AML/CFTスタンダードコースは、略語と制度名が多く、頭の中で混同しやすい検定です。この記事では、頻出の基礎用語と制度の要点を分野横断でコンパクトにまとめました。ケンテイラボに収録している全330問(9分野)の学習内容のうち、「これだけは覚えておきたい」ポイントを一覧で整理しています。試験直前の総まとめや、テキスト学習の合間の確認に活用してください。細かい要件や最新の運用は、公式情報での確認を前提としています。
マネロンの基本(金融犯罪)
- AML=マネー・ローンダリング対策、CFT=テロ資金供与対策。両者はセットで語られる
- マネロンの3段階:プレースメント(預入)→レイヤリング(分別・移転)→インテグレーション(統合)
- 取引時確認は主にプレースメント段階での防止に効果的とされる
- マネロン対策=犯罪収益の隠匿防止、反社対策=犯罪収益の獲得防止(目的が異なる)
- テロ資金供与:前提犯罪が必ずしも存在せず、資金が違法とは限らず、少額でありうる
- 犯罪収益移転危険度調査書:国家公安委員会が毎年作成し、取引・顧客・国別のリスクを示す
最重要ポイントは「マネロンの3段階」です。順序と各段階の内容を正確に区別できると、以降のリスク管理や実務の理解がスムーズになります。AMLとCFTの違いもあわせて押さえましょう。
FATFと国際基準(最頻出ポイント)
- FATF:金融活動作業部会。1989年設立、事務局はOECDに置かれる
- 勧告の変遷:40の勧告→9の特別勧告(テロ資金供与対策)→新40の勧告(2012年に統合)
- 有効性評価:第4次審査から導入。形式面だけでなく運用の実効性を検証(High〜Lowの4段階)
- 技術的遵守状況:C〜NCの4段階で評価
- 日本は第4次対日相互審査の結果、強化フォローアップに分類された
- FIU:資金情報機関。日本ではJAFIC(警察庁の犯罪収益対策室)が担う
- APG:アジア・太平洋地域のFATF非参加国等への国際協力の枠組み
FATFは試験で繰り返し問われる頻出テーマです。勧告の歴史と、有効性評価・強化フォローアップという第4次審査のキーワードを、時系列で整理して覚えましょう。
犯収法と国内法規制
- 犯罪収益移転防止法(犯収法):取引時確認・記録保存・疑わしい取引の届出を定める中核法
- 金融機関等本人確認法は犯収法等の施行に伴い廃止・統合された
- 確認記録・取引記録等の保存期間は7年間
- 特定事業者:金融機関のほか宝石貴金属業者・不動産業者・士業など幅広い
- 士業への届出義務:守秘義務に係る事項を除き、行政書士等・税理士等に課された
- 関連法:組織的犯罪処罰法・テロ資金提供処罰法などと役割を分担
犯収法は「取引時確認・記録保存・届出」の3本柱で覚えるのが基本です。保存期間7年や特定事業者の範囲など、数値・範囲は正確に押さえましょう。
リスクベース・アプローチ(RBA)
- リスクベース・アプローチ:リスクの大小に応じて対策の濃淡をつける発想
- RBAの3ステップ:リスクの特定→評価→低減
- リスク評価書:犯罪収益移転危険度調査書を参考に各金融機関が自ら作成
- CDD(通常の顧客管理)/EDD(厳格な顧客管理)/SDD(簡素な顧客管理)
- EDD:高リスク顧客への上乗せ措置。上級管理職の承認などが求められる
- 継続的な顧客管理:情報の更新・取引モニタリング・フィルタリング
RBAは現在のAML/CFTの中核思想です。「リスクを特定・評価し、大小に応じて低減措置を講じる」という流れと、CDD・EDD・SDDの使い分けをセットで理解しましょう。
管理態勢と顧客管理の実務
- 経営陣の主体的な関与が対策の実効性の前提
- 統括管理者:犯収法上の選任が求められる責任者
- 3つの防衛線(3線ディフェンス):営業部門・管理部門・内部監査部門の役割分担
- 特定取引:取引時確認が必要な取引。大口現金取引などの敷居値に注意
- 確認事項:本人特定事項+取引を行う目的+職業/事業内容+実質的支配者
- 外国PEPs等の高リスク取引には厳格な取引時確認が必要
⑥管理態勢は「誰が責任を持ち、どう検証するか」、⑦顧客管理は「誰の・何を・どの書類で確認するか」という視点で整理すると、細かい要件も覚えやすくなります。
疑わしい取引の届出(STR)と参考事例
- STR:疑わしい取引の届出。犯罪収益等に関する疑いを行政庁へ届け出る制度
- 未遂や取引謝絶の場合も届出の対象となりうる
- 届出を行った事実を顧客に知らせない(漏えい禁止)
- ストラクチャリング:敷居値を下回るよう分割された不自然な取引
- 参考事例:現金の不自然な使用、夜間金庫の不審な利用、不自然な支店選択など
- 参考事例はリスクベース・アプローチの考え方を当てはめて判断する
⑧⑨は制度の要件(STR)と具体的な事例をセットで理解するのがコツです。事例に共通する「不自然さ」のパターンを掴むと、応用問題にも対応しやすくなります。
頻出略語まとめ
- AML/CFT:マネロン対策/テロ資金供与対策
- FATF:金融活動作業部会(国際基準を策定)
- FIU/JAFIC:資金情報機関/その日本での担い手(警察庁)
- CDD/EDD/SDD:通常/厳格/簡素な顧客管理
- STR:疑わしい取引の届出
- PEPs:重要な公的地位を有する者(外国PEPs等は高リスク)
- DNFBPs:指定非金融業者及び職業専門家
略語は「略語=日本語=役割」を1セットで覚えるのが鉄則です。この一覧を繰り返し見返すと、選択肢に略語が並んでも落ち着いて判断できるようになります。
チートシートの使い方とケンテイラボでの演習
このチートシートは、テキストで一通り学んだ内容を短時間で見直すための総まとめです。用語の意味を思い出せない項目があれば、該当分野のテキストに戻って確認しましょう。ひととおり頭に入ったら、実際の問題で知識を試すのが定着への近道です。
ケンテイラボでは、AML/CFTスタンダードコース対策問題を全330問・完全無料で公開しています。9分野を分野別に絞り込んで演習でき、間違えた問題の復習やランダム出題にも対応しています。このチートシートで要点を確認したうえで、ケンテイラボの330問で繰り返しアウトプットし、合格に必要な実力を確実に固めていきましょう。