ビジネス実務法務検定2級の学習で、直前に見返したいのが会社法と契約法務の要点です。設立手続や取締役会の決議要件、制限行為能力者の取消権、債権譲渡や相殺の対抗要件などは、混同しやすく数値も絡むため、直前整理が効きます。この記事では、ケンテイラボの426問でも頻出のテーマを、分野横断で「これだけは覚えたい」要点として一覧に整理します。試験直前の総まとめや、テキスト学習の復習に活用してください。
契約法務の基礎:制限行為能力者
- 未成年者:原則、法定代理人の同意が必要。同意なくした契約は取り消せる
- 成年被後見人:単独でした法律行為は原則取り消せる(日常生活に関する行為は除く)
- 被保佐人:重要な財産行為には保佐人の同意が必要
- 詐術:能力者だと信じさせた場合、取消権は失われる
- 取消権者:本人・代理人・承継人・同意権者が取り消せる
「誰が・どの範囲で取り消せるか」を場面ごとに区別するのがポイントです。とくに詐術を用いた場合に取消権が失われる点は、ひっかけとして問われやすい要注意事項です。
取消し・無効・追認の違い
- 取消し:一応有効だが、取り消すと初めから無効になる(取消権者のみ主張可)
- 無効:初めから効力がない(原則、誰でも主張できる)
- 追認:取り消せる行為を有効に確定させる意思表示
- 取消権の期間:追認できる時から一定期間・行為の時から一定期間で消滅
「取消し=取り消すまでは有効」「無効=最初から効力なし」という違いを押さえると、事例問題で結論を素早く判断できます。
債権の回収:譲渡・相殺の対抗要件
- 債権譲渡の対抗要件:確定日付ある証書による通知または承諾(民法467条2項)
- 債権譲渡登記:法人が譲渡人の場合、登記で第三者対抗要件を備えられる
- 相殺の要件:双方の債権が同種で、自働債権の弁済期が到来していること
- 相殺できない場合:現物の引渡しを目的とする債権など
- 債権者代位権:金銭債権では、自己への直接の支払を請求できる
債権譲渡は「二重譲渡の優劣を決めるのが確定日付」、相殺は「自働債権の弁済期到来が必要」という核を押さえておくと、細かい事例にも対応しやすくなります。
担保の基本:抵当権
- 抵当権:目的物を債務者に使わせたまま担保にできる(占有は移らない)
- 抵当権の追及効:抵当不動産が第三者に売却されても抵当権は追及できる
- 抵当権の実行:民事執行法に基づく競売手続が前提
- 法定地上権:更地に抵当権設定後、建物が建った場合の建物保護
- 共同抵当:複数不動産に設定し、実行時に配当を調整する
独占禁止法:不公正な取引方法の類型
- 再販売価格の拘束:小売価格を維持させる条件をつける行為
- 不当な取引制限:カルテル・入札談合など競争を制限する合意
- 抱き合わせ販売:不要な商品を同時に購入させる行為
- 排他条件付取引:競合品の取扱いを禁じる条件をつける行為
- 私的独占:市場支配力を不当に形成・維持・強化する行為
独禁法の事例問題は「どの類型に当たるか」を判定させる形が中心です。行為の型を具体例とセットで覚えると、すばやく分類できます。正当な理由の有無で違法性が変わる点にも注意しましょう。
会社法:設立の要点(分野⑧)
- 定款の絶対的記載事項:目的・商号・本店所在地など(欠けると定款無効)
- 発起人:設立時発行株式を最低1株は引き受ける必要がある
- 預合い:仮装払込みは会社法上、刑事罰の対象
- 会社の成立:設立の登記によって成立する
- 発起設立と募集設立:発起人だけで引き受けるか、募集するかの違い
会社法:取締役会の運営(分野⑨)
- 招集通知:原則、取締役会の日の1週間前まで(定款で短縮可)
- 招集手続の省略:取締役(監査役設置会社では監査役も)全員の同意があれば省略可
- 書面決議(持ち回り決議):あらかじめ定款に定めがある場合に可能
- 重要な業務執行:重要財産の処分・多額の借財は取締役会の決議事項
- 取締役への委任不可:重要な業務執行の決定は個々の取締役に任せられない
会社法は「1週間前の招集通知」「全員同意で省略可」など数値・要件が問われやすい分野です。数値は制度の趣旨とセットで覚えると忘れにくくなります。
労働法:不当労働行為と労災(分野⑩)
- 不当労働行為:組合活動を理由とする不利益取扱いなど、使用者に禁止される行為
- 黄犬契約:組合不加入・脱退を雇用条件とする契約(禁止される)
- 労働委員会:不当労働行為を申し立てる救済機関
- 労働協約:書面に作成し署名または記名押印して効力が生じる
- 労災保険:業務起因性のある負傷・疾病や、通勤災害が給付対象
直前チェック:混同しやすいポイント
- 取消し(取り消すまで有効) vs 無効(初めから効力なし)
- 抵当権(占有は移らない) vs 質権(占有を移す)
- 債権譲渡(確定日付で優劣) vs 相殺(自働債権の弁済期が必要)
- 取締役会の招集通知=原則1週間前/全員同意で省略可
- 定款の絶対的記載事項が欠けると定款そのものが無効
似た制度は「どこが同じで、どこが違うか」をセットで押さえるのが得点のコツです。とくに担保物権と債権回収手段は混同しやすいので、直前に必ず対比して確認しておきましょう。
ケンテイラボで要点を得点力に変えよう
ここで整理した会社法・契約法務の要点は、ケンテイラボのビジネス実務法務検定2級対策426問で繰り返し演習することで定着します。会社法(⑧⑨)や契約法務(①)の分野に絞り込んで弱点を潰し、似た制度を問う問題を重点的に解けば、混同しやすいポイントも確実なものになります。チートシートで全体像をつかんだら、無料の問題演習で得点力に変えていきましょう。10分野を分野別・ランダムに演習でき、間違えた問題の復習機能も使えるので、直前対策にも最適です。