローンダリング対策グループ)
- 第4次相互審査:形式的な法令整備に加え『有効性(Effectiveness)』も審査対象に
関連する主な国内法
- 犯罪収益移転防止法(犯収法):取引時確認・疑わしい取引の届出・記録保存などを規定
- 組織的犯罪処罰法:犯罪収益等の定義、被害回復給付金の支給などを規定
- 麻薬特例法:薬物犯罪収益等に関する規定
- テロ資金提供処罰法:資金だけでなく物品・役務等の提供も規制
- 外為法:対外取引にかかる本人確認義務・支払の報告義務等を規定
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